民泊はここ数年ですっかり定着して、旅行者の宿泊施設の選択肢の一つとしてとても人気があります。
もともと民泊ブームの火付け役となったサイト、Airbnbは、現在も業界トップの座に君臨し、世界中でその名が知られているところとなっています。
今は競争が激化し、競合の民泊サイトがたくさん増えています。
今回は民泊をビジネスとしてどう成功させていくかを考える上で、Airbnbとその他の民泊サイトに関する基礎的な情報を集めましたので、ご紹介させていただきます。
目次
1. Airbnbを利用して民泊を開始する方法
「民泊サイト」といえば「Airbnb」と言われるほど認知度が急上昇しているこのサイト。
Airbnbで民泊を始める方法について説明していきます。
1-1. Airbnbとは?
Airbnb(エアビーアンドビー)はインターネット上で宿泊施設利用の仲介サービスを行うサイトを提供しています。
設立は2008年、本社はサンフランシスコです。
宿泊施設を貸したい人(ホスト)と、借りたい人(ゲスト)のマッチングの役割を担っています。
Airbnbの利用者は、ホストもゲストも個人が多いです。もともとAirbnbは個人間のやりとりの難しさから仲介しようというスタンスから始まっています。
利用者は双方が評価しあう相互評価システムを採用。利用者にとってこうした評価はホスト選び、又はゲスト選びの参考となっています。
個人の家に泊まることは、無報酬という考えが根底にありました。
これに報酬をもらう形をとることで幅広いゲストを受け入れ、対価を得られるという「民泊」システムが生まれ、近年ブームとなったわけです。
Airbnbはその先駆者となります。
現在Airbnbは世界191か国、65000以上の都市でホストとゲストをサイト上でマッチングさせています。
これまでの利用者は2億人以上。世界最大の民泊コミュニティー・マーケットプレイスです。
1-2. Airbnbの仕組み
Airbnbの一連の流れ
- ホストはAirbnbに提供したい部屋を登録(リスティング)
- ゲストはAirbnbのサイトでお部屋の写真など詳細情報を見ながら、気に入った部屋を予約して宿泊料金支払い
- ホストが予約依頼に承認したら予約完了
- Airbnbはゲストから予約時に預かった宿泊料金を、チェックインの24時間後にホスト側に支払い(宿泊料金は手数料が差し引かれたもの)
Airbnbでは、部屋を登録しただけでは手数料はかかりません。手数料の発生は「宿泊予定が決まったとき」です。
Airbnbは仲介手数料としてホスト側から3%、ゲスト側から6~12%を徴収して収益としています。
この、お金に関するやり取りのすべてAirbnbのサイト経由で行う仕組みになっています。
宿泊金額はすべて前払いのため、ゲストが宿泊料金を支払わないといったトラブルを防止しています。この結果、ゲスト・ホスト共に安心した取引ができるのです。
2. Airbnb以外の民泊サイトランキング
ここ数年で「民泊」という言葉はテレビやニュースでも取り上げられ、すっかり社会に浸透しました。
日本国内でもホストが増えており、民泊業界もどんどん大きくなってきています。民泊サイト数も徐々に増えており、民泊新法が施行される2021年6月には楽天なども民泊のポータルサイトをスタートするようです。
ここでは、Airbnb以外の民泊サイトをランキング形式でご紹介いたします。
2-1. 国内民泊サイトランキング
国内民泊サイトのリスティング数別にランキングにしました。
サイト名 | 設立 | リスティング数 |
※Airbnb | 2008年 | 48,685件 |
1位 STAY JAPAN | 2013年 | 668件 |
2位 TRIPBIZ | 2015年 | 288件 |
3位 SPACEMARKET | 2014年 | 171件 |
4位 TATERU bnb | 2016年 | 73件 |
※全て2017年6月時点の情報です。
STAY JAPAN
STAY JAPANは、自治体の認可を得た民泊のみを取り扱っている民泊運営サイトです。
民泊については近年の需要の高まりにつれて、日本国内でも規制緩和の動きが広がっています。
しかし、国だけでなく自治体には少なからずのルールがありますが、しっかり守られていない民泊も存在します。
STAY JAPANでは、法律を遵守し合法的な民泊を営んでいるので、ホストもゲストも安心して利用することができます。
Airbnbの日本版のようなものですが、認可を受けた民泊のみ提供することで、安全性を謳っています。
TRIPBIZ
TRIPBIZは出張などのビジネス専用の「ビジネス民泊」です。ビジネス専用なので、ゲストは法人となります。
ビジネスシーンで見られる出張、研修はもちろん、短期の単身赴任ということもあるので、利用日数は一日単位から月単位まで様々です。
ホスト側は、ゲストが法人なので民泊貸し出しに安心感があります。
またゲスト側も、ホテルとは違って様々なエリアから選べるので選択肢が広がります。費用もホテルより安く抑えられので経費節減に繋がるでしょう。
Airbnbではホストもゲストも個人というのが多いので、たとえ宿泊施設を気に入ってもらってもリピートが頻繁には起こりません。
しかし、TRIPBIZなら法人利用なので気に入ってもらえた場合、その後のリピート率が高くなる可能性があります。
SPACEMARKET
SPACEMARKETは、個人や法人が既に持っているスペースを時間貸しするサービスです。
利用目的は
- 会議
- 研修
- パーティー
- イベント
- 撮影利用
など何でも可能です。
提供施設は
- 会議室
- スタジオ
- 住宅
- ホテル
- 映画館
- カフェ
- バー
- 倉庫
- ホテル
など、様々なレンタルスペースが用意されています。
もちろん、Airbnbなどと同様に宿泊できる施設の提供もありますが、宿泊以外でゲストが求めるあらゆるニーズに応じた時間貸しを提供しているところが特徴です。
TATERU bnb
TATERU bnbは国内宿泊マッチングプラットフォームです。主な特徴としてはトリップコンシェルジュがいます。
チャットを使ってゲストの宿泊の手配をサポートをしてくれます。
また、TATERU bnbはTEMAIRAZUという予約サイトコントローラーと業務提携をしていることで話題を集めました。
TEMAIRAZUとは日本国内の宿泊施設に対して、複数の予約サイトを一括して管理するシステムです。
この提携は国内初となっています。
2-2. 海外民泊サイト
HomeAway(アメリカ)
アメリカテキサス州で設立された民泊サイトです。アメリカでは民泊のことをバケーションレンタルと言います。
設立してから世界各地に拠点を広げ、今では日本語版サイトもあります。
欧米のバケーションレンタルサービスではAirbnbに次いで大きな民泊サイトです。
途家(トゥージア)
「途家(トゥージア)」は、北京で2011年に設立した中国の民泊サイトです。中国国内で335都市、香港や台湾をなどを含む海外では1,018都市で利用されています。
様々な物件が登録されていて登録数は45万件を超え、中国最大の民泊サイトとなっています。
2021年6月施行予定の民泊新法(住宅宿泊事業法)を見据え、途家が全額出資している子会社の日本途家を2016年4月に設立しています。
この日本途家は、民泊登録支援・ホスト、ゲストのカスタマーサポートといった様々な施策を行い、2023年までに売上高3億円を目標として掲げています。
すでに途家は、Relux(リラックス)を運営している株式会社Loco Partnersとの提携を発表しています。
Reluxは高級旅館、一流ホテルを取り扱っており、この提携によってReluxに掲載されているホテル・旅館が途家にも掲載されることになるでしょう。
日本法人を設立したことで途家は今後、日本での民泊物件掲載を増やしていくことになりそうです。
住百家(ジュバイジァ)
「住百家(ジュバイジァ)」は中国広東省の深圳(シンセン)に拠点を置く中国の民泊サイトで、2012年に設立しました。
中国人のアウトバウンド(中国人が海外旅行する際に利用する民泊サイト)に力を入れているところが特徴です。世界の70ヵ国、25万件を超える民泊物件を掲載しています。
先ほど紹介した「途家」は中国国内の民泊物件が多いのに対して、「住百家」は中国国外での売り上げが全体の6割以上を占めていてアウトバウンドに特化していることがわかります。
3. 民泊を成功させるかはどのスタイルで参戦するかが鍵
民泊が成功するか否かは、宿泊提供する物件スタイルによって大きく影響を受けることになります。
3種類のスタイルをご紹介します。
①オーナー&ホスト型 | ②オーナー&転貸型 | ③賃貸ホスト型 | |
投資スタイル | 自分が所有する物件を民泊として提供 | 自分が所有する物件を、民泊をやりたい個人又は法人に転貸する | 他人が所有する物件を、民泊利用の許可を得て転貸 |
メリット | 自分名義の物件なので、利益が全て自分のもの。 | 稼働率に関わらず、毎月一定の収入がある | 稼働率が高ければ収入が期待できる |
デメリット | 周辺エリアに問題があると毎月の売上に影響が出る | 収入が固定しているので、稼働率が高くても収入が増えない | 稼働率が悪くても毎月の支払い家賃が発生するので赤字のリスクを伴う |
4. 民泊ビジネスをはじめる時は民泊専門サイトを活用しよう
民泊をビジネスとしてはじめたいという方は、まずは提供する物件が一番の問題となります。
もうすでに物件を持っている場合は、そこから活用できないかを考えるのがいいでしょう。
しかし物件を持っていない方は購入して民泊をはじめたいと思われるかもしれませんが、それには慎重になるべきです。
購入する場合は周辺エリア、近隣の相場、見込み客等の分析をしっかり行って利回りを計算して下さい。高い利回りが見込めない物件購入は避けた方がいいでしょう。
さらに民泊に関する法律についても問題となってくる場合があります。
規制緩和の流れが続いていますが、民泊新法(住宅宿泊事業法)案では民泊営業日数は180日が上限です。
さらに地方自治体は状況に応じて制限できることになっているので、事前にチェックが必要です。
民泊新法についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
2023年東京オリンピックに向けて、外国人観光客の増加を見込んで民泊推進の動きが継続していくと思われます。
また地方も地域活性化に向けて観光客誘致に取り組んでいます。今後ますます民泊ビジネスが発展していくことを考えると、インターネットの民泊サイトもさらに増えていくでしょう。
民泊ビジネスをはじめる際は、物件やビジネスプランに加えて、民泊サイトの選び方も重要なポイントになるでしょう。
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