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アパート経営の利益とキャッシュフローの違いを解説|儲かるアパート経営のコツ

近年は不動産投資ブームと言われており、低金利や相続対策を追い風に、

次から次へと賃貸アパートが建てられており、アパート経営で儲けることは難しくなりつつあります。

 

そのため、アパート経営で成功するためには、収益性が良く、資産価値の下がりにくい物件を選ぶことが重要です。

更に実際の経営においては、会計上の利益と手元に残るキャッシュフローの違いを知る必要があります。

 

アパート経営では会計上の利益はプラスでも実際にお金が残らないこともあり、仕組みを知らないと経営が破たんしてしまうことに。

今回は、アパート経営の利益とキャッシュフローの違いや、利益に対する支出の割合、アパート経営で利益を出すコツなどについてお話しします。

目次

1. アパート経営の利益とキャッシュフローの違いを知ろう

アパート経営の利益とキャッシュフローの違いを知ろう

アパート経営で成功するためには、会計上の利益とキャッシュフローの2つの数字の違いについて知っておく必要があります。

会計上の利益とは、家賃収入から運営費と固定資産税などを差し引いた金額で、

キャッシュフローとは、上記から更に税金やローンの元金分を引いた金額。

 

そのため、会計上では利益が出ていても、実際のアパート経営では税金を支払うとキャッシュフロー(現金)がないという状況に。

では、なぜアパート経営における会計上の利益とキャッシュフローには違いが出るのでしょうか?

アパート経営で出る利益はプラスになる事が多い

アパート経営において、会計上の利益は家賃収入から運営コスト、固定資産税を差し引いた金額。

一般的には、銀行へのローン返済以上の利益が出る物件を買うので、会計上の利益では、余程運営費がかからない限りはプラスになります。

会計上利益が出ない場合は、その物件の運営は将来的にもかなり厳しいと言えるでしょう。

利益がプラスであってもキャッシュフローがプラスとは限らない

アパート経営においては、会計上は利益が出ても、実際にはキャッシュフロー(現金)が手元に残らないといったケースも多いです。

キャッシュフローとは、銀行への返済も含めて、最終的に手元に残るお金のことで、会計上の利益からローン返済や所得税を引いて計算します。

 

そのため、利益よりローン返済が多い場合や利益がほとんど残らない場合は所得税を引くとマイナスになることに。

最終的にキャッシュフローがマイナスになると収益が悪化し、アパート経営に深刻な影響を与えることになりますので、毎月のキャッシュフローを考慮して銀行ローンを組む必要があります。

建築費が高騰している事によりアパート経営は儲からなくなってきている

最近では職人不足による人件費の高騰や資材の値上げにより建築費が高騰しています。

伴って、物件価格も値上がりしており、結果として銀行のローン金額が増えることに。

ローン金額が増えると毎月の返済額も増えてしまうので、結果としてキャッシュフローが悪くなり、アパート経営は儲からなくなってきています。

自己資金を多く持っている人や借り入れが無い人はアパート経営は儲かる

アパート経営で儲ける=キャッシュフローを確保するためには、毎月のローン返済の金額を抑えることが重要。

毎月のローン金額を抑えるには、頭金を多く入れる、現金で購入するといった方法があります。

現金を多く持っている人であれば、建築費が高騰して儲けるのが難しい言われる現在でも、問題なく儲けることができるでしょう。

2. アパート経営の利益からの支出は何%あるのか

アパート経営の利益からの支出は何%あるのか

アパート経営をする上で、減らしたいのが運営費。

運営費は、賃料収入から引かれるものなので、運営費が少なくなればなるほど当然キャッシュフローは増えます。

運営費には、共用部の光熱費・清掃費・建物メンテナンス費用・管理委託料・固定資産税や都市計画税などがあり、アパートの場合は賃料収入の15%程度。

他にも、退去後の原状回復費用、広告料や設備の故障などの修繕費なども必要で、運営費と合わせると賃料収入の30%程度になります。

 

また、会計上の利益から差し引きできるものとして、減価償却費があります。

減価償却費とはいったいどういったものなのでしょうか?

利益を出すために重要な減価償却費とは?

減価償却費は、アパートなどの建物や設備など長期間に渡って利用するために購入したものを資産として計上し、耐用年数を元に毎期一定の金額を費用として計上できる金額。

実際にはお金を支払うわけではありませんが、利益から差し引くことができるので、節税効果があります。

減価償却費は築年数がたつにつれて節税効果が低くなる

減価償却費は、建物の構造や設備ごとに法定耐用年数が違うため、それぞれ減価償却費を計上できる期間が変わります。

例えば、木造建築の場合は耐用年数22年、設備は概ね15年。

そのため、新築でアパートを購入した場合だと15年を過ぎると設備の減価償却が終わるので、

その時点で減価償却費は大きく減るので節税効果は低くなり、22年で建物の減価償却が終わると節税効果はほとんど無くなります。

関連記事不動産投資における減価償却の仕組みを解説|節税のワケはここにあった!

2023.08.15

3. アパート経営で利益を出すコツ

アパート経営で利益を出すコツ

では、アパート経営で儲けるにはどうすればいいのでしょうか。

アパート経営で儲かるにはキャッシュフローを増やす必要があります。

キャッシュフローを増やすには、借入金を減らす以外に、運営費を減らすという方法があります。

運営費を減らすにはどうすればよいのでしょうか?

サブリースはしないほうが良い?!

サブリースは賃料保証してくれるので、ローン返済を気にしなくていいので、サラリーマン大家や高齢者のオーナーに人気。

しかし、サブリースをすると本来入ってくる賃料からサブリース会社への委託費用が引かれます。

サブリース会社の費用は、設定家賃の10%~15%程度。

サブリースはしなければ収入は10%~15%増えると考えると、サブリースは一度考え直した方がよいのではないでしょうか。

アパートの管理を他人に任せず自分で管理する

アパート経営でかかる運営費のうち大きな割合を占めるのが管理委託料。

一般的な管理委託の場合の管理委託料は、賃料収入の3%~7%程度。

アパートの管理を他人に任せずに自主管理すれば、管理委託料分が自分のものに。

時間に余裕のある人であれば、自主管理を考えても良いかもしれません。

自己資金を出来る限り用意しておく

アパート経営するにあたって、借入金が多いとキャッシュフローが少なくなるのでどうしてもリスクは高くなることに。

しかし、反対に自己資金でアパートを購入するとリスクはほとんどありませんので確実に儲けることができます。

アパート経営を始める際には、自己資金を出来るだけ用意しておきましょう。

4. アパート経営のキャッシュフローはどのように計算するのか?

アパート経営のキャッシュフローはどのように計算するのか?

アパート経営において、会計上の利益が出ていてもキャッシュフローがなく、手元にお金が残らないと儲かった気がしません。

キャッシュフローは会計上の利益から借入金の返済額を差し引いて計算するので、

借入金が大きい場合は毎月の返済額が増え、その分キャッシュフローが少なくなります。

 

「では、借入金を減らせばいいのでは?」と思われるかもしれませんが、現在は建築費の高騰など物件価格が高いので難しいでしょう。

では、キャッシュフローが少ないままアパート経営するリスクはないのでしょうか?

借入金が大きい程キャッシュフローが少なくなる

キャッシュフローは下記のように計算されます。

借入金が無い場合 会計上の利益=キャッシュフロー

借入金がある場合 会計上の利益-毎月の返済額=キャッシュフロー

借入金がある場合は、借入金が大きいほど毎月の返済額が増えるため、キャッシュフローが少なくなります。

現在借入金の額が増えている理由とは?

では、なぜ借入金の額が増えているのでしょうか。

一番の原因は、建築費や人件費の高騰による物件価格の上昇。

借入金は物件価格の70%~100%程度で融資されるため、物件価格が上昇すると必然的に借入金の額が増えます。

キャッシュフローがぎりぎりの状態でアパートを経営するのは危険

建築費の高騰など借入金の額が増えることでキャッシュフローがぎりぎりの状態の大家さんも多いと思います。

しかし、キャッシュフローがぎりぎりの状態だと、退去が複数出たり、設備の故障で大きな費用がいるなど何かあればすぐに経営が傾くことに。

昨今のアパート経営で儲からないと感じる大家さんが多いのは、キャッシュフローが少ないことが原因なのです。

5. アパートの築年数が古くなると利益を出すことは厳しくなってくる

アパートの築年数が古くなると利益を出すことは厳しくなってくる

アパートにおいては、耐用年数の長い新築や築浅の方が減価償却期間が長く取れるので節税効果は高いと言えます。

逆に言うと、築年数が古くなると耐用年数が短くなるので減価償却費は減ることになります。

 

そうなると同じ利益なら減価償却費の少ない築年数の古いアパートの方が税金の負担が増え、

銀行から借り入れする場合も築年数が古いと融資期間が短くなり、1か月の返済金額が増えることに。

アパート経営では、築年数が古くなると会計上の利益は増えますが、キャッシュフローは厳しくなっていきます。

毎月の借入金の返済額が大きい程キャッシュフローが少なくなる

銀行のローン審査において、融資期間は建物の耐用年数に比例するケースが多く、築年数が古くなるとそれだけ融資期間が短くなります。

そうなると毎月の借入金の返済額が増えることに。

アパート経営において、キャッシュフローは会計上の利益から借入金を差し引くので、借入金の返済額が大きい程キャッシュフローは少なくなります。

築年数が進むにつれて利益が増えて、税金の負担額も増えてしまう

築年数が進むと減価償却費が減り、ローン返済は元利均等方式だと元本返済が増えて金利が減ります。

会計上の利益から差し引ける費用が減ることで、利益が増えて税金の負担額が増えることに。

少ないキャッシュフローでアパート経営をするのはリスクが高く、

退去者が増えて空室が増えたり、金利の上昇があるとマイナスが増えて経営が破たんしてしまうこともあります。

6. アパート経営で利益が出ず失敗してしまうパターンとは

アパート経営で利益が出ず失敗してしまうパターンとは

アパート経営で儲からない原因のひとつはキャッシュフローが少ないことですが、アパート経営で失敗するケースは他にも色々とあります。

アパート経営を始める前に、どんな失敗のケースがあるか知っておくだけで有利に経営を運ぶことができるでしょう。

では、アパート経営で失敗するのはどんな時でしょうか?

アパートを建築するのをすべて業者任せにしている

アパート経営は初めてだからといって、すべて業者さんに任せてしまう人も多いはず。

アパート建築は、大手ハウスメーカーに任せておけば安心だと思われるかもしれません。

 

確かに大手ハウスメーカーの場合は、部材を大量生産することでコスト削減し、短納期、高品質のアパートを建築します。

しかし、どれも同じような画一的な建物になり、間取り内装など平凡になりがち。

また、ワンルーム向けの立地にも拘わらず、ワンルームの方が建築コストがかかるのでファミリータイプを提案してくることもあります。

 

すべてを業者任せにしてしまうとハウスメーカーの儲かるような提案をされ、オーナーは儲からないケースがほとんど。

アパート経営で失敗しないためには、建築する前に最寄りの不動産業者に建築する土地にはどういった企画が向いているかなどヒアリングするといいでしょう。

自己資金がほとんどないまま不動産投資を始めている

自己資金100万円でアパートの大家さんになれるといった広告を目にすることがあると思います。

物件価格分のフルローンを使えば、あまり自己資金がなくてもアパートのオーナーになることは可能。

 

しかし、フルローン=借入金が大きくなるので当然キャッシュフローは悪くなります。

さらに、自己資金がないので賃料収入が減ったり、修繕費用などがかかるとすぐに赤字に転落することになり、

フルローンでアパートを買うのはリスクが高いと言えるでしょう。

借入金で土地からすべて購入するとキャッシュフローが悪くなる

はじめから相続などで土地を持っている場合は、建物の費用だけなので借入金は少なく、キャッシュフローの多いアパート経営が可能です。

しかし、実際は土地を持っているケースの方が少なく、建売業者が建てる土地付きアパートを購入するケースが増えています。

 

その場合は、土地と建物の合計金額を借り入れしないといけないので借入金が大幅に増えることに。

土地からすべて借入金で購入すると毎月の返済額が増えるので、土地を持っているケースに比べるとキャッシュフローは悪くなります。

7. アパート経営では利益だけ見るのではなく、キャッシュフロー考えよう

アパート経営で失敗するケースの多くは、借入金が多くキャッシュフローが少なくなってしまい、空室や修繕費で費用がかさんでローン返済ができなくなるケース。

会計上は利益が上がっていても、キャッシュフローが十分ないとアパート経営は儲かりません。

アパート経営を始める際には利益だけを見るのではなく、できるだけ自己資金を多く持って借入金を減らし、

キャッシュフローを考えた上で投資することが重要です。

初心者のうちは、区分マンションなどで堅実にキャッシュフローを増やしてからアパート経営を行うというのがおすすめです。

 

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