アパート経営に必要なキャッシュフローとは?|大きく関わってくる税金について解説!

不動産投資を検討している時、利回り〇%はよく目にする数字ですが、意外と見落とされているのがキャッシュフロー。

「利回り20%のアパート」なんて宣伝を見ると、とても魅力的な投資に思えてきますが、アパートを買ってしまえば寝てても儲かるかというとそう簡単にはいきません。

高利回りなアパートを購入したのに、キャッシュフローの見通しが甘く失敗してしまう投資家も後を絶ちません。

毎月入ってくるアパートの家賃から、借入金の返済を引いたものが単純にキャッシュ(現金)として残るわけではなく、管理費や修繕費、そして固定資産税や所得税といった税金も容赦なくキャッシュアウト(支出)していきます。

アパート経営とは、言ってみればキャッシュフローとの戦いでもあります。

この記事で不動産投資でのキャッシュフローへの理解を深めて、健全なアパート経営を目指しましょう。

1. キャッシュフローとはどんなもの?

キャッシュフローとは、ある事業活動によって得られた収入から外部への支出を差し引いて、最終的に手元に残るキャッシュ(現金)の流れのことを言います。

アパート経営におけるキャッシュフローとは、毎月の家賃収入から経費や借入返済を引いて手元に残るお金のことです。

アパート経営のキャッシュフロー=家賃収入-(経費+ローン返済分)
アパート経営における経費の内容は以下のようなものがあります。
  • 管理費
  • 修繕費
  • 税金(不動産取得税、固定資産税、所得税)
  • 水道光熱費
  • 火災保険料
  • 金利返済分
アパート経営において、ローン返済だけを気にするのではなく、経費という支出があることもしっかり頭に入れておきましょう。

利回りとは?

利回りとは、投資金額に対して1年でどれほど利益をあげることができるのかを示す理論上の数値のことをいいます。投資案件の優劣を判断する時に用いられる数値です。

アパート投資の広告でよく用いられる利回りとは表面利回りのことで、投資金額と満室時の年間賃料で単純に計算した数値となります。

表面利回り(%) = 満室時の年間賃料 ÷ アパート購入金額 × 100

例)アパートを5,000万円で購入し、満室時の年間賃料が500万円だった場合

10 % = 500万円 ÷ 5,000万円 × 100

利回り10%となり、「たった10年で借入金が返済できそう!」と思ってしまいがちです。

しかし、この計算式には考慮されていない支出とリスクがあります。

  • 経費(管理費、修繕費、税金等)
  • 空き室になる可能性
  • 家賃が下がる可能性

表面利回りだけを見てキャッシュフローがいくら残るかを計算していると、アパートを運用していく中で想定外の空き室や支出が増え、手持ちの資金がショートする可能性が高くなります。

利回りとキャッシュフローの違いを知っておこう!

利回りには、実際に経営していく上で発生する経費は一切考慮されていません。

一方、キャッシュフローは、あらゆる経費を除いた最終的に手元に残る金額です。

アパート経営する時は、利回りとキャッシュフローの違いをよく理解して、キャッシュフローをいくら残せるかをシビアに計算することが大切です。

2. アパート経営をする上で知っておきたい税金についての3つの事

アパート経営でのキャッシュフローに、重大な影響を与えるのが「税金」です。

キャッシュフローを残すには、税金に関する知識と節税意識が不可欠です。

ここでは、アパートを経営をする上で知らないと損をすることになる税金についての3つの注意点をご紹介します。

①ローンの元金返済は経費にならない

アパート経営の収支で月々の支出の大部分を占めるローン返済分。

これはすべて経費として計上したいところですが、税務上はローン返済分は元金返済分金利返済分に分けて考える必要があります。

ローン返済分のうち、金利返済分は経費として収入から差し引くことができますが、元金返済分は収入として計算されます。

なぜかというと、ローンを返済した分資産になるということで、「所得」としてとらえられるのです。

(例)ローン返済額が100万円あった場合

金利返済分30万円・・・経費として計上(収入から差し引くことができる)

元金返済分70万円・・・収入として計算され所得税がかかってくる

 実質的には、ローン返済で手元の資金が減っているにも関わらず、所得税が増えていくことになります。

②家賃の滞納分も売り上げとして計上しないといけない

アパートの入居者が家賃を滞納した場合も、キャッシュフローを悪化させることになります。

家賃収入の売上は、入居者からの入金の有無にかかわらず家賃の支払日に計上されます。

つまり、家賃が滞納されていても、その分も売上となり課税対象になってしまうのです。家賃滞納期間が長ければ長いほど、実質的な収入がないのに帳簿上の売上だけが膨らんでいきます。

滞納分の家賃が回収できない場合は貸倒損失として計上する方法もありますが、税務署から本当に回収不可能かどうかをかなり厳しく追求されます。

最初の家賃滞納が起こった時点で管理会社に早めに対処してもらいましょう。

③アパートを経営する上では毎年支払わなければいけない税金がある

ベテラン大家さんが「アパート経営は税金との戦い」と言っているのを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

アパートにかかる税金は、取得した時点で課税される不動産取得税や登録免許税だけではなく、毎年支払わなければならない税金があります。

毎年かかる税金 内容 納期
固定資産税・都市計画税 土地・家屋の所有に対して課税 6月・9月・12月・2月
所得税 前年度1年間の所得に対して課税 3月
住民税 前年度1年間の所得に対して課せられる地方税 6月・8月・10月・1月
個人事業税 事業的規模になった場合にのみ課税 8月・11月

上の表を見てもわかるように、毎月のように何らかの税金の支払うことになります。

納税スケジュールと税金額を事前に把握して、計画的に支出に備えることが大切です。

3. キャッシュフローの注意点とは?

キャッシュフローの費用を生活費として使う危険性

ローン返済、税金、管理費といった支払いをすべてすませ、手元に残ったキャッシュフローを生活費として自由に使えると思ったら、その考えは非常に危険です。

どんなアパートでも経年劣化を避けることができず、数年ごとにメンテナンスが必要になってきます。そのメンテナンスにかかる費用は、キャッシュフローの中から工面する必要があります。

アパートに必要なメンテナンス

・建物劣化に対する大規模修繕(屋根の防水や壁の塗り替え)…通常10~15年に一度

・空き室・家賃値下げリスクを避けるためのリノベーション…空き室状況による

 

また、アパートの購入金額はすべて一括経費として計上するのではなく、耐用年数に応じて数年に分けて減価償却費として計上されます。

減価償却費として計上している期間は所得税が抑えられるのですが、耐用年数が過ぎれば所得税が一気に跳ね上がることになります。

長期でアパート経営をしていく場合は、この耐用年数期間が終わった後の税金への備えも必要となります。

4. キャッシュフローのお金には手を付けないのが吉

上の項目でも述べたように、アパート経営では月々の支出とは別に、以下の2点が将来必ず必要となります。

  1. 大規模修繕費用・リノベーション費用
  2. 減価償却費として計上できなくなった時の税金への備え

特に、大規模修繕費はアパートの規模や状態にもよりますが、だいたい100万~1,000万円ほどかかる傾向にあります。このような金額は、積み立てなしにすぐに賄うことはできません。

アパート経営で得たキャッシュフローを生活費のあてにするのではなく、将来への備えとして毎月コツコツと積み立てていくことをおすすめします。

5. キャッシュフローが多くなる・多くするポイント

今までは、キャッシュフローを悪化させる税金や修繕費に関するお話をしましたが、ここでは反対にキャッシュフローが多くなるポイントについて解説します。

減価償却は所得金額に入らない

上の項目では、減価償却は将来的に所得税が跳ね上がる曲者としてご紹介しました。

それを逆に考えると、アパートの耐用年数以内なら減価償却費として支出として算入できるので、キャッシュを減らすことなく所得を抑えることができます。

未収家賃の回収や預かり敷金も所得金額にはならない

アパートの部屋を解約する際に返還が必要な敷金を預かった場合や未収家賃を回収した場合、キャッシュとして確かに手元に入ってきますが、所得として計算されません。

繰り上げ返済はアパートを経営する上で重要になる

アパートローンでも住宅ローン同様、繰り上げ返済をすることができます。

アパート経営でのキャッシュフローに余裕が出てきたら、繰り上げ返済をすることをおすすめします。

キャッシュフローをそのまま銀行に預金しても、利息は微々たるもの。しかし、繰り上げ返済をすることで、ローンの総返済額を大きく軽減することができるのです。

(例)100万円の利益があった場合

30年間預金・・・利息1,000円程度(※金利0.001%の場合)

繰り上げ返済に廻す・・・数十万円分返済額を減らすことができる

繰り上げ返済は長期的な視点で見ると、キャッシュフローを増やすことができます。

キャッシュフローが増えることで、アパートの将来的な資金に備えることができたり、順調な業績が評価され銀行の融資枠を広がり、二棟目の購入も視野に入れることができます。

6. キャッシュフローの計算式と計算方法

キャッシュフローの計算式は、最初にお伝えしたように以下のようになります。

アパート経営のキャッシュフロー=家賃収入−(経費+ローン返済分)

これを実際に築古木造アパートを購入したとして計算してみます。

物件価格 5,000万円(4000万円を借入)
構造 築20年の木造アパート
金利 2.5%
融資期間 10年
 家賃収入  720万円
 経費  144万円(※家賃の20%で計算)
ローン返済額/年 500万円

76万円 =  720万円 – (144万円 + 500万円)

ローンの内容や経費によって多少違いが出てくると思いますが、単純計算してみると年間76万円のキャッシュフローを得ることができます。

7. アパートを経営していく上で、キャッシュフローには手を付けないようにしよう!

アパート経営でキャッシュフローがあれば、ついつい儲かったと考え、いつのまにか暮らしぶりが贅沢になっていたりします。

これはオーナーになったらよくあることで、長期的な視点が欠けてしまっている状態です。

アパート経営には短期的には見えないリスクが潜んでいます。

  • 空き室
  • 家賃値下げ
  • 減価償却費の減少による支出の増大
  • 予期せぬ損害や大規模修繕

これらのリスクに対応するには、キャッシュフローには手をつけずに増やしていくという意識を持つことが大切です。

今お持ちの物件のキャッシュフローに関して気になる方はお気軽に弊社にお問い合わせください。

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