不動産の売却は、人生でそう何度もない大きなイベントです。
したがって誰もが失敗せずに、「高い価格で」「スムーズに」売却したいと思うことでしょう。
しかし不動産売却についてはさまざまな知識や情報を身に着けていないと、損をしたり法律違反になってしまうなんてことも。
そこでこの記事では、主に不動産売却を考えている人を対象に、取引の流れや必要な費用・税金・売却の際にできる特例などについて幅広く解説します。
目次
1. 不動産売却の流れを解説
不動産の売却はおおまかに、①近隣の価格調査②売却額の決定③仲介契約の締結④売却という流れになります。
その際さまざまな手続きや書類・費用などを必要としますので、順を追って解説していきましょう。
①売却の目的・理由を明確にする
不動産を売却する理由は、住み替えや転勤・親との同居・資金が必要になったなどさまざま。
売買に際しては、買主はなぜその不動産を売却するのか知りたがります。
買主から不動産売却の理由を追われれば、売主はその理由を積極的に明確に伝えるべきでしょう。
- 環境や住宅には満足しているが、家族が増え大きな住宅に買い替える必要がある
- 親と同居するため
などポジティブな理由であれば買主も好感を持ってくれるでしょう。
また例えネガティブな理由であっても、後日発覚して大問題になるようなこともあり得ますので、きちんと伝えなければなりません。
②売却金額・時期などの希望条件を決める
すぐにお金を必要としないという人も中にいると思いますが、一般的には売却して早くお金が欲しいもの。
- 住み替える住宅の資金に充当したい
- 事業資金が必要なため
など至急お金が必要な人も多いでしょう。
不動産売却をする人は、売却金額や売却時期などの希望条件をはっきり決めておくようにしましょう。
③近隣相場を調べる
次に売却する不動産と同等の物件が、どのくらいの価格で取引されているのかという相場を知らなければなりません。
相場を知る方法は、次のようなものがあります。
不動産会社のサイト
インターネット上には、不動産会社などのサイトが多数あり、売り出している物件の価格を手軽に調べられます。
ただし、あくまでも売り出し価格であり、成約価格ではないことに注意しなければなりません。
土地総合情報システム
国土交通省の土地総合情報システムにアクセスすれば、実際の成約価格知ることが可能。
地域を指定することにより取引価格・土地面積・建物の延べ面積・構造などの情報を得ることができます。
レインズ・マーケット・インフォメーション
レインズ・マーケット・インフォメーションは、全国の不動産流通機構4団体で構成する組織で、不動産成約価格などの情報が公開されています。
通常は登録している不動産会社しか見ることができないサイトですが、
不動産会社でなくても調べられるページもあり有効利用が可能。
不動産ジャパン
不動産流通推進センターが運営するサイトで、センターに加盟する不動産会社の売り出し価格を見ることができます。
④複数業者に査定を申し込む
物件の相場を確認したら次は、当該物件はいくら位で売却できるのか業者に査定を依頼します。
この場合1社でなく、複数の業者に査定を依頼しましょう。
1社だけだと、担当者の能力不足や不動産業者によっては不得手な分野などもあり、正確な査定を得られない場合も。
また仲介業者によっては、媒介契約を得るためにあたかもその価格で売れるかのように意識的に高い価格査定をする業者もあるためです。
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⑤不動産会社と媒介契約を結ぶ|3種の媒介契約を把握しよう
不動産会社を通して売買をする場合には、媒介契約を結ばなければなりません。
媒介契約には3つの方法がありますので、その内容について説明しましょう。
専属専任媒介契約
- 特定の不動産業者だけに仲介を依頼し、ほかの会社に依頼できない
- 売主が買主を探して契約すると違約金を取られる
- レインズ(指定流通機構)へは媒介契約締結後5日以内に登録が必要
- 1週間に1回以上売主へ状況を報告しなければならない
- 契約有効期間は最大3カ月
1業者に限られた期間ですべてを任せるので、積極的な活動が期待できる一方で、
十分な活動がされない場合には売却が決まらないのがデメリットです。
専任媒介契約
- 特定の不動産業者だけに仲介を依頼し、ほかの会社に依頼できない
- 売主が買主を探して契約できるが、費用を払わねばならない
- レインズへは、媒介契約締結後7日以内に登録が必要
- 2週間に1回以上売主へ状況を報告する義務がある
- 契約有効期間は最大3カ月
他の業者には仲介を依頼できませんが、自分でも買主を探せるのがメリットです。
一般媒介契約
- 複数の不動産会社に業務依頼可能
- 売主が買主を探し、契約できる
- レインズへの登録義務はない
- 売主への状況報告義務はない
- 契約の有効期限はない
複数の会社に依頼するので、競争して広告活動が活発になる可能性が高いです。
レインズに登録しなくてもよいので、物件の売却活動をしていることが公になりません。
⑥購入希望者へ向けた内覧や交渉を行う
購入希望者に物件を良いと思ってもらえたら、内覧をして住宅の状況を見てもらいます。
きれいに清掃をして、この住宅に住みたいと思うように演出しなければなりません。
物件のPRも忘れずに
また周辺の環境は内覧ではわからないので、駅や学校・役所・スーパーなどに近い、静かな環境で子育てに向いているなど特徴をPRすることも忘れずに。
購入希望者からはいくつか質問をされると思いますが、丁寧に答え住宅だけでなくご自分の人柄を知ってもらうようにしましょう。
また内覧の際には、売りたいという気持ちを前面に出しすぎないこと。
住宅の良さを前面に強調しないと、購入希望者に足元を見られ、値引きを強要されることもありますので要注意。
⑦物件情報を開示する
売買契約を結ぶ際に、当該不動産についての情報は可能な限り買主に開示しなければなりません。
特に物件に瑕疵がある場合には買主にきちんと伝えておかないと、売買契約締結後に大きなトラブルに発展することも…。
なお、契約締結時には不動産会社が重要事故説明制度に基づいた説明をするので、不動産会社には隠すことなく情報を提供することが重要。
瑕疵担保責任
瑕疵担保責任とは、不動産を売却し後日欠陥が見つかった場合、売主は損害賠償責任を負わねばならないこと。
瑕疵は買主が気を付けてもわからなかった欠陥であり、例えばシロアリの被害や雨漏りなどが該当します。
後日発覚した場合には、売主は物件を修理したり損害賠償をせねばならず、重大な欠陥であった場合には、契約解除を請求されることも。
なお売主が責任を負う期間は、物件の引き渡しから2、3カ月とする場合が一般的。
また、瑕疵が見つかった時に保険で対処できるようにしたのが「既存住宅売買瑕疵保険」で、不動産会社が独自に保証する場合もあります。
⑧売買契約を結ぶ
買い手が決まると、購入金額や契約条件などが記載された「買付申込書」が買主から提出され、
これをもとに契約日・手付金額・引き渡し日などを決めます。
売買契約は、買主と売主が署名・捺印することで成立。
売主には所有権の移転及び引き渡し義務が生じ、買主には売買代金の支払い義務が発生することに。
売買契約に必要な書類・印鑑
売買契約に必要な書類には、次のようなものがあります。
契約書に押印する印鑑は認印でも問題はありませんが、契約の安全性・確実性からみれば実印のほうが良いでしょう。
マンション・一戸建てに共通して必要な書類 |
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マンションに必要な書類 |
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一戸建てに必要な書類 |
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⑨手付金を受け取る
売買契約を結ぶ際に、買主から売主へ手付金が支払われます。
手付けには下記の3つの意味がありますが、後日売買代金に充当されるのが一般的。
証約手付
契約が成立した証拠の性格を持つもの。
解約手付
契約を解除するためには買主は手付金を放棄、売主は手付の2倍の金額を支払わなければなりません。
違約手付
買主・売主いずれかに債務不履行があったときには、手付金は違約金として相手に支払われます。
なお違約手付は、損害賠償とは別に徴収。
手付金の相場はどれくらい?
手付金の定めはありませんが、大きいと解約が難しくなり小さいと簡単に解約されてしまいます。
売買代金の5~20%程度の範囲で決めるのが一般的。
⑩ローンを完済する
不動産を売却するためにはローンを完済し、抵当権の抹消を行わなければなりません。
ローン完済の方法は、不動産を売却した資金で支払うか、別途自己資金を用意して支払うかです。
売却費用で支払う場合には買主から売買代金を受領し、金融機関にローン残高の支払いを完了し、抵当権を抹消するという流れになります。
抵当権抹消
抵当権抹消登記と所有権移転登記は、司法書士が金融機関へローン残債の支払いを確認した後に必要な書類を受け取り、
売買代金の決済終了後に登記申請を行います。
司法書士へ支払う費用は、所有権移転登記費用は買主が負担し、抵当権抹消登記費用は売主が負担するのが一般的。
⑩引き渡しを行う
ローン残代金の支払いと物件の引き渡しは、通常同じ日に金融機関で行われます。
物件に残置物などがないことを確認し、鍵の引き渡しを行い、不動産の売却がようやく完了するのです。
引き渡しに必要な書類
物件の引き渡しに際しては次の書類が必要です。
- 本人確認書類
- 実印
- 印鑑証明書
- 住民票
- 銀行振り込み先情報(金融機関の通帳)
- ローン残高証明書あるいはローン返済予定表
2. 不動産売却にも費用がかかる!費用の種類
不動産は購入時だけでなく、売却する際にも費用がかかります。
次に、不動産売却にかかる費用について解説しましょう。
売却するために要する費用には、次のようなものがあります。
- 仲介手数料
- 登記費用
- 測量費
- 印紙代
- 建物の取り壊し費用
- 借家人に支払った立ち退き料等々
- その他引っ越し費用など
不動産業者への仲介手数料
仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法で次表のように定められています。
下限についての定めは特にありません。
売買価格 | 手数料の上限 |
200万円以下の部分 | 売買価格の5% + 消費税 |
200万円~400万円以下の部分 | 売買価格の4% + 消費税 |
400万円を超える部分 | 売買価格の3% + 消費税 |
なお400万円以上の売買価格の場合は、
分けて計算するのも煩雑なので、通常次の速算式を利用します。
抵当権抹消などの登記手続き費用
不動産登記に関連する費用は、抵当権の抹消および設定の登記費用・印紙代・司法書士への報酬などがあります。
抵当権抹消についての費用
抵当権抹消登記をする際には、登録免許税がかかりますが、登記する不動産の数×1,000円です。
例えば土地が4つに分かれて登記されていれば、4×1,000。
ほかに司法書士への報酬がかかり、10,000円程度。
抵当権設定についての費用
抵当権設定登記についての登録免許税は、借入金額の0.4%です。
したがって2,000万円の住宅ローンを組むときには、8万円が必要。
また司法書士へ支払う報酬については、金額は物件や司法書士によって異なりますが、通常5~10万円程度。
居住していた場合は引越し費用
引越し費用は、荷物の量や引越しをする時期・転居先への距離などによって変わってきます。
だいたいの目安は、下表のとおりです。
単身者 | 夫婦 | 3人家族 | |
通常月 | 3万円程度 | 5万円程度 | 6万円程度 |
繁忙期 | 6万円程度 | 8万円手度 | 10万円程度 |
その他処分費用など
新居に転居する際には、旧居で使った不要物が出るものです。
粗大ごみは自治体が回収してくれますが、回収するものによって異なり1個500円~2,000円程度。
大量にある場合には、引越し業者や廃品回収業者に依頼したほうが楽でしょう。
また旧居を辞する際および新居に挨拶をする際には、手土産が必要です。
付き合いの深さにもよりますが1軒500円~1,000円程度。
3. 不動産売却にかかる税金を解説
不動産を売却するとさまざまな税金がかかります。
次に、売却の際にかかる税金について解説しましょう。
印紙税
不動産の売買には、印紙税がかかります。
一般的には2通作成し、それぞれに印紙を貼付しますが、原本を買主が保有し売主がコピーを持つ場合も。
令和2年3月31日までは軽減税率があります。
契約金額 | 印紙税額 | 軽減税額 |
1万円以上10万円以下 | 200円 | なし |
10万円を超え50万円以下のもの | 400円 | 200円 |
50万円を超え100万円以下のもの | 1千円 | 500円 |
100万円を超え500万円以下のもの | 2千円 | 1千円 |
500万円を超え1,000万円以下のもの | 1万円 | 5千円 |
1,000万円を超え5,000万円以下のもの | 2万円 | 1万円 |
5,000万円を超え1億円以下のもの | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え5億円以下のもの | 10万円 | 6万円 |
参考:国税庁HP
譲渡所得税の計算方法
不動産を売却した際には、売却益(=譲渡所得)に対して所得税及び住民税がかかってきます。
譲渡所得は、売却代金から取得費と売却する際にかかった譲渡費用を引いて算出。
譲渡所得=売却価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除
上記により算出した譲渡所得に対して所得税と住民税が掛かります。
譲渡所得税額=課税譲渡所得×税率
5年以下 | 39.63%(所得税30.63% 住民税 9%) |
5年超 | 20.315%(所得税15.315% 住民税 5%) |
※所得税に令和19年までの復興特別所得税を含む
短期譲渡所得
物件の所有期間が、譲渡した年の1月1日時点で5年以下の物を短期譲渡所得と言います。
所得税 | 住民税 | 計 |
30.63% | 9% | 39.63% |
なお2037年までは、復興特別所得税2.1%が掛かりますが、上記所得税を含んだ税率。
長期譲渡所得
物件の所有期間が、譲渡した年の1月1日時点で5年を超えるものを長期譲渡所得と言います。
所得税 | 住民税 | 計 |
15.315% | 5% | 20.315% |
なお2037年までは、復興特別所得税2.1%が掛かりますが、上記所得税はを含んだ税率。
4. マイホームの売却や買い換えに利用できる特例を紹介
マイホームの売却や買い替えをする場合には、税制上のさまざまな特例を受けられます。
いずれも特例の適用を受けるためには、確定申告が必要。
特例を利用して、お得に売買するようにしましょう。
譲渡益が出た場合
マイホームを売却して譲渡益が出た場合には、次の3つの特例があります。
3,000万円特別控除
居住用財産を売却した際には、所有期間の長さに関係せずに譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。
特例を受けるための条件は
- 現在、居住している自宅であること
- 居住しなくなった日から3年後の年末までに売却すること
- 建物を解体する場合、解体から1年以内に土地の売却契約を結ぶこと
- 売主と買主が夫婦や親子など特別な関係にないこと
10年超所有軽減税率の特例
居住用財産を10年超保有し譲渡した場合には、所得税及び住民税の軽減税率が適用されます。
この特例は、3,000万円の特別控除と併用できます。
この特例の適用条件は
- 居住している自宅であること
- 売却した年の1月1日時点で所有期間が10年超であること
- 前年・前々年にこの特例を受けていないこと
長期譲渡所得の軽減税率
課税長期譲渡所得金額 | 税額 |
---|---|
6,000万円以下 | 課税長期譲渡所得金額×10% |
6,000万円超 | (課税長期譲渡所得金額-6,000万円)×15%+600万円 |
特定居住用財産の買換え特例
この特例は居住用不動産を買い換えた際に、買い換えた住宅が売却した住宅の価格より大きければ、譲渡益への課税を繰り延べることできるとするもの。
この特例の適用条件は、
- 居住している自宅であること
- 売却した物件が1億円以下であること
- 買い換える建物の床面積が50㎡以上、土地の面積が500㎡以下であること
- 買い換える物件が築後25年以内または耐震基準をクリアすること
- 住まなくなった場合、3年後の年の12月31日までに売却すること
- 不動産所有期間が10年を超えかつ10年以上住んでいたこと
- 売却の前年から翌年までの3年の間に買い換えること
- 売主と買主が親子や夫婦など特別な関係にないこと
なおこの特例は「3,000万円の特別控除」や「10年超所有軽減税率の特例」と併用できないので、どちらを選ぶか判断する必要があります。
譲渡損が出た場合
マイホームを売却して譲渡損失が出た場合には、次の2つの特例があります。
特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
この特例は居住用財産を売却したときに、住宅ローン残債がありかつ売却損が出た場合、この売却損を一定の限度でその年の他の所得から差し引くことができる(損益通算)とするもの。
またその年にすべて損益通算できなかった金額は、翌年以降3年間繰り越して控除可能。
この特例の適用条件は、
- 譲渡の年の1月1日現在において、不動産の所有期間が5年を超えていること
- 償還期間が10年以上の住宅ローン等の借入残高があること
- 譲渡損失の金額があること
- 住まなくなった場合、3年後の年の12月31日までに売却すること
なお、3年以内に他の特定居住用財産の譲渡損失について損益通算の特例の適用を受けている場合、
および譲渡した年の前年または前々年に資産の譲渡で特例の適用を受けている場合は適用されません。
参考:国税庁 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
居住用財産を売却して所定の住宅に買い換え売却損が出た場合、この売却損をその年の他の所得と損益通算できるとする制度。
なお、損益通算を行っても赤字となる金額部分については、翌年以降3年間繰り越して控除できます。
この特例の適用条件は、
- 譲渡した年の1月1日現在において、不動産の所有期間が5年を超えていること
- 譲渡した前年の1月1日から譲渡した年の翌年12月31日までに住宅を買い換えること
- 取得年の翌年12月31日までに居住の用に供した、または供する見込みの場合
- 譲渡についての損失があること
- 買い替え資産を取得した年の年末、あるいは特例を受けようとする年の年末に、買い換えた住宅ローンの償還期間が10年以上あること
- 買い替え資産の床面積が50㎡以上あること
なお、3年以内に他の特定居住用財産の譲渡損失について損益通算の特例の適用を受けている場合、
および譲渡した年の前年または前々年に資産の譲渡で特例の適用を受けている場合は適用除外となります。
参考:国税庁 マイホームを買換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
5. 不動産売却をした時の確定申告について解説
サラリーマンは、会社が年末調整で所得税等の過不足を計算してくれるので、通常確定申告は不要。
しかし不動産を売却し譲渡所得が出たときには、確定申告をしなければなりません。
不動産売却後に確定申告が必須となる場合とは
不動産を売却し利益が出なかった場合は確定申告は不要ですが、譲渡所得が出たときには確定申告をしなければなりません。
しかし利益が出ない場合でも、他の所得と損益通算し税金を抑えることができることもありますので、覚えておきましょう。
確定申告の期間
確定申告の期間は、不動産を譲渡した年の翌年2月16日~3月15日までの間に行わなければなりません。
利益が出たのに確定申告をしないと、法廷納税期限の翌日から完納日まで延滞税がかかることに。
確定申告の流れ
サラリーマンなどは確定申告になじみが薄いと思いますので、その流れを説明しましょう。
必要な書類を集める
確定申告に必要な書類は、自分で用意する書類と税務署から入手する申告書類があります。
申告書は税務署の窓口でも入手できますが、国税庁のホームページからダウンロードすることも可能です。
自分で用意する書類
- 購入時・売却時の不動産売買契約書
- 登記事項証明書
- 仲介手数料などの領収書
税務署から入手する書類
- 確定申告書B様式
- 分離課税用の申告書
- 譲渡所得の内訳書
- 登記事項証明書
譲渡取得税を計算する
書類が揃ったら、確定申告書に記載して譲渡所得税を計算します。
なお譲渡所得税の計算式は、既に述べた通りです。
確定申告書を作成する
税務署から入手した確定申告書を、記入していきます。
国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、すべて自動計算してくれるので楽で間違いがありません。
税務署に提出する
税務署への提出の方法は、持参または郵送があります。
「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」を利用すれば、24時間自宅に居ながらにして提出ができるので便利。
但し、e-Taxを利利用するには電子証明書を取得したり、カードリーダーライターを購入するなど事前準備が必要です。
6. 不動産売却に不安があるなら、プロに相談するのもおすすめ!
不動産を上手に売却するためには、さまざまな知識と情報が必要です。
正しいルールに則って進めないと利益を得られないだけでなく、買主に迷惑を掛けたり思わぬ違約金を取られるようなことも…。
なお不動産の売却について疑問点や不安がある場合には、「MIRAIMOの無料相談会」や「個別相談会」に相談することをおすすめします。
まずはLINEで気軽にご相談ください。
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