最近は、一般のサラリーマンが不動産投資家として活動しているという話をよく耳にします。
将来の年金不安などを考えると、サラリーマンの副業として賃貸マンションなどの不動産投資に着目するのも、うなずけるところです。
不動産投資の対象は、ワンルームなどの区分マンションに投資するケースが多いようです。
しかし、中にはマンションを一棟買いする投資家も少なくありません。
はたして、マンションを一棟買いするリスクはないのでしょうか?
そこで、今回はマンションの一棟買いで失敗しないためのポイントを解説しましょう。
失敗しないためには、事前の物件選びと収支計画が重要だと言われます。
なにぶん、一棟買いでは大きなお金が動くので失敗することは許されません。
目次
1. マンションの一棟買いで失敗しないための物件選びポイント
マンションの一棟買いでは、購入資金として、まとまった資金を投下することになります。
したがって、失敗することはできないでしょう。
物件選びの段階で、十分な絞り込みが必要になるのは言うまでもありません。
①まずはターゲット(単身・ファミリー層)を絞り込もう|空室リスク対策になる
マンションの一棟買いで長期的な利益を確保するためには、空室リスクへの対策を講じておかなければいけないのです。
そのためには、単身者・ファミリー層などのターゲットの絞り込みが欠かせません。
投資エリアにおける賃貸需要をベースに絞り込みを行いましょう。
つまり、「どのような人が入居する確率が高いか」を調査するのです。
そして、ニーズに合わせた物件を選択することで空室リスクを抑えてください。
②ターゲットに合わせた物件を選ぼう
いざ一棟マンションの購入を検討する前に、物件のあるエリアが学生など単身者の賃貸需要が高いエリアなのか、
ファミリー層の賃貸需要が高いエリアなのかを判断することになります。
単身者の多いエリアにファミリー向けの物件を購入したのでは、スムーズな運営が難しくなるのは言うまでもないでしょう。
単身者に好まれるエリアと間取りとは?
ターゲットを単身者に絞り込んだのであれば、一般的に単身者は外出の頻度が高くなるため、
駅からのアクセスの良さがエリア選びのポイントになります。
間取りとしては、ワンルーム・1K・1LDKなどになるでしょう。
キッチンなどの設備も、それほど充実したものは不要です。
ファミリー層に好まれるエリアと間取りとは?
ファミリー層に好まれるエリアとしては、生活を意識した周辺環境が整備されたエリアになるでしょう。
学校や病院など、公共機関へのアクセスがポイントになります。
ファミリー向けの間取りとしては、2DK~3LDKのように複数の部屋を用意しておきたいものです。
③物件を吟味しよう
ターゲットを絞り込んで、対象になる入居者に合わせた物件を選択するだけではいけません。
物件を吟味してください。
なぜなら、少子化により賃貸経営は難しくなると言われているので、今後の賃貸経営には物件の差別化が必要になるからです。
マンションを選ぶ際に見ておきたい点を表にしました。
着目点 | 概要 |
築年数 | 古い物件を購入する時には耐震基準に注意してください。 耐震基準の改正があり、1981年6月1日以降に建築確認された物件であれば、 新耐震基準を満たしているので地震などの災害について安心だと言えます。 |
構造 | 賃貸物件の構造により耐用年数が異なります。 耐用年数とは、固定資産の使用年数のことで、税務上の減価償却を行うために計算の基礎になる年数。 たとえば、耐用年数により金融機関からの融資期間が異なるので、返済額や返済期間が異なるのでチェックが必要でしょう。 |
設備 | ターゲットに合った設備を選ぶのがポイントになります。 たとえば、学生のような単身者にシステムキッチンが必要でしょうか? 学生であれば、キッチンなどの設備は簡素にして家賃を安く設定する方が喜ばれるでしょう。 |
管理 | 中古物件を購入する際には、リフォーム歴や修繕履歴などの確認が欠かせません。 なぜなら、定期的な修繕などを適正に行っているマンションと行なっていないマンションでは、 今後必要になるメンテナンス費用に大きな差が生じるからです。 |
④現地へ足を運んで調べよう
投資家の中には、書類のみで物件を購入する人も少なくないようです。
しかし、物件を選択する時には、必ず現地へ足を運んでください。
自分の目で確認してからでなければ購入を決めてはいけません。
物件でチェックしたいポイント
物件でチェックしておきたいのは、室内の状況だけではありません。
清掃状況など管理の確認も必要です。
また、物件の周辺環境も確認しておきましょう。入居者の目線に立った確認がポイントになります。
周辺環境は夜の治安もチェックしよう
特に周辺環境のチェックでは、夜の治安を確認しておいてください。
エリアによっては、昼と夜で環境が一変するところも少なくありません。
たとえば、昼は静かでも夜になると飲み屋街からの酔っ払いで、ざわついたりするエリアもあります。
2. マンションの一棟買いで失敗しないためには資金計画をしっかり立てよう
マンションの一棟買いでは、大きなお金が動くため、あらかじめ入念な資金計画を立てておかなければ失敗してしまいます。
たとえば、わずかな金利上昇でも借入金の額が多ければ、大きな金利リスクを抱えることになるからです。
①まずは予算を決めよう
マンション投資では、あらかじめリスクがあるものとして資金計画を立てておく必要があるでしょう。
予算を決める時にも、金利が上昇する前提で計画することで余裕のある運営が可能になります。
自己資金はどれくらい用意するもの?
マンションの一棟買いには、物件の購入費用として金融機関の融資を利用することになります。
最低でも物件価格の1割程度の自己資金は必要になるでしょう。
物件価格の3割程度の自己資金があれば運営に余裕が生まれます。
②気に入った物件を見つけたら利回りを計算してみよう
気に入った一棟マンションを見つけたら利回りの計算をしてください。
利回りとは、投資総額に対してどのぐらいのリターンがあるのかを表す言葉。
利回りが高い物件ほど、投下した資金の回収が早くなるので有利だと言われています。
利回りの計算方法|実質利回りを重視しよう
利回りの計算方法には、表面利回りと実質利回りがあります。
表面利回りには、税金や保険料などの費用が含まれていないので、諸費用を含めた実質利回りで計算してください。
利回りの計算方法 | |
表面利回りの計算 | 表面利回り=年間家賃収入÷購入代金×100 |
実質利回りの計算 | 実質利回り=(年間家賃収入-諸費用)÷購入代金×100 |
③想定されるリスクに備えた収支計画を立てよう
マンション投資で成功するためには、想定されるリスクに対して対策を講じておかなければいけません。
あらかじめ、収支計画にもリスク管理を含めておくのです。
家賃下落リスクの影響は大きい
物件は経年劣化するため、家賃を下げなければならないこともあるでしょう。
何部屋も丸ごと所有することになる一棟マンションでは、少しの家賃の下落でも大幅に収益が下がることになりかねません。
物件購入時に計算した利回りを継続させることは難しいため、
家賃の下落を見越した収支計画や、家賃下落へのリスク対策を立てることが必要です。
修繕費は想定外にふくらむことも
マンションでは定期的な修繕が欠かせません。適切なメンテナンスが物件の資産価値を維持するのです。
しかし、修繕費は想定外にふくらむこともあります。
資金計画には余裕を持たせておく必要があるでしょう。
災害は突然やって来るので、保険加入は必須
災害(地震・台風・火災)は突然やってきて、最悪のケースとして家賃収入をストップさせてしまうのです。
したがって、災害リスクは起こりうるものとして対策を講じておきましょう。
火災保険や地震保険への加入は、欠かすことのできない対策です。
④融資の相談は複数の金融機関へ
一棟マンションを購入する際の融資の相談には、複数の金融機関へ足を運んでください。
なぜなら、金融機関によって融資の可能性や融資条件が大きく異なるからです。
自分にとって、最も有利な条件を提示する金融機関を選びましょう。
金利は何を選択する?|金利上昇リスクとは
ローン金利には、金利が変わらない固定金利と金利が変わる変動金利があります。
固定金利は変動金利よりも金利が高いのですが、長期間一定なので、今後金利上昇リスクが見込まれるのであれば安心だと言えるのです。
⑤出口戦略を練っておこう
マンション投資では出口戦略である売却までを含めて、成功したかどうかを判断しなければいけません。
したがって、マンション一棟投資で失敗しないためのコツは、最終的に売却可能な物件を購入しておくということです。
マンション一棟は流動性が低い
マンション一棟は、区分マンションに比べて流動性が低い(売れにくい)と言われます。
したがって、耐用年数の残り少ない古い物件だと、さらに購入意欲は減退するかもしれません。
築古物件の購入には注意が必要でしょう。
3. マンション一棟買いをする際は購入前の準備で失敗リスクを大きく減らせる
マンションの一棟買いをして、うまく運用すれば専業投資家として生計を立てるチャンスがあります。
しかし、万が一失敗してしまうと大きなリスクを被るのも事実です。
一棟買いをスムーズに進めるコツは、購入前の念入りな準備に尽きると言えます。
投入資金も少なくない一棟買いには、様々なリスクがついて回るでしょう。
しかし、事前にしっかりとした物件選びや収支計画を立てることで、想定されるリスクを軽減することができるのです。
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