不動産投資を始めるサラリーマンが増えています。
しかし、不動産投資の基本をなにも押さえていないがために、失敗してしまう人も後を絶ちません。
不動産投資を始める前に、基本的な知識をつけておくことは必要不可欠でしょう。
そこで当記事では、不動産投資の基本である、仕組み・種類・メリット・リスクと対策法など、初心者が押さえておくべきポイントをまとめました。
不動産投資のベースになるポイントなので、しっかりと確認しておいてください。
目次
1. 不動産投資の基本知識|不動産投資とはどんな副業か
不動産投資とは、土地や建物を購入して売買したり、賃貸に出すことによって利益をえる投資法です。
不動産投資の仕組み|インカムゲインとキャピタルゲイン
不動産投資で利益を得る仕組みを大きく分けると、
- 所有しているマンションやアパートなどを賃貸物件として運用し「家賃収入を得る」という仕組み
- 購入した土地や建物が地価上昇などで価格が高くなった時に売却して「売却益を得る」という仕組み
の2種類があります。
賃貸物件から家賃収入という利益を得る仕組みを「インカムゲイン」といいます。
そして、購入した不動産を売却して利益を得ることを「キャピタルゲイン」というのです。
現在は、「インカムゲイン」が主流だと言えます。
不動産投資は少額な自己資金でも始められる投資法|レバレッジ効果とは
不動産投資は、ローンを組んで始めることができるので、自己資金があまりなくても始められる投資法です。
ローンを組むことで少ない自己資金で多額のリターンを得る「レバレッジ効果」を見込むこともできます。
レバレッジは、簡単に言うと「テコ」のことで、レバレッジ効果とは「テコの原理」を利用すること。
不動産投資におけるレバレッジとは、金融機関から投資物件を購入するための融資を受けて投資額を増やし、リターンの額も多くすることを意味します。
不動産投資の種類と特徴を解説
不動産投資と聞くと、賃貸マンションやアパートをイメージするでしょう。
しかし、賃貸物件を1棟まるごと購入する必要はなく、投資方法にはさまざまなものがあります。
それほど資金を投入しなくても不動産投資は可能なのです。
ワンルームマンション(新築・中古)
現在サラリーマンに人気があるのが、ワンルームマンション投資です。
マンションの1戸を購入し、賃貸物件として運用する投資方法になります。
中古のワンルームであれば価格も安いので、投資初心者にとっては絶好の投資物件になるでしょう。
マンションや一棟アパート(新築・中古)
一棟のマンションやアパートを購入したり建築したりして賃貸する投資方法です。
新築の場合基本的には土地所有者が土地を担保に融資を受けて賃貸物件を建てるケースが多く、投資額は多額になるのですが、戸数が多いためリターンも大きいのが特徴になります。
戸建て住宅(新築・中古)
一戸建ての物件を借家として賃貸する投資方法です。
ファミリー向けの物件なので、入居者が決まれば長期の収益が期待できる安定した不動産投資になるでしょう。
また、土地があるため、出口戦略としての売却にも有利になる可能性が高いです。
駐車場やコインランドリー、貸倉庫など
駐車場・コインランドリー・貸倉庫などは、基本的に土地所有者が運営することが多いです。
青空駐車場であれば、初期投資も少なくてすむので投資しやすいでしょう。
しかし、コインランドリーや貸倉庫などは初期費用が多いため経営手腕も問われます。
REIT
REITとは不動産投資の専門家が投資家から集めた資金で、マンション・オフィスビル・商業施設など様々な物件を購入し、
賃貸収入や売却益などの利益を得る投資信託の不動産投資版といえます。
投資家は、その利益の分配金を受けるという金融商品です。
不動産投資を始める人は増加している!
不動産投資をする人は増えています。
現在年金問題などの将来不安から、副業に興味を持つ人が少なくありません。
不動産投資であれば、不動産会社や賃貸管理会社にある程度任せることができるので、副業として魅力を感じるのでしょう。
サラリーマンの投資家も増加している
基本的にサラリーマンは、収入が安定しています。
金融機関が融資をする時にチェックする内容は返済の確実性なので、属性の安定しているサラリーマンには融資しやすいのです。
また、金融緩和により低金利で利用できるローン商品が増えています。
不動産投資は、管理委託することで手間がかからないため、本業をしながらでもできる点も大きな要因でしょう。
2. 不動産投資にはさまざまなメリットがある
不動産投資にはさまざまな魅力的なメリットがあります。
自分が目指す目標とメリットのすり合わせをしてください。
安定した家賃収入が得られる
不動産投資は、軌道に乗ると長期に渡り家賃収入という安定した収入を得ることができます。
家賃は入居者がいる限り、毎月入り続けるものです。
また、入居者は大体年単位(2年契約更新)で契約するため、その間は月額家賃は保たれるうえ、
たとえ退去して次の入居者を募集することになっても、大幅に変動することはほぼありません。
さまざまな面から見て安定収入を確保できる点で、副業代わりにもなるのが魅力です。
年金や生命保険の要素がある
不動産投資には、生命保険の要素があります。
基本的に銀行融資の条件として「団体信用生命保険」に加入することが義務付けられているケースが多いです。
契約者の死亡・高度障害の場合、融資残額を代わりに精算してくれ、残された家族が支払う必要はありません。
また、家賃収入は老後に受け取る公的年金に加算する、私的年金としての役割を持つのです。
将来、受け取ることのできる不労所得として有効な収入源になります。
効率的に資産運用ができる
金融機関に預金していても利息は期待できないでしょう。
しかし、不動産投資であれば「(年間家賃収入+諸経費)÷(物件代金+購入費用)×100」で計算される実質利回りが3~15%くらいになります。
したがって、効率的な資産運用といえるのです。
インフレ対策になる
インフレになると物価が上がり、現金の価値が下がってしまいます。
ところが、現金を不動産所有に切り換えることで、不動産価格は、物価の上昇にともない値打ちが上がるためインフレ対策になるのです。
相続税や所得税などの税金対策になる
不動産投資には、管理費・租税公課・修繕費などさまざまな経費がかかりますが、すべて経費計上することで所得税を抑えることができます。
不動産投資が税金対策になると言われるゆえんは、経費の中で「減価償却費」が一番大きいでしょう。
減価償却費とは取得するのに要した金額をそのモノごとに決められた耐用年数に応じて経費として毎年計上できる仕組み。
実際に支出がないにもかかわらず経費として計上できるため、所得税の圧縮が可能です。
また不動産投資は相続税対策としても有効。
相続税は、相続税評価額を基準にして計算します。
相続税評価額が下がれば、相続税の額も少なくなるのです。
現金ではなく賃貸物件であれば相続税評価額が土地で6割程度にさがり、建物で4割程度に下がります。
したがって、将来の相続税対策になるのです。
3. 不動産投資にはリスクもあるが、対策をすれば怖くない
さらに、想定されるデメリットに対してリスク管理を講じることもポイントです。
不動産投資では、投資額が大きくなるので失敗してしまうと、損失額も多大に…。
成功を目指すのであれば失敗しないことに全力を尽くすのが不動産投資のコツだといえます。
想定されるリスクに対してあらかじめ対策を講じることで、失敗を防ぐことができるのです。
家賃収入がなくなるリスクがある
家賃収入が途絶えてしまう原因としては2つ。
- 入居者が退去してしまい、空室になる
- 入居者が家賃を滞納してしまう
どうしたら家賃収入が途絶えてしまう事態を防げるのでしょうか?
空室リスク
空室では満室で想定した利回りを達成することができません。
区分投資であれば、空室になると家賃収入がゼロになってしまいます。
物件購入資金に銀行融資を受けていれば、たちどころに返済が滞る可能性もあるでしょう。対策の欠かせないリスクです。
空室のリスク管理としては、賃貸需要のあるエリアを選択してください。
空室リスクを避けるためには、物件の選択条件で交通の便など立地の良さを最優先にすることをおすすめします。
家賃滞納リスク
空室であれば、新しい入居者を募集することもできるでしょう。
しかし、家賃滞納の場合、入居者は法律で守られているため、簡単に追い出すことができないのです。
空室以上にダメージの大きいリスクといえるかもしれません。
家賃滞納リスクを避けるには、入居時の連帯保証人の審査を厳しくしてください。
また、連帯保証人として保証会社を設定することも効果的でしょう。
資産価値の下落リスク
賃貸物件の資産価値が下落するのは、建物の老朽化だけとは限りません。地価が下落することもありえます。
たとえば、バブル崩壊の影響で地価が半分以下になった土地も少なくありません。
地価は比較的安定しているとはいえ油断は禁物でしょう。
借入によるリスク
不動産投資は土地や建物といった不動産を購入しなければならないので、金融機関からの融資を受けるのが一般的です。
なかには、フルローンの融資を利用することもあるのですが、不動産ローンで破綻するのはバランスの悪い融資を受けているケースが多いのです。
投資ローンは住宅ローンよりも金利が高く設定されています。
月々の収支をチェックしてください。
自己資金を多めに設定するなど、余裕のある返済額に抑えなければいけません。
金利変動リスク
また、ローンを利用する時には金利タイプに注意してください。
現在は低金利ですが、金利タイプが変動金利型であれば今後金利の上昇が予想されます。
金利が上昇すれば支払総額で大きな負担になるのです。
金利タイプを固定金利型にすることで、金利上昇リスクを避けることができます。
低金利のメリットを活かし続けるためには、金利が変動しないローンを利用してください。
地震などの自然災害によるリスク
災害列島といわれる日本では、自然災害を避けることが難しいといわれます。
建物が倒壊してしまうと家賃収入を得ることができない上、修復のための費用も多額になるでしょう。
思いがけないアクシデントにより運用計画が台無しです。
災害リスクは、地震保険や火災保険で対応するのが基本。
また、物件を選択する際には、建築確認が1981年6月以降の新耐震基準を満たした物件を選んでください。
不動産管理会社の倒産リスク
管理会社が倒産する可能性もあります。
たとえば、家賃管理を委託している管理会社が倒産すると、家賃や敷金の回収が難しくなるかもしれません。
別の管理会社を探せばすむという問題ではないのです。収支に与える影響は小さくありません。
管理会社の選択には注意してください。
委託料だけで選ぶと失敗するケースがあります。
必ずホームページなどで会社の規模や実績の確認をしてから選択しましょう。
4. 不動産投資を始めるまでに準備しておくべきこと
不動産投資を始める上では、事前準備が重要。
始める前にやっておくべきことを3点ご紹介します。
不動産投資をする上で目標や目的を決めておく
不動産投資をする際には目標や目的を決めておく必要があります。
なぜなら、同じ不動産投資でも目標が違えば、運営方法も異なるからです。
たとえば、「サイドビジネスとしての投資」と「専業としての投資」では、目指す目標が違うので投資計画も変わってくるでしょう。
不動産投資の知識を身につけておく
不動産投資に限らず稼ぐためには努力が必要です。
不動産会社や賃貸管理会社に任せておけば、何もしなくても稼げるような甘い投資はありません。
たとえば、不動産投資の基本的な知識がなければ、スタート時のパートナー選びさえ難しいでしょう。
不動産投資に必要な資金をためる
不動産投資を始めるためには、あらかじめ自己資金を用意しておく必要があります。
フルローンを利用するとしても、購入費用だけで物件価格の7~8%程度は必要になるでしょう。
基本的には自己資金として物件価格の20%程度は用意しておきたいものです。
5. 不動産投資の基本的な注意ポイント
不動産投資は、比較的安定した投資だといわれます。
しかし、高額なお金が動くので、一定のルールを守らなければリスクを負う可能性が高まるでしょう。
そこで、不動産投資をする上で押さえておきたい基本的なポイントを紹介します。
セールスマンのセールストークに注意
営業マンのなかには、お客さんよりも自分の成績を優先する人がいます。
担当者の言いなりになるのが良いとは限りません。
たとえば物件のメリットばかりを告げ、デメリットを告げない担当者であれば注意してください。
無理なローンは組まない
無理な借入をすると常に返済リスクが付きまとうことになるでしょう。
たとえば、空室が発生すればたちどころに返済が厳しくなるかもしれません。
フルローンを組むにしても収支計画をあらかじめ立てておくことが大切です。
不動産投資を始める上で保険の加入は重要
金融機関の融資を受ける際には、「団体信用生命保険」への加入が義務付けられるので、自身の死亡・重度な障害を負った際(※特約による)には対応できます。
しかし、物件に対する保険も必要でしょう。
不動産投資では地震保険や火災保険へ加入しなければ、災害リスクに対応することができません。
信頼できる相談相手を探しておく
不動産取引では、大きなお金が動きます。
お金が動けば動くほどトラブルが付いてまわるのです。
解決するためには不動産についての専門的な知識が必要になるでしょう。
ひとりで解決しようとは思わずに、信頼して相談のできる相手を探しておくのが先決です。
物件選びの際は実質利回りを意識しよう
不動産投資で投資物件を探す時には、利回りを意識されるでしょう。
しかし、広告などに掲載されているのは表面利回りであり、ランニングコストなどが含まれていません。
したがって、諸経費や購入費用を含めた実質利回りを確認する必要があります。
6. 不動産投資は基本を押さえてから始めよう
不動産投資をするには、基本的な知識を身につけた上でスタートしなければいけません。
比較的安定しているといわれる不動産投資ですが、ポイントを押さえておかないと、そもそも投資額が多いので大きな損失につながる可能性があるのです。
不動産投資の基本について、さらに詳しく知りたい人は積極的に専門家のアドバイスを受けることがおすすめ。
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