世の中にはさまざまな投資方法がありますが、有名なのは不動産投資と株式投資ですよね。
あなたも、「どちらではじめたら良いのだろう?」「自分に合っているのはどちらだろうか?」と迷っているのではないでしょうか?
そこで、本記事では不動産投資と株式投資それぞれの違いについて5つのポイントで解説していきます。
また、不動産投資と株式投資それぞれ向いている人もご紹介しましょう。
メリット・デメリットを把握したうえで、自分にとって最適な投資を選ぶことがポイントとなります。
目次
1. 不動産投資と株式投資の仕組みの違い
不動産投資と株式投資それぞれの、利益を生み出す仕組みの違いについて知っておきましょう。
不動産投資とは
不動産投資は、物件を購入して利益を生み出す方法です。
利益が出る仕組みは2つあります。
1つ目は、地価が低い時に買い、地価が上昇したときに売却することで利益を生み出す方法。
2つ目は、所有物件を賃貸に出すことで、入居者から家賃収入を得る方法です。
キャピタルゲイン・インカムゲイン
不動産投資から生み出される利益には、「キャピタルゲイン」「インカムゲイン」と呼ばれる2種類があります。
「キャピタル」とは資本や資産のことです。よって、土地や建物を売ったときに得られる利益のことをキャピタルゲインと呼びます。
「インカム」とは収入という意味です。よって、「インカムゲイン」というのは資産を保有していることで得られる収入のことを示します。つまり、家賃収入などがインカムゲインです。
不動産投資のリスクやリターン
不動産投資のリスクは、初期投資が大きく複数の不動産を所有することが困難なうえに、
人が集まらない場所などに建てたり、土地を買ったりしてしまうと収益がマイナスになってしまうことです。
ほかにも、建物の管理や入居者の不払いなど運営面でのリスクもあります。
ただ、問題をクリアして成功すれば継続的に安定した収入が見込めるというリターンが期待できます。
また、株式投資のように資産の価値がなくなってしまうこともありません。
株式投資とは
株式投資は基本的に、「安いときに買い、高いときに売る」ことで利益を得る投資です。
ほかにも、企業の業績に応じて「分け前」が支払われる配当金で利益を得ることもできます。
ただし、企業によっては配当金が支払われないところも。
キャピタルゲイン・インカムゲイン・キャピタルロス
上述した不動産投資と同様に、株式投資の利益も2種類に分けられます。
株式投資の「キャピタルゲイン」は、株式を売り買いすることで得る利益のことです。
そして、配当金など株式を所有し続けることで得られる利益のことを「インカムゲイン」といいます。
また、買ったときよりも安い値段で売った場合の損失のことは「キャピタルロス」と呼ばれます。
株式投資のリスクやリターン
株式投資での一番のリスクは、購入した株式の価値がなくなってしまうことでしょう。
不動産投資ならば、土地の価値がなくなるということはありませんが、株式投資では価値が0になる可能性もあるのです。
その代わり、株式投資は不動産投資ほどの初期投資が掛からないため、いくつもの株式を分散して所有することでリスクを減らせます。
企業を見極める目を養い、長期的に成長する企業の株式を保有できれば、初期の投資額の何十倍のリターンを得ることも可能です。
2. 不動産投資と株式投資を5つのポイントで比較
不動産投資と株式投資を5つのポイントで比較することで、それぞれのメリット・デメリットを明らかにしていきます。
①収益性(利益率・利回り)
不動産投資は物件による
収益性は物件によってさまざまです。
目安としては、高くても一年中満室の状態で8%程度の利回りとなるでしょう。
不動産投資は利益率がマイナスになることはありませんが、その代わり上限があります。
株式投資は高利回りになることもあれば、マイナスになることもある
株式投資の収益率は高いといえます。
投資ファンドで年利40%程度の利回りになることもあります。
基本的に利益率に上限はありませんが、株価が一気にマイナスになる場合も。
②安定性があるかどうか
不動産投資は安定性が高い
毎月コンスタントに家賃収入があるため、不動産投資の安定性は高いと言えるでしょう。
生活の支えとなり安心感を得られます。
株式投資は安定していない
マーケットの資産価格の変動が激しいため、安定性はありません。
いきなりマイナスになることもあります。
③流動性(売りやすさ)
不動産投資の流動性は低い
不動産投資の流動性は低いです。
売るときには準備期間として、数カ月から1年ほどが必要なため、すぐに現金化することはできません。
株式投資の流動性は高い
株式投資は売りやすく、現金に近い流動性があります。
簡単な操作で、3日程度で現金化することが可能です。
④維持費(管理コスト)
不動産投資の維持管理コストは高め
不動産投資は購入後にもさまざまなコストがかかります。それぞれ「保有コスト」「管理コスト」「税金」にわけて解説します。
保有コストは取引がなくても、保有しているだけでかかる費用です。不動産投資の保有コストには「固定資産税」と「都市計画税」の2種類があり、毎年徴収されます。
保有コスト | 概要 |
固定資産税 | 固定資産税は、土地や家屋、償却資産(事業用資産の一種)にかかる税金のことで、下記の計算式で算出されます。
固定資産税 = 固定資産税評価額(課税標準) × 1.4% ただし、一定の条件を満たした居住用の建物や土地に関しては、「固定資産税」が最大6分の1に軽減されるなど、大幅に減額される可能性があります。 |
都市計画税 | 都市計画税は都市計画で定められた市街化区域内にある、土地や家屋に対してかかる税金のことで、下記の計算式で算出されます。
都市計画税 = 固定資産税評価額(課税標準)× 0.3% |
次に管理コストは、不動産を管理していくうえでかかる費用のことです。
大きくわけて「建物管理費用」「入居者管理費用」の2種類があります。
管理コスト | 概要 |
建物管理(維持管理)費用 | 建物管理費用は、建物を維持していくために必要な管理にかかるコストのこと。 たとえば、入居者が共同で利用するスペースの清掃やエレベーターの保守点検、防犯設備の維持管理が含まれます。 また、万一にそなえた火災保険も維持管理費用といえます。 |
入居者(テナント)管理費用 | 入居者管理とは、入居の手続きから、賃料の集金や滞納金の督促などのことです。 不動産会社に賃料の集金を任せるとコストが掛かります。さらに、家賃保証や滞納保証なども含めて不動産会社に依頼すると、当然不動産会社の管理報酬が高くなります。 |
また、不動産から得る家賃などの収入(不動産所得)には、税金が課せられます。
- 不動産所得 = 総収入金額 – 必要経費
不動産投資における必要経費の内訳は以下の通りです。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 管理費
- 入居者募集費用
- 減価償却費
- 借入金の金利 など
不動産所得の税率は「超過累進課税」です。
所得金額に応じて税率が高くなる方式ですので、不動産所得が多いほど税率も高くなります。
また、不動産所得は「総合課税」のため、給与所得などを合算した金額に対して課税されます。
下記の表は合算したときの所得金額によって、税率はどのくらいかかるかを表したものです。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
参照:国税庁 所得税の税率
このように、不動産所得の税率は「総合課税」であり、所得金額によって税率が変わる「超過累進課税」のため、最大で税率50%になるなど税負担が大きくなります。
株式投資の維持費用はあまりかからない
株式投資の管理コストはほとんどかからないといえます。
株式投資にかかるコストは、株式購入の際に証券会社に支払う手数料や、配当にかかる税金。
取引などが発生したときに差し引かれる費用であって、保有しているだけで税金がかかるということはありません。
ただし、証券口座を持ち続けるための「口座管理料」は必要です。
しかしながら、ネット証券(インターネット経由での株取引を提供する証券会社)など「口座管理料」をとっていない証券会社を利用することでコストを削減できるでしょう。
⑤税制優遇(非課税枠など)
不動産投資の税制優遇は多い
不動産の税制上の優遇は最大のメリットともいえます。
例えば相続税を計算する際に用いられる「相続税評価額」は、不動産の場合、価格の50~60%で評価されます。
よって、現金資産を不動産に変えるだけで、相続税課税対象額を40~50%ほど削減できるのです。
また不動産所得は「総合課税」となっており、全ての所得を通算する累進課税です。
よって、不動産所得がマイナスの場合はその他の所得から差し引くことができ、所得税を圧縮することも可能。(損益通算といいます)
このように、不動産投資は税率面での大幅な優遇が期待できます。
株式投資の税制優遇はあまりない
株式投資の税制上の優遇はほとんどないといえるでしょう。
株式投資で課税の対象となるのは「売価での収益」「配当」「株価の値上がり」と広範囲となっており、税率は20%です。
2013年までは税金優遇処置として税率が10%となっていましたが、現在のところ株式投資の課税額は現金より増えやすいといえます。
しかし、株式投資にも税制面でのメリットがあります。それは株式所得の課税方法は「総合分離課税」であるということです。
この方式は税率が一定のため、取引の利益が大きくなるにつれて税率もあがるということはありません。
また、優遇処置の廃止と入れ替えに「少額投資非課税制度(通称NISA)」がスタートしました。
NISAは株や投資信託などにかかる税金の一定額を非課税にする制度です。
非課税枠として、「毎年120万円、最長5年間、最大600万円」(2024年現在)が設けられています。
株式投資の税金優遇はそれほどありません。
しかし、利益が大きくても税率が変わらない「総合分離課税」であるということ、
そして、非課税枠が設けられているNISAを活用できるという利点があります。
3. 不動産投資と株式投資それぞれ向いている人を紹介
ここまでの比較を踏まえたうえで、不動産投資と株式投資がそれぞれどういった方におすすめなのかをお伝えします。
不動産投資がおすすめな人
不動産投資は、「融資を受けられるだけの信用があるか、十分な自己資金を持っている」「流動性や収益性を犠牲にしても、長期的に安定した収入を持ちたい」という人におすすめとなっています。
不動産投資の魅力はなんといっても安定性が高いことです。
毎月の家賃収入という安心感を得られます。
また、信用があれば金融機関からの融資によって、自己資本がそれほどない状態でも高額な物件を購入できるでしょう。
一方、流動性や収益性は高くないので、すぐに現金化することや、大きく儲かるということは期待できません。
株式投資がおすすめな人
株式投資は安定性を犠牲にしても、現金に近い流動性と爆発的な収益性に魅力を感じる方におすすめです。
株式投資の魅力は収益性が高く、利益に際限がないということです。
たとえば、100万円投資した場合、マイナスになったとしても最大で100万円以上損することはありません。
一方、プラスの場合の収益は10倍の1,000万円や100倍で1億になる可能性を秘めています。
さらに、流動性も高く、簡単な手続きで数日後には現金化できます。
しかし、値動きが激しいため安定性はありません。安心感よりも不安感のほうが大きくなると考えられるでしょう。
4. 不動産投資と株式投資はメリット・デメリットを押さえて自分に合った投資方法を!
株式投資と不動産投資の違いについて解説しました。
どちらにもメリットとデメリットがあるので、踏まえて自分に合った投資を選びましょう。
もちろん、不動産投資 + 株式投資というスタイルも可能です。
ただし、闇雲にはじめても損をするだけですので、勉強と準備は怠らないようにしてください。
そして、実践と反省を繰り返しながら投資家としてのスキルを磨いていきましょう。
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