アパートオーナーが知らないと損する火災保険の種類と特約を徹底解説

もしも、一夜にしてあなたのアパートが消えたらどうでしょう。
「まだローンが25年も残っているのに…。火災保険に入っておけばよかった。これからどうすればいいんだろう…。」

そんな時、あなたの資産を守るために必要な火災保険は、突然の災害や事故・事件など、思いがけないことが起こったときに補償してくれる制度です。それは、あなたの安心にも繋がります。どんな補償内容があり、どのようなことに気をつけて加入するべきなのかを考えてみましょう。

火災保険を取り扱う会社はとても多いため、選ぶポイントを理解しておくと判断基準にもなります。提示されたプランをそのまま加入してしまうと保険料を無駄に支払うことにもなりかねません。

あなたのアパートは火災などの災害から守られていますか?エリアによっては大惨事が起こることもありえます。更には税金の申告方法や支援制度についても情報を集めておきましょう。

Index

1 火災保険の役割|メリット・デメリット

リスクヘッジをおこなうために、大半のアパートオーナーが火災保険に加入しています。その理由を把握することで、あなたの資産を守る大切な費用だということに気づくはずです。

火災保険とは?

メリット

・自然災害による被害を最小限に抑えることができる
・保険のかけ方が自由(建物のみや家財のみなど)
・家主など、第三者への賠償責任を少なくすることができる
・盗難や偶発的な事故などの被害をリスクヘッジできる
・複数の選択肢から契約が可能

デメリット

・地震から起こる被害は地震保険への加入が必要
・住宅ローン契約時に加入が義務づけられていることが多い
・高額家財の別途明記を忘れると補償対象外になってしまう
・戸建ては建物の補償が含まれるため、保険料が高くなるケースが多い

火災保険は、戸建て・マンション・アパート・ビルなどの不動産と、建物の中の家具・什器・家電製品などを補償するものです。
どのような火災保険に加入するかによって、補償される対象が異なります。つまり、基本的な火災保険のプランに特約をつけることで、リスクヘッジできる内容を増やすことができます。

そして、以下のことが基本的な補償内容になります。

主な災害 補償内容
火災 過失・隣の火事で被害にあった・放火で家が焼けたなどの場合に補償される。
落雷 落雷時の被害を補償される。
破裂・爆発 ガス漏れなどによる破裂・爆発の際に補償される。
風災・雹災・雪災 洪水や高潮の被害以外で、台風や暴風雨による被害、雹や豪雪による被害が補償される。
水災 地震によるもの以外の洪水・高潮・土砂崩れにより建物が被害にあった場合に補償される。
外部からの衝突・落下・飛来 建物の外部から物体が衝突したり、落下物により建物が破壊されたりした場合に補償される。
漏水による水漏れ 給排水設備の事故による漏水や水ぬれの被害を補償される。※給排水設備の修理は補償内容に含まれない。
集団行動などによる暴力行為 集団行動による暴力行為や破壊活動の損害が補償される。
盗難や盗難に伴う損害 盗難や盗難に伴う損害が補償される。
突発的な事故 誤って壁などを破壊してしまった場合、機能上の支障が発生する場合に補償される。

火災保険の料金は見直す必要がある

火災保険の料金は、長期に渡り一定の金額が固定される保証はありません。実際に、2015年の10月に改定された際は、全国平均で2~4%値上げされました。改定の報告は事前に知ることができるため、契約の満期が近いのであれば見直すことも必要です。

建物の構造により保険料は異なる

建物の構造によって保険料が変わります。木造と鉄筋コンクリート造では被害の大きさが変わってくるからです。更に、支払われる保険金額の設定は2種類あります。

時価:アパートを建設した当初の価格から、経過年数によって劣化した分の価値を差し引いた保険金額。
新価:建て替えや修繕に必要な金額が補償されます。

料金見直しの背景には、自然災害が多発していることが影響しています。しかし、建物の構造や地域によっては保険料が下がる場合もあります。

火災保険の契約年数は最短で10年

これまでの長期契約期間は最長で36年でした。しかし、料金の改定がおこなわれた2015年に、「火災保険の10年超契約引き受け停止」が決定したことで、長期契約の割引も無くなりました。

2 主な火災保険の種類

火災保険には基本的なプランがあり、そこにオプションとして特約を付けていく形になります。(保険会社により異なる場合あり)どこまでの補償をしてくれるのかを把握しておきましょう。保険をかける対象は、建物と家財が対象です。

住宅火災保険とは

1番ポピュラーな商品です。居住用の建物と、その建物内の家財を対象とした火災保険です。また、どちらかだけを対象とした加入もできます。

損害の種類 住宅火災保険
火災
落雷
ガス爆発などの破裂・爆発
風災・ひょう災・雪災
水災
自転車の飛び込みなどによる飛来・落下・衝突
給排水設備の事故などによる水漏れ
騒じょうなどによる暴行・破壊
盗難

住宅総合保険とは

住宅火災保険の補償内容よりも、補償範囲を広げたものが住宅総合保険です。

損害の種類 住宅総合保険
火災
落雷
ガス爆発などの破裂・爆発
風災・ひょう災・雪災
水災
自転車の飛び込みなどによる飛来・落下・衝突
給排水設備の事故などによる水漏れ
騒じょうなどによる暴行・破壊
盗難

長期総合保険とは

取り扱う会社が少ない保険になりますが、住宅総合保険とほとんど変わらない損害を補償する積立型の火災保険です。満期の時に、保険金額の10%程度の額が満期返戻金として支払われます。

3 主な特約の概要|5選

お客様のニーズに合わせた特約を付けることが可能です。更に、それぞれの補償内容とお支払いされない場合はどんな時なのかを把握しておきましょう。

http://www.ms-ins.com/personal/product/home_life/p05.html#anc-01-04

以下の内容を三井住友海上から引用しています。

家賃収入特約

保険の対象に、建物が含まれる場合に加入することができます。
空室が5割超の場合を除く

火災等の事故によって賃貸している建物の家賃収入が得られなくなった場合、損失額を補償します。また、復旧期間は契約時に設定する約定復旧期間を限度としています。

家主費用特約

2つの保険金がお支払いされます。

家賃収入保険金:賃貸住宅内で死亡事故(自殺、犯罪死または賃貸住宅の物的損害を伴う孤独死)が発生し、事故発見日から90日以内に賃貸住宅(上下左右の隣接戸室を含みます。)が空室となった場合にお支払いされます。

 

死亡事故対応費用保険:死亡事故が発生した賃貸住宅等を賃貸可能な状態に復旧するための修復・改装・清掃・消毒または脱臭などにかかった原状回復費用や、被保険者が支出を余儀なくされた遺品整理費用、葬祭費用等の事故対応費用に対してお支払いされます。(1回の事故につき100万円限度)ただし、事故発見日から180日以内に生じた費用に限ります。

賃貸建物所有者賠償特約

保険の対象が賃貸される建物である場合にセットできます。

建物の偶然な事故または建物を賃貸する仕事の遂行に起因する偶然な事故により他人の生命または身体を害したり、他人の財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合にお支払いされます。(1回の事故につき、賃貸建物所有者賠償保険金額が限度)また、実際に負担した次の費用(実費)をあわせてお支払いします。

・損害防止費用
・権利保全行使費用
・緊急措置費用
・示談交渉費用
・争訟費用

マンション居住者包括賠償特約

保険の対象が建物である場合に補償されます。

マンションの居住者の日常生活賠償事故または事業用戸室からの偶然な漏水による水ぬれ事故等により、他人の生命または身体を害したり、他人の財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合にお支払いします(1回の事故につき、マンション居住者包括賠償保険金額が限度)。また、実際に負担した次の費用(実費)をあわせてお支払いします。

建物水災支払限度額特約

保険の対象がマンションなどの共同住宅建物の一棟全体である場合などに補償されます。

全焼・全壊のケース損害保険金=建物保険金額×30%
※全焼・全壊とは、次の算式による割合が80%以上である損害をいいます。保険の対象である建物の焼失、流失または損壊した部分の床面積 ÷ 保険の対象である建物の延床面積「焼失、流失または損壊した部分の床面積」には、汚損および水ぬれ損を被った部分の床面積を含みません

全焼・全壊以外のケース損害保険金=損害の額-免責金額

どの保険会社も、補償される内容に違いはありません。ただ、元々セットになっているものもあれば、特約を付けないと補償されないものもあります。つまり、補償のされかたに違いがあるため保険料の見積もりをよくご確認することが大切です。

4 保険金の支払われ方

火災保険金の支払い額は、「保険金額」と「保険価額」の関係で決定します。また、保険金の算出方法は「実損てん補」と「比例てん補」で決定します。

保険金の支払いには種類がある

全部保険

保険金額と保険価額が同額の保険です。損害額は全額保険金として支払われます。

超過保険

保険金額が保険価額より大きい保険です。損害額は全額保険金として支払われます。

一部保険

保険金額が保険価額より小さい保険です。損害額が保険金額の範囲内であっても、保険金額と保険価額の割合に応じて保険金が減額されます。

保険金の算出方法とは

実損てん補

基本的に、予め定めた保険金額を上限として実際にあなたが被った損害額が支払われます。たとえば、100万円の損害が生じた場合に、100 万円の保険金が支払われるということです。

比例てん補

保険金額が保険をつけている物の価額よりも少ないと、(一部保険)損害が起きた時にその少ない割合に応じて
保険金を削減してお支払いするということです。

5 あなたが入るべき保険とは?

賃貸住宅には、オーナーが加入する火災保険と入居者が加入する火災保険で分かれています。

入居者が入る保険

「家財保険」「借家人賠償責任」「個人賠償責任」に加入します。

家財を補償する保険です。また、万が一の場合入居者が火災を起こしても、重大な過失がない限りはその入居者が損害賠償責任を負うことはありません。これを、「失火責任法」といいます。

家財保険:隣室からの火災によるもらい火で、自分の家財が燃えても失火者に弁償してもらうことはできません。自分の家財は自分で守る必要があるため、加入しておきましょう。

 

借家人賠償責任:入居者は賃貸借契約により原状回復の義務があります。そのため、オーナーに対しては損害賠償責任が発生します。つまり、原状回復費用が補償されます。

 

個人賠償責任:火災では賠償責任を問われませんが、水漏れを起こした場合に、被害を与えた相手に対して補償される特約です。

オーナーが入る保険

「施設賠償責任」「家賃補償」に加入します。

建物を補償する保険です。特に、アパートの場合は自然災害以外でも備えておいた方が良い特約があります。

施設賠償責任:水漏れ事故により入居者の家財を汚してしまった・設備環境の不具合で入居者に怪我を負わせたなどの場合は、オーナーが損害賠償責任を負うことになります。それを補う補償です。

 

家賃補償:火災が起こった場合に、建物が復旧するまでに家賃収入を補償してくれます。
火災保険以外の保険の種類については以下の記事を参考にしてください。

6 火災保険を選ぶ時のポイントと注意点

どの火災保険に入ればいいか迷っている方は、まずポイントと注意点を抑えておきましょう。比較することで見えてくるメリット・デメリットがあります。

火災保険を選ぶ手順

進められるがままに契約を結んでしまうと、あなたには必要のない特約がついていたりすることがあります。「無駄な保険料を払いたくない!」という方は、以下のポイントを参考にして下さい。

1.  保険の対象を決める

「建物」「家財」「両方」のいずれかを選択しましょう。特にアパート経営をおこなっている方で賃貸併用の場合は両方を選択することが多いです。

2.建物の構造を確認

建物の構造により保険料が異なります。また、支払われる保険金額にも影響するため確認しておきましょう。

3.補償範囲を選ぶ

最近では、火災だけが基本補償としてあり他の補償は特約として追加できる商品が主流です。保険会社によって補償内容が変わることはありませんが、パックになっているものや付加していくものなど様々です。

4.建物の保険金を決める

保険会社または代理店に物件の情報などを伝えれば、適切な補償額を算出してもらうことができます。その際は、「新価」を選択しておきましょう。「時価」ですと、その建物を建てたときにかかった金額から、現在までの経過年数に応じて消耗や経年劣化があったと考え、その価値を減らしたものになってしまいます。

新価とは、「現在その建物を新たに建てるとしたらいくらの費用が発生するか」という金額です。

5.家財の補償額を決める

「簡易評価」をおこない補償額を決めることが多いです。「積算評価」という方法もありますが、全て正確に価格を求めるため、計算が複雑です。

6.保険期間を決める

料金の改定がおこなわれた2015年に、「火災保険の10年超契約引き受け停止」が決定したことで、長期契約の割引も無くなりました。よって、契約期間は10年毎に見直すことになります。

7.地震保険の加入有無を決める

地震から起こった火災は、火災保険では補償されません。ほとんどのアパートオーナー様は火災保険と地震保険にセットで加入しています。

8.加入の申し込みをおこなう

金融機関で進められる商品や、代理店でのみ加入できるなど、申し込み方法は様々です。ネットからでも見積もりや申し込みをおこなうことが可能です。

火災保険加入時のポイントと注意点

保険金額を決める際のポイント

対象となる建物と同等のものを新たに建築、あるいは購入するのに必要な金額である「時価」が重要ポイントになります。保険金額が「時価」の80%相当以上になっていれば、実際の損害額が契約金額を限度に支払われる仕組みになっていますが、保険金額が「時価」の80%に満たない場合は、損害額が全額補償されることはありません。

そのため、火災保険は「時価限度額」または、80%以上まで契約しておくことをオススメします。

火災保険の乗り換えをおこなう際のポイント

住宅金融支援機構の融資を受ける人だけが利用できる火災保険として、「特約火災保険」というものがあります。住宅金融支援機構の融資であっても、特約火災保険を利用できるものは限られており、フラット35などでは利用できません。

この保険に加入している方は、建物のみの補償が対象となっているため家財の補償は別で加入する必要があります。継続して加入するのか、他の火災保険に乗り換えるのかを検討しましょう。

被災者生活再建支援金を受け取ることができない

一般家庭の住宅が、災害で全壊等の被害を受けた場合は最大300万円までの被災者生活再建支援法による支援金を受け取ることができます。しかし、賃貸物件のオーナー様はそれを受け取ることができません。

更に、原則として火元から賠償請求することはできません。予期せぬことからリスクヘッジするには、火災保険に加入しておくことが大切です。

7 保険会社一覧

価格を重視するのか、補償内容を意識するのかを選択しながら比較してみましょう。

価格.COM

http://hoken.kakaku.com/insurance/kasai/?cid=ins_sem_kasai01

最短で、最大12社の保険料を見積もってくれます。

三井住友海上

http://kasai-insurance.com/

電気系のトラブルに強いと評判があるようで、借り入れ先が三井住友ということから決めたという方もいらっしゃいます。

富士火災

http://www.fujikasai.co.jp/

保険の書類が見やすく、担当者も親切な対応が高評価な理由です。

あいおいニッセイ同和損保

http://www.aioinissaydowa.co.jp/

スピーディーな対応で、基本的なプランに費用補償が付いていることが人気な理由です。

8 確定申告に必要な経費を計上する方法

火災保険は、必要経費として確定申告時に計上できます。(賃貸併用の場合は、賃貸として貸している部分が経費にできます。)どのようにして計上するのでしょうか?

青色申告の書き方

保険料を支払った年に、一括で必要経費にできるのは1年以内の契約のみになります。10年や長期で契約している場合は、その年にかかる保険料のみを必要経費にでき、余った残りの金額は貸借対照表の「前払金」に記入し、毎年経費化していきます。

(例)火災保険の契約年数:10年 保険料130万円 契約日8月1日

130万円 ÷ 10年(120カ月) × 5ヵ月(8月1日~12月31日) = 54,166円

上記の例であれば、初年度は54,166円を確定申告時に計上し翌年からは1年間分の保険料を経費として計上できます。

賃貸併用の場合、地震保険料控除のみ一定の式で控除できます。

9 アパート経営には火災保険は必須

あなたのアパートが火事になったら、必ず保険金がおりるとは限りません。

また、保険金を受け取れた場合でも損害度によっては上限金額の数%に抑えられてしまうこともあります。

どの保険に入り、どんな特約を付け、支払われる際の選択を時価・新価のどちらを選択するかによっても異なります。

オーナー様の負担や資産を守る1つの手段として、火災保険には必ず加入しておくことがリスクを軽減する方法と言えます。

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