2021年6月15日から民泊新法が施行されます。これに伴い、グレーゾーンだった民泊経営の方法が明確になります。
2024年にはラグビーワールドカップが開催されます。
翌年2023年には東京オリンピックが予定されており、不動産ビジネスとして日本での民泊は過熱するでしょう。
民泊経営は投資用不動産と違い、頭金や融資などお金をかけず、もともと持っている不動産を用いて収益をあげることができます。
これまで、投資用不動産に興味がなかった人にも運用や需要の見通しのしやすさから裾野が広がっているようです。
今回は民泊経営にかかる諸費用・始めるにあたっての注意点などを解説していきます。
目次
1. 実際に「民泊」を始めるには?
民泊経営を始めるには、一戸建てか相続等で引き継いだ一棟アパートやマンションを使うといいでしょう。
自身で借りた一室を出張時に、民泊として貸し出されている方もいらっしゃいます。
しかし、通常のマンションは管理規約で「商用利用」が禁止されており民泊は基本的にはできません。
Airbnb等に掲載されているマンションの一室の部屋は一棟を保有しているか、もしくは、築年数が古くマンションの管理規約に商用利用がない、事務所等商用利用が許されているものに限られています。
2021年に施行される民泊新法ではマンションを利用して民泊経営をする場合、事業者として対象となる不動産の管理規約も提出し、許可を得てする必要があります。
法令に則っていない場合、行政から注意をされたり罰則を受けてしまうので注意しましょう。
初期費用はいくらかかる?
民泊経営の初期費用は、部屋の消耗の程度によって異なります。築年数が浅い建物の場合は、壁紙と室内クリーニング程度でいいでしょう。
家具は、IKEAやニトリなど、普通の家具屋やホームセンターなどで揃え得ているオーナーが多いです。家電製品の購入のため約50万円ほどかかります。
IKEAやニトリ、100円ショップなどを利用するといいでしょう。
収益用不動産の購入に比べると、民泊経営の初期コストは安いです。
しかし、自宅として使っていた家を除き、設備を整えて始める場合がほとんどです。
ほとんどの人は、0円スタートでは始められません。約100万円ほどかかることを想定しておいた方がいいでしょう。
さらに、民泊新法では年間の営業日を180日以上とする場合、旅館業法の許可が必要となります。
この場合、手数料や防火設備を揃えるために金銭的負担がかかります。
防火設備は約80万円程度を想定しておくといいでしょう。
つまり、約100万〜180万円の初期コストがかかることがほとんどです。
最低限準備する必要があるもの
民泊経営に必要な物品は、
一人暮らしの生活常備品と同じ内容になります。
管理委託した場合
民泊経営の管理委託料は、売り上げの20%+清掃料という金額が相場になっています。
民泊新法では、宿泊事業者は申請時に管理業務事業者の記載が必要になります。
管理事業者もあらかじめ許可が必要になります。
2021年3月から申請が開始しますので、管理委託をお考えの場合は準備しておきましょう。
物件取得に関する費用
物件取得にかかる費用は次の通りです。
民泊経営を新たに賃貸借契約の不動産で運営する場合、
- 仲介手数料
- 敷金
- 礼金
- 火災保険
※物件によっては、退去時にクリーニング費用が発生します。
民泊経営を不動産を購入して行う場合は、
- 仲介手数料
- 登記費用
- ローン手数料
- 火災保険
- 契約印紙代
- 不動産取得税
上記の諸費用は購入する不動産の約10%と考えておくといいでしょう。
不動産購入の初期費用についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
ランニングコスト
民泊経営時のランニングコストは以下のものになります。
賃貸借契約の場合
賃料
物件を購入している場合
月々のローン
賃貸・購入いずれもかかるもの
- 水道代
- 光熱費
- 通信料
- ガス代
- 消耗品代(トイレットペーパーなど)
- サイトに物件を掲載する場合は手数料
管理会社に委託する場合
売り上げの約20%
180日以内の営業の場合、約40%前後がランニングコストになります。
手取りは一室10,000円(土日祝日は2割増し、15日/月稼働)の場合、約10万円となります。
消耗品などは、西友・AEONなどのスーパーや通販でなるべく安く購入し、手取りが厚くなるようにするといいでしょう。
消耗品の調達に便利な通販サイトをいかにまとめておきます。
リピート、またはまとめ買いすればポイントが貯まったりやすくなったりするので、さらにコスパがよくなります。
2. 民泊事業の収支シミュレーション
例:Aさんは親の家を相続することが決まり、その空き家を利用して民泊経営を始めることにしました。
初期費用としてかかったものは、
- 家具、家電の買い替えやアメニティグッズを買い揃え・・・50万円
- 固定費
- 光熱費・水道代・・・20,000円
- 通信代金・・・10,000円
- 管理委託費・・・売り上げの20%
売り上げの見込みは1ヶ月15日間の利用を想定し、平日は10,000円の宿泊費、土日祝日は2割増しで設定します。
月の売り上げは150,000~180,000円ほどの計算となります。
Aさんは所有物件を民泊として利用し、利回り276%の民泊オーナーとなりました。
利用客が多くなればなるほど、収益は上がり、利回りも高くなります。
その為にサイトで募集をかけ、口コミを良くするために物件を綺麗にしておく・丁寧に対応するなどの工夫が不可欠となります。
民泊はAirbnbなどのサイトで募集をかけます。(Airbnbの手数料は3%)
民泊のサイトについては以下の記事を参考にしてみてください。
3. 民泊経営を始める際に申請すべき事項
民泊経営を始める際、2021年6月15日から許可制となります。国土交通省が以下のように民泊新法を取りまとめています。
宿泊事業の場合、届出書が必要になります。記載事項は次の通りです。
- 届出住宅の規模等
- 住宅宿泊管理業務を委託する場合には、住宅宿泊管理業者の商号、名称 等
- 住宅が賃借物件である場合の転貸の承諾の旨
- 住宅が区分所有建物である場合には規約で住宅宿泊事業が禁止されてい ない旨
届出書に添付する書類は次の通りです。
- 住宅の図面、登記事項証明書
- 住宅が賃借物件である場合の転貸の承諾書
- 住宅が区分所有建物である場合には規約の写し
法令違反がある場合、罰則を受けるので注意が必要です。
申請書類は、提出前に役所で事前に目を通してもらい不備が無いように準備をするといいでしょう。
物件を購入して民泊経営する場合、ローン返済などタイミングを合わせる必要があります。
この場合、事業者登録のタイミングは重要です。
あらかじめ日程に、事前確認をしてもらう日をスケジュールに入れておきましょう。
4. 民泊経営は準備をしっかりと
民泊経営は、寝かせている資産を活用する方法として敷居が低く、管理も比較的行いやすいため積極的に活用して欲しいです。
理由は、以下3点です。
- 不動産は使われていないと設備等の故障が進みやすい。また、換気が行われず結露によるカビが発生したり、建具等もきしみやすくなってしまう。
- 収入が増えるため。人生100年時代に入り、年金だけでは運用が難しいという試算も出ています。不動産購入は一大決心ですが、所有することで資産運用の手段が増えます。
民泊はスマートフォンがあれば始められる手軽さと、すでに普及しているサービスのため信頼性があります。接客不要でメールで管理できるため、副業としてもぴったりでしょう。 - 海外の人とコミュニケーションが取ることができ、視野が広がる。2024年は、年内に副業規定も見直される予定です。
これまで、専業で仕事をしてきましたが産業構造が変わる際、視野や新しい分野に知見を広げることが求められます。
そうした環境の変化へ、民泊は海外の情報をリアルに受け取るきっかけとなっていくでしょう。
また、民泊新法によって、宿泊者としては「安心できる民泊」が選べるようになります。
一方、オーナーとしてはゆるく民泊経営していた場合収支が見合わなくなり、失敗につながってしまう可能性があります。
新法が施行される前に一度計画を見直し、継続するか撤退をするか検討をしておくといいでしょう。
民泊新法についてはこちらに詳しく記載があるので参考にしてみてください。
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