不動産投資で法人化するポイントと10個のメリット|会社設立は難しくない

不動産投資ではお金を稼ぐことと同じくらい税金対策が重要です。

たとえばサラリーマン投資家が不動産投資で手に入れた利益と給料を合わせた収入が所得税の最高税率に達してしまう場合、対策をしなければ約半分が税金で取られてしまいます。

これではいくら稼いでも手元にお金が残りません。対策がきちんとできれば、税金として取られてしまうお金を手元に残すこともできるのです。

その方法の一つが法人化…なんと、会社を設立してしまうことです。この記事では不動産投資の法人化に関してお伝えしていきます。

不動産投資で法人化を考えている方のお役に立てれば幸いです。

1. 不動産投資での法人化は節税につながる

日本の個人にかかる税金は累進課税です。個人所得が増えるとかかる税率は高くなります。

ですが逆に法人に対する課税は低いのが日本の現状です。

ということは簡単に言えば、「不動産投資を法人化することにより、個人で不動産収入を得るよりも税金を抑えられる」ということです。

この節税こそが不動産投資で法人化をする最大のメリットなのです。

2 法人化を考えるタイミング

法人化を行うタイミングは人によって様々です。

下記を参考に、あなたの属性や現状を確認して法人化すべきか考えましょう。

2-1.個人所得税率を考えて初めから法人化する

もし、不動産投資をこれから始めようと考えている方は、ご自身の所得によっては初めから法人化したほうが良い場合があります。

個人の所得が800万円を超えている場合

まずは下記の図を見て見ましょう。

所得金額に対する課税額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超え 45% 4,796,000円

[平成29年4月1日現在法令等] 国税庁HP(https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm)より

これに住民税10%がかかりますので個人の支払う所得税・住民税の合計最高税率は55%となります。

個人所得が800万円を超えると、所得税・住民税を合わせて33%の税金を支払うことになります。これは法人税の最大税率と近い数値です。

また、法人で運営した場合は、個人に比べ経費として計上できる項目が多いです。それを考慮した結果、まだ不動産投資を始めていない場合は法人化を利用して始めることで節税のメリットを受けることができます。

※法人税率は下記参照

法人所得にかかる税率 改正前 改正後
中小法人 平成28年度 平成29年度以降 平成28年度 平成29年度 平成30年度
年400万円以下の金額 21.24% 25.90% 21.42% 25.99% 25.99%
年400万円超
年800万円以下の金額
23.20% 27.58% 23.20% 27.57% 27.57%
年800万円超の金額 34.33% 33.80% 33.59%

また、法人に対する税率は今後も下がる傾向にあります。

これから始める不動産投資で複数物件を保有し収益を増やしていきたいと考えている方は、不動産投資を始めるタイミングで法人化することをおすすめします。

2-2.不動産所得を考えて法人化する

こちらはすでに不動産投資を始めていて、なおかつサラリーマン大家さんの場合です。サラリーマン大家さんは家賃収入とは別に本業の収入があるはずです。こちらの収入と家賃収入は、合算されて支払う税率が決められます。

ですので、合計所得(給与・不動産)金額が800万円を超えてくるようであれば、法人化を考えるポイントになります。

2-3.物件を増やすため銀行融資を考えて法人化する

新設法人での融資は法人=個人として融資を決める場合が多いので、一概に法人が得であるとはいいがたいですが、

法人化してきちんと収益を出していれば金融機関からの信用度は高くなります。銀行は事業として成り立っていて融資したお金がきちんと返済されるかを重要視しています。

2-4.生前贈与に近い!?相続税対策にもなる法人化

相続税は現金をそのまま相続するよりも不動産として相続するほうが税率が低くなります。

もし法人化した状態で相続が発生すると、会社の仕組みを利用した財産移転をすることによって、相続税だけでなく贈与税までカットすることが可能となるのです。

また、妻や子供を役員にして不動産で得られる所得を役員報酬として支払うことで、実質的に生前から資産の分配ができます。もしも相続税の納税でお金が必要になったときの備えとすることもできるのです。

3 不動産投資で法人化する10のメリット

法人化するメリットを具体的に解説していきます。

3-1. 所得税でかかる最大税率よりも法人税率のほうが低い

これは2−1でも説明した通り、個人での所得が増えると所得税が最大45%(住民税と合わせると最大55%)と収入として得た金額の半分近くを税金として収める必要が出てきてしまいます。

不動産収入を法人で受け取ることによって最大税率を約34%まで抑えることができます。

3-2. 所得を分散することができる

不動産投資で法人化すると、役員や社員への給与を経費として計上することができます。個人で不動産投資をする場合では、給与所得控除を受けることはできません。法人化することで、他に給与所得を持たない妻や子供などといった親族を役員や社員にし、不動産所得を分散して課税対象額を少なくすると、個人で不動産所得を得た場合よりも税率を下げることができます。

ですが注意するべき点もあります。1人の役員に高額報酬を支払ってしてしまうと、個人にかかる税率は高い累進課税方式ですので、結果として支払う税金が増えてしまうこともあります。

その場合は「退職金」として積み立てておくほうが税制も優遇されるのでオススメです。

 

3-3. 配偶者を社長にすることで、勤め先の副業規定を破ることなく事業を行うことができる

本業の仕事がある方は、積極的に自身の法人を設立することが難しい場合が多いでしょう。そこで配偶者を社長にして法人を設立する方法があります。

配偶者が設立した会社であれば、あなたの本業に支障をきたすことなく、不動産投資で法人化することが可能です。

3-4. 給与所得控除をすることができる

サラリーマンなど会社で働いている給与所得者は、給与という収入に対して給与所得控除が認められています。仕事をしていく上でかかるであろうと予測される経費を概算経費として控除する制度です。個人で不動産を所有した場合、収益の全てに税金がかかってきてしまいます。

しかし法人を設立して社長自身に給与を支払うことで給与所得控除分の課税所得を圧縮することができるのです。結果として節税というメリットが得られるのです。

3-5. 損益通算年数が法人の場合は9年ある

不動産経営で赤字が発生した場合は、それを繰り越すことができ、翌年以降の所得や利益との相殺が可能となります。

個人では3年間と決まっていますが、法人だと9年間も欠損金を繰越控除することができるのです。

3-6. 法人化することで生命保険を全額経費にできる場合がある

個人の生命保険控除はどんなに高額な保険料を支払っていようと、年間最大12万円までしか控除になりません。ですが法人はこうした制限がないのです。

小規模企業共済には法人役員も個人も入ることができて、全額を経費にすることができます。(専業の不動産投資家のみ)

3-7. 退職金を経費として計上することができる

個人で不動産投資を行う場合は「退職」という考え方がないため、退職金を経費として計上することができません。

ですが法人では可能となります。退職金は所得税の面でも優遇されます。
法人の退職金には、退職所得控除という給与所得とは異なる控除額が設定されています。勤続年数等によって控除される額が変わってきます。

3-8. 短期売却のキャピタルゲインを検討するなら法人が有利

個人で所有している不動産を売却しようと考えたとき、保有期間が5年未満(短期保有)の場合譲渡所得税が約40%かかります。

5年超保有後の場合は約20%の贈与所得税がかかります。個人が支払う譲渡所得税はその他の所得と別に算出されるため、他の所得が赤字の場合でも、決められたの譲渡所得税を納付する必要があります。

法人の場合では不動産を売却した利益にかかる譲渡所得税が別で計算にされることはありません。譲渡所得はその他の所得と同じ扱いになるので、上記の表から算出される法人税の最高税率は34.33%となります。

よって短期所有で譲渡する場合においては法人の方がかかる税率が低く得をします。ですが長期保有後の譲渡になると個人のほうがかかる税率が低くなります。

3-9. 決算月を変えることが出来る

決算期はいつでもかまわないのですが、決算見込みの精度が高くなる6月末や12月末が良いでしょう。役員に支払う報酬による節税のコントロールがしやすいからです。

3-10. 減価償却費の計上がいつでもできて次の融資対策になる

個人で不動産投資を行っている場合の減価償却費は、毎年一定の金額強制的に経費計上されますが、

法人化によって好きなときに好きなだけ経費計上することが可能に。

利益が多いときは決められた範囲内で多めに計上・少ないときは計上しないということもできます。

帳簿上の収支のバランスが取れることによって、次に銀行に融資を打診するときに有利になります。

4. 法人化した場合の3つのデメリット

メリットばかりに感じる法人化ですが、デメリットもあります。きちんと理解して法人化を検討しましょう。

4-1. 設立費用がかかる

法人を設立するには費用がかかります。登記費用が約25万〜30万程度必要になります。

また1年間の税理士費用(顧問・決算申告)が約40万程度かかります。注意するべきは不動産を取得してから法人化するときです。

個人から法人への資産移転には、通常の売買と同じように不動産取得税・登記費用が必要になります。この費用を個人で支払います。また法人へ資産移転するときにも支払うことになるのです。

4-2. 赤字でも年間7万円の税金が発生する

法人では年間の収益が赤字の場合でも、最低年7万円を支払わなければなりません。これは法人住民税の均等割という税金です。利益が出ていなくても必ず支払わなければならないのです。

4-3. 運営費(税理士との契約など)が必要になる

法人化することで毎年会社の決算を行い、法人税申告書を作成する必要があります。

法人税申告書の作成するのは確定申告書の作成よりも複雑なので、通常は税理士さんに決算や作業を代行してもらうことが一般的です。作業負担が大きくなることから税理士への報酬も個人事業主が確定申告時に依頼するより高額になります。税理士への報酬は年間で30万〜40円以上の費用がかかると思っていたほうがよいでしょう。

5. 会社設立の流れ

会社設立の流れを簡単に説明します。

サラリーマンの方など、一人で行うのはかなり大変です。

ですが、行政書士に任せて会社設立をしてもらうことが可能です。印鑑を用意してすべてお任せすればよいのです。

多少費用はかかりますが、複雑な業務を担ってくれますので、行政書士さんにお願いすることをお勧めします。

6. 税理士への相談を忘れない

法人化をする場合、個人の判断だけでは難しい部分があります。

法人化したい場合は一度税理士に相談しましょう。法人化した場合のメリット・デメリットをきちんと確認し、計画を立てた上で始めることが大切です。

7. 不動産投資で収入800万円を超えたら法人化を検討しよう

不動産投資を法人化して運営していくことは、数多くのメリットがあります。

ですが、安易に法人化すればいいというわけではありません。節税できる項目が増えるということは、それだけ管理する項目が増えるということです。

税理士・行政書士など複数の方の力を借りるとそれなりにお金がかかります。

本当に法人化することで費用対効果を得られるのかを考え、税理士に相談のうえ法人化を検討しましょう。

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