マンション一棟買いをして不動産投資をしたら、沢山の部屋からそれぞれ家賃収入を得ることができます。
区分マンション(マンション一室)を何戸も買うより、効率的で魅力的に感じますよね。
ただ、マンション一棟買いにもリスクやデメリットがあり、リスクを理解しないまま投資をすると失敗する原因にもなりかねません。
そこで今回はマンション一棟買いのリスクや、マンション一棟買いで失敗しないために押さえておきたい注意点について解説していきます。
目次
1. マンション一棟買いをするリスク6選
マンション一棟買いをして不動産投資を始めることを考えているあなたに。
複数の部屋を所有することになるため、大きな収入が見込めるマンション一棟投資。
どんなリスクが隠れているのでしょうか?また対策法も併せてご紹介しますので参考にしてください。
①投資金額が大きい
マンション一棟買いは、当然のことながら区分マンションと比べて金額が大きくなります。
返済比率(年収に対する年間の返済額割合)には要注意。
満室時の収入に対する返済比率は50%が理想です。下記が目安になります。
40%以下:安全
50%以下:やや安全
50~55%:やや注意が必要
55%以上:危険
マンション一棟で投資すると返済以外にもリフォーム代・管理費・各種税金が大きくかかり、合計家賃収入の20%程度はかかります。
またマンション一棟は、いくら人気といえど空室を10%ほどは見込まなければいけません。
マンション一棟投資のキャッシュフローを考えると、返済比率は50%に抑えたほうが安全なのです。
一番良いのは自己資金率を高くすることです。
②空室リスクがあり、ずっと満室経営は難しい
マンション投資をする上で避けられないのが空室リスク。
一棟マンションでは扱う部屋数が多い分、空室リスクの分散ができますが、全く埋まらない場合大損害を被ることになりかねません。
例えば、家賃5万円で10戸のマンションだったら満室時で月収が50万円。
全国平均の空室率が20%超のこの時代、どんなに対策を入念にしても、満室経営を維持し続けることは難しいでしょう。
③賃料を下げた際に収入減の幅が大きい
マンションは、築年数が経過して建物が劣化するにつれて、賃料を下げなければ入居者が付かない場合が。
マンション一棟では下げた賃料×戸数分賃料が下がるので、家賃を下げる前に対策を打つことで家賃を下げなくて済む方法もあります。
家賃を下げる前にできる対策として
- リフォームやリノベーションをする
- 募集方法を変える
- 共有部分をきれいにする
- オートロックや防犯カメラなど、設備を充実させる
など入居希望者を惹きつける工夫をすることで、資産価値を維持することができます。
④修繕費用や管理費が高額になる
一棟マンションを保持していると、管理費や修繕費用も膨大になります。
退去するたびにリフォーム代が出たり、共有部分の修繕費やメンテナンス代(エレベーター点検・清掃・電球の交換など)が必要に。
自分で業者を呼んだりDIYをしたりは手間もかかりますし、いつ修繕費が発生するかも分かりません。
一棟投資は管理会社を利用することをお勧めします。
(委託管理費は家賃収入の5%前後)
マンションの大規模修繕は約15年程度に1回は加えることになるため、修繕積立金は定期的に積み立てておき、自分でも余裕を持たせた収支計画を立てておくことが必要です。
⑤地震などで建物が損壊・倒壊した場合のダメージが大きい
マンション一棟買いをした場合、災害が起きたときに災害リスクの分散ができません。
オーナー自身でできる対策として、
- 新耐震基準(1981年6月改正)のものを選ぶ
- 耐震・免震強度を細かく確認しておく
- 地震保険・火災保険は入っておく
など注意が必要です。
所有物件で事件や事故などがある可能性もごくわずかですがあります。事前に購入することは防ぎましょう。
極度に安い、利回りが高い物件には注意です。
また、マンション投資において火災保険や地震保険に入っておくことは必要不可欠といえます。
⑥流動性が低い(売りにくい)
流動性は簡単にいうと「資産を売りたいとき、どれくらい早く現金化できるか」。
元々不動産は現金化に時間がかかる、いわゆる流動性が低い資産ですが、一棟マンションは区分よりも高額なので、買い手がつきにくく、流動性が低い傾向にあります。
売りたいときに、築年数や設備など物件のスペック・立地・時期によってはすぐ売れないこともある・・・ということも考慮しましょう。
不動産売買はタイミングが重要。
買うときは閑散期(1月・8月の俗に言う「一八(いっぱち)」)を狙う。
売る時は不動産取引が活発になる3月より前を狙うのも手です。
すぐ売れるものではないので、12月から売却活動をスタートするのが得策。
ただ、立地がいいと大きなキャピタルゲインを狙えるのもマンション一棟投資の特徴です。
不動産会社に査定などを依頼し、売却タイミングを見極めましょう。
2. マンション一棟買いで失敗しないために押さえておくべき注意点
一棟マンションは、不動産投資の中ではどちらかと言えば中級者~上級者向けになるでしょう。
仕事の片手間で一棟マンション経営しているサラリーマン・主婦も多くいます。
ただ、努力を惜しんでいる人はいません。
マンション一棟買いの時点でポイントを押さえておくことで、投資の失敗を防ぐことができます。
無理なローンは組まない!資金計画を立てる
「たくさん家賃収入が手に入る」と安易にマンションは購入しないでください。
家賃収入が多く手に入る分、購入価格も多額になるため、資金計画を細かく立てることが重要です。
マンション一棟買いにはローンを利用できますが、「返済すること」を忘れないようにしてください。
- どの金融機関なら、何%の金利で何年のローンを組めそうか
- 毎月の返済額の目安はいくらになりそうか
- 収入はどれぐらいか(空室も想定して)
- 管理費や税金など、ランニングコストはいくらになりそうか
シミュレーションをして、毎年収支計画を見直していきましょう。
自分に見合った価格のマンションを買う
不動産投資ローンの融資上限の目安は、勤務先や勤続年数、借り入れ状況によって異なりますが、年収の7倍~10倍の間だと言われています。
例えば年収500万円であれば、およそ3,000万円のマンションが妥当だということ。
年収500万円の人が無理をして5,000万超えのマンションを一棟買いした結果、少しでもマンションの経営状態が傾くと、自分の家計をも圧迫するリスクが。
無理な借り入れは非常に危険です。
マンションの立地は重要
マンション一棟買いをする場合は、「立地」が投資成功のカギになってきます。
賃貸需要のある場所を選ぶ
いくら安いマンションでも、賃貸需要のない立地で投資をしても入居者は入ってきません。
空室だらけでランニングコストの方が高くなって、失敗してしまうことはよくあります。
利便性の高い駅の駅近や人口減少があまり見込まれない地域、スーパーや学校などの施設が近いなど、果たしてその立地で入居希望者はあらわれるかを重視して選ぶことが大切です。
ハザードマップを見て、災害リスクの少ない場所を選ぶ
マンション一棟を保有していて、例えば川の氾濫や津波などで建物に被害を受けると、収入が途絶えてしまう事態にもなりかねません。
国土交通省が出している「ハザードマップ」を利用することで、洪水や土砂災害・津波などが起きる地域を地図で見ることができます。
洪水や津波が起こらない地域を選ぶと、水害リスクはなくすことができるのでおすすめです。
マンション建物自体も慎重に選ぶ
いくら立地が良くても、マンションの建物自体に問題があれば入居者は入ってきません。
新築マンションの場合は建物自体に問題があることは、あまりありませんが、中古マンション一棟買いをする際は、購入前にくまなく内覧をしましょう。
マンション建物のチェックポイントをご紹介しますので、参考にしてください。
マンション建物のチェックリスト |
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3. マンション一棟買いにはメリットもある
マンション一棟買いをするリスクをたくさんご紹介しました。
「そんなにリスクがあるならマンション一棟買いなんてやめよう」と思う人も出てくるかもしれませんが、マンション一棟買いには
- 多くの家賃収入を安定して得られる
- 収入が0になってしまう可能性が少ない
- 活用方法がたくさんある(売却・取り壊して土地活用・建て直しなど)
など、区分マンションを購入するより多くのリターンが得られるというメリットがあります。
需要のある立地、建物に問題がなければ、満室に近い入居率を維持することも可能で、資産形成のスピードも区分マンションの比ではありません。
4. マンション一棟買いにはリスクもあるが、リターンも大きい
以上の例から見てわかる通り、マンション一棟を購入するリスクというのは、主に区分マンションでのリスクが膨大になったイメージです。
注意点は区分も一棟もほぼ同じですが、投資金額が大きいのでより細心の注意を払うことが必要です。
しかし対策さえすればほとんどのリスクやデメリットはカバーできます。
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不動産投資を始めるならプロからのアドバイスは欠かせません。