マンション経営と聞くと、多額なお金が必要になったり、特別な経営スキルや資格が必要なのではないか…
と、少しハードルが高く感じてしまう人も多いでしょう。
しかし、マンション経営は初心者でも、会社に勤めながらでも、仕事の片手間でできる投資法で、資格やスキルなども必要ありません。
マンション経営で得られる家賃収入は「現状の副収入」としても「老後の年金を補う収入」としても有効な不労所得になるというメリットがあるのです。
当記事ではマンション経営をするメリットとデメリットや、マンション経営で成功するために押さえておきたいポイントを解説。
また、既にマンション経営をしており、法人化を考えている人に向けて「マンション経営で法人化するメリット・デメリット」も併せてご紹介しましょう。
目次
1. マンション経営をする8つのメリット
マンション経営には、主なメリットが9つもあります。
ただし、マンション経営を始めるだけで得られるメリットもあれば、しっかりと運用をしなければ得られないメリットもあるので、ポイントも併せてご紹介しましょう。
①安定した家賃収入が長期的に得られる
マンション経営の主なメリットとして「毎月安定した家賃収入を得続けられる」というものがあります。
マンション経営は、購入または建築した物件を賃貸して、入居者から家賃収入を得る投資方法。
家賃は契約書に契約中の家賃変更はないなどの記載があれば、入居者が退去しない限り毎月一定額です。
「長期的に安定した家賃収入」というメリットを得続けるためには、
入居者に住み続けてもらえて、仮に退去してもすぐに入居者があらわれるような物件を購入すること、維持することが必要になります。
よって立地の良いエリアの物件を選びをすることと、適切にメンテナンスすることがポイント。
立地の良いエリアの物件を選びについては「購入するマンション選びのポイント」で後述します。
②少額な費用で始めることができる(レバレッジを効かせることができる)
レバレッジとは簡単に言うと、ローンなどを使うことで、少ない自己資金で大きな利益を得ることです。
収入や勤務先などの属性が安定していれば、金融機関からの融資を受けてマンション経営を始めることができるため、
少額な自己資金でマンション経営を始めて、多額の資産を運用することが可能になります。
また、区分マンション1室に投資するのであれば、自己資金はそれほど必要ありません。
融資を利用すると当然月々の返済負担がありますが、家賃収入を返済にまわすことができるので、手持ちの資金を取り崩さずに返済できます。
③節税効果が見込める
マンション経営ではさまざまな節税効果が期待できます。
たとえば、マンション経営での赤字を給与所得や事業所得から差し引くことが可能です。
また、購入した物件の減価償却費を利用して赤字計上すれば、実際の収支がプラスでも税金を節約できるというメリットがあります。
また、マンション経営は相続税の節税としても有効。
現金を持っている場合と比べると、マンションを持っている場合は50~70%ほどまで評価額が下がるので、税金負担も減ります。
④インフレ対策になる
インフレとは、物価上昇により、現金の価値が下がってしまう状態のこと。
一方で、マンション経営の場合は、購入したマンションの資産価値がインフレにより大きく上昇した場合、家賃の引き上げが可能な場合もありますし、
売却を考える際も、高値で売却できるでしょう。
また収益が増えても、受けている融資が固定金利であればローンの返済額は増えないため収支的には大きなメリットとなるでしょう。
⑤生命保険代わりにもなる
住宅系の銀行ローンには、「団体信用生命保険」への加入が融資条件になるのが一般的です。
団体信用生命保険とは、契約者の死亡や高度障害の時(※特約によります)には、ローン残債を保険会社が支払ってくれるもの。
したがって、遺族がローンを支払い続けるといった事態もなくなり、遺族が家賃収入を得続けたり、売却したりして利益を得ることができます。
マンション経営で不動産を持つことは生命保険としてのメリットも大きいのです。
⑥老後の私的年金代わりになる
マンション経営は、先述の通り継続・安定した家賃収入を得ることができるため、老後対策としてもメリットのある投資方法です。
40代・50代からでも遅くない!
40代・50代からマンション経営を始める投資家も少なくありません。
中高年層の方であれば社会的な信用度も高くなるので、融資を受けるための属性も高くなります。
30%程度の自己資金があれば銀行融資も受けやすいでしょう。
ただし、スタートする年齢によっては返済期間が短くなるケースがあります。
返済完了年齢を80歳程度に設定している銀行が多いので、月々の返済額には注意してください。
⑦資産として残せる
銀行ローンの返済完了後、家族に賃貸マンションという資産を残せるのは大きなメリットでしょう。
また、マンション一棟を丸々購入した場合は、土地ごとあなたの所有物になります。
建物の老朽化で資産価値が低くなったとしても、土地の価値はずっとあるので、売却したり、建て直しをしたりとさまざまな用途に使えることができるのです。
⑧複数物件を所有することで分散投資ができる
マンションを複数戸所有することで、リスクを分散させて投資をすることができます。
複数戸というのは、同じ建物ではなく、エリアや物件の特徴などの条件を変えて、さまざまな物件でマンション経営をすること。
マンション1室ですと、仮に空室が発生したり、災害で建物が損壊を受けた際には家賃収入が0になってしまいますが、
複数戸所有することで、家賃収入が0になってしまうリスクを抑えることができるのです。
2. マンション経営をする7つのデメリット・リスク
マンション経営で大切なことは、あらかじめリスクやデメリットを確認しておくことです。
想定されるリスクやデメリットに対しての対応策を講じることができるかどうかが成功のカギになります。
そこで、代表的なリスクやデメリットを7つ紹介しましょう。
①マンション経営には初期費用と維持費用がかかる
マンション経営には、建物価格だけでなく初期費用や、維持費用(ランニングコスト)がかかる点は忘れないでください。
自己資金を全てローンの頭金とするのではなく、ランニングコストや突発的な修繕が発生した時のために分けておいたり、
家賃収入からローン返済分を引いた手残りが出た場合は、積み立てておくと安心でしょう。
マンション経営でかかる初期費用例 |
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マンション経営でかかるランニングコスト例 |
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②空室になって家賃収入が途絶えてしまうリスク
空室リスクは、マンション経営で最も危険なリスクといえます。
空室になると家賃収入を手にすることができないので収支のバランスが大きく崩れるでしょう。
またローンを利用していれば、さらに返済リスクも負うことになるのです。
空室リスクへの対策として立地の良いエリアを選択しましょう。
交通の便や近隣施設の充実度などが目安。
詳しくは「購入するマンション選びのポイント」で後述します。
③入居者に家賃を滞納されてしまうリスク
空室リスクであれば新しい入居者を募集すれば良いのですが、家賃を滞納されてしまった場合は新規募集をすることができません。
なぜなら、入居者は法律で保護されているので、滞納者であっても追い出すことは難しいからです。
マンション経営者にとっては非常に面倒なリスクといえます。
対策として入居時の連帯保証人などのチェックを厳しくしておくことです。
また、連帯保証人の代わりに保証会社を利用することも有効でしょう。
④物件の老朽化によるリスク
マンション経営でも、中古マンションを購入する場合は老朽化リスクに注意してください。
メンテナンス費用がかさんだり、適切な管理を行っていないと入居者が中々つかなくなり、家賃を下げざるを得ないこともあります。
メンテナンス費用がかさむ
当然のことながら、建物が古くなると様々なメンテナンスが必要になり、費用は通常すべてマンション経営者の負担に。
収支がマイナスになるようでは、マンション経営を計画通り進めることが難しくなります。
築古マンションを購入する時は、内覧で特に設備のメンテナンスで費用がかかりそうな箇所を確認しておきましょう。
家賃を下げなければいけない場合も
建物が経年劣化してくると、入居希望者も減ってくる場合が。
入居希望者が減った場合は、家賃を下げなければいけない場合もあるでしょう。
よって、家賃下落リスクが高くなることも想定して、事前にシミュレーションを練っておく必要があります。
⑤ローンを借りた当初より金利が上昇して返済額が高くなるリスク
マンション経営とは、長期に渡る投資なので、わずかな金利上昇でも支払総額にすると大きなデメリットになります。
現在は金融緩和による低金利政策が続いています。
低金利はマンション経営にとっても追い風です。しかし、低金利がいつまでも続くとは限りません。
金利タイプは、変動金利と固定金利に分かれます。
変動金利であれば景気の動向により金利が上下するのですが、固定金利であれば金利が動かないため、
金利上昇リスクに対しては、固定金利で対応することができます。
⑥自然災害が発生し、建物が損壊を受けるリスク
火災に対しては耐火構造にするなどの対策があるのですが、地震などの自然災害を避けることは難しいでしょう。
災害による倒壊があれば家賃収入は望めなくなり、復旧にも多大な費用が必要となります。
新耐震基準が施行された1981年6月1日以降に建築確認を受けた物件を選択してください。
またマンション経営では、地震保険への加入が鉄則。
また、複数の物件に投資するのであればエリアを変えるなどの分散投資をすると、災害リスク軽減にもつながるでしょう。
⑦売却したくても、すぐには売却ができない(流動性が低い)
株式投資などであれば、商品の現金化にさほど時間はかかりません。
しかしマンション経営では、物件を一度購入してしまうと、売却には最低でも3ヶ月~半年ほど期間を要します。
つまり、すぐに現金化することが難しいといえるでしょう。
立地の優れた物件であれば流動性は比較的良いといえますが、近々に現金が必要になるかどうかを確認しておきましょう。
購入時に売却のことまで考えるのがマンション経営のコツです。
3. メリットがあるからと油断しない!マンションで成功するために押さえておきたいポイント
メリットがたくさんあるからマンション経営をしよう!という安易な考えでマンション経営をするのはおすすめしません。
先述の通りマンション経営にはリスクもあるため、何も考えずにマンションを購入しただけではメリットが活かされないのです。
そこで、マンション経営で成功するために押さえておきたいポイントを紹介しましょう。
不動産投資を始める目的を決める
マンション経営では自分にとって有効なメリットを目標に投資計画を設定し、
計画達成のため事前にリスク対策を講じるという手法を取るのが成功のポイントです。
例えば、相続税対策のためにマンション経営をしたい人と、マンション経営だけで食べていけるようになりたいと考えている人では、
購入すべき物件・資金・期間などが変わってきます。
目的を決めて、その目的を軸に投資計画を練っていく必要があるのです。
知識を身につけ、情報を得る
マンション経営をする前に重要なのが、知識をつけて、情報を得ることです。
資格勉強など難しい知識をつけろというわけではなく、不動産投資についての一般的な知識をつけておくだけで、
- 優良物件は何かを見極めることができる
- 運営時のトラブルにも慌てなくて済む
- リスクに対する対策を練られるので損失が少なくて済む
など、さまざまなメリットが得られます。
なにも知らずにマンション経営を始めた場合と比べて数百万円も利益に差が出ることも。
インターネット・セミナー・本など、お金をあまりかけずとも不動産投資について学べる方法はたくさんあります。
MIRAIMOでも不動産投資の勉強会や個別相談などを無料で行っているのでお気軽にご利用ください。
信頼できる不動産会社を探す
不動産会社は信頼できるところを探しましょう。
必ずしも規模が大きい会社が良いというわけではありません。
マンション経営のことや、担当物件について詳しいことはもちろん、
自分の疑問や不安に丁寧に答えてくれるかや、メリットだけを並べるのではなく、リスクや対策法についても教えてくれるかなど、
マンション経営をしていくうえで、一緒になって考えてくれるようなパートナーとなるような不動産会社を選べると良いです。
購入物件を管理してくれる管理会社も同じ。
購入した不動産会社が管理を受け持ってくれる場合もありますが、ない場合は管理戸数などの実績、対応などを確認して、慎重に選びましょう。
資金計画はしっかりと立てる
マンション経営は、名の通り「経営」をするという意識を忘れず、購入から売却まで見据えた資金計画を立てることが重要です。
黒字で経営し続けていくために
- 自分の条件でどのぐらいの価格帯の物件を購入できるか
- 空室や修繕が発生した場合の必要資金はどう補うか
- もし家賃が下落したらどうなるか
- 売却はいつにするか、どのぐらいで売りたいのか
などの資金計画を練るのです。
数年に1度は計画を見直して、ブラッシュアップしていくことも必要でしょう。
資金計画の立て方が分からないという場合も、上述の信頼できる不動産会社の担当者に尋ねてみましょう。
購入するマンション選びのポイント
マンション経営の利益の要となるのが「家賃収入」。
家賃収入を得るためには、入居者に人気がある物件を選ばなければいけません。
マンション経営で最も重要とされる賃貸需要に注力したエリア選択を心がけるのです。
賃貸需要の有無が成功のキーワードになることを忘れないようにしましょう。
立地を確認する
マンション経営をする立地は非常に重要。
空室を極力低くしたいなら、首都圏(東京・横浜・埼玉・千葉)の、賃貸需要の高いエリアを選ぶと良いでしょう。
首都圏を選ぶ場合でも、賃貸需要はエリア毎にさまざまなので、賃貸需要の調査は欠かせません。
他にも、駅近(車移動が多いエリアでは幹線道路のそば)・周辺にスーパー・病院・教育施設など生活利便施設があるかどうかなどで、入居者のつきやすさも変わってきます。
ニーズにあったタイプのマンションを選ぶ
立地に合ったタイプ(間取り)のマンションを選びましょう。
例えば、ファミリーが多い立地なら、2LDK~3LDKといったファミリータイプの物件を購入するといった具合です。
購入を検討しているエリアのニーズ調査も重要でしょう。
中古か新築を選ぶポイント
マンション経営をするのであれば新築を対象にするのと中古を対象にするのとで、どちらが有利に運用することができるかというのは、
個人の目標・自己資金・年収などの諸条件によって変わってきます。
中古と新築のメリットデメリットを比較した上で、不動産会社や信頼できる人に相談することをおすすめします。
新築マンションのメリット |
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新築マンションのデメリット |
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中古マンションのメリット |
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中古マンションのデメリット |
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購入する物件は自分の目で確かめる
物件を購入する時には、必ず現地に足を運んで物件を確認してください。
天井・内外壁・床・水回り・電気部分などの共用部分の汚れが目立つ物件は避けたほうが無難でしょう。
また、修繕履歴などの確認も必要なのは言うまでもありません。
4. マンション経営で法人化・会社設立するメリット・デメリット
マンション経営をしている人には、個人経営の人が少なくありません。
しかし、なかには法人化してマンション経営をしている人もいます。
会社を設立してマンション経営をするメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。
マンション経営で法人化するメリット
①経費にできるものが増える
法人化することで、個人の場合と比べ計上できる経費が増えるのです。
法人であれば、個人が計上する経費はすべて計上することができますし、その他、給料や住宅費なども経費計上することができるのです。
また、保険料を計上する際、個人のように上限の設定はありません。
②所得税を減らせる
個人と法人では、課税する時に適用される税率が異なります。
個人に課せられる所得税と法人に課せられる法人税では、所得が900万円くらいになると法人税率のほうが低くなるのです。
したがって、所得を目安に法人化する人が少なくありません。
③譲渡税の優遇処置がある
不動産の譲渡所得税に使われる税率は、所有期間5年を境に短期譲渡所得と長期譲渡所得に分かれます。
個人の場合、短期譲渡所得であれば税率が高くなり不利になります。
しかし、法人の場合、短期譲渡所得であれば個人よりも税率が低くなるのです。
④赤字が繰り越しできる期間が長い
マンション経営で仮に赤字が出てしまった場合、マイナス分を給与など他の所得から差し引くことができます。
損失により所得がマイナスになれば、個人だと繰越は3年しか認められませんが、法人だと9年のあいだ繰越が認められるのです。
⑤相続時にトラブルになりにくい
個人の場合、相続時に遺産分割でトラブルになるケースが少なくありません。
しかし、法人化により会社設立時に資産を株式にして相続人を株主にすることで、相続時に手続きする必要がないのでトラブルになりにくいのです。
マンション経営で法人化するデメリット
①会社設立には費用が掛かる
会社設立には費用が必要です。株式会社であれば
- 定款認証手数料として5万円定款印紙代として4万円(電子認証であれば不要)
- その他謄本交付料
- 登記簿謄本
- 印鑑証明書
- 登録免許税
など最低でも15万円程度必要になります。
②赤字でも法人所得税は支払う
法人税は、会社の所得に応じて課税されます。同時に所得に応じた地方税も支払わなければなりません。
地方税には所得に応じた「所得割」と所得に拘わらず課税される「均等割」があります。
法人税が赤字であっても、均等割は支払わなければならないのです。
③相続税対策にならないこともある
会社が相続前3年以内に取得した不動産については、時価により評価することになります。
個人であれば不動産を取得した時に相続税評価額で評価できるので、会社が不動産を取得後すぐに相続すると不利になるのです。
④顧問料が掛かる
法人化によりメリットを得るためには、税金などの高度な専門知識が必要になるので、税理士に相談するのが一般的でしょう。
顧問料などの費用が必要になるので、法人化するにはメリットとデメリットを十分に比較検討しなければなりません。
5. マンション経営はメリットやデメリットを把握し、成功ポイントを押さえて始めよう!
マンション経営を始める前には、まずメリットとデメリットを把握することが大切で、メリットを活かすためには、デメリットを最小限に抑えることがポイントになります。
想定されるリスクは、あらかじめ対策を講じることで減らすことが可能です。
有効なリスク対策を講じるためには、プロの力を借りることも大切で、専門的なノウハウについてアドバイスを受けるのが効率的な方法と言えるでしょう。
そこでMIRAIMOでは、マンション経営に関する個別相談を随時開催しています。
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