不動産投資を行っていると、不動産所得に対する所得税や住民税、固定資産税や不動産取得税などのさまざまな税金が発生します。
特に、家賃収入を得るとかかってくる所得税や住民税については、
自分で確定申告をすることで税額が決定されるので、できれば少なく済ませたいですよね。
「家賃収入が少なかったら確定申告をしなくてもいいでしょ?」と思う人もいるしれませんが、
確定申告をすると、所得税や住民税を少なくできる場合もあるのです。
また、住民税が増えることによって会社から副業を疑われてしまうといったトラブルもありますが、防ぐにはどうした良いのでしょうか?
当記事では、不動産投資における家賃収入と住民税の関係や、副業をばれないようにする方法などを見ていきましょう。
家賃収入にかかる所得税について詳しく知りたい人は以下の記事から読み進めてください。
目次
1. 住民税と家賃収入の関係
不動産投資を行うことによって発生する家賃収入に対しては、不動産所得として給与所得やその他の所得と合算した後に、所得税と住民税が課せられます。
所得税は所得が大きくなればなるほど税率も上昇する累進課税という制度が導入されていますが、住民税はどのように決められるのでしょうか?
1月1日において以下の要件に該当する場合には、住民税の納税義務者になり、
該当する地域に対して、所得の10%の課税が一律に行われます。
- 市内に住所がある
- 市内に事務所・事業所または家屋敷を有している個人で、市内に住所がない
- 居住地以外の区に事務所・事業所または家屋敷を有している個人で、課税している
「投資用物件」自体に住民税がかかることはない!
投資用物件を所有している場合にはその物件ごとに住民税が課税されてしまうのか?というと、投資用物件に住民税が課されることはありません。
家屋敷というものが投資用物件を含んでしまうことになると、物件の所在地全てに納税を行わなければならなくなってしまいます。
家屋敷は自己または家族の居住の目的で設置された住宅と認識されており、
投資用物件は第三者に提供することを目的としていることから住民税は課税されません。
そのため、投資用物件自体に住民税がかかることはなく、家賃収入に対してのみ住民税が課税されることになります。
2. 住民税が非課税になる条件とは
所得が発生した場合には所得税と住民税が課税され住所地に対して納税を行うことはわかりましたが、住民税を免れる方法はあるのでしょうか?
個人に課せられる住民税は以下の条件のいずれかを満たすことで非課税となります。
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている
- 障がい者、未成年、寡婦または寡夫で、かつ前年中の合計所得金額が1,250,000円(給与所得で2,044,000円未満)以下
- 前年度の合計所得金額が各自治体の定める額以下(おおよそ35万円以下で扶養家族の人数によって異なる)
扶養家族によって住民税が非課税になる
③の計算式は各自治体によって異なっていますが、東京都を例にして具体的にどの程度までが非課税になるのか計算していきましょう。
東京都において家賃収入などの不動産所得や給与所得などの合計金額が以下の場合には住民税が非課税となります。
扶養家族 | 非課税対象額 |
扶養家族有 | 年間の所得金額が合わせて35万円×本人・扶養者・控除対象配偶者の合計数+21万円 |
単身 | 年間合計所得100万円以下 |
夫婦 | 年間合計所得155万円以下 |
夫婦子一人 | 年間合計所得255万円以下 |
夫婦子二人 | 年間合計所得305万円以下 |
上記の合計所得を上回っている場合には、住民税の課税対象となりますので1つの目安として覚えておきましょう。
3. 家賃収入20万円以下でも住民税の申告は必須!
家賃収入20万円以下の場合には必ず住民税が非課税になるという情報がインターネット上などで錯綜していますが、ネット上の情報に騙されてはいけません!
住民税は所得税の確定申告が不要の場合であっても、住民票を置いている市町村への申告が必要です。
納税と申告は別物と覚えておきましょう!
サラリーマンの方が副業によって得た収入が雑所得に該当し20万円以下の場合には、確定申告が不要に。
ここで所得に関する区分について見ていきましょう。雑所得は以下に該当しない場合が雑所得となります。
- 事業所得
- 不動産所得
- 利子所得
- 配当所得
- 給与所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 山林所得
- 退職所得
雑所得の代表的なものとして、副業として行った記事執筆に対する原稿料や講演料、FX(外国為替証拠金取引)の収益などがあります。
家賃収入に関しては雑所得ではなく、不動産所得に該当するため20万円以下の特例は適用されません。
駐車場収入などは一部雑所得として処理が行われますが、基本的に申告は必要になるものと考え、
わからない場合は税理士などの専門家に相談したほうが良いでしょう。
なお、申告の期限は通常、毎年2月1日~3月16日となっています。
4. 住民税によって、会社に副業がバレないようにするためには?
昔から「公務員は副業を行ってはならない」と言われてきたように、一部では副業を禁止している会社もまだ存在しています。
また、「禁止はされていないけど、不動産投資をしてるってバレたくないな」と思う方もいるのではないでしょうか?
従事している会社が経理処理を行う際に、家賃収入などの副収入分も合算されて、住民税の額が決まってしまうことから副業がバレてしまうことが多くなっています。
住民税の納付方法には普通徴収と特別徴収の2種類がありますが、その仕組みを理解すれば副業を行っていることがバレなくて済むかもしれません。
簡単に説明すると、企業などに努めている場合は事業主が取りまとめて納付(特別徴収)を行いますが、
事業所得者や公的年金所得者の場合は自身で納付(普通徴収)を行います。
それぞれの詳細について見ていきましょう。
住民税の「普通徴収」を選択しよう
雇用関係になく給与所得が発生しない個人事業主や公的年金所得者などは、勝手に天引きが行われるわけではなく自身で納付を行わなければなりません。
普通徴収とは、毎年6月に納税義務者に対して該当する市町村などから通知が届き、
自分自身で6月・8月・10月・1月の年4期に分割されて納付を行いますが、納付月は各市町村で統一されていません。
家賃収入などの副収入に関しては、普通徴収を選択することによって特別徴収とは別に納付を行うことができます。
天引きを行う際にも副収入分の住民税が計上されなくなることから、副業を行っていても知られる心配はなくなるでしょう。
5. 所得税の節税は住民税の節税になる!
「家賃収入が20万円以下の場合は住民税が非課税になると思っていたのに」と思われている方が多いのではないでしょうか?
そこで、完全に非課税になるというわけではありませんが、うまく工夫を行うことによって住民税が節税ができる方法についてご紹介しましょう。
節税対策として効果が期待できる方法は以下の通りです。
- 青色申告をする
- 家族を青色事業専従者にする
- 交際費、交通費、事務所代、水道光熱費を計上する
- 小規模事業共催に加入する
節税対策を行うことによって、直接住民税の節税が行えるという訳ではありません。
それぞれの節税方法で共通しているのは、住民税の算出基準となる所得税を少しでも減らすという方法になります。
所得税を減らすと言っても家賃収入の調節は行えず、必要経費など支出面の調整を行うという比較的簡単な方法も含まれており、誰でも気軽に節税を行うことができるでしょう。
6. 家賃収入に対する所得税や住民税はしっかり申告しよう
今回ご紹介している、住民税の節税対策について「それって脱税じゃないの?」と心配された方がいらっしゃるかもしれませんがご安心ください。
家賃収入を隠すなどの所得税や住民税を減額させる行為は脱税になりますが、きちんと法に準拠して行われる節税に関しては違法行為には該当しません。
不動産投資に対する正しい知識を身に着けて、充実した不動産投資ライフを満喫しましょう。
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