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駐車場経営にかかる初期費用はいくら?タイプ・業種別一覧表

駐車場経営は初期費用があまりかからなくて済むと思っている人は多いのではないでしょうか。

確かにその通りです。もし土地をすでに持っていれば、初期費用0円でも開業できるビジネスなんです。

とはいえ、ある程度の初期費用を用意しておくことは必要です。

 

駐車場経営は不動産投資の中でみれば、実は収益がそれほど高くはありません。ローリスク・ローリターンのビジネスだと考えておいた方がいいと思います。

しかし何もしなくても収入になる不労所得なのでビジネスとしては魅力的です。

 

今回は、駐車場経営を始める時に必要な初期費用の相場をまとめてみました。これらを参考にして、駐車場経営で最初に考えるべきことをイメージしてみて下さい。

1. 駐車場経営は初期費用0円でも可能?

短期で収益を上げられ、高い転用性を持っている土地活用が駐車場経営です。

駐車場経営には

  • 短期間の運用ができる
  • 売却も建物の解体をしなくて良いのでスムーズ
  • 他の土地活用への転用がしやすい

などのメリットがあります。もちろん立地にはよるものの、土地活用として駐車場経営は有効な手と言えます。

事業用ローンを活用すれば初期費用0円から始めることももちろん可能

また、マンションやアパートのように土地の上に大規模な建物を建てる必要もなく、初期費用も安めです。

2. タイプ別でみる駐車場経営の初期費用(相場)

一口に「駐車場経営」と言っても

月極めで未舗装・アスファルト・コンクリート・コインパーキングなど様々な舗装タイプがあります。

それぞれの経営タイプ別に駐車場経営の初期費用の相場を見て行きましょう。

2-1. 未舗装タイプ

未舗装タイプとは、砕石敷きのことです。

空き地などの更地では、草が生えていたり、地面の高さも凸凹があるため、そのままでは駐車場に使えません。まずやり方としては、

  1. 重機で整地をして、高さを整える
  2. 砕石を敷きつめて、重機で転圧する
  3. 区画用ロープで駐車場スペースの区画線を引く

という流れになります。工事費は業者によって違いますが、目安は3,000円/㎡程度だと考えて下さい。

区画用ロープ(トラロープ)

未舗装タイプの駐車場にはアスファルト舗装やコンクリート舗装に引くようなラインは引けません。

そこで、駐車場のスベース区分のために区画用ロープ(トラロープ)を使用します。

区画用ロープは地面に杭を打ち込んで固定させます。ネットで探せば40円/m程度で手に入ります。

2-2. アスファルト舗装タイプ

アスファルト舗装タイプは、更地を整地した後、アスファルトを敷きます。やり方は、

  1. 重機で整地して、高さを整える
  2. 砕石を敷きつめて、重機で転圧する
  3. アスファルトを敷き、ローラーで転圧する
  4. ラインで駐車スペースの区画線を引く

となります。こちらも業者によって費用は異なりますが、工事費の目安は5,000円/㎡程度だと思って下さい。

2-3. コンクリート舗装タイプ

コンクリート舗装タイプは、更地を整地した後コンクリートを流し込みます。やり方は、

  1. 重機で整地して、高さを整える
  2. 砕石を敷きつめて、重機で転圧する
  3. 鉄筋を入れ、生コンを流し込む
  4. ラインで駐車スペースの区画を引く

となっています。こちらもやはり業者によって異なりますが、工事費の目安は8,000円/㎡程度です。

2-4. その他必要な初期費用

ライン引き・駐車番号表記・車止めブロック

  • ライン引き:5台一式で60,000円
  • 駐車番号表記:1枚700円
  • 車止めブロック:1個3,500円

歩道縁石の切り下げ工事

道路と歩道の境界にある縁石に高さがあり車が入らない場合には、歩道縁石の切り下げ工事が必要になります。

こちらも業者によって値段が違いますが、平均して50万円程度はみておいて下さい。

2-5. 駐車場の舗装にかかる費用の相場一覧表

項目 費用
未舗装タイプ 3,000円/㎡
アスファルトタイプ 5,000円/㎡
コンクリート舗装 8,000円/㎡
区画用ロープ 40円/m
ライン引き 60,000円/5台
駐車場番号表記 700円/台
車止めブロック 3,500円
歩道縁石の切り下げ工事 50万円

3. 業態別でみる駐車場経営の初期費用(相場)

3-1. コインパーキング経営

自営型

コインパーキングの設置から運営まで、すべて自分で行う経営スタイルです。

土地の整地費用や、コインパーキングに必要な機器類も自分で準備します。

よって、費用と労力が必要となります。駐車場の機器は、300万円/10台程度になります。

賃料固定型

賃料固定型とは、一括借り上げシステムのことです。コインパーキング業者に土地を貸し出し、土地の賃料収入を得ます。

よって土地の提供さえすれば、あとは設置・工事・管理など、自分で出す初期費用はほぼなく、ほとんど全ての経営をコインパーキング業者が行います。

但し、土地の整地費用の負担をどちらが負うかは業者によって変わってきます。

コインパーキング経営について詳しくはこちらをご覧ください。

関連記事コインパーキング経営は儲かるのか|月極駐車場との比較やメリットデメリットを解説

2022.10.12

3-2. 月極駐車場経営

月極駐車場にするには最初に土地の整地をしなければなりません。

どのタイプにするかによって費用が異なりますが、その他はほとんど初期費用がかかりません。

3-3. 初期費用一覧表

月極駐車場 コインパーキング
自営型 整地費用のみ 300万円/10台
賃料固定型 整地費用のみ 0円

4. 駐車場経営のランニングコスト

初期費用ではなく、駐車場経営を始めてからも費用がかかることを忘れないようにしておきましょう。

4-1. 固定資産税

固定資産税の税率は一律1.4%で、土地に課税されます。一方、都市計画税の税率は最高0.3%で土地と建物に課税されます。

計算方法は、それぞれの土地の固定資産税評価額に先ほどの税率をかけます。そして毎年1月1日時点での所有名義者が納税の義務を負います。

ここで注意したいのは駐車場等の土地に対する固定資産税です。

普通、土地の上に建物があった場合、土地の固定資産税は1/6になるという減額措置があります。
ところが更地を含めた駐車場には建物が無いので、この1/6軽減措置がありません。

よって建物が建っている土地と比べると、固定資産税が6倍になってしまいます。

しかし、もし駐車場にアスファルト舗装かコンクリート舗装をした場合、土地の上に何かしら物を敷き詰めたものを構築物とみなしてくれて、200㎡までは50%減額の措置をとってくれるのです。

固定資産税についてはこちらの記事をご覧ください。

関連記事固定資産税は誰でも簡単に計算可能!マンション一棟投資で減税できる特例

2022.10.09

4-2. 事業税・所得税・住民税

駐車場法によると、青空駐車場で10台以上貸し出している場合は駐車場業に該当するので、個人事業税(5%)の課税対象となります。

また所得税や住民税は所得に応じて支払い義務があります。よってこの3つを合計すると、60%の税金がかかります。

但し青色申告をすると290万円の事業主控除があります。つまり年間事業所得が290万円以下なら、個人事業税はかかりません。

所得税についてはこちらの記事をご覧ください。

関連記事家賃収入にかかる所得税の重要な知識と計算方法|不動産投資節税のカラクリ

2023.02.19

4-3. 管理委託料

月極駐車場では管理委託してくれる業者があります。不動産会社が請け負います。

これは会社によって異なりますが、賃料の10%前後を管理委託料として徴収する会社が多いです。

4-4. 補修・修繕費用

コインパーキング経営では、設備の点検、メンテナンス、補修や修繕等の費用が必要になります。

また、駐車場経営でも、コンクリートのひび割れ等の補修が必要になる場合が。

5. 土地なしで駐車場投資はできる?

土地を購入してからの駐車場経営をお考えの人もいるかと思います。

収益が上がりそうな(付近に観光客が多いなどの需要がある)土地を自分で見極めて更地を購入しなければなりません。土地を持て余していて、安く売ってくれる人を見つけましょう。

良い土地が手に入ったら、駐車場経営ではなく、コインパーキング経営の方がオススメです。

フランチャイズに委託すれば管理方法などのノウハウがなくても、整地から運営まで全てを委託する事ができます。(委託料も計算に入れておきましょう)

6. 駐車場経営は、最初の準備が成功の鍵を握る!

駐車場経営は、初期費用がマンション・アパート経営と比較すると安くすみますが、それでもはじめに準備することがいくつかあります。

なかでも土地の整地はどのタイプを選ぶかによって初期費用が大きく変わってきます。

未舗装タイプが最も費用を抑えられますが、固定資産税のことを考えると、アスファルトかコンクリート舗装にした方が節約になりそうです。

固定資産税は1.4%と決まっていますが、固定資産税評価額は時価の70%程度の割合で計算されるので、固定資産税の税額には地域差が生じます。

つまり固定資産税額が高い地域であればこの減額措置が大きく影響するので、結果としてランニングコストを抑えられるというわけです。

このように、節税メリットがあまり大きくない駐車場経営において収益をあげようとすると、ある程度の駐車場の稼働率は欲しいところです。

また、駐車場の運営スタイルの選び方も収益に大きく影響していくので、ここも重要なポイントです。

駐車場経営には緻密な計画が大切です。さらに今後の運営に自分がどこまで関与できるかが、ランニングコストを抑えられるかどうかに関わってきます。

 

初期費用や必要経費も本当に必要であればしっかり計上していくことが健全な経営につながりますそれが駐車場経営の成功の鍵になるでしょう。

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