投資には、リスクが付きものです。
特に、不動産投資ではアパートや賃貸マンションといった高価な物件に投資するため、ひとつ間違えると、とんでもないリスクを負うことになります。
リスクを避ける方法はないのでしょうか?
投資で最も大切なことはリスク管理でしょう。つまり、想定されるリスクを知り、あらかじめ対策を講じておくのです。
投資とは、大きく稼ぐというイメージですが、考え方としては、得をするというよりも、損をしないという運用のほうが大切かもしれません。
今回は、不動産投資で想定される8つのリスクをご紹介しましょう。
それぞれのリスクが発生する理由や、その対応方法を説明します。
実は、適切なリスク管理さえ講じれば、不動産投資を堅実に運営することができるのです。
目次
不動産投資にはリスクがある|必要なのはリスク対策と管理!
不動産投資は、比較的リスクの少ない投資だといわれます。
なぜなら、資産として所有できる物件に投資するからです。
最悪の場合、物件を処分することでリスクの軽減を図ることができます。
しかし、投資である以上リスクが発生する可能性は避けられません。
思わぬリスクにより足下をすくわれることがあるのです。
したがって、大切なのは、あらかじめ想定されるリスクに対して対策を講じておくことです。
「備えあれば憂いなし」が、リスク回避の最善策といえます。
不動産投資の8つのリスクと対策
不動産投資で発生しやすいリスクを8つに分けてご紹介しましょう。
合わせて、それぞれのリスクについての対策を記載しておきます。
事前に備えを講じることで、リスクを最小限に抑えることができるのです。
①瑕疵・事故物件リスク
瑕疵とは欠陥のことで、「物理的瑕疵」と「心理的瑕疵」に分かれます。
物理的瑕疵とは、雨漏りなど建物自体の欠陥で、心理的瑕疵とは、入居者が自殺したなど入居者が精神的に抵抗を感じるような欠陥です。
そして、心理的瑕疵があるとされる代表的な物件のことを「事故物件」と言います。
わざわざ、自殺や殺人があった部屋で暮らしたいと思う人はいないでしょう。
しかし、空室にすることもできないので、大幅に家賃を下げることになります。
このように、瑕疵物件は空室になったり、家賃を下げたりするリスクを負うので、想定した家賃収入が望めなくなるのです。
対策:入居審査と保険などでカバーしよう
入居者の自殺などを想定して、家賃収入の減少をフォローする保険商品を用意している保険会社があります。
また、入居者の連帯保証人や家族に対して損害賠償を請求することも可能です。
入居時の保証人のチェックは、リスク管理のために欠かすことはできません。
②空室リスク
投資物件の立地が悪かったり、建物の老朽化が進んでいたりすると空室になる可能性が高まります。
建物が新しい間は、建物自体に魅力があるため比較的入居率は高いでしょう。
しかし、建物が古くなってくると、見かけで勝負することはできません。新しい入居者が決まるまでに時間がかかることが少なくないのです。
対策:立地と建物管理をしっかりしよう
空室リスクを回避するためには、物件購入時に立地の良いところを選ぶのが最善の方法です。
交通の便が良いところは人が集まるため需要があります。
定期的なメンテナンスさえ怠らなければ、空室リスクを負う可能性は低くなるでしょう。
③家賃滞納リスク
入居者がいても、家賃を支払ってくれなければ返済リスクにつながります。このことは、空室リスクを負っているのと同じです。
それどころか、新しい入居者を募集するわけにもいかないので、さらにたちが悪いといえます。
なぜなら、法律では入居者を優遇しているため、家賃を支払わないからといって、すぐに退去させることは難しいからです。
なかには、数カ月家賃を滞納したあげく夜逃げするというケースも少なくありません。
対策:管理会社に入居者をよく精査してもらおう
入居審査の段階で、チェックを厳しくするのが有効です。収入のみでなく勤め先の信用度なども合わせて判断してください。
連帯保証として保証会社を利用することも対策となります。
また、管理会社に委託していると、滞納家賃回収のノウハウがあるので効果的です。
④資産価値下落リスク
投資物件が老朽化などにより資産価値が下落すれば、家賃も下がることになります。いかに立地が良くても老朽化の進んだ物件では高い家賃は望めません。
家賃は、資産価値の下落により、築10年で5~10%、築20年で20%程度下がるといわれています。
その他にも、周辺環境の劣化により需要が少なくなるようなケースも資産価値は下落します。
たとえば、大学の移転などで人が少なくなれば、住宅需要が減るため家賃が下落し、物件の資産価値も減少するのです。
対策:購入時に将来性を見据えて決めよう
定期的なメンテナンスやリフォームにより建物の状態を維持するのがポイントでしょう。
賃貸の場合、購入とは異なり築年数や構造よりも見かけで決める人が少なくないからです。
また、立地や環境については、購入時だけではなく将来的な展望も検討してください。
⑤金利上昇リスク
ローンの金利には、固定金利型と変動金利型があります。
固定金利型は、返済期間の全般に渡って金利が変わらないので計画的に返済しやすい金利型です。
変動金利型は、返済の途中で金利が変わることがあるので金利上昇の可能性があります。
現在のような低金利であれば、一般的に変動型のほうの金利が低いのですが、金利上昇リスクを負う可能性が高まります。
たとえば、2,000万円の借入で金利が1パーセント上昇すれば、月々1万円程度の負担増になることもあるのです。
対策:低金利の間に繰り上げ返済をしよう
低金利で返済額に余裕がある間に繰り上げ返済をしてください。
元金を減らしていくのが金利上昇リスクには効果的です。
金利が上昇しても、元金が減少することで返済額が調整できます。
また、申告時には、金利を経費にすることで節税効果が期待できるのです。
⑥維持費・税金リスク
不動産投資には、投資物件の維持費が欠かせません。
定期的なメンテナンスやリフォーム費用を投じて物件自体の経年劣化を防がないと資産価値や家賃の下落につながります。
マンションの運営を管理会社に依頼していれば管理費用も必要です。
不動産を所有していれば、毎年固定資産税や都市計画税を納めなければなりません。
家賃収入で利益を得れば所得税の申告も必要です。
税金リスクを回避することが、不動産投資の運用を成功させるカギになります。
対策:余裕を持った資金繰りをする
⑦災害リスク
災害リスクにより投資物件が崩壊することも考えられます。
日本は災害列島といわれるほど災害を受ける可能性が高いので、リスクに備えなければならないでしょう。
特に、木造アパートの場合、RC造に比べて災害リスクは高くなります。
海の近くであれば、眺めは良いのですが津波の心配があります。山の近くであれば、環境は良くても山が崩れることがあるかもしれません。
このように、物件を購入する時点で既に災害リスクを抱えてしまうこともあるのです。
対策:丈夫な地盤・建物を選んだ上で保険に入ろう
RC造の物件であれば災害に強いだけではなく、耐用年数が長いのでローンの支払期間も長くなります。
建物が丈夫でも地盤が弱ければ傾くかもしれません。
場所も慎重に選んでください。そして、火災保険や地震保険に加入してリスクに備えるのです。
⑧管理会社の倒産リスク
副業として不動産に投資している場合は、本業が忙しいため管理会社に依頼していることが多いでしょう。
しかし、管理会社が倒産してしまうこともあります。家賃や敷金の管理を委託していれば、回収できなくなることもあるのです。
管理会社の倒産は、まさに想定外のリスクといえるでしょう。戸数が多ければ多いほど受ける損害額は大きくなります。
損害によりローンの返済が滞れば、共倒れの危険性さえあるのです。
管理会社からの家賃などの支払いが送れるような場合は注意してください。
対策:信頼できる管理会社選びをしよう
管理会社の倒産リスクを避けるためには、信頼できる管理会社を選ぶことが大切です。
資本金や従業員数などを見て、企業規模が大きくて経営が安定している会社を選びましょう。
他にも、管理物件の空室率が少ないなどの実績も重要です。委託料が安いからといって飛びつくのは危険なのです。
不動産投資でリスクの少ない物件を選ぶには?|情報とパートナーが力になる
不動産投資には、さまざまなリスクがあります。
しかし、あらかじめリスクを知ることで避けることもきるのです。
物件を選択する時点で回避できるリスクもあれば、対策を講じることでリスクの軽減を図ることもできます。
今回ご紹介したさまざまなリスクを管理するためには、情報の見極めと適切なアドバイスができるパートナー選びがカギといえるでしょう。
不動産投資の初心者の場合、スタートにつまずくとその後も尾を引くことが多いため、物件を購入する前に専門家に相談することをおすすめします。
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