不動産投資で恐ろしいのが「災害リスク」。
日本は地震大国とも呼ばれており、なかなか災害を避けることは難しいのが実情…。
ただ、地盤の強い地域を選んで不動産投資を行うことで災害リスクはぐんと低くなります。
上の記事では地名別・東京都全体で災害に強い街を考察しましたが、
当記事では、東京23区に絞った災害に強い街や防災に向けて区が取り組んでいることについて解説します。
東京23区で不動産投資を検討している方は参考にしてください。
目次
1. 災害に強い街は東京23区のココ!|地盤リスクが低い区ランキングTOP3
東京23区で災害に強い街(地盤の強い区)をピックアップしました。
台地の上にある豊島区・杉並区・練馬区がトップ3に並んでいます。
データ参考は地盤ネットが2023年9月に発表した「東京都市区町村いい地盤ランキング」です。
3位|豊島区
豊島区は東京都区市町村ランキングでは点数が74.90で28位。
区内ほぼ全域が台地に位置しています。
海抜高度も高く起伏も少ないため、住宅を建てるのに適している地盤が多いのが特徴。
特に住宅地盤として良好なのが
- 要町1丁目
- 雑司が谷1丁目
とされています。
2位|杉並区
杉並区は東京都区市町村ランキングでは点数が77.32で23位。
武蔵野台地の中央にあるため、区のほぼ全域が台地になっています。
神田川・妙正寺側・善福寺側に沿って大小の谷地も分布。
豊島区と同じく強度の強い住宅地盤が多いエリアです。
特に住宅地盤として良好なのが
- 今川3丁目
- 宮前1丁目
とされています。
1位|練馬区
東京23区で1位なのが練馬区。東京都区市町村ランキングでは点数が80.59で16位。
練馬区も杉並区と同じく、武蔵野台地(中央北)にあり、住宅地盤として良好なエリアとなっています。
石神井川・白子川などで削られた大小の谷地も。
特に住宅地盤として良好なのが
- 大泉学園4丁目
- 石神井台2丁目
とされています。
データ参照元:ジオテック株式会社 市区町村別地盤解説
地盤ネットのランキングは、そのエリアでの災害の起きやすさは考慮されていません。
さらに同じ区内でも地盤の強いエリア、弱いエリアに分かれます。
投資物件を購入する際はどの区を選ぶにせよ、川沿いや地盤の弱い地域は避けたり、実際にエリア調査をしたりと念入りに行いましょう。
2. 東京23区で地震リスクが高い地域ランキングTOP3
地盤の強い区をご紹介しましたが、逆に東京23区で地震リスクが高いのはどのエリアなのでしょうか?
東京都都市整備局が発表している「地震に関する地域危険度測定調査」(平成30年2月)を基にご紹介します。
危険性は地震の揺れによる建物倒壊危険度・火災危険度・総合危険度を数値化したもの。
TOP3に並んだのは
- 墨田区
- 足立区
- 荒川区
となりました。
危険度の低い順から1~5でランク付けしてあります。
3位|墨田区
墨田区は東京都区市町村の地盤ランキングでは点数が45.66で51位。
ほぼ全域が沖積低地となっており、砂でできた層が多いため、地盤が比較的緩い箇所とされています。
墨田区内でも、総合危険度が低いエリアもたくさんあり、
吾妻橋・石原・亀沢・江東橋・太平・立川・千歳・業平・両国などは総合危険度が1となっています。
2位|足立区
足立区は東京都区市町村の地盤ランキングでは点数が52.31で47位。
足立区も墨田区と同じくほぼ全域が沖積低地と微高地となっています。
地盤の問題というよりは、木造住宅が密集し、狭い道が多いエリアであることが起因して、総合危険度が高いエリアが目立ちました。
特に危険度が高いのは千住・本木・日ノ出町・西新井本町。
逆に総合危険度が1のエリアは皿沼・鹿浜・竹の塚・入谷となっています。
1位|江東区
江東区は東京都区市町村の地盤ランキングでは点数が43.82の53位で最下位。
江東区も上記と同じく沖積低地で、南側の大部分が人口埋立地です。
2011年3月に発生した東日本大震災では実際に江東区で液状化現象が起きています。
総合危険度が5を示していたのは以下のエリアです。
- 大島7丁目
- 亀戸5丁目
- 北砂3丁目
- 北砂4丁目
- 北砂6丁目
一方で以下のように危険度が1のエリアも多く、やはり同じ区内でもエリアによって災害危険度のバラつきがあることがよく分かる結果となっています。
- 有明
- 亀戸
- 木場
- 清澄
- 新木場
- 辰巳
- 夢の島
- 青海
など
地盤が弱い・木造住宅が多く、火災時の延焼リスクが高いなどの理由で災害リスクが高いとされる3区をピックアップしましたが、
不動産投資を検討している場合は、災害に強い街だからといって必ずしも賃貸需要に直結するとは限りませんし、
弱いとされている街でもエリアを見極めて物件を購入することで災害リスクを抑えることができます。
3. 防災に向けた23区の取り組みをピックアップ
東京23区で不動産投資をするなら災害への対策は必要不可欠と言えますが、自治体でなされている災害対策はあるのでしょうか?
本項ではいくつかの区の防災への取り組みをピックアップしました。
中野区|街頭消火器拡充
中野区では「火災を防ぐためには初期の段階で消化することが大切」と考え、
25世帯に1本の割合で街灯消火器を設置。
万が一火災が発生して消火器を使用しても、消化の薬剤を区が無償で補充してくれるため、区民の負担を減らし、迅速な消火活動を促しています。
荒川区|自主防災組織の充実
荒川区では自主防災組織の充実化を図っています。
- 防災意識の啓発や防災訓練を実施する「防災区民組織」
- 地震による火災に備えた一般区民による「区民消火隊」
- 災害時に高齢者や障がい者等をおんぶしてでも救出する「災害要援護者避難援助体制(おんぶ作戦)」
- 災害時に区民自らの手で救出・救護をするための「区民レスキュー隊」
など、荒川区内で多くの組織が発足されており、住民内での防災意識が高まっているのです。
参考:荒川区 自主防災組織
板橋区|行き止まり道路の緊急避難路整備事業
板橋区で実施されているのは、災害時に避難するための「行き止まり道路を緊急時のみ通り抜けられるようにする」事業。
行き止まり道路に面している場所の住民が安全に避難できるような整備を行っています。
例えば、
- 避難の支障となる植栽の移設
- 門扉などの設置
- 緊急避難路の指示を兼ねた消火器ボックス
- 段差解消のためのステップ・はしご
などです。
品川区|品川シェルター
品川区が支援しているのが、主に高齢者世帯などを対象にした「品川シェルター」の設置。
地震に対する備えとして品川区が大学・区内の工務店と共同開発したもの。
昭和56年5月31日以前に建てられた木造住宅に居住している方で、
条件を満たす場合に50万円を上限額とした助成金を出し、防災シェルターの設置を支援しています。
参考:品川区 品川シェルター
4. 不動産購入前にチェック!災害に強い街を探すのに役立つツールを紹介
自分が住む家、不動産投資用の物件どちらにせよ、災害に強い街を選ぶことは安心につながるでしょう。
そこで本項では手軽に、インターネット上で災害に強い街を探せるサイトをご紹介します。
購入物件のエリア選定にご活用ください。
ハザードマップ
ハザードマップは過去の災害データをもとに、洪水や津波などの自然災害が起こった場合の避難場所、被害予想区域や被害の程度を地図に表し、わかりやすく色分けしたもの。
国土交通省が運営しているハザードマップポータルサイトでは全国の市区町村毎のハザードマップを見ることができます。
地盤サポートマップ
ジャパンホームシールド株式会社が発表している地盤サポートマップでは、全国の都道府県の地盤の強さをビジュアル化したマップを作成しており、
住所・地形・地質・標高などの詳しい情報をレポートでPDFとして出力することも可能。
スマホアプリも公開されています。
参考:地盤サポートマップ
5. 防災リスクを避けるため「災害に強い街」の調査を忘れずに!
東京23区は不動産投資において魅力的と言えますが、エリアによっては災害リスクが高いところもあるので、あらかじめ調査しておくことが必要不可欠と言えるでしょう。
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