2011年に大空出版から「アパート経営はするな/須田忠雄・著」という本が出版され、一時期話題になっていました。
アパート経営とは不動産投資の中の一つです。
表面上だけでアパート経営のリスクを捉えていませんか?
メリットデメリットはあれど、一概に「アパート経営だから危険」とは言えません。
リスクは失敗談を基に対策を立て、回避することが可能です。
当記事では、「アパート経営はするな!」という言葉にただ反論するのではなく、アパート経営で成功している人もいる中で「アパート経営はするな!」と言われる理由や、
アパート経営で起こり得るリスクと対策、成功ポイントやメリットまでを徹底解説します。
目次
1. アパート経営はするなと言われてしまう理由|アパート経営は危険ではない
「アパート経営はするな」と言われても、今現在経営中の方や始めようとしている人もたくさんいることでしょう。
アパート経営をするから失敗するのではなく、「何も知らずに」経営に踏み出すことが最も危険なのです。
アパート経営・投資で破綻する人の割合|実は1%未満!
「アパート経営をするな」と言われると、
アパート経営はそんなに危険で失敗しやすいものなの…?と恐怖を感じてしまう人も少なくないでしょう。
まず前提として知っておいていただきたいのが、
不動産投資で破産まで追い込まれてしまう人の割合は1%にも満たないということです。
アパート経営は、通常「アパートローン」を組んで行うのですが、
アパートローンの滞納が3ヶ月以上続いた人の割合は、約0.2%と非常に少ない割合だということが分かります。
アパート経営だけでなくどんな投資にもリスクはある
資産運用・投資の方法は、100種類以上あります。
どの方法にもリスクがあり、リスクヘッジするためには運用の組み合わせが大切です。
また、アパート経営は初心者にとって難易度の高い投資法になります。
自己資金をいくら用意できるかにもよりますが、まずは区分マンション投資(マンション一室)からスタートするのも1つの方法です。
ただ、土地をすでに所有していて賃貸需要のあるエリアであれば、初心者でもアパート経営は可能です。
経営がうまくいけば、早期に収益が見込めるのもアパート経営の魅力です。
2. アパート経営の12のリスクと対策方法
不動産投資をする上でリスクやデメリットにどう対処するかが非常に重要です。また、どの運用方法でもリスクは付きもの。
ここではリスクになりうる各項目と対策方法をまとめていきます。
リスク対策を練れば「アパート経営はするな!」とは言われない、有効な投資法になるのです。
①利回りの意味と不動産市場を良く知る
利回りから物件からどれくらいの利益を見込めるか、算出することができます。
また、不動産市況も表しているため、利回りにより経済の流れを測る事が可能です。
バブル期は、表面利回り3%時代もありました。
現在は少し回復していますが、アパート経営を始める投資家が多く、物件価格が上がっているため、
東京の立地が良いエリアの利回りは5%と、なお低い数字になっています。
また、表面利回りは最低でも3%台必要。
ランニングコストを差し引いても、利益が残る経営をおこなうには実質利回りを確保する必要があります。
②空室によるリスクと対策方法
不動産投資で1番のリスクが「空室になってしまい、家賃収入が途絶えること」です。
入居者がいないと家賃収入が0になるだけではなく、管理費・修繕費などのランニングコストや税金の支払いも困難に。
アパート経営では部屋数が多く、エリアによってはマンションの方が人気なため、空室率が高くなります。
いかに満室に近づけるかの試行錯誤が必要です。
空室を防ぐには、経営戦略とエリアの選定が重要です。
アパートにもメリットはあります。短所よりも長所を活かし、リスクを軽減または回避しながら収入を上げましょう。
③修繕費のシュミレーションと基本の考え方
アパートで大規模修繕が行うおおよその目処の時期は、10年~15年です。
中古物件を購入する際はいつ・どこに・どんな修繕費用がかかるのか、シミュレーションする事をオススメします。
アパートの場合木造タイプの物件が多く、老朽化するスピードが速いため、修繕費用としての資金を確保しておきましょう。
場合によっては、大規模修繕で想定の数倍の費用が発生するということも有り得ます。
物件の価値を保つことは、売却の際に買主を見つかりやすくするためでもあります。
アパートは一棟投資になりますので、区分よりも空室リスクが分散できる分、管理の手間や費用がかかります。
④管理委託に関するリスクと対策
アパート経営では、入居者募集と建物や設備の管理を行う2つの管理が必要です。
不動産投資の初心者や本業が忙しく、管理に時間が割けない人は、全てを不動産管理会社に管理委託することが多いです。
ここで、どの管理会社を利用するかによってもあなたのアパート経営は左右されます。
管理がずさんな物件に、入居者は集まりません。
そのため、物件を購入するエリアを調べると同時に実績のある管理会社をリサーチする事も大切です。
⑤災害リスクと保険による対策
日本は地震の多い国です。
アパート経営では、建物が壊れても土地が残ればまた運用することが可能ですが、
火災が起こった場合などは入居者の莫大な費用がかかります。
必ず、火災保険と地震保険に加入しましょう。あなたの資産を守る重要な費用です。
火災保険だけでは、地震による被害・地震による火災被害などの補償はしてくれません。
⑥家賃滞納や家賃の減額交渉
中古物件を購入する際はどのような入居者が住んでいて、家賃の滞納履歴がないかなどを調べておきましょう。
家賃相場の変動があった場合は、入居者から家賃交渉がおこなわれる場合もあります。
常に同じ家賃を維持できるわけではないので注意しましょう。
家賃滞納を防ぐためにも、管理会社との協力が必要な場合が。
滞納の恐れが少ない入居者が入るよう、入居者審査を見直したり、
適切な管理でアパートや設備をきれいに保ち、家賃交渉をされにくいようにするなど、管理の工夫をしましょう。
⑦物件売却の基礎
買主が見つかりやすいのは、区分ワンルームマンションと言われていますが、
アパートもエリアや土地の価値により売却しやすい物件があります。
また、土地の活用方法はさまざまで、建物だけ壊し土地の売買だけ行う事も可能です。
物件の売り時については、以下の6点を押さえておくのが基本。
- 想定していた投資期限の来訪時
- 現金を確保したい時
- 赤字物件を損切りしたい時
- 市況が悪化した時
- 取引コストの増加時
- ランニングコストの増加時
売却の際は、土地の周辺環境などが重要になります。
なかなか売れない場合もあるため、できる限り賃貸経営を続けることを優先しましょう。
⑧エリア(場所)選定と事前調査が必要な項目
アパート経営は、
- 駐車場
- ペットと住めるような庭の広い住居
- 駐輪スペース
など、広さが必要になることが多いため、間取りや設備環境がそのエリアにあったものか考慮する必要があります。
また、東京に比べ地方に投資する方が初期費用を抑える事が可能です。
しかし、投資するだけの価値があるかを考慮したうえで検討しましょう。
エリアは
- 土地の価格
- 交通の利便性
- 賃貸需要があるか
- どんな層が集まっているか
などをあらかじめリサーチしておきましょう。
⑨購入資金(アパートローン)の設計と検討
中古アパートと新築アパートで購入資金は異なります。
新築を購入する際は、土地の費用もかかるため高額な資金を用意する事になります。
融資の金額によっては、アパート経営を断念せざるを得ない場合も。
また自己資金をいくら出せるかによって、安定した経営を行えるかの軸になります。
返済期間がシミュレーション通りにいかない場合も、カバーできる体制を取る事が大切です。
⑩騒音問題に対する対策が入居者トラブルを防ぐ
騒音問題は、木造で、マンションより壁が薄いアパート経営に多くみられることで、入居者間トラブルの元になっている場合があります。
しかし、対策方法がないわけではなく、建築の際に設備費用をかけることで音漏れを防ぐ事が可能です。
騒音トラブルの他にも、中にはマナーの悪い入居者がいます。
管理会社との連携をとり、入居者審査について一定の基準を定めるなどの解決策をたてましょう。
マナーの悪い入居者のせいで優良な入居者が去って行ってしまうのは避けたいものです。
⑪サブリースの利用の有無の意思決定
業者が一括借り上げする「サブリース」を利用することにより、毎月の家賃が保証されるので、空室リスクの問題は解決されます。
しかし、一般的な管理委託より管理費は高い傾向にあるため、手元に入るお金は減ります。
また、定期的に家賃の見直しがされ、本来の利回りよりも収益が見込めない状況になることも。
家賃減額を断ることはできず、契約を解除したい場合も違約金が発生することもあります。
入居者からの敷金・礼金・更新料なども、あなたのものではなく、サブリース会社のものに…。
経営権をほぼ任せる状態になりますので、よく考えた上で契約をしましょう。
⑫賃貸需要の可視化とエリアの関係
現在は低金利なことから、マイホームを購入する人も増えています。
賃貸需要のないエリアは投資価値が下がるため、無理にアパート経営をおこなう必要はありません。
土地の活用方法はさまざまですし、中古物件を購入する際も、賃貸需要が見込めるエリアに投資しましょう。
賃貸需要が見込めるエリアを選定した後は、敷金・礼金の設定も大切です。
フリーレント(家賃を1カ月分無料にする)の特約をつけるなど、入居者募集の方法はさまざまです。
3. アパート経営で成功する6つのポイント
アパート経営におけるリスク対策を理解したら、次は成功させ、収益を得るためのポイントを押さえておかなければなりません。
アパート経営で成功するための6つのポイントをご紹介しましょう。
アパート経営の成功例や失敗例から学ぶ
実際の不動産投資での失敗談を綴ったブログを参考に、注意点や成功の法則を参考にしましょう。
成功例や失敗談をつづっているブログの紹介
文字通り、不動産投資で地獄を見たサラリーマンが、失敗談をせきららに綴っているブログです。
木造アパート2戸で投資をしており、四苦八苦しながらも、キャッシュフローが20万円を超えたまるもりさんがブログ運営者。
日記のようにアパート経営で奮闘している様子がつづられています。
アパート経営の初心者に優しい基礎知識から、著者の新潟大家さんのアパート経営の様子までがつづられており、初心者に優しいブログになっています。
不動産投資による知識を身につける
アパート経営は知識がなくても、始めることはできますが、
成功するためには必ずある程度、不動産投資に関する知識を身に着けてから始めることを強くおすすめします。
勉強をすることで、
- 自分で優良物件を見分ける判断力が養える(悪徳な不動産会社に騙されない)
- リスク対策の知識を身に着けることで、リスクを最大限に抑えて、安全に投資することができる
- 順調に家賃収入を得るための、シミュレーションができる
など、アパート経営で利益を生み出し続けるための、ノウハウを身に着けることができるのです。
不動産投資は情報を得ることが重要である
不動産投資の基礎知識を身に着けたら、次は「情報」を得ましょう。
アパート経営では「情報」が命と言えます。
- 投資しようとするエリアの周辺情報(地価・賃貸需要・周辺環境など)
- 最新の不動産投資市況
不動産投資会社の営業マンに尋ねたり、投資仲間を作ったりすることも有効。
あくまで「最新情報」を得ることがポイントとなります。
MIRAIMOのLINE公式アカウントでも、不動産投資市況が知りたい、知識を得たいというようなご質問を受け付けています。
お気軽にご相談ください。
キャッシュフローがしっかり出る投資物件を選ぶ
アパート経営におけるキャッシュフローとは、家賃収入から諸経費を引いた手残りのこと。
アパート経営の成否を分けるのは「投資物件選び」です。
いくら知識を得て最新情報を手に入れても、キャッシュフローを得続けられるような物件でないと、アパート経営は成功しません。
得た知識と最新情報を活かして、キャッシュフローが出る投資物件を選ぶことができれば、アパート経営を有利に進めることができます。
資金計画をしっかり立て、無理のないローンを組む
アパート経営では、資金計画を入念に練ることが必要不可欠です。
上述した①不動産投資に関する知識を得る②最新情報を得る③利益を得続けられる投資物件を選ぶ
の3つを満たしたうえで、
- ランニングコスト(管理費・修繕積立金・固定資産税・都市計画税)
- ローン返済計画
- 修繕やリフォーム計画
など、抜かりない資金計画を立てた上で、無理のないローンを組みましょう。
アパート経営をしていると、空室が発生したり、突発的に修理・修繕が必要になる場合もあるため、
さまざまな事態を想定し、余裕を持った資金計画を立てることが必須となります。
4. アパート経営をしよう!5つのメリットを紹介
アパート経営はするな!ではなく、上記のリスク対策をすることで、むしろアパート経営はメリットがあるおすすめの投資法です。
5つのメリットをご紹介します。
株やFXなどの金融商品より堅実でインフレにも強い
株やFXなどの投資は価格の変動が大きく、インフレなど社会情勢の変化の影響を大きく受けますが、
不動産の価値や、家賃収入は高騰したり、暴落することはありません。
一旦購入して、上記のリスクヘッジさえしていれば毎月安定した家賃収入を得続けることが可能です。
節税に繋がる
土地を持っている場合は、更地にしておくよりもアパート建設して賃貸にすると、
相続税評価額・固定資産税評価額を下げることができ、節税になります。
また、不動産投資では、確定申告の時に経費計上できる項目が多いので所得を抑えることが可能。
マイナスになってしまった場合でも、給料と損益通算ができるので、所得税を節税することができます。
ただし、節税はアパート経営が赤字の時にのみ効果があるため、節税目的でアパート経営を始めることはおすすめしません。
初心者や副業でも、家賃収入を得られる
サラリーマンをしながらでも家賃収入を得ることが可能な投資法です。
アパート経営は良い物件を見つけ、良い不動産管理会社に管理をお願いすれば、
自分ですることはほぼないにも関わらず、毎月安定した家賃収入を得ることができます。
株式投資のように価格変動や売り時買い時を気にして、常にパソコンを見る必要もありません。
資産価値が下がりにくく、売却しやすい
アパートは、一般的な住宅用戸建てと比べると、売却できる可能性が高くなります。
一般的な木造の戸建て住宅は、22年の減価償却期間(不動産の構造によって定められた耐用年数にわたって、経費として計上できる期間)が過ぎてしまうと、
建物自体の価値はほぼなくなってしまいます。
一方で、アパート経営では、減価償却期間が過ぎても順調に収益を得続けることができれば、
建物価値がなくなったとしても高値で売却できる可能性が高いです。
生命保険や年金代わりになる要素がある
アパート経営をする上で、不動産投資ローンを組むことになりますが、
ローンを組む際に、加入が義務付けられている「団体信用生命保険」が生命保険の要素を含んでいます。
あなたに万が一のことがあっても、あなたに代わって保険会社が、ローン残債を返済してくれるのです。
結果、ローン返済の必要のない収益アパートが手元に残るため、生命保険の要素があると言えます。
また、継続して家賃収入を得ることができれば、個人年金としても期待できるでしょう。
5. 「対策なき」アパート経営はするな!対策でリスクは減らせる
不動産投資は、ミドルリスクミドルリターンと言われています。
中でもアパート経営の場合は、少々難易度の高い投資に思えることがあります。
それでも、国内だけではなく、海外に経営の幅を広げている成功者がたくさんいます。
アパート経営に興味があり、資産運用として選択するなら、太い軸(目標)を1本持つことが大切です。
まずはアパート経営のリスクを知り、なにがあってもカバーできる、つまりリスクヘッジ可能な状態を作ってください。
そうすることで十分なキャッシュフローを得ることができます。
リスクの種類を理解して、対策さえすればアパート経営はするなとまで言われるほど、
危険な投資ではないどころかメリット溢れる投資法です。
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