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経年劣化による家賃の下落率はどのぐらい?|家賃設定の考え方と家賃下落を抑える方法を解説!

不動産投資をするときに誰しも考えなくてはいけないのは、不動産が経年劣化することによる家賃下落です。

家賃の下落率は、日本の全体的な市況やエリアの供給バランスなど、マクロ経済の影響も大きいので確定的なことは言えません。

しかし、今までのデータを見れば、ある程度家賃の下落率が分かるので、シミュレーションすることも可能なのです。

 

不動産投資の収支計算を最も悪化させる要因が「空室」と「家賃下落」です。

空室は予測できませんが、家賃下落は予測可能。

築年数による家賃下落は、近隣の物件が参考になりますし、各エリアの人口減少もデータが出ています。

データをフルに活用することで、自分の物件の家賃下落率がある程度分かり、将来にわたるキャッシュフローをシミュレーションできます。

 

今回は、築年数による家賃の下落率を説明した後、実際に物件のキャッシュフローを計算する方法まで解説していきます。

現在不動産投資をしている人はもちろん、これから不動産投資を行う、または物件を増やす予定の方はぜひチェックしてみてください。

1. 不動産投資をする上での家賃下落リスク

不動産投資をする上での家賃下落リスク

不動産投資は一般的に賃貸物件を運営して、賃借人からの家賃を収入源とします。

将来的に物件を売却して収益を得ることもありますが、ベースは家賃収益という継続的に得る利益です。

そんな賃貸物件の賃料は、将来的に下落するものと思っておきましょう。

 

というのも、不動産は実物資産であり、築年数が経過するにつれて経年劣化していくものだからです。

こればかりは、いくら仕様・設備をハイグレードにしたところで、避けては通れない道。

 

特に、物件数が多い都心エリアなどは、自分の物件の築年年数が経過するごとに競争力が弱まり、家賃下落していきやすい傾向に。

そのため、不動産投資を成功させるためには、家賃はどの程度下落するか?という点を加味して運用計画を立てる必要があります。

経年劣化が賃料に与える影響はどれくらいあるのか?

データ参照元:三井住友トラスト基礎研究所 経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由

経年劣化が賃料に与える影響」は、年率換算すると約1%程度と言われています。

とはいえ、築年数が浅い時期と築年数が古い時期では、築年数の経過による下げ幅は異なるので、あくまで「長期的な下落を年換算すると約1%程度」と認識ください。

分かりやすい指標でいうと、アットホームのデータを使って三井住友トラスト基礎研究所が算出したデータがあります。

東京23区内の賃貸マンションを対象に「タイプ×成約時期×築年数」で区切り、成約事例を基に賃料の下落率をグラフ化したものです。

 

データ概要はまとめると以下になります。

  • 築3~10年は大きな下落圧力がかかる
  • 築11~20年は上記に比べると下落圧力は弱い
  • 築21年以降は上記より更に下げ圧力は弱くなる

トータル的に年間換算すると1%の下落率でしたが、築浅の方が家賃下落率は高いです。

やはり、築浅物件を選ぶ人は「築浅」にこだわりがあるようです。

逆に、築21年を過ぎると、築21年のマンションでも、築27年のマンションでもさほど変わらなという認識なのでしょう。

築年数が経てば経つほど競争力が低下し、新規供給量の影響を受けてしまう

また、築浅の家賃下落圧力が強い理由としては、新規供給量の影響も大きいと考えられます。

つまり、築浅の賃貸物件を見学している人は、コンスタントに供給されている新築物件が競合物件になるため、築古物件に比べて競合物件が多いのです。

 

さらに、築浅希望の人にとって新築物件は非常に魅力的なので、「強力な競合相手」になってしまいます。

もちろん、そのマンションの立地や周辺環境、駅からの距離や設備・仕様など、もっと細分化すれば築浅でも下落率が緩やかな物件もあるでしょう。

ただ、総じて築浅の方が下落率が高くなる点は認識しておくべきです。

2. 家賃下落を見越した家賃の設定方法

家賃下落を見越した家賃の設定方法

前項のように、不動産投資は家賃下落を加味しなければいけません。

具体的には、近隣の家賃相場と将来の人口予測を調べることが重要です。

築年数に合った近隣の家賃相場を確認する

まずは、近隣の家賃相場を調べましょう。

具体的には、近隣で賃貸に出されている物件を検索し、築年数ごとの家賃を調べていきます。

【例】

  • 新築物件:20㎡規模○○円/㎡、30㎡規模○○円/㎡
  • 築10年物件:20㎡規模○○円/㎡、30㎡規模○○円/㎡
  • 築20年物件:20㎡規模○○円/㎡、30㎡規模○○円/㎡

できるだけ築年数を細分化して、㎡単価の賃料をピックアップしていきましょう。

また、部屋の広さによって㎡単価は変わってしまうので、部屋の広さ別にも㎡単価はピックアップしておくことが必要です。

その上で、自分の物件の部屋と合致するデータを参考にすると良いでしょう。

土地の将来の人口予測を調べる

次に、不動産投資をしようと思っているエリアの将来的な人口予測を調べます。

地方であれば市町村ごと、都市であれば区ごとの将来予測です。

国立社会保障・人口問題研究所が発表している、「日本の市町村別将来推計人口」に載っていますので参考にしてください。

 

不動産投資が成功するかどうかは、需要と供給のバランスが重要です。

というのも、需給バランスが良ければ、家賃下落ペースは緩やかになるからです。

そして、需給バランスが良いというのは、需要が高まり供給が少ないという状態。

供給数を読むことはできませんが、需要というのは「エリアに住みたい人の数」なので、エリア毎の人口予測は参考になるというわけです。

3. 家賃の下落を考えたシミュレーションをしておこう

家賃の下落を考えたシミュレーションをしておこう

さて、ここまでで不動産投資に家賃下落はつきものであり、それを加味するために近隣の家賃相場を調べ、人口推移を調べて置くべきという点を解説しました。

最後に、実際の家賃下落を加味したシミュレーション方法を解説します。

シミュレーションの参考例

それでは,将来の家賃下落を考慮したシミュレーションを行ってみます。

まずは以下の3点を整理しましょう。

  1. 設定条件
  2. 家賃下落率
  3. 人口予測

まず設定条件を決め、近隣物件の家賃相場から家賃下落率を設定します。

その後、その地区の人口予測を加味しピックアップするという流れです。

設定条件

設定条件は以下のように決めましょう。

  • 構造と規模:RCマンション 8室
  • 部屋の内訳:1LDK 5室、2LDK 3室
  • 物件価格:1億円
  • 頭金:1千万円
  • 新築時表面利回り:10%
  • 銀行融資条件:融資期間25年、融資利回り2%、
  • 諸経費:賃料収入の5%
  • 固定資産税:一般的な金額を計算

家賃下落率を考える

家賃下落率から導き出した金額は以下の通りです。

・当初家賃設定:1LDK 8万円、2LDK10万円
・管理費:0.5万円
・築10年の近隣の平均家賃:1LDK 6万、2LDK8万円
・築20年の近隣の平均家賃:1LDK5万、2LDK7万円

エリア毎の人口予測を考慮する

この物件のエリアの人口予測は以下の通りです。

・10年後の人口減少率:5%
・20年後の人口減少率:10%

参考例のシミュレーションの結果は?

前項の条件を加味してシミュレーションしてみましょう。

■新築時

  • 家賃収入:840万円
  • ローン返済:約399万円
  • 諸経費:42万円
  • 固定資産税:75万円

→キャッシュフロー(手元に残るお金):約324万円/年

■10年後

10年後は人口減少分をかけ、家賃が下落した場合のキャッシュフローを求めます。

  • 家賃収入:648万円×0.95(人口減少分)=約616万円
  • ローン返済:約399万円
  • 諸経費:約31万円
  • 固定資産税:75万円

→キャッシュフロー(手元に残るお金):111万円/年

上記のイメージで、家賃下落分と人口減少分を加味して長期に渡りシミュレーションしていきましょう。

どこかのタイミングで赤字になるとしたら、長期的に黒字化できるかで判断すると良いです。

また、ローンが完済したタイミングでは、ローン返済額はゼロになるので、収支は改善しやすくなります。

4. 家賃下落を極力抑えるための3つの方法

家賃下落を極力抑えるための3つの方法

家賃下落リスクについてや、家賃下落を見越したシミュレーションについてご説明してきましたが、

家賃下落を極力抑えるための策を打っておくことが、最も重要と言えます。

家賃下落リスクへの対策は、購入時から始まっており、物件保有中も手を加えるだけで家賃を高水準で維持できる可能性が高まるのです。

3つの方法があるのでご紹介しましょう。

①築10年~20年の中古マンションがおすすめ

前項「経年劣化が賃料に与える影響はどれくらいあるのか?」で述べた通り、家賃下落率は築2~10年の間で最も高くなります。

よって、家賃下落を抑える上で、購入するなら築10年~20年の中古マンションがおすすめです。

新築や築浅物件を購入するのと比較すると、家賃下落率が少ないため、長期的に家賃収入を得ていく上でシミュレーションもしやすく、有利になるでしょう。

②入居者を大事にすることで、経年劣化による賃料下落を軽減できる

また、経年劣化に関係なく、入居者が入れ替わる時期も賃料下落のリスクは高くなります。

これは、「入居者が住み続けている間は賃料は変わらない」からであり、賃料が上がることも下がることもほぼありません。

 

仮に、新築物件を運営しており賃借人がすぐ付いたとします。

しかし、その賃借人が1年で退去してしまえば、家賃下落圧力の高い「築浅」の時期に再度賃借人を募集しなければいけません。

 

一見、「築浅だから賃借人は付きやすいから問題ない」と思いがちですが、実は築浅こそ家賃下落圧力が強いというリスクがある状態なのです。

そのため、鍵となるのは賃借人に長期で住み続けてもらう工夫であり、既存入居者を大切にするような管理・運用になります。

特に下落圧力が強い築浅の物件は注意しましょう。

③リフォームすることで賃料の下落を抑えられる

築年数が40年のマンションでも、リフォームやリノベーションによって、家賃下落を抑えることが可能です。

フルリノベーション済賃貸の例を見てみましょう。

  • 渋谷駅徒歩18分
  • 築37年
  • 専有面積30㎡
  • 賃料14万円(管理費込)

一方で渋谷区のワンルーム賃貸相場は14.95万円です。(参照:LIFULL HOME’S 渋谷駅の家賃相場 2020年4月現在

駅から遠く、築年数が経っているにも関わらず、賃料相場とほぼ変わらない価格で賃貸できています。

上記のように、部屋や設備が老朽化しても、リフォームを加えることで家賃下落は抑えることができるのです。

リフォーム代をシミュレーションに組み込んだうえで、キャッシュフローが安定するなら、リフォームはすべきと言えます。

5. 家賃下落のリスクはある!シミュレーションで余裕をもって投資しよう

不動産投資の中で家賃下落はリスクになりますが、ある程度予測することでリスクヘッジすることができます。

まずは、家賃下落率のデータを確認し、近隣の賃貸物件の家賃下落の推移をチェックしましょう。

その後、人口推移を調べて上述したシミュレーションを参考に自分の物件に当てはめてみてください。

収支に余裕のあるシミュレーション結果になることが理想です。

 

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