不動産を売却する時には、誰もが少しでも高値で売りたいと考えるでしょう。
高値売却の方法があるのであれば押さえておきたいものです。
ところで不動産を売却するタイミングで、売却価格が異なるのでしょうか?
結論から言うと、売却のタイミングにより売却価格は異なります。
そして、売却のタイミングにも様々なパターンがあるため、それぞれのパターンに応じたタイミングで売却することが必要になります。
そこで、今回は不動産売却のタイミングを判断するには、どのようなパターンがあるのかを紹介しましょう。
さらに、それぞれのパターンに応じたタイミングを解説しますので、売却を検討している方は参考にしてください。
目次
1. 不動産売却の最適なタイミングをパターン別に紹介
不動産売却には売却時のパターンに応じて適切なタイミングがあるのをご存知ですか?
最適なタイミングを押さえておくことで有利な取引ができ、高値で売却することが可能になるのです。
早いタイミングで売却したいパターン|減税措置を利用する
何らかの事情により、早いタイミングで売却したいパターンがあるでしょう。
一般的に売り急ぐと価格交渉が難しくなると言われます。
そこで、売却時の減税措置などを確実に押さえておき、納税による出費を抑えてください。
マイホーム特例
居住用の不動産であれば、売却益(譲渡所得)に対して3,000万円の控除が認められます。
居住中の家を売るケースだけではなく空き家となっていても、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までの売却であれば控除されるのです。
マイホーム特例は、3,000万円と控除額も大きいので節税には効果があります。
なお、空き家であれば、住まなくなってから3年という期間があるので注意が必要です。
もちろん、譲渡所得がなければ必要のない特例になります。
相続税の特例
相続した家を売却するのであれば、相続開始から3年10カ月以内に取引してください。
なぜなら、相続開始から3年10カ月以内の売却であれば、相続税の一部を家の取得費に加えることができる特例があるからです。
取得費が増えれば譲渡所得が減額されます。
なお取得費が不明な場合には、取得費を売却価格の5%として計算するのですが、譲渡所得が高くなるケースが少なくありません。
急いでいても考えたい、売却時期
早いタイミングでの売却を希望するのであれば、売却期間も短いものになってしまうでしょう。
不動産が高く売れる時期にはシーズンがあり、1~3月・9~11月であれば物件の需要が高まります。
しかし、それ以外のシーズンだと需要が低くなり、売却価格にも影響が。
つまり、シーズンを外すと売却価格が抑えられる傾向が高まり、不動産の資産価値が減少してしまうのです。
売却を急いでいないパターン|5年以上は所有しよう
売却を急いでいなければ余裕を持って取引できるので、売却のタイミングによっては高値での売却も期待できるでしょう。
しかし、物件の所有期間に応じて納付税額が大きく異なるので注意が必要です。
譲渡所得と所有期間による税金
納付する税金では、所有期間に応じて譲渡所得税と住民税を合わせた税率が大きく異なります。
譲渡した年の1月1日における所有期間が5年以下で短期譲渡、
5年を超えると長期譲渡となり、税率が短期譲渡で約39%、長期譲渡で約20%です。
つまり、短期譲渡をしてしまうと長期譲渡の2倍程度の税金を支払わなければいけなくなります。
したがって、売却を急いでいないパターンであれば、所有期間5年超を意識する必要があるでしょう。
引っ越しのタイミングにも注意
売却期間が長期に渡るのであれば、引っ越しのタイミングにも注意が必要でしょう。
一般的に入居中の物件よりも入居していない物件の方が売れやすいと言われます。
早く引っ越した方が有利に取引できる可能性が高いのです。
しかし、たとえば買い替えで、すでに新居が準備できていれば良いのですが、賃貸を利用するのであれば家賃が必要になるので注意が必要になります。
2. 不動産を少しでも高値で売却するための方法
不動産の価格は、市場の動向により変化するので、高値売却のためには押さえておかなければいけないポイントがあります。
そこで、不動産を少しでも高く売却するための方法を紹介しましょう。
複数の業者から見積もり依頼をする
不動産の売却では、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。
仲介を依頼する前に物件の価格査定を行うのですが、複数の業者に見積もりを依頼しなければいけません。
なぜなら、業者によって価格査定の額が異なることがあるからです。
業者によって、得意な物件や不得意な物件があります。
たとえばマンションの取引件数は多いですが、戸建ての取引件数は少ないなどの特色を持つのです。
得意な物件であれば独自の販売ルートを持ち、価格査定も強気になるケースが少なくありません。
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不動産の売買が活発になる時期に売却を始める
不動産の売買が活発になる時期にあわせて売却を始めましょう。
先述の通り、人の移動が多いため物件の需要が高まる、1~3月や9~11月頃に売却できるように計画を立てましょう。
不動産売買では、売却のタイミングを見計らうことが高値売却のポイントだと言えます。
そのためには、売却期間に余裕を持った計画が必要になるのです。
所有から5年以降に売却するようにする
売却する物件の所有期間が、5年以内であれば短期所有となり税率が約39%、5年を超えていれば長期所有となり税率が約20%になります。
短期所有だと長期所有の2倍程度の税金を支払わなければいけません。
したがって、不動産の売却では所有期間が5年を超えていることが節税対策としては重要だと言えるのです。
3. 不動産の売却タイミングによって税金は変化する
所有期間5年を境に短期譲渡と長期譲渡に分かれると記載しましたが、実際に数字を入れて計算してみましょう。
譲渡所得税と住民税は、「譲渡所得」に対して計算されます。
譲渡所得は「売却価格-(取得費+譲渡費用)」で計算してください。
売却価格が2,000万円で、取得費が不明だとすると売却価格の5%が適用され100万円になり、譲渡費用が100万円だとしましょう。
譲渡所得は、控除等を考えなければ「2,000万円-(100万円+100万円=1,800万円)」になります。
税率の概算は、
- 短期譲渡が譲渡所得税30%・住民税9%
- 長期譲渡が譲渡所得税15%・住民税5%
なので、
- 短期譲渡の税額が「1,800万円×(30%+9%)=702万円」
- 長期譲渡の税額が「1,800万円×(15%+5%)=360万円」
と大きく異なるのです。
4. 不動産の売却タイミングを決定する要素5つ
不動産の売却を決定するタイミングには5つの要素があるので、あらかじめ確認しておきましょう。
なぜなら、それぞれの要素に合わせたタイミングで売却することが高値売却の秘訣になるからです。
①季節から見る売却タイミング
不動産の売買が活発になるのは、1~3月や9~11月。
これは、春や秋の入学・入社や人事異動などの新生活への準備時期になります。
したがって、シーズンで言えば春や秋に向けて売り出すのが、売却のタイミングとしては効果的だと言えます。
②マーケットから見る売却タイミング
不動産価格は、マーケットの影響を受けることが少なくありません。
たとえば、オリンピックなどの影響で不動産景気が活性化していれば、不動産価格も上昇します。
ところが、リーマンショック時のようなマイナス要素があれば不動産価格は下落するのです。
できる限り、景気が良いタイミングを見計らって売却しましょう。
③築年数から見る売却タイミング
築年数に応じて、不動産の資産価値は低下していくのですが、低下のカーブは一定ではありません。
築10~15年目までは1割程度の低下ですが、築15年を超えると低下のカーブが大きくなるのです。
しかし、築30年を超えると価格は一定になります。
④税金から見る売却タイミング
税制から見る売却のタイミングは、所有期間が5年以内であるか5年超であるかを目安にしてください。
税率が5年以内で約39%、5年超で約20%でした。
居住用財産であれば、所有期間が10年を超えるとさらに税率が軽減されます。
⑤金融機関からの借入残高から見る売却タイミング
不動産を購入する時には、金融機関からの融資を受けるのが一般的でしょう。
物件の売却時には、借入残高の有無も意識する必要があります。
ローンを完済していれば問題ないのですが、借入残高があれば、少なくとも売却額で残債を整理するのが目安です。
5. 不動産が売れないときの値下げのタイミング
不動産が売れなければ、値下げと言う対策を講じることになります。
実は、値下げにもタイミングがあるのです。
タイミングを誤ると、必要以上に値下げすることになったり、値下げの効果が得られなかったりしてしまいます。
値下げは売り出しから6か月経過後
売り出しから6カ月過ぎても売れ残っているようだと、値下げを考えなければいけないでしょう。
なぜなら、物件が売れると言われる春と秋のどちらかのシーズンを迎えているにも関わらず売れ残っているからです。
長期に渡って売れ残る場合には、価格に妥当性がないと考えるべきでしょう。
したがって、売り出しから6カ月後が値下げのタイミングだと判断できるのです。
地域によっては値下げ期間が前後する
地域によっては値下げ期間が前後するケースもあります。
たとえば、北海道など北の地域では、雪が深く春の到来が遅くなるので、値下げのタイミングも後ろにずれこむことが少なくありません。
春から値下げを始め、秋に売却を決めるのが一般的でしょう。
不動産相場と価格の乖離が大きくなったとき
売却価格には、不動産相場が大きく影響を与えます。
不動産相場が上昇すれば売却価格が高くなり、下降すれば売却価格が低くなるのです。
つまり、不動産相場が下がっているのに売却価格が高いままだと価格の妥当性が弱くなります。
不動産相場と価格との乖離が大きくなると、物件は売れ残ってしまうのです。
したがって、乖離が大きくなると値下げのタイミングだと言えます。
6. 不動産の売却タイミングを決めるときの注意ポイント
不動産を高く売却するためには、様々なタイミングがあります。
そして、売却のタイミングに応じて価格が変動するのです。
そこで、不動産の売却タイミングを決めるときの注意ポイントを紹介しましょう。
安く売るほうが良いタイミングもある
不動産が古くなり老朽化が進むと、物件を維持するために様々なメンテナンスが必要になります。
所有しているだけで費用がかさむのであれば、もはや売り時でしょう。
つまり、売却のタイミングとしては、価格を安くしても売る方が良いケースもあるのです。
不動産周辺の環境の変化に気を配る
売却物件の周辺環境の変化にも注意してください。
特に売却したい物件が賃貸物件であれば、ライバル物件の動向にも気を配りましょう。
たとえば、売却物件の周辺に新しい賃貸物件が建てられたりすると、価格の下落に対応しなければいけなくなるかもしれません。
売却後の税額も把握しておく
不動産を売却する時には、売却益を期待するでしょう。
しかし、売却額がそのまま売却益になるわけではなく、 売却費用や税金を差し引く必要があります。
特に、売却後に支払う税額は、大きく異なることがあるので把握しておきましょう。
たとえば、物件の所有期間により税率が大きく異なりました。
所有期間が5年以内だと短期所有になり、所有期間が5年を超えた長期所有の2倍もの税金を支払うことになるのです。
7. 最適な売却タイミングを把握して不動産を売却しよう
不動産を少しでも高値で売却するためには、ベストなタイミングを選択する必要があります。
売却時には様々なパターンがあり、そのパターンに合わせた最適なタイミングで売却することで、高値売却が可能になるのです。
したがって、まず物件を売却する時の様々なパターンに着目することが必要でしょう。
そして、それぞれのパターンに応じたタイミングでの売却を目指せば、物件を少しでも高く売却することができるのです。
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