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マンション投資における節税のカラクリを徹底解明!リスクや節税シミュレーションも紹介

「マンション投資は節税になる」と聞き、マンション投資に興味を持った方も多いのでは?

所得税・住民税・固定資産税・相続税など、身の回りには税金の支払いであふれているため、「節税できる」というのは非常に魅力的に感じますね。

 

そもそもマンション投資での節税の仕組みはどのようになっているかご存知ですか?

マンション投資で節税になる仕組みを理解していないと、節税効果以上に損をして失敗してしまう…という事態にもなりかねません。

 

そこで当記事ではマンション投資に興味がある人を対象に、不動産投資が節税になる6つのカラクリや節税のリスク、シミュレーションなどを解説します。

Index

1. マンション投資で節税はなぜできる?6つのカラクリを徹底解明

マンション投資で節税はなぜできる?6つのカラクリを徹底解明

マンション投資を行うことにより、以下の4つの税金を節税することができます。

  1. 所得税
  2. 住民税
  3. 相続税
  4. 贈与税

ただしなぜ節税になるのか、仕組みを知らずに投資を始めるのは危険です。

マンション投資で節税する方法はいくつかあります。今回は6つのカラクリを解説しましょう。

①マンション投資にかかる経費を計上して所得を抑える

マンション投資で得られる家賃収入は「不動産所得」に該当し、利益を得たら確定申告をして税額を決定する必要があります。

不動産所得=不動産収入-必要経費

よって必要経費が大きければ大きいほど、不動産所得を抑えることができるため、所得税の節税をできるカギとなっています。

マンション投資の経費

マンション投資で計上できる経費には、次のようなものがあります。

  • 税金…登録免許税・不動産取得税・固定資産税・都市計画税・事業税など
  • 損害保険料…火災保険・地震保険など
  • 減価償却費…資産によって償却期間が異なる
  • 修繕費…資産価値や耐久性を高めるものは対象外
  • 借入金利子…元本部分および土地に関する利子は対象外
  • 管理費…不動産管理会社に払う管理費や修繕積立金
  • その他の費用…交通費や通信費・交際費・消耗費・税理士への費用等 など

このようにマンション投資では経費として計上できる費用が多いため「節税になる」と言われる理由の1つです。

関連記事不動産投資で経費を使った節税は有効?|計上できる経費・できない経費を解説

2023.02.23

②給与所得と「損益通算」をして所得を抑える

マンション投資を行った結果、所得が赤字であれば給与所得の黒字と合算することができ、所得税の還付を受けられる可能性があります。

これを「損益通算」と言い、節税になると言われるゆえんの一つです。

③マンション投資の節税で「減価償却」の節税効果は大きい

先にマンション投資の経費として「減価償却費」を挙げましたが、減価償却費は実際に支出を伴わないにもかかわらず経費にできるため、大きな節税効果が期待できます。

 

建物や車のように長期間使用できる資産を、「減価償却資産」と言います。

減価償却資産は購入時に一括経費として計上せず、物ごとに定められている「耐用年数」にわたって経費計上することが可能で、この経費を「減価償却費」といいます。

 

耐用年数は、資産の種類や用途などによって国税庁で定められており、不動産の耐用年数は以下の通り。

種類 耐用年数
木造・合成樹脂造 22年
鉄骨造 厚さ3mm以下 19年
厚さ3mm超~4mm以下 27年
厚さ4mm超 34年
れんが造・石造・ブロック造 38年
鉄骨鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリート造
47年

参考:国税庁 耐用年数(建物/建物付属設備)より

 

例えば新築の鉄筋コンクリート造のマンションを、3,000万円で購入した場合の年間の償却金額は、下記のように計算します。

3,000万円×0.022=66万円/年

つまり、毎年66万円分を経費として計上することができるのです。

④現金より不動産を贈与・相続すると相続税・贈与税が抑えられる

現金で贈与や相続を行うより、不動産として贈与や相続を行うと節税になります。

贈与税節税のカラクリ

不動産を贈与した場合には、物件の購入金額ではなく相続税評価額により計算されます。

相続税評価額は現金と比べると、20~30%程度低くなることから、節税になると言われるのです。

 

ちなみに「相続時精算課税」を選択すれば贈与税はかからず、相続が発生した時に相続税が課税されることに。

なお一度相続時精算課税を選ぶと、年間110万円までは贈与税が非課税となる「暦年課税」を選択できません。

相続税節税のカラクリ

建物の価格は固定資産税評価額となるので、購入価格の50~60%程度で評価されます。

さらにマンション・アパートなどで貸家となっている場合には30%を減額し、空室があればさらに一定の割合を減額が可能。

 

また土地の場合も、市街地にある土地を相続する場合には、路線価格で評価され公示価格の80%程度に。

アパートなどの賃貸住宅があれば貸家建付地となるので、借家権分を減額して評価されます。

また小規模宅地等の特例が受けることができれば、200㎡まで50%を減額できるので大幅な節税が可能。

⑤確定申告で青色申告を選択すると控除が受けられる

マンション投資の確定申告を青色申告で行う場合には、65万円または10万円の控除を受けることができます。

青色申告には、他にも税制上で多くのメリットが。

  • 青色申告控除…所得税から65万円または10万円控除できます
  • 青色事業専従者…家族の給与を経費にできる
  • 減価償却の特例…30万円以下の固定資産を一度に経費にできる
  • 純損失の繰り越し控除…赤字になってから3年の間に利益が出た場合、黒字から赤字を差し引ける

青色申告を使うには条件がある

ただし、青色申告を受けるためには次の要件を満たさなければなりません。

  • 不動産投資が事業規模であること(一戸建ての場合には5戸以上、マンションやアパートの場合には10室以上)
  • 複式簿記で記帳していること
  • 損益計算書と貸借対照表を添付すること
  • 3月15日の確定申告期限を守ること

⑥所得が多い人は法人化した方が税金が安くなる可能性がある

法人にすると法人税が課税されますが、税率は23.2%と一律。

所得税は累進課税なので900万円を超えると33%になり、法人税の方が低率になります。

したがって、所得の多い人は法人にすれば節税できるということに。

参考:国税庁 法人税の税率

 

ただし、法人住民税は17%と割高だったり、法人の登録手続きや登録免許税などの費用も必要になるため、法人化にはタイミングを見極めることが重要です。

関連記事不動産投資で法人化するとお得になるタイミングとは|メリットデメリットや個人と法人の税率を比較

2022.12.04

2. マンション投資の節税にはリスクがある!節税対策の投資で失敗?!

マンション投資の節税にはリスクがある!節税対策の投資で失敗?!

マンション投資ではさまざまな節税の方法や仕組みがあることが分かりましたが、一方でマンション投資での節税にはリスクも潜んでいます。

どんなリスクに気を付けたら良いか、次に解説をしましょう。

マンション投資がうまくいっていて、黒字だと税金は増える

マンション投資が赤字であれば節税できますが、黒字になると税金を納めなければなりません。

運用が成功し利益が増えると、収入に上乗せされて合計の納税額が増えてしまいます。

金融機関からの信用が落ち、今後の融資が受けにくくなる

マンション投資を行う場合には、通常ローンを組んで金融機関から購入資金を調達することに。

資金融資する金融機関は、マンション投資の成否が返済にかかわってくるので収支状況を注視しています。

 

マンション投資で節税をすることはすなわち、帳簿を赤字にしなければなりません。

経営が赤字の状態が続くと、金融機関からの信用を失うことになり、投資規模を拡大する際に融資を受けにくくなるでしょう。

マンション投資で節税効果があるのは最初の数年だけ

マンション投資で大きな節税効果を得られるのは最初の数年だけです。

 

不動産を始めた年はさまざまな経費が必要になるため、登記費用や不動産所得税・仲介手数料などを経費として計上できるので、所得税(住民税)を少なくできます。

しかし翌年以降経費計上できるのは、減価償却費や借入金利・保険料・固定資産税などになるので節税効果は大幅に減ることに。

 

さらに減価償却期間を過ぎると、毎年計上していた費用が計上できなくなるため、一気に黒字に転換し、税金が増える恐れがあるので注意が必要。

例えば、中古マンションで計算上4年間の減価償却が認められた場合、マンション投資で節税効果が期待できるのは、4年間だけとなります。

4年間が過ぎると、不動産所得を赤字で計上するのは難しく、逆に大きな税金がかかってしまうこともあるのです。

3. マンション投資における節税シミュレーション

マンション投資で上手に節税するには?

次は、マンション投資での節税シュミレーションをみて、具体的にどれほどの節税効果があるのかを見ていきましょう。

所得税と住民税・贈与税・相続税それぞれでご紹介します。

マンション投資における所得税・住民税の節税シミュレーション

次の2つのケースで所得税と住民税を比較シュミレーションしてみましょう。

所得税の税率や、所得控除については以下を参考にしてください。

■所得税の税率

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円以上 330万円以下 10% 97,500円
330万円以上 695万円以下 20% 427,500円
695万円以上 900万円以下 23% 636,000円
900万円以上 1800万円以下 33% 1,536,000円
18,000万円以上 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円以上 45% 4,796,000円

引用:国税庁 No.2260 所得税の税率

■給与所得控除額

給与等の収入金額

(給与等の源泉徴収の支払い金額)

給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%

(650,000円に満たない場合は650,000円

1,800,000円以上 3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円以上 6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円以上 10,000,000円以下 収入金額×10%1,200,000円
10,000,000円以上 2,200,000円上限

引用:国税庁 No.1410 給与所得控除額

 

税率や控除を理解したところで、節税シミュレーションをしていきましょう。

    本業のみ(年収500万円)

  1. 本業に加え、年間の不動産所得で50万円赤字を出したケース
項目 本業のみの場合 本業+年間不動産所得が50万円赤字の場合
給与収入 500万円 500万円
給与所得控除額 154万円 154万円
給与所得 346万円 346万円
不動産所得 なし -50万円
総所得金額 346万円 296万円
所得控除額 107万円 107万円
課税所得金額 239万円 189万円
所得税 約14万円 約10万円
住民税 約25万円 約19万円
所得税+住民税 約39万円 約29万円

この表をみて分かるように、不動産投資で50万円の赤字を計上できると、所得税と住民税を合わせて年間約10万円の節税ができることに。

マンション投資における贈与税の節税シミュレーション

相続税や贈与税を現金ではなく不動産で受け取ると、評価額が80%程度になり、節税になることは先にご説明しました。

具体的にどれほど節税効果があるのかを見ていきましょう。

贈与税の計算式は以下のようになります。

(もらった財産の価格-基礎控除額110万円)×税率-控除額=贈与税

 

贈与税の税率は以下になります。

基礎控除後の財産価格 税率 控除額
200万円以下 10% なし
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円以上 55% 640万円

引用:No.4408 贈与税の計算と税率(還暦課税)/国税庁

 

上の計算式を理解したところで

  1. 現金で5,000万円の贈与をうけた場合
  2. 5,000万円の物件が4,000万円(8割の評価額)の評価額となり贈与をうけた場合

を比較してみましょう。

現金で5,000万円の贈与をうけた場合の計算式は以下です。

(5,000万円-110万円)×55%-640万円=20,495,000

 

5,000万円の物件が4,000万円(8割の評価額)の評価額となり贈与をうけた場合の計算式は以下です。

(4,000万円-110万円)×50%-415万円=15,300,000

2つを比べると、約500万円もの節税効果があることが分かります。

マンション投資における相続税の節税シミュレーション

相続税についても具体的にどれほど節税効果があるのかを見ていきましょう。

 

相続税は以下の順序で計算していきます。

①遺産の総額の把握

「財産(預金、土地、建物、株など)-負債(借金)=遺産の総額」です。

例えば、財産が1,000万円、負債が300万円だとすると、遺産の総額は700万円になります。

②課税遺産総額を算出

課税遺産総額とは、税金がかかる総額のこと。

遺産の総額から控除を差し引いたものに相続税率がかけられます。

控除の出し方の計算式は以下です。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

例えば、法定相続人に数が3人だとすると、3,000万円+600万円×3=4,800万円 に。

③相続税の総額を算出

先ほどの計算で割り出した答えを、法定相続分で分割したものと想定して、相続税の総額を決めます。

仮に、妻(50%)、長男(25%)、長女(25%)で分けたとすると、相続税額の計算式は以下。

  • 妻:2,800万円×15%-50万円=370万円
  • 長男:1,200万円×15%-50万円=130万円
  • 長女:1,200万円×15%-50万円=130万円

よって、課税合計は、630万円。

■相続税の税率

法定相続分に応ずる所得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% なし
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円以上 55% 7,200万円

引用:No.4415 相続税の税率/国税庁

④相続人ごとにかかる相続税を算出

先ほど算出した課税合計をもとに、相続人ごとにかかる相続税を算出していきます。

  • 妻:630万円(相続税の総額)×50%-※=0円
    ※配偶者の取得した遺産額に対する税額については、法定相続分、もしくは1億6千万円までのいずれか多い金額に対応する額までの税額控除があります。
  • 長男:630万円×25%=1,575,000
  • 長女:630万円×25%=1,575,000

よって相続税の合計は、315万円。

 

マンション投資をしていた場合、現金と比べて、評価額が80%程度になります。

次の表で不動産投資をした場合としなかった場合の相続税を比べてみましょう。
(母・長男・長女の3人が相続するとした場合)

  • 1億円の現金
  • 1億円の不動産
現金1億円 不動産1億円 結果
相続評価額 1億円 8,000万円
相続税合計 315万円 175万円 140万円の節税

不動産で相続することにより、140万円の節税になるのです。

4. マンション投資の節税において失敗しないためのポイント

マンション投資の節税において失敗しないためのポイント

マンション投資で失敗して大きな損失を出してしまっては意味がありません。

節税をしつつも

そもそも節税目的のマンション投資をしない

マンション投資で節税効果を得られるのは、マンション投資で赤字を出している場合か、かなりの資産を保有しており相続税対策をしたい人に限ります。

よって上記に該当しない限りは、節税目的のみのマンション投資をすると失敗リスクが高くなるでしょう。

税金に関する知識をつけておく

マンション投資は知識がないと難しいです。

空室が続けば赤字になりますし、マンション経営が黒字になっても、税金が増えてしまいます。

 

どうしても節税したいなら、不動産投資でなく、iDeCoやNISAなどほかの投資法を検討した方が有効な場合もあります。

正しい知識がないと、節税を有効活用はできません。

知識をつけた上でさまざまな節税方法を模索してみましょう。

5. 節税目的のみのマンション投資はやめよう

ここまで述べたように節税だけを目的として、マンション投資を行うと思わぬ損失を被ることがあります。

少しでも払うお金を少なくしようとして、更に多くのお金を払っていては本末転倒ですね。

節税目的のマンション投資にはリスクがあることをよく理解し、利益を出すための物件の選定と運用を考えるようにしましょう。

 

マンション投資をする場合は、どの部分が節税可能で、どうしたら収益を上げ経営を成功させられるのかということを考える必要があります。

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