日本の不動産投資市場において、海外投資家による海外マネー流入が続いています。
2023年に東京オリンピックが開催されることもありますが、海外投資家にとって日本は、為替や利回りなどを考慮すればまだまだ割安感が強く魅力的な市場なのです。
今回の記事では、なぜ日本の不動産投資市場は海外投資家に人気が高いのか、その理由を解説します。
目次
1. 海外よりも日本の不動産投資のほうが人気?
近年、東京都心部や湾岸エリアなどを中心した日本国内の不動産が海外投資家に注目されています。
彼らの多くは、中国・香港・台湾・シンガポールなどのアジア圏の投資家。
中でも、富裕層の投資家に日本の不動産は人気であり、その対象は居住用物件に留まりません。
物流施設や老人ホームなど、その種類は多岐にわたっており、長期的な投資スタンスを持って日本の不動産投資市場を狙っています。
2. 日本の不動産投資市場の人気が高まっている理由6つ
では、海外より日本の不動産投資市場に人気が集まっているのは何故なのでしょうか?
①割安で物件を購入出来る
海外投資家が日本の不動産を購入する際に重要視するのが「為替相場」です。
2011年に75円台であったドル円はその後、デフレと行き過ぎた円高を是正すべく金融緩和を行ったことにより、一時125円まで円安になりました。
ここ1年くらいは緩やかな円高基調ではあるものの、110円前後と円安状態をキープしています。
海外投資家にとって、現在の円安は大きなチャンス。
円安の分、割安に日本の不動産を購入できるため、日本に投資しやすい環境が続いているのです。
②利回りが高い
日本の不動産物件は、売却益を得る「キャピタルゲイン」は望みにくい状況ではあるものの、
賃料収入により利益を確保する「インカムゲイン」は安定しているのが特徴。
海外投資家からすると、日本の不動産投資の利回りは首都圏でも4%程度と、とても魅力的です。
海外の不動産の中には利回りが金利と同水準の国が存在しており、そんな国では不動産投資は成り立ちません。
また、日本の住宅購入価格は年収の5倍程度とされていますが、例えば台湾では年収の16倍程度とのこと。
これほど不動産価格が物価水準とかけ離れていると、高い利回りはほとんど望めません。
日本の不動産投資家は4%程度の利回りでは満足しないかもしれませんが、利回りの低い国の投資家からすれば、日本の不動産投資市場は魅力あるマーケットなのです。
③政治的に安定している
海外投資家が日本の不動産投資市場に興味を示す理由のひとつが、安定した政権運営が行なわれていること。
アメリカでは、トランプ大統領による政策が安定的に行なわれるか未知数ですし、
ヨーロッパではイギリスのEU離脱による影響も計り知れません。
一方日本においては、自民党が安定した長期政権を運営しており、政策の急転換はありえない状況です。
海外投資家は、対象国の政治や経済や社会環境の変化などによるリスク「カントリーリスク」を嫌います。
OECDが発表している国別のカントリーリスクは、アジア圏の国では日本とシンガポールだけがAランクに認定されており、
不動産価値が急激に下がることはないと海外投資家が予想するのは、当然のことと言えるでしょう。
政治的に安定している日本に投資することは、海外投資家には大きなメリットがあるのです。
④他の国と比較して治安が良い
海外投資家は、治安の良い日本で不動産投資を行うことに大きなメリットを感じています。
日本はテロや戦争が起こるリスクが極めて低く、民族間の対立などもないことから、全世界の中でも治安の良い国として認知されているのです。
このことは、中長期に渡って不動産を所有する上でとても重要であり、海外投資家が日本の不動産に投資する理由のひとつとなっています。
⑤オリンピック前での好景気
通常、オリンピックが行われる国は好景気になりやすく、2023年に東京オリンピックを控えている日本においても不動産価格の上昇が期待されています。
実際に現在の景気は、高度成長期の「いざなぎ景気」を超えて戦後2番目の景気回復の長さであると正式に認定されています。
つまり、物件によってはキャピタルゲインも狙える状況であり、不動産投資市場はさらなる海外マネーの流入も期待できる市場であると言えるでしょう。
⑥居住先として人気がある
世界的な大都市である東京に、古来から存在するお寺や寺院が現存している姿は、
「世界の最先端の国ながら伝統や歴史を重んじる国」として外国人に人気があります。
また、医療の質が高い・食が豊か・治安が良くて清潔な国だと世界的に広く知られており、日本に居住先を求めて物件を購入する外国人も多いのです。
3. 日本と海外不動産投資の違いとは?
上記でご説明したように、日本の不動産投資ではアメリカ・香港・シンガポールなどの不動産と比べ、円高の影響により割安に購入できるために高い利回りが期待できます。
さらに、下記の違いがあります。
- 海外では物件検索ポータルサイトがなく、情報収集が難しい
- 日本のように不動産投資するサラリーマンに銀行が融資する仕組みが海外にはない
- 海外では不動産情報サイトが少ないため、良い管理会社を見つけることが困難
不動産投資を行う際、情報収集の容易さにおいては日本はどの国より優れています。
また、海外では日本のように不動産投資を行う人に多額の資金を融資してくれる仕組みは存在しません。
ましてや、自己資金の少ないサラリーマンに融資することはなく、海外で不動産を行いたい場合には豊富な資金が必要になります。
4. 海外で不動産投資をすることによるメリット
海外で不動産投資を行う際のメリットを確認しておきましょう。
不動産に対する将来性が高い
海外で不動産投資を行う際の目的は主にキャピタルゲインです。
特に今後の経済成長が見込める東南アジアでは、物価の上昇に伴い不動産価格の上層も期待できるでしょう。
例えば、IMFが2024年に発表したGDP成長率の見通しは、フィリピン6.7%・インドネシア5.3%・タイ3.5%と、日本の1.2%と比較して軒並み数倍です。
維持費・税制面は投資先によっては優遇される
投資する国によっては土地に対しての建物比率が日本と比較して高いため、減価償却費が大きいのが特徴です。
また、築年数の経過による建物価値が目減りする度合いも、国によっては日本のようには下がらないために維持費を抑えられ大きな節税効果が期待できます。
利回りの上昇が期待できる
日本では不動産の需給バランスが安定しているので、極端に高い利回りは期待できません。
しかしながら、東南アジアなどの新興国では多くの未開発地域が残っており、賃貸や不動産の需要が今後も拡大されるでしょう。
さらに、経済成長による物価上昇によって家賃の値上がりも見込めるため、高い利回りを期待できます。
節税効果が高い
海外で不動産投資を行った際に得た所得は海外の現地で税金を納めると同時に、国内でも確定申告が必要です。
しかし、海外で納めた税金を国内での確定申告時に控除できる「二国間租税条約」によって、二重課税を防げます。
国内で申告する際、海外で得た所得が控除されるのです。
日本は、ほとんどの国と二国間租税条約を結んでいますが、国交がない一部の国では締結されていません。
また減価償却費の他、修繕費や設備費、さらに渡航費用まで経費として算入できるメリットがあります。
日本と比べて人口が多い
東南アジア諸国の中には、日本と比べて人口が多い国があります。
例えば、外務省のインドネシア基礎データによるとインドネシアの人口は2.5億人です。
今後の経済成長に伴い、さらに人口は増え続けると予想されています。
人がいれば、そこに住居が必要に。
不動産や賃貸物件が増加し、不動産投資で利益を上げやすい環境になることが期待されます。
5. 海外で不動産投資をするときのデメリット
メリットがある一方で、デメリットも存在します。ポイントを押さえておきましょう。
金融機関からの融資が受けられない場合が多い
海外で不動産を購入する際、海外の金融機関から融資を受けることは困難です。
仮に融資を受けられても金利が高く多くの頭金も必要なことから、インカムゲインを狙った不動産投資では利益を上げられません。
現地の情報を得る手段が少ない
海外では、日本国内のように不動産ポータルサイトが充実している国は少ないです。
したがって、情報収集が難しく、一方的に伝えられるような情報しか得られません。
十分な情報なしで不動産投資を始めることはとても危険です。
為替リスクが発生することも
日本人が海外で不動産を購入する際に留意すべきは為替相場です。
例えば円高が進んだ場合には有利な価格で購入できますが、
その後、円安方向に相場が動けば変動次第では大きな損失を被る懸念があります。
投資先の税制・法を理解する必要がある
現時点では海外不動産には節税効果が期待できますが、投資している国の税制改正によっては節税効果が薄れる可能性があります。
また、法改正により保有できる物件が規制されるなど、撤退を余儀なくされる可能性も考慮しておく必要があるでしょう。
不動産購入後の貸付・売却が難しい
海外で賃貸による不動産投資を行う場合、安心して任せられ管理会社を見つけることが難しく、入居者募集や家賃回収を適切に行えません。
また、海外で保有している不動産を売却することも大変困難。
日本のように、リセール市場が整備されていないため、物件の売却は容易ではありません。
6. 日本の方が海外より不動産投資しやすい理由とは?
海外での不動産投資は、メリットはあるものの、デメリットの影響も大きいです。
不動産投資をするならば、やはり日本国内で行うことが賢明。その理由を解説します。
海外は日本よりも借入金利が高い
もちろん国によっても異なりますが、海外の借入金利は日本と比較して総じて高いです。
例えば米国では、2024年時点の住宅ローン金利は年5%台まで上昇しています。
家賃収入では借入金の返済が難しい
海外では借入金利が高いため、家賃収入だけでは利息を合わせたローンを毎月支払うことはとても困難。
低金利が長期間続いている日本であれば、不動産投資で利益を上げやすいのです。
収入に関して現地でも申告が必要
海外で所得を得た際は現地で申告が必要です。
当然、現地の税制や申請方法を十分に理解している必要があり、なかなか個人では難しいでしょう。
その点、日本であれば情報収集がしやすく自分で納税を申告するのは簡単。
わからないことがあれば不動産ポータルサイトが数多くあるため、プロに助言を求めることで解決できます。
7. 日本の不動産は割安!まずは始めやすい場所から投資をしよう
東京都心の地価からすれば高いと感じるかもしれませんが、グローバル的な視点から見ればまだまだ日本の不動産は割安です。
海外不動産は個人や初心者には敷居がとても高いので、簡単に始められる日本で不動産投資を行いましょう。
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