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不動産を売却したら確定申告は必要?|利益と損失で違う申告方法を解説!

近年東京オリンピックやアベノミクスの影響が不動産価格にも連動しており、値上がりした不動産を売却する人が少なくないようです。

特に、リーマンショック後の不動産価格の下落時に購入していた人は大きく稼げるケースも。

このように不動産の売却で利益が出れば確定申告をしなければなりません。

投資用のみならず居住用の物件でも売却益があれば確定申告が必要。

売却益が発生するということは所得が増えることになるからです。

ところが、確定申告をしたことのない人は「申請の方法は?」「損した時も申請が必要なのか?」など疑問も多いでしょう。

そこで今回は、必要な確定申告の種類と方法について解説します。

1. 不動産を売却したら絶対に確定申告は必要?

不動産の売却では、利益があれば確定申告が必須ですが、損失があれば必須ではありません。

しかし、損失があれば確定申告により還付を受けられるケースもあるので、確定申告は必要だといえるでしょう。

まずは売却による所得を計算してみよう

不動産の売却で利益があれば「(課税)譲渡所得」、損失があれは「譲渡損失」と、それぞれ計算方法が異なります。

課税譲渡所得の計算方法

まず、「譲渡所得」とは「売却価格-(取得費+諸経費)」のことを言います。

そして、一定の要件に該当すれば、ここからさらに「特別控除額」を差し引きます。

これが「課税譲渡所得」です。

課税譲渡所得の計算方法
課税譲渡所得=売却価格-(取得費+諸経費)-特別控除額

参考URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm

売却により利益(課税譲渡所得)が出た場合

「課税譲渡所得」に一定の税率を掛けて税額を計算します。

譲渡した年の1月1日に、所有期間が5年以下であれば短期譲渡(所得税30%住民税9%)、

5年を超えていれば長期譲渡(所得税15%住民税5%)になります。

居住用でも確定申告は必要

居住用でも利益(課税所得)があれば確定申告は必要です。

また一定の要件を満たせば「居住用財産を譲渡した場合の特別控除」として、譲渡所得から3,000万円を差し引くことが可能です。

売却により損失が出た場合

損失があれば、確定申告は必須ではありません。

しかし損失が出ると、その年の給与所得と損益通算により税金を安くすることができるため確定申告は必要と言えるでしょう。

またその年だけで損失の控除がしきれなければ、個人の場合だと最大3年間繰り延べることが可能なのも魅力です。

関連記事不動産売却で譲渡損失が出ても確定申告は必要?|特例が受けられる場合と申告方法を解説

2023.03.19

2. 不動産を売却した時の確定申告|利益が発生した場合

不動産の売却で利益が発生したときの確定申告の進め方を具体的に紹介しましょう。

必要な要件をチェックして書類を揃えよう

確定申告の申請書類は、税務署で取得できますが、申請書類に添付する書類は自分で準備しなければなりません。

税務署で取得する書類
  1. 確定申告書B様式
  2. 分離課税用の確定申告書
  3. 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)、青色申告の場合は所得税青色申告決算書
  4. 添付書類台紙(源泉徴収票や各種控除に必要な書類などを貼り付ける)
申請書類に添付する書類
  1. 不動産売却時の売買契約書
  2. 不動産購入時の売買契約書
  3. 仲介手数料や印紙代などの領収書

「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を受けたい

手続きは、売却した日から2カ月後に取得できる住民票除票を添付してください。

特別控除を受けるための要件
  1. 自分が居住用として使っていた不動産である
  2. 売主と買主が婚姻関係・親族関係など特別な関係にない
  3. 売却年度から過去2年間のうちに同様の特例を使った譲渡所得の損失など他の特例を使用していない

参考URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm

「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」を受けたい場合

所有期間が10年以上で軽減税率の特例を受けることが可能です。

この特例は、3,000万円の特別控除と併用できます。

軽減税率の特例の要件は、居住用として10年以上所有した不動産の売却であり、申請には確定申告時に売却した不動産の謄本の提出が必要です。

6,000万円を基準に適応される税率が異なる
○課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下の場合

譲渡所得税=課税長期譲渡所得☓10%(税率)

○課税長期譲渡所得金額が6,000万円超の場合

譲渡所得税=(課税長期譲渡所得−6,000万円)☓15%(税率)

参考URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm

「特定のマイホームを買い換えたときの特例」を受けたい場合

所有していた不動産を売却して、新たに住居用の不動産を購入すれば買換えの特例が適用されます。

売却した不動産の要件
  1. 売却した年の1月1日において所有期間が10年以上
  2. 居住期間が10年以上
  3. 売却価格は1億円以内
新たに購入した不動産の要件
  1. 床面積が50㎡以上
  2. 築年数25年以内または耐震住宅・土地面積が500㎡以下
  3. 前の不動産を売却した年の前後3年の間に取得した不動産

参考URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3355.htm

3. 不動産を売却した時の確定申告|損失が発生した場合

譲渡損失があれば、確定申告をすることで損益通算や繰越控除が可能です。

事業所得や給与所得と損益通算して節税することができます。

必要な要件をチェックして書類を揃えよう

必要な書類
  1. 確定申告に必要な書類
  2. 譲渡損失のある不動産の謄本
  3. 売買契約書
  4. 住民票の除票
  5. 買い替えた不動産の謄本
  6. 売買契約書
  7. その年の年末の住宅ローンの残高証明書
  8. 住民票

「マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を受けたい

新しく自宅を購入した時、売却した不動産に譲渡損失があれば、損益通算や繰越控除が可能です。

譲渡損失があった年の他の所得と譲渡損失を損益通算することで税金を軽減でき、その年で控除しきれなければ、翌年より3年間繰越控除ができます。

損益通算の場合

特例の適用手続
  1. 譲渡損失の金額の明細書を添付する
  2. 譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書を添付する
  3. 旧居宅に関する書類を添付する
  4. 新居宅に関する書類を添付する

繰越控除の場合

特例の適用手続
  1. 適用を受けた年分について一定の書類の添付がある期限内申告書を提出する
  2. 適用を受けた年分の翌年分から繰越控除を適用する年分まで連続して確定申告書を提出する
  3. 年末における住宅借入金等の残高証明書を添付する

参考URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3370.htm

「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を受けたい

特例の条件は買い替えではなく、売買契約を締結した日の前日で譲渡損失があった不動産に償還期間10年以上の住宅ローンがあることです。

買い替え特例と同じように、譲渡損失があった年の他の所得と譲渡損失を損益通算することが可能です。

その年で控除しきれなければ、翌年より3年間繰越控除ができます。

損益通算の場合

特例の適用手続
  1. 特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書を添付する
  2. 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書を添付する
  3. 売却したマイホームに関する書類を添付する

繰越控除の場合

特例の適用手続
  • 損益通算の適用を受けた年分について全ての書類の添付がある期限内申告書を提出する
  • 損益通算の適用を受けた年分の翌年分から繰越控除を適用する年分まで連続して確定申告書を提出する

参考URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3390.htm

4. 確定申告はいつ行う? 申請方法は?

不動産を売却した時に必要になる確定申告の申請時期や申請方法について紹介します。

申告時期と期間

確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの所得に対する税額を計算して、翌年の2月16日から3月15日までに申告することになります。

申請方法

支払う税金は所得税および復興特別所得税であり、確定申告をするには確定申告書や決算書などの必要書類をそろえて、最寄りの税務署に申告して納税しましょう。

5. 不動産を売却したら忘れず確定申告をしよう!

不動産を売却した時には、利益がある場合だけではなく損失がある場合でも確定申告をしましょう。

損失により節税の可能性があります。

もっと詳しく知りたいという人は、プロの力を借りることがおすすめです。

不動産の売却における疑問や不安があれば、MIRAIMOの無料オンライン相談に問合せてください。不動産売却には専門家のアドバイスが欠かせません。

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