将来の年金もあてにならない世の中、副業を行い少しでも生活にゆとりを持ちたいと思う人は多いのではないでしょうか?
労力や時間をかけずにできそうな副業のひとつに、「不動産投資で家賃収入を得ること」があります。
しかし本業の勤務規定で副業が禁止されているという会社が多いので、果たして不動産投資をして問題はないのかと不安に思う方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、不動産投資をして家賃収入を得ることは会社の規定に反する副業にあたるのか、
また不動産投資が副業としておすすめの理由などについて解説します。
目次
1. 不動産投資で得られる家賃収入は副業には該当しない
一般的に不動産投資で家賃収入を得ることは、副業には当てはまらないとされます。
その理由は次のとおりです。
- 不動産所得は、労力や時間をそれほどかけなくてもできるので本業に悪影響を与えない
- 親が行ってきた不動産経営を、親の死などでたまたま引き継ぐようなケースもある
- 不動産投資は、外で行う業務はほとんどないので情報漏洩の心配が少ない
会社員が副業を禁止されている理由
日本国憲法では、「職業選択の自由」が認められています。
大手企業を中心として、社員の副業を就業規則などで禁止している企業は多いです。
その理由は、仕事が長時間に及ぶと労働が肉体的にも精神的にも過酷になり、本業へ影響を及ぼすとしているため。
しかし、日本の経済が右肩上がりで成長し、会社の仕事さえきちんとやっていれば、副業を認める企業も増えつつあります。
特に不動産経営では、不動産会社に委託すれば管理業務のほとんどをやってくれるので、本業への影響を及ばすことなく不動産投資を行うことが可能。
公務員も許可を得れば不動産投資は可能
国家公務員法第104条や地方公務員法38条では、公務員の副業は禁止しています。
その理由は、下記の3つの原則です。
①信用失墜行為の禁止 | 悪いイメージの仕事をすることで、会社への社会的な信頼を失墜することの禁止 |
②職務専念 | 他に仕事を持つことで、本業に支障が出ることを防止するため。 |
③守秘義務 | 本業で知り得た秘密について、副業での流用を防止するため。 |
しかし近年は決められた範囲内(不動産投資・株式投資・執筆や講演・農業などの家業の手伝い・社会的貢献活動など)での副業は認められてきています。
したがって上記の3原則に抵触しない限り、公務員でも不動産投資をすることは可能です。
ただし、不動産投資が事業的規模になると副業とみなされてしまう
不動産投資では、5棟10室、すなわち戸建て住宅であれば5棟・アパートやマンションの場合は10室以上になると「事業的規模」とされています。
したがってこの規模を超えると、不動産経営が本業とみなされることに…。
2. 家賃収入を得たら税金がかかる!|確定申告をしよう
不動産投資で所得を得ると、税金を支払わなければなりません。
給与所得者は通常年末調整で済むので忘れがちですが、副業で家賃収入を得た場合、確定申告は忘れずに行うようにしましょう。
家賃収入にはどれぐらいの税金がかかる?
それではどれほどの収入を得たら、どのくらいの税金がかかるのでしょうか。
あなたが得た不動産所得によって税額は変わってくるのです。
不動産所得とは
不動産所得は下記の計算式で表せます。
不動産収入になる主なもの |
|
必要経費の主なもの |
など |
不動産所得は総合課税であること
不動産所得は総合課税なので、ほかの所得と合算して課税されます。
例えば給与所得が400万円で不動産所得が300万円であれば、合算した700万円に対して課税。
所得税は累進課税
所得税は所得が多くなると税率が高くなります。
所得税の税率は、下記のように5%~45%の7段階に区分。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
計算例
それでは家賃収入があると、どのぐらいの税金がかかるのか例を挙げて説明しましょう。
●不動産収入:500万円
●必要経費:300万円不動産所得は500万円-300万円=200万円
給与所得と合算すると総所得金額は、500万円+200万円=700万円
基礎控除や生命保険控除・医療費控除などの所得控除が150万円とします。
総所得金額から所得控除を引けるので700万円-150万円=550万円が課税所得金額になります。
課税所得金額550万円を速算表に当てはめて計算すると
550万円×0.2-427,500円=672,500円が所得税額になります。
なお翌年、所得税額を基に住民税が課せられます。
どのぐらい家賃収入を得たら確定申告が必須になるのか
確定申告が必要な所得額は、事業的規模であるかどうかとは関係ありません。
給与以外に年間20万円以上の不動産所得のある人は、確定申告を行い税金を支払う義務があります。
また事業所得や雑所得が別にある場合には、合計して20万円以上かどうかが基準になります。
会社員が確定申告をする際の注意点
住民税は、地方自治体から送付された通知により勤務先が天引きします。
したがって住民税の納税額が多ければ、副業をしていることが会社にバレてしまうでしょう。
勤務先に不動産所得を知られないようにするには、確定申告書で「特別徴収」にしてはいけません。
住民税を自分で納付するという「普通徴収」にすれば、会社にバレてしまうことはないでしょう。
なお副業で不動産投資を始めたい人は、あらかじめ勤務先に、不動産投資が可能かどうか確認をとっておくことが必要です。
不動産投資に限りませんが、納付期限を過ぎると追徴税を課税されることになるので要注意。
3. 副業として不動産投資が人気な理由
それでは次に、不動産投資が副業として人気のある理由について説明します。
不動産の管理・運営を任せることができる
不動産投資では、管理や運営を不動産管理会社に委託できます。
不動産管理の仕事は
- 入居希望者の募集・審査・契約作業
- 入居者からの家賃管理(入金対応・督促)
- 入居者からの要望・クレーム対応
- リフォームや修繕などの対応
など多岐にわたるため、すべて管理を任せることで自分はなにもせずとも家賃収入を得ることができるのです。
したがって、忙しいサラリーマンでも投資が可能になります。
給与収入という安定収入があることで融資を受けやすい
不動産投資を始める場合には、一般的に金融機関から融資を受けて物件を購入します。
その場合安定した給与収入があれば、金融機関から借り入れをするのは比較的容易。
したがって自己資金が少なくても、不動産投資を始めることができます。
本業で培ったスキルを活用することができる
不動産投資を行う場合には、本業で培ったスキルや知識・経験などを生かせます。
- 例えば営業をしていた人は交渉力や分析力
- 経理関係の部署にいた人は税務的な知識
- 市場調査などに関係している人はマーケティング力
などが役に立つでしょう。
資産が大きく減少することが少ない
株式やFXへの投資は値動きが荒く、築き上げた資産を一夜にして失うリスクもあります。
しかし不動産投資であれば、毎月安定した利益を得られるばかりでなく、土地や建物の価格が大きく下がることは少ないので、資産が滅失することはありません。
4. 副業でも堅調に家賃収入を得るためのポイント
次に副業で家賃収入を安定して得るためのポイントを説明しましょう。
人気があるエリアの立地に限定する
不動産投資で重要なのは、人気のエリアに立地する物件を選ぶこと!
都会へのアクセスが良く、駅から歩いて10分以内にある物件であれば、最高の立地といえるでしょう。
好立地の物件は、通勤通学に便利で買い物に行くにも不自由することはないので人気があります。
特にサラリーマンをターゲットにした単身者用の物件(ワンルーム・1Kなど)であれば、たとえ日当たりが悪く騒音などがあっても問題はありません。
駅近物件は大きなニーズがあり、たとえ空室が出てもすぐ埋まります。
人気のあるエリアに立地した物件は、安定した家賃収入を期待でき将来建物が劣化しても、リノベーションによって家賃を維持することができるでしょう。
またファミリー層をターゲットにするならば、
多少駅から離れても学校や幼稚園・スーパー・病院が近く治安が良い静かな環境にあればニーズがあるといえるでしょう。
物件周辺のインフラが充実している物件を選ぶ
インフラ整備は物件の選定において大きなポイントになります。
電気やガス・上下水道は当然ですが、近年はインターネットやケーブルテレビなどが使えることも重要な要件。
若い人向けの物件であれば、無線LANサービスがあれば大きなメリットになるでしょう。
また主婦にとっては自転車が必需品のため駐輪場が必要になり、駅から離れた物件であれば駐車場が設置されていることが必要です。
築年数が低い物件を狙う
中古物件の場合には築浅物件を購入すること。
築浅物件であれば、きれいで気持ちよく生活できるので入居者の大きなニーズがあります。
また浴室乾燥機やモニター付きインターホン・IHクッキングヒーターなど新しい設備も設置されているでしょう。
一方築古物件だと外壁や屋根・内装などを直ちに修繕が必要になることもあり、入居者は古い設備が設置されていれば敬遠するかもしれません。
また建築後30年以上の物件では、建物はたとえきれいでも、水道の配管工事で予想外の費用が掛かったり、新耐震基準に合致していないことも。
したがって築浅物件を購入した方が無難です。
5. 家賃収入を得ることは「投資」なのでリスクもある
不動産投資は、株式投資などと比べるとリスクは低いと言いますが、気を付けなければならないことも…。
リスクを把握して、対策を練っておくことが重要です。
自然災害によるリスク
近年風水害や地震などの自然災害が多発しています。
災害で建物が破壊されると、家賃収入を得られないばかりか、金融機関への返済も不可能になることも。
対策としては火災保険には必ず加入しなければなりませんが、それに付帯して加入する地震保険にも加入した方が良いでしょう。
地震保険は地震だけでなく、津波や噴火による損害も補償されます。
またハザードマップなどから、リスクの高いエリアを把握し、リスクの低いエリアの物件を選ぶようにしましょう。
投資物件の価格変動によるリスク
不動産価格は景気の悪化により下落します。
また都市開発の状況・電車やバスの運行状況・大学や会社の移転などによって価格が変動する場合も。
家賃や物件価格の変動リスクに対応するには、人気のあるエリアに物件を購入し、適切な管理を行うことに尽きます。
周辺の不動産価格が下落しても、ニーズがあれば家賃の下落を最小限に抑えることは可能でしょう。
家賃滞納・空室リスク
家賃滞納や空室リスクは、不動産投資では避けて通れないリスクです。
家賃滞納リスクに対応するためには、初期の対応が大事。
そのためには優秀な管理会社を選んで、管理を委託することです。
また入居者の選定基準をシビアにし、家賃滞納の不安がある人は断ることも必要。
空室状態が長く続く理由は、ニーズのない物件を購入するために起こります。
前章でも述べましたが、何といっても良いエリアの物件を購入することが必要。
またもし空室が出ても、優秀な管理会社に委託しておけば、入居者の募集などの販売促進をしっかり行ってくれるでしょう。
6. 副業で不動産投資をするうえでの注意ポイント
次に副業として不動産投資をする上での注意すべきポイントを説明しましょう。
不動産投資が本業に支障が出ないようにする
不動産投資が問題になるのは、本業に支障をきたした場合。
例えば本業が忙しい時に仕事を顧みず、不動産投資のために会社を休んだり、
副業があるためにミスをするなど本業に支障が出ては、会社を辞めざるを得なくなることも起こりえます。
本業に支障が出ないようにするには、優秀な管理会社を見つけ管理を全面的に委託することです。
確定申告を忘れないようにする
不動産所得は、毎年2月に確定申告をする必要があります。
確定申告を忘れていると、延滞税を支払わなければならないことにもなりかねません。
また確定申告をすれば、減価償却費などの経費をうまく計上することで節税につながることも。
したがって忘れずに確定申告をするようにしましょう。
事業規模の不動産を保有しないようにする
不動産投資が副業とみなされるのは、一戸建てであれば5棟・マンションやアパートであれば10室以内。
5棟10室を超えると事業的規模となり、勤務先の就業規則に抵触することもあるでしょう。
不動産投資をする際にはあらかじめ就業規則をよく読み、副業の範囲を確認しておくことも必要です。
不動産投資は副業であることを忘れない
不動産投資はあくまでも副業であることを忘れずに。
さもないと、本業に支障が出たり、勤め先に不動産投資をしていることがバレてしまうこともあり得ます。
会社を辞めざるを得なくなっては本末転倒でしょう。
収益が出始めても仕事を辞めてはいけない
不動産投資だけで、生活していくには相当の収入がなければできません。
また不動産投資で収益が出ていても、空室が発生し収入がなくなることもあり得ます。
金融機関は安定した給与収入があるからこそ、信用し融資をしてくれます。
したがって、多少の収益が出たからといって、仕事を辞めてはいけません。
7. 不動産投資は副業として最適!確定申告をしっかりしよう
不動産投資は、管理会社をうまく利用すれば労力や時間をかけることなく収入を得ることができます。
したがって本業のほかに収入を得たいと思う人には、不動産投資は最適の副業。
しかし副業であっても確定申告は必要、そのメリットも把握し忘れずに行うようにしましょう。
なお不動産投資を副業として行いたい人は、MIRAIMOの「無料勉強会」で勉強したり相談することをおすすめします。