不動産投資における減価償却の仕組み大全|耐用年数表付き

不動産投資の上で減価償却はオーナーさんにとっては確定申告時に経費計上でき、節税効果を受けられるのでありがたい言葉です。

しかし、減価償却に頼りすぎると、いつかその恩恵を受けられなくなる時が来て、痛い目をみることにもなるものです。

一体どんなものなのか?徹底解説していきましょう。

1. 減価償却とは

簡単に言うと「モノの劣化代」です。

まず、内部設備を含む建物という「固定資産」は時間の経過とともに古くなりその価値はどんどん減っていきます。このような資産を「減価償却資産」といいます。

なので、時間が経っても古くなったり価値が減らない土地は減価償却資産ではありません。

減価償却資産を取得するのにかかった金額を「法定耐用年数」に従って、その期間必要経費として計上する手続きのことを「減価償却」。その計上する金額を「減価償却費」といいます。

2. 耐用年数について

減価償却と密接に関わっているのが「耐用年数」です。意味はそのままで固定資産が何年間使用に耐えられるのかを表した言葉です。

2-1. 建物の耐用年数

モノによって耐用年数は税法で規定されていますが、ここでは不動産に関する耐用年数のみお伝えします。

用途 木造 S造(鉄骨)
骨格材の厚さが
3㎜以下
S造(鉄骨)
骨格材の厚さが
3㎜を超え、4㎜以下のもの
S造(鉄骨)
骨格材の厚さが
4㎜を超えるもの
RC造 SRC造
住宅用 22年 19年 27年 34年 47年 47年
店舗用 22年 19年 27年 34年 39年 39年
事務所用 24年 22年 30年 38年 50年 50年
飲食店用 20年 19年 25年 31年 34/41年 34/41年

他にも旅館・ホテル・病院用や公衆浴場用、工場・倉庫用のものなど詳しく分かれていますがここでは割愛します。詳しくは国税庁HPをご覧ください。

国税庁HP

また、税制が改正されることで法定耐用年数が変わることもあり得ます。(直近では平成20年度)

2-2. 中古資産を購入した時の耐用年数

法定耐用年数の一部を経過した中古資産を購入したときの耐用年数は新しい時から経過した年数をそのまま引く計算ではなく、

(新品の場合の耐用年数-中古資産の経過期間)+(中古資産の経過期間×20%)

で求めることができます。計算結果で中古資産の耐用年数が2年未満の場合は、2年とします。

2-3. 耐用年数を超えた時は?

購入する時点ですでに法定耐用年数が過ぎてしまっている中古物件に関しては、

法定耐用年数の20%を耐用年数とすることができます。

例えば木造なら 22年×20%=4.4年 になるので、耐用年数は4年になります。

2-4. 耐用年数による融資の影響

そもそも法定耐用年数が過ぎている築古物件は金融機関への印象も悪く、融資に不利なものになります。

銀行は融資をする時に、その不動産に抵当権を設定して、万が一返済が来なかった場合は抵当権を実行してその不動産を売却することができます。銀行側はその売却益を残りの債務の返済に充てることができるので、対象の物件の法定耐用年数は融資期間を決めるのに非常に重要です。

アパートや築古物件は耐用年数が短いので融資がおりにくいと言われるのはそのためです。

3. 減価償却費の計算方法

減価償却費の計算方法には定額法と定率法の2種類があります。どちらの計算方法でも合計金額は変わることはありません。

簡単に言ってしまうと毎年一定金額を払い続けるか、最初に多く払って後で楽をするかの違いです。

ただし平成28年度4月1日以降に取得した不動産の設備の償却方法は、定額法のみです。

 

定額法の償却率と定率法の償却率にはそれぞれ税法で決められた数字があるので国税庁:減価償却資産の償却率表をご覧ください。

国税庁:減価償却資産の償却率表

3-1. 定額法

定額法は耐用年数の期間中に費用を等分する方法です。なので、償却費は原則として毎年同額になります。

計算方法は

所得金額×定額法の償却率

定率法より最初の償却額が小さくなるので初期費用を抑えることができる・計算方法が単純で償却額や未償却残高が算出しやすいなどのメリットがあります。

3-2. 定率法 

定率法は償却資産のうち一定の割合を毎年償却していく方法です。

定率法の償却率は定額法の償却率の2,5倍になっているので、最初の償却率が大きくなりますが、徐々に償却費が減っていきます。

計算方法は

未償却残高×定率法の償却率

上記の式で減価償却をしていても残りの金額が1円になることがないため、一定の償却率を下回るとその後は定額で償却していくという仕組みになります。

最初に多額の費用が計上されるので早期の節税ができる・どんどん償却額が減っていくというメリットがあります。

4. 土地つきの投資不動産の計算方法

こちらは主にアパートや戸建て投資の話になりますが、先述の通り土地は減価償却の対象外なので土地と建物を分けて計算しなければいけません。

土地と建物の金額が売買契約書に明記されている場合はそのまま計算することができます。


しかし明記されていない場合は、
固定資産税評価額を使って計算することができます。

売買価格×(建物の固定資産税評価額÷物件の固定資産税評価額)=建物価格

固定資産税評価額・・・土地と建物それぞれに定められ、立地や設備などから不動産を評価することで決まります。3年に1回見直しがされ、変動します。

わからない場合は不動産業者の人に聞いてみましょう。

5. 減価償却をする上での注意点

減価償却には法定耐用年数があることはお伝えしましたが、その期間が過ぎるともちろん、経費として計上できないので減税効果は受けられなくなります。

それ以上に一番注意していただきたいのは「デッドクロス」です。
簡単に言うと「減価償却費がローンの元金返済額を上回る状態」のことを言います。

 

ローンの返済方法を元金利等返済にしている場合は、ローン期間と返済が進むと金利の返済分が減り、元金返済分が増えてきます。

ローンで経費として計上できるのは金利部分のみ。

なので、実際にお金は出るにも関わらず元金返済分は経費にできなくなり、最後の方には耐用年数も過ぎて、減価償却が計上できなくなります。
よって黒字経営しているにもかかわらず払う所得税だけ膨大になり、黒字倒産ということもあるので注意が必要です。

デッドクロスを避けるには

  • 自己資金を入れて購入
  • ローンを元金均等で組む
  • ローンの借り換え
  • 資産の売却

等があるので念頭に置いておきましょう。

関連記事デッドクロス?デットクロス?不動産投資の債務リスク回避策と対処法6選

2017.10.15

6.不動産投資の減価償却費は節税効果が大きい

減価償却は家賃収入に対して課税される税額を少なくする効果があるので、キャッシュフローに対してかなりメリットが大きいものです。

しかし頼りきりすぎると耐用年数が過ぎたときに多大な所得税がかかって黒字倒産することにもなりかねません。

税金に関しては後々のことも見越してローンの組み方を含めた計算に入れておきましょう。

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