不動産投資物件の購入を考える時、業者に新築をおすすめされ、
「中古と比べてキレイで、入居者からの人気もありそうだから新築の方がいいんじゃない?」
と思う方も多いのではないでしょうか。
確かに、不動産投資を新築物件で行うことにはさまざまなメリットがある一方で、特有のデメリットもあります。
今回は新築で不動産投資を行うことをテーマに、新築不動産投資のメリットやデメリット、中古不動産投資との違いや注意ポイントなどを解説していきます。
これから不動産投資を始めようと思っている人、投資物件の買い増しを検討している方は参考にしてください。
目次
1. 新築不動産投資の魅力やメリット|サラリーマンにもおすすめ
まずは新築で不動産投資をするメリットをご紹介します。
不動産投資はサラリーマンにもおすすめできる魅力的な投資法なのです。
新築は入居率が高く安定した収益が得られる
不動産投資において収入の要となるのが「入居者からの家賃」なので、自分の物件に入居してもらうことは最も重要。
新築物件は入居率が高く、家賃収入が比較的安定しているという特徴があります。
日本人は新築物件を好む傾向が強く、家賃設定さえ間違っていなければ、新築物件はほぼ満室にすることができます。
最新の設備が整い、建物自体がきれいで中古と比べて家賃がそれほど変わらないのであれば、新築を選びたいというのが心情でしょう。
結果として入居率が高くなり、空室リスクを気にせずに済むのです。
ローン審査に通りやすい上、少ない自己資金で始められる
不動産投資は自己資金が少なくても、購入時にローンを組んで始めることができます。
新築ならば不動産投資ローンの審査に通りやすいうえに、長期のローンを組むことも可能です。
なぜなら不動産投資ローンというのは、住宅ローンとは違い、借り入れする人の収入・勤務先・勤続年数などの情報を見られるほかに、
投資物件の収益性や物件自体の価値・不動産投資の事業計画なども審査基準に入るからです。
新築マンションは修繕費用も掛からず、資産価値や収益性が高いと判断されやすいため、金利や借入条件が中古より有利だといえるでしょう。
多くの新築物件は購入時のローン計画が明確なこともあり、手続きの手間を軽減できる点も見逃せません。
中古物件よりも節税効果が得られる
新築物件は中古物件よりも節税効果を見込むことができます。
不動産には、減価償却という物件の購入費を定められた期間の間、均等に経費として計上できる税制上の仕組みがあり、
実際の支出がないにも関わらず、経費として計上できるのです。
確定申告のときに、減価償却費を経費として計上すれば、所得を抑えることができ、税金を少なくすることができるのです。
償却期間が長い新築の場合は、長期間に渡って減価償却費を必要経費として計上できるため、中古物件よりも節税効果が高くなるのです。
新築は購入時の諸費用が少なくてすむ
新築物件を購入するときに掛かる諸費用は、中古物件と比べ少ないです。
中古物件でかかる仲介手数料・修繕費・リフォーム費用が、新築物件ではかかりません。
新築物件は文字通り真っさらな状態ですから、経年劣化で修繕を必要とするまでに、より長い期間を確保でき修繕の費用を抑えることができるのです。
物件自体は中古が安くても、諸費用を含めると新築の方が安くなるといった例もあります。
比較的売却しやすい
不動産の価値は築年数とともに下落していきます。
仮に所有期間や使用状況を同じとすれば、新築は中古よりも状態が良く保たれていることになり、売却時には有利といえるでしょう。
耐震性が高く、経年劣化しにくい
新築は新耐震基準で建てられているので、入居者に敬遠される心配する必要がありません。
1981年に建築基準法施行令が改正され、より厳しい「新耐震基準」が定められました。
1981年6月以前に建築された中古物件は、現行の建築基準を満たしていない可能性があり、入居者にも敬遠される可能性が高くなります。
また、建築技術も進化しており、建物の素材や設備など経年劣化しにくい素材でできているものが多いため、長期にわたって安全に運用していけるでしょう。
2. 新築不動産のデメリット
新築不動産投資にはメリットが数多くあることが分かりましたが、一方でデメリットもあるので比較してみましょう。
不動産の購入価格が高いため、利回りは低い
物件の購入価格は中古に比べて新築の方が高くなってしまいます。
ローンを利用して自己負担額を減らせたとしても、多額のローンを組む際にはしっかりと事業計画を立てなければなりません。
また、物件の購入費用が高いことも要因となり、中古物件に比べて利回りが低いというのも新築物件の特徴です。
高い利回りを求める人にはデメリットに感じられることでしょう。
完成するまでに時間がかかる
土地から新築不動産投資を始める場合は、かなりの期間要することを頭に入れておきましょう。
土地から建物を建てる場合、完成・物件の引き渡しが完了するまで、少なくとも半年ほどを要します。
マンションやアパートは、SRC・RCといった頑丈な造りだと2年以上を要することもあるのです。
建物を建てている間は家賃は入ってきませんし、ローンを組んで土地を購入した場合も、ローン返済の負担はかかってきます。
建物の価値が下がり、家賃の相場もさがっていく
新築物件は、一旦所有者がついた時点で「中古物件」になってしまい、売却する際に資産価値が大幅に下がります。
資産価値は築0年~築20年までの間に最も下落率が高いのです。
家賃相場も築年数を経るごとに下がっていく傾向にあります。
家賃を下げると毎月のキャッシュフロー(不動産収入から、ローンや諸費用を引いた手残り)に影響を及ぼすため、20~30年という長期スパンで、いかにキャッシュフローを得ていくか、綿密な投資計画が必要になります。
3. 不動産投資における新築と中古の違い
一般の住居用不動産投資には
- 一戸建て
- マンション(区分・一棟)
- アパート
などさまざまな種類がありますが、中でも新築の物件と中古の物件を購入するのでは、異なる手法・考え方が要求されるのです。
不動産投資において、新築物件を選んだ場合と中古物件を選んだ場合の違いや、どちらが良いのかをご紹介しましょう。
新築と中古物件の特徴を比較
新築物件と中古物件の特徴を、区分マンション・戸建て・アパート・に分けて一覧表で比較してみましょう。
項目 | 新築区分マンション | 新築戸建て | 新築アパート | 中古区分マンション | 中古戸建て | 中古アパート |
価格 | 高 | 中 | 高 | 低 | 低 | 中 |
利回り | 低 | 中 | 中 | 中 | 高 | 高 |
投資難易度 | 低 | 中 | 高 | 低 | 高 | 中 |
ランニングコスト | 低 | 低 | 中 | 中 | 中 | 高 |
リスク | 低 | 中 | 中 | 低 | 高 | 中 |
価格は物件の立地・建物自体の価値・設備などさまざまな条件によってピンからキリまでありますが、もちろん新築物件の方が高いことは言うまでもありません。
また、利回りや物件の修繕費・管理費などのランニングコストは、不具合が生じやすい中古物件よりも新築物件の方が低い傾向にあります。
新築と中古どちらが良いかは人によって違う
新築・中古をどちらを選ぶべきなのかという基準は、人によって違うので、一概にどちらが良いということはできません。
上の表の通り、新築・中古とひとくくりにいってもさまざまな投資法があります。
また人それぞれ
- 初心者なのか、不動産投資に慣れてきた人なのか
- どういった目標を立てているのか
- 本業の収入はどれぐらいなのか
- 自己資金はどれぐらい入れられるのか
というように条件が違い、向いている物件の種類も変わってくるからです。
例えば、初心者で、年収もそれほど高くない、自己資金もあまりないサラリーマンでしたら、中古区分マンションが向いています。
逆に、不動産投資の上級者で自己資金に余裕がある、という人は戸建て投資などにもチャレンジしてみても良いかもしれません。
4. 新築の不動産投資は4種類
新築不動産投資の手法は、大きく分けて4つ。
- 建売(アパートや戸建て)
- 売建
- 分譲マンション(区分)を購入
- 所有している土地にアパートなどを新築
建売とは、既に完成している土地付きの新築戸建てやアパートなどを業者から購入することを指します。
一方で売建とは、まずディベロッパーから土地を購入。同時に建築請負契約を締結した後から戸建を建ててもらうこと。
1から建物を建てる場合、完成までに6ヶ月~アパートなど大規模になってくると最大2年はかかります。
そこから賃貸に出して、家賃収入を得るまでには相当な時間がかかります。
既に所有している土地にアパートや戸建を新築する場合も同様。
不動産投資を早く始めるなら、建売か、既に完成している新築区分マンションやアパートを購入すると良いでしょう。
5. 新築不動産投資で成功するための注意ポイント
資金を投入して不動産投資をするわけですから、新築不動産投資をする場合には細心の注意を払わなければなりません。
苦労して手に入れた物件にも関わらず、入居付けが思ったように進まずに、家賃収入が得られないままローンの返済に追われて失敗…ということも十分に考えられます。
新築不動産投資で成功するための、注意ポイントを押さえておきましょう。
とにかく物件選びが重要!立地や条件にこだわる
物件選びで失敗をおかさないためには、立地条件やエリアの特長を正しく把握し、ニーズに合致する物件を選び出すことが必要です。
たとえば、ファミリー世帯が多いエリアがあれば、単身者が多いエリアもありますし、そもそも賃貸需要がないエリアもあります。
立地やニーズの調査はよく行った上で投資物件を選びましょう。
初心者は単身者向けの新築ワンルームマンション投資から始めるのが良いでしょう。
ワンルームマンション投資におすすめな条件としては
- 最寄り駅が利便性の良い駅の近く(ターミナル駅まで1本で行ける)
- 周辺に便利な商業施設(コンビニ・スーパー)
- 競合物件が乱立していないこと
などがあげられます。
実質利回りで判断する
新築不動産投資の物件選びで成功するためには、実質利回りを忘れないでください。
利回りとは、物件の購入価格に対しての収益性を測る指標ですが、物件を検索した時に出てくる「表面利回り」には、物件価格以外の支出を含んでいないため、実際に投資した際の参考にはあまりなりません。
良いと思った物件があったら、年間支出や購入時経費を大まかに出し、実質利回りの計算をしましょう。
(年間収入-年間支出)÷(物件購入価格+購入時の諸経費)×100=実質利回り
出口戦略はあらかじめ決めておく
不動産投資で言う出口戦略とは、売却時のことを指しますが、出口戦略は購入前に立てておかなければなりません。
何年のスパンで投資をするのか、いくらぐらいで売却できたら良いのかなどの計画を立てましょう。
自分で出口戦略を立てるのが難しいなら、不動産会社の営業マンに相談してみるのもおすすめです。
収支計算は重要
不動産投資をしている期間で得た総家賃収入額+売却益がローン返済などの支出総額を上回った時に不動産投資は成功することを覚えておいてください。
よって、収支を把握して計算しておかないと、不動産投資の成功の判断は不可能です。
収入と諸経費を正しく把握しておくことで、確定申告もスムーズに行うことができます。
収入 | 支出(経費) |
|
など |
ローンの組み方をよく考え、繰り上げ返済・借り換えも検討する
ローンの組み方はよく考えましょう。
早く返済したいからと無理をして短期ローンを組むと、毎月の返済額が増えてしまい、十分なキャッシュフローが得られない可能性が高くなります。
なるべく長期を選択して、返済できなくなるリスクを抑えましょう。
余裕が出たら繰り上げ返済を行ったり、数年ごとに金利の見直しを行い、より低金利な金融機関に借り換えを行うことも有効な場合があります。
借り換えは、新築不動産投資を始めてから10年ほど経った頃が目途でしょう。
10年間順調に家賃収入を得続けていることを証明できれば、金融機関からの評価が高くなり、借り換えがしやすくなるからです。
4%の金利を1%でも下げることができれば、返済負担も増え、キャッシュフローも改善されます。
空室や滞納・資産価値下落などのリスク対策をする
不動産投資にはリスクがつきものですが、対策を練っておくことでリスクは極限まで減らすことができます。
不動産投資で命取りとなるのが、空室や滞納リスクです。
上記で述べた立地やニーズを見極めて投資物件を購入することも空室対策の一つ。
そして新築物件で見落としてはならないのが、資産価値の下落です。
物件の価値が下落すれば家賃を下げる必要性が出てくるため、しっかりと収支計画を立てておく必要があるでしょう。
また、家賃の下落幅は新築時から20年ほど経過するまでが一番大きいというデータもあります。
新築のプレミアム感は徐々に薄れていくものと覚えておきましょう。
6. 不動産投資を新築でしている人のおすすめブログ3選を紹介
実際に新築不動産投資をしている人の体験談を覗けるブログを読むことで、自分の不動産投資に活かすことができます。
コロビビの新築不動産投資
主に新築アパートで不動産投資をしているコロビビさんのブログは、
入居者・銀行とのやり取りの様子や、普段コロビビさん自身が感じたことなどが日記形式で綴られています。
日頃から不動産投資としっかり向き合っているコロビビさんの姿勢は、新築不動産投資を考えている人にも参考になるでしょう。
参考:コロビビの新築不動産投資
主婦の私でも出来た月収130万円「新築アパート」投資法
簿記や会計が得意とのことで、数字を意識したアパート投資を行っていて、大家歴10年・不動産投資歴5年のベテラン大家であるみほさん。
新築アパートを中心に、投資規模を拡大していき、投資総額は6億円以上、月収は130万円を超えています。
そんなみほさんが綴るブログは、不動産投資の基礎知識から、実際運営されている様子など、カテゴリが細かく分かれており初心者にも読みやすいです。
参考:主婦の私でも出来た月収130万円「新築アパート」投資法
7. 新築不動産投資のメリットデメリットをよく比較して投資をしよう
以上、不動産投資で新築物件を選ぶことのメリット・デメリット、物件を購入する際の注意点について述べてきました。
新築物件を選ぶことのメリットは、実にたくさんあることに気付けたかと思います。
しかし、新築物件には過去のデータがないため、どれだけの実績を挙げることができるのかは未知数だといえるでしょう。
立地やエリアの選定、入居者のニーズを慎重に見極めることで、新築不動産投資に失敗する確率をグンと減らすことができるはずです。
大切なのは不動産投資に関する知識をしっかりと身に付けておくこと。
必要性を感じるならばセミナーなどに参加して、プロの判断を仰ぐことも一つの手段でしょう。
なお、不動産投資に興味がある人や、疑問や不安がある方は、手軽な無料オンライン相談「MIRAIMO LINE公式アカウント」をご利用ください。
プロの不動産投資コンサルタントがあなたの疑問や不安に直接お答えします。
MIRAIMO公式アカウント友だち登録