不動産投資に興味はあるものの、「失敗リスクが高い投資法」というイメージがあり、実践に踏み出せない人が多いのが現実でしょう。
確かに、不動産投資と調べてもマイナスイメージの記事が多くインターネット上で出回っています…。
しかし、不動産投資は失敗の原因を理解し、失敗しないための方法を抑えることで失敗リスクを抑えることができるのです。
今回は不動産投資で失敗してしまう原因と具体的な失敗例、また失敗しないための鉄則について解説します。
実は、失敗について理解することが投資するうえで最も大切なことなのです。
目次
1. 不動産投資の失敗率・成功率は?
結論から言いますと、不動産投資の失敗率や成功率は、人によって成功とする定義が違うので具体的な数字は出ていません。
例えば「専業大家になって家賃収入のみで暮らしたい!」という方の成功率は10%未満と難儀なことが分かります。
しかし「毎月の給料にプラスで安定収入を得続けたい」という方の成功率は50%以上と非常に高い割合。
ちなみに株式投資をしている人の80%は負けていると言われています。
自己破産にまで追い込まれる割合はごくわずか
不動産投資の失敗で最も恐ろしい失敗は「自己破産」でしょう。
少し古いデータになりますが、2005年の破産者(184,422人)のうち、投資(株など不動産投資以外も含む)で破産している人の割合は0.31%と1%にも満たないのです。
今は不動産投資人口も増えて、もう少し割合も増えていると予想されますが、不動産投資で破産まで追い込まれてしまう人はほとんどいないことが分かりますね。
2. 不動産投資で失敗しないために、失敗してしまう原因を探ろう
不動産投資と聞くと「リスクが高くて失敗しやすい」というイメージをお持ちの方も少なくないのではないでしょうか?
しかし失敗するのには共通した理由があり、リスクも数ある投資法の中で少ないのです。
そこで、不動産投資で失敗する人に共通することをご紹介しましょう。
勉強をせずに知識0のまま不動産投資を始めた
不動産投資は知識0のまま始めると、失敗リスクが高くなります。
まずよくある失敗が
- 利回りが高かったから購入したら、予想外に出費が多くて結局赤字になってしまった
- 不動産投資をするだけで、お金が勝手に入ると勘違いしていた
といった例。
何も知らずにお金が稼げるような、おいしい話などあるわけがないのです。
基本的な知識や情報さえあれば、失敗しなくて済むようなケースが少なくありません。
無計画で不動産投資を始めた
曖昧な計画や無計画で不動産投資を始め、失敗してしまう人も多いもの。
- 「ローンの金利を抑えたいから、15年でローンを組もう」
- 「いい感じの物件があるから買い増そうかな」
自分が払えるギリギリのラインでローンを組んで、突発的な修繕が必要になり払えなくなってしまった人や、
ただ良い物件があるというだけで、無計画に買い増しをしてしまったりして、結局持ち出しになってしまい、ローン返済の余裕がなくなってしまった人など
不動産会社・金融機関などの繋がりを持たなかった
不動産投資では不動産会社や金融機関との関わりが欠かせませんが、全て言われるがままや任せきりにした結果、失敗してしまうパターンもあるのです。
- 営業を受けた会社から営業マンに言われるがまま物件を買ったら赤字続き
- 管理会社に全て丸投げしていたら、空室が埋まらなくなった
- 少し返済が苦しくなってきたけど売り時も分からない
- とりあえず審査が緩いという噂の金融機関で審査を通してみたけど金利が高い
極力一人で頑張ろうとして空回りしてしまうことも。
結果全てを不動産会社に丸投げ状態になってしまい、結果的にマイナス経営になってしまうのです。
3. よくある不動産投資の失敗例を紹介
それでは、不動産投資の失敗にはどのようなものが多いのか、具体的な失敗例を3つご紹介します。
Aさんの失敗事例「高利回りに魅かれて物件を購入して…」
Aさんは利回りが20%超えの地方都市の、駅からバスで15分の投資用マンションを購入しました。
しかし、いざ不動産投資を始めてみても入居者はなかなか現れず、結局家賃収入を得られません。
仕方なく家賃を下げ、ようやく空室は埋まりましたが、家賃だけではローンの返済ができず、給料から返済する羽目になってしまいました…。
いくら利回りが高くても、入居者が現れなければ、高利回りを得ることはできません。
投資物件を探していると、表示されている利回りは「表面利回り」といって、単純に満室時の年間家賃収入÷購入価格で計算したもの。
物件の空室想定や、ランニングコストは全く含まれていない点に注意が必要です。
利回りは、(年間収入-年間支出)÷(物件購入価格+購入時の諸経費)×100で計算される、「実質利回り」でシミュレーションしてみましょう。
Bさんの失敗事例「家賃収入より支出の方が多くなって赤字に」
Bさんは家賃収入が得られること、節税対策になることを不動産営業マンに説明され、魅力に感じ、都内で新築マンション投資をスタートしました。
しかし、ローン返済や税金の支払いで毎月数千~1万円ほどの赤字に。
確かに、赤字なので確定申告をすると、給与所得と合算して(損益通算)所得を圧縮できるため、確かに節税効果はありました。
しかし結局収支はマイナスで、Bさんはマンション投資を始めたことを後悔したのです。
新築マンションのうちは高い家賃が取れても、築3年以降は家賃下落率が最も高くなります。
退去者が出る度に家賃がどんどん下落していき、結局家賃収入よりもローン返済や税金などの経費がかさみ、赤字続きで不動産投資に失敗…というパターンはよくあるもの。
新築マンション投資には需要が高く、しばらくは修繕費がかかるリスクが少ない一方で、「新築プレミアム」といって、業者の販売広告費やマンション建設費などの費用が上乗せされており、中古マンションより割高な傾向があります。
家賃下落をみこみ、長期にわたるキャッシュフロー計画を立てた上で購入を検討しましょう。
Cさんの失敗事例「近くに大型ショッピングセンターがあったのに、閉店で退去者が続出」
Cさんは、駅から遠くアクセスが悪いけれど、近隣に大型ショッピングセンターがあるマンションで不動産投資を始めました。
最初は順調に最初は満室経営ができており、順調に家賃収入を得ることができていました。
しかし、不動産投資を始めて3年が経ったところで、大型ショッピングセンターが閉店しまったのです。
「大型ショッピングセンターが近所」という点のみを押し出して賃貸に出していたため、閉店から間もなくマンションから入居者が退去してしまう事態に。
家賃を下げて入居者を募集するも、空室が埋まらなくなり、Cさんは泣く泣くマンションを購入価格よりかなり低い額で手ばなすことになってしまったのです。
不動産投資では家賃収入を得られなければ失敗してしまいます。つまり、「賃貸需要」が肝心。
よって、大学のキャンパスが近くにあるだけ、大型ショッピングセンターがあるだけなど、1つのみの需要に頼った不動産投資は危険。
駅近、周辺の商業施設の充実など、需要が増える要因が周辺に何個もあると安心です。
4. 失敗の原因や事例から見えてくる、不動産投資で失敗しない方法4選
不動産投資で失敗する原因や事例を述べてきましたが、具体的にどのような行動をとれば不動産投資で失敗せずに済むのでしょうか?
本項では不動産投資で失敗しないための方法を、大きく分けて4つご紹介しますので、実践してみてください。
①不動産投資の勉強をする
不動産投資に興味を持ったら、最初にすべきことは「勉強」からです。
- 不動産投資が何たるものか
- 優良な収益物件とは
- 不動産投資にかかる費用や必要書類
などなど不動産投資で学ぶべきことは数多くあります。
不動産会社を探すにしても、一通りの基礎知識をつけてからにしましょう。
本やブログなど手軽なところから
不動産投資家のブログの良いところは、知識が得られるだけでなく、購入・契約・実際の運用の様子がリアルに感じられるところです。
体系的に学習したければ本屋に行けば、基礎から応用まで投資家のレベルに応じた書籍が品揃えされているので読んでみましょう。
ある程度勉強したら不動産投資セミナーに参加してみよう
不動産知識や情報を得るためには、セミナーに足を運ぶのが最も効率的な方法です。
分からないことは、専門家に聞けば確実に疑問を解消できます。
無料で開催されているセミナー(または個別相談会)がねらい目でしょう。個別に対応してくれるところもあるので活用してください。
②明確な目標を掲げ、投資計画を立てる
不動産投資をする上で「目標」は重要なものです。
本業のほかに月々+〇万円ほしい・老後の年金代わりにしたい・専業大家になってアーリーリタイヤしたい
など人によって目指すところは様々。
目標によって買う物件も運用方法も変わってくるのです。
人はゴールのないマラソンは走れません。
あなたが不動産投資をやって最終的にどうなりたいかを明確にしておきましょう。
また余裕をもった投資計画を立てておくことも必要。
不動産投資は「賃貸経営」という立派な事業です。
不動産投資には税金や修繕、退去時のリフォーム代など思いがけない時に出費があるもの。
臨時の出費も見越して
- キャッシュフローはいくら得られるか
- ローンを何年で組むか(月々の返済金額)
- どうしたら入居者が途絶えないようにできるか(リフォームをする・修繕するなど)
- 何年を目途に売るか、買い替えか、買い増しか
など具体的で余裕がある投資計画を立てておきましょう。
信頼できる不動産会社が見つかれば一緒に確認しながら立てることも有効です。
③物件や会社は慎重に選ぶ
不動産投資ではなされるがまま、言われるがままではダメなのです。
成功している投資家は
- 色々な不動産会社と親しくしておき、最新の物件情報を紹介してもらう
- 投資家コミュニティに入って不動産投資の最新情報を手にする
- 日頃から銀行にアポを取って開拓を進めておく
このように自ら積極的に動き、情報を仕入れることに労力をいといません。
1人では不動産投資はできないため、色々な方面で人脈を築いた上で物件を選ぶことが非常に重要です。
会社の選び方・物件の選び方については以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
営業マンの提案を何も調べずに鵜呑みにするのはやめよう
営業マンが提示してきた物件は第3者に相談して、将来的も見越してキャッシュフローが得られるのか、出口戦略は立てられるのかなどをよく検討してから購入してください。
本当にいい物件が向こうからやってくることは少ないのです。
投資はあくまでも「自己責任」。
収益も自分のものになりますが、損をするのも業者ではなく自分です。
④不動産投資で起こり得るリスク対策をしっかり行う
不動産投資で失敗しないためのカギは、リスク管理に尽きるといわれます。
想定されるリスクに対して、あらかじめ対策を講じることがポイントになるのです。
そのためには、リスクを知ることから始めなければいけません。
空室リスク
空室になると家賃収入が望めなくなり、収支計画に大きな狂いが生じるでしょう。
銀行融資を受けていれば返済が滞るかもしれません。
対策としては、物件選択の時点で立地が良く賃貸需要の安定したエリアを選ぶのです。
家賃滞納リスク
家賃滞納も空室リスクと同じように家賃収入がストップします。
家賃滞納では簡単に追い出すこともできないのでダメージの大きなリスクです。
入居審査の時点で保証人のチェックを厳しくしておきましょう。また、保証会社の利用も有効です。
資産価値下落リスク
賃貸物件は時の経過に応じて老朽化するため資産価値が下落します。
家賃も資産価値に連動するため、下げなければ空室が埋まらなくなることもあるでしょう。
対策としては、適度なメンテナンスで状態を保つことや、好立地のエリアにある物件は価値が下がり難いといわれます。
また、リフォームを入れると家賃を上げることができる場合も。
修繕費リスク
中古物件の場合、建物や設備の不備のために予想外の修繕費が掛かることがあります。
例えばエアコンや給湯器などが故障した場合、入居者が生活するうえで困るため、すぐに修理をしなければなりません。
不動産投資では、急な出費に備えてお金を積み立てておいたり、事前に修繕費を含んだランニングコストをシミュレーションしておくことも大切です。
5. 不動産投資の失敗談をつづったブログ3選
最後に、不動産投資で失敗してしまった投資家によるブログをご紹介します。
実体験をのぞけるブログは、よりリアリティが増し、自分も「どうしたら失敗しないような不動産投資をするか」を考えるうえでかなり参考になるでしょう。
①不動産投資で地獄を見たブログ
総額2億円の区分マンションやアパート、賃貸併用住宅などを購入した「地獄大家さん」がアパート経営やマンション経営の失敗談を赤裸々に綴ったブログです。
「自分のような不幸な人間を生み出さないために」と不動産投資で失敗してしまった実体験をわかりやすくまとめています。
②僕と投資と樹海の日
FXから投資生活をはじめて失敗した漫画家の「まりおさん」が掲載していたブログです。
ブログ内の「僕と不動産と樹海の日々」でまりおさんの不動産投資失敗体験談が漫画で解説されているため、難しい内容を長々とした文章で読むのがニガテな人には特にオススメ。
「まりおさん」は「楽待」で「河上まりお×DJ TOBORI」ブログも連載されていました。
参考:僕と投資と樹海の日
②20代でマンション5戸買っちゃいました。
20代でマンションを5戸も購入した方の不動産投資備忘録。
2年間の経験を通して、「あの時こうしておけば失敗しなかったな…」などと筆者の見解が書かれており、非常に参考になります。
これから不動産投資をはじめる方は、ポイントだけでもおさえておくと良いでしょう。
6. 不動産投資は失敗しないためには知識・計画・人脈・行動が必要
不動産投資で失敗しないためには、最低限の知識や情報、人脈、そしてそれらを得た上での行動が必要不可欠です。
失敗率が高いと思われている不動産投資は、
- ローリスクローリターンな安定した投資が可能
- 物件が実物資産になる
- インフレ対策ができる
- 投資の中でも節税効果が高い
- 生命保険/老後の年金代わりになる
などさまざまなメリットがあり、魅力あふれる資産運用法になっています。
不動産投資での失敗を避けるために、まずはセミナーに参加したり、プロに相談してみましょう。