不動産投資でマンション一棟買いを検討している人。
最初に自分の中で大体の上限の値段というのをまず考えるのではないでしょうか?
購入したマンションから十分な収入は得られるか、どのぐらいのランニングコストがかかるか(修繕やリノベーション等)を考えるでしょう。
せっかくマンション一棟購入して不動産投資に挑むなら、値段に見合った収益は得たいですよね。
今回はマンション一棟の値段別に見られる物件の特徴と、経営のコツについてお伝えしていきます。
目次
1. マンション一棟の値段の相場と特徴を解説
そもそも投資をする時、あなたは「出せる金額」「返せる見込みのある範囲の投資」というものを決めてから投資をすると思います。
一口に「一棟マンション」と言っても
- 駅の利便性・駅からの徒歩分数
- どのぐらいの古さ
- どのぐらいのグレードか
- どんな設備がついているか
で全く変わってきます。
あなたの予算別での投資計画を立てたほうがいいかもしれません。
一棟でも数百万で買えてしまうものから数億円かかるセレブ向けマンションまで豊富にあります。
1,000万円以下
地方ではなんとマンションなのに200万円台で買えるものから、一都三県でも1,000万円以下の物件もあります。
1,000万円以下の格安一棟マンションの特徴としては、
・築古
・駅からのアクセスが若干悪い
・戸数が少ない
いずれか、もしくは全ての条件に当てはまる物件が大半です。
★大阪府大阪市の一棟マンション例
物件価格 | 750万円(月額家賃10万8,000円) |
表面利回り | 17.28% |
駅からの徒歩分数 | JR大阪環状線 大正からバスで14分 |
築年数 | 26年(1991年12月) |
階数/戸数 | 5階建て/5戸 |
こちらは大阪駅から電車で10分の場所にある大正駅からバスで14分の場所にある物件です。
表面利回りが17%と高利回りなので空室対策を何とかすればかなりの高収益が見込めるでしょう。
となると他の物件と差をつけるために修繕やリノベーションが必要ですが、リノベーション費用が戸数分かかることも計算に入れる必要があります。
近年大震災が立て続けに起こり、旧耐震基準のマンション(1981年6月以降に建築確認を受けたもの)は敬遠する人も多くなっています。
築古のマンションに関しては空室リスクが高まるのでフルリノベーションを施して競合物件と差をつけるような戦略をすることも検討した方が良いでしょう。
また、地方だと車が不可欠な場所もあり、マンションより駐車場付きのアパート一棟買いなどが有効な場合もあります。
「格安で利回りが高い」という事実だけ見て投資をするのは危険です。
手間やランニングコスト、空室リスクなどを全て見越して採算が合うなら投資を検討するのもいいでしょう。
1,000万円~1億
2,000万円台なら、地方でアクセスがいい場所・かつ高利回りな場所の中古マンションが出てきます。
また、4,000万円~5,000万円の間でも、大阪や埼玉などで新築一棟マンションが買えるように。
地方投資は、その土地の利便性や将来性を見越せるなら非常に良い投資になるのではないでしょうか。
そして・・・
初心者なら7%の表面利回りが無難・23区がオススメと言われている中で、条件に当てはまるかつ、空室リスクが低そうな立地を選定すると大体相場が5,000万円は超える一棟マンションが多数になります。
逆に言うと都内でも1億をかけずにマンション一棟投資が可能なのです。
★東京都江東区の一棟マンション例
物件価格 | 6,980万円(月額家賃49万9,000円) |
表面利回り | 8.57% |
駅からの徒歩分数 | 東京メトロ東西線木場駅徒歩16分/東陽町徒歩19分・JR京葉線潮見駅徒歩16分 |
築年数 | 30年(1988年6月)※内部フルリノベーション済み |
階数/戸数 | 3階建て/7戸 |
東京オリンピックの競技が多数開催される東京都江東区の一棟マンション。
木場駅は江東区内でも住みやすい街ランキング3位以内には入るなど需要が高まっている街です。
都内・新耐震・人気エリアで1億円以下という掘り出し物マンションもあります。
ただし、数千万円で物件を探している人は数多くいて、人気物件はすぐになくなってしまうでしょう。
条件の良いものは市場に出回らないこともあるので不動産業者をいくつか回り、信頼関係を築いておくと「未公開物件」を教えてもらえることもあるかもしれません。
ネットの情報だけではなく現場の声を聞いてみることも重要です。
1億~
いわゆる億ションと呼ばれる、六本木や麻布などにある一部屋でも1億円を超える区分マンション。
例えば都内でタワーマンションを一棟で購入となると・・・数十億円はくだりません。
都内一等地にあるマンション一棟は大体15~20億円のものが多いです。
★東京都港区の一棟マンション例
物件価格 | 14億8,000万円 月額家賃521万円 |
表面利回り | 4.22% |
駅からの徒歩分数 | 六本木駅徒歩4分・乃木坂駅徒歩8分 |
築年数 | 31年(1987年9月) |
階数/戸数 | 地上3階・地下1階/5戸 |
港区六本木にある店舗併用型マンション。
やはり15億円と並大抵では購入できません。駅近新耐震と賃貸需要は十分に見込める立地です。
数千万円のマンションを何棟か投資し、十分な資産形成ができたら数億円規模の投資を始めるのも手です。
ここまで来たらメガ大家の域ですね。
億単位の不動産投資を始める場合も、「立地が良いから安全だろう」ではなく、きちんとした戦略を練らないと大損をすることもあります。
油断は大敵です。「不動産投資は経営という事業」ということを忘れないようにしましょう。
2. マンションの値段の決まり方
さまざまな値段の一棟マンションをご紹介しましたが、そもそもその値段は誰がどのように決めているのでしょうか?
新築マンションの場合
新築マンションの価格決定は、ほぼ業者次第になります。
- 土地代:土地を取得するためのコスト(地盤検査・周辺住民の理解を得る)
- 建築費用:マンションを建てる人件費
- 広告宣伝費:営業マンの人件費、モデルルームの運営費用など
- 企業の利益
主にこれらの費用から成り立っています。マンション規模にもよりますが業者の利益は10%前後この中に入っています。
中古マンションの場合
基本的には売主に仲介を依頼された不動産会社が査定し、その査定金額…つまり売買評価価格を元に価格を決定します。
売買評価価格は、不動産会社間の物件情報交換のインターネットシステム「REINS(レインズ)」を利用して調べます。
そのシステムで主に過去の売買の成約事例を参考にしつつ、階数や眺望・日当たり・間取り・室内の状況などを考慮して売主と打ち合わせの上、最終的な価格を決定します。
もちろん買主から指値を入れられることもあります。
3. 格安マンションのワケ
マンション一棟のなかでも、値段が格安で高利回りの物件があり、一見「お買い得!」と思うかもしれませんが、「格安のワケ」が隠されているかもしれません。
安易に手を出してしまうと失敗してしまう可能性も…。
マンションが格安になっている背景を理解しておく必要があります。
特に問題点が見つからないのに値段が安い
一棟マンションを探しているとたまに立地も良い、設備も割ときれい…なのに値段が安く利回りが高い物件があります。
スペックに似合わない安さの物件は一度、業者になぜ安いかを確認しましょう。いわゆる「ワケあり」物件は「お得な物件」とは言い切れないのです。
「再建築不可」
文字通り建築法上で再建築ができない物件です。ほとんどで銀行ローンが利用できません。
建物に違法性があるかないかは非常に重要なので、相場より極端に安い物件を見つけたら広告を出している業者さんになぜ安いかを確認しましょう。
自分が売りたくなった時に売れなくなることもあります。
「告知事項あり」
この記載がある物件は、過去に入居者がマンション内で自殺するなどの事件や事故があった、いわゆる「事故物件」です。
事件や事故の度合いによってはローン審査に通りにくい、もしくは利用できないものもあるので物件価格は相場よりかなり安く取引されます。
入居者からも事故物件は敬遠される傾向にあり、家賃相場を事故物件でないマンションと比べると7割程度にまで落とさないといけない場合がある点に注意が必要です。
4. 資金計画を立てて自分に見合った値段の一棟マンションを買おう
健美家が毎月発表している「収益物件市場動向マンスリーレポート」では、2023年10月現在、区分マンションの利回りが約7.7%に対し、一棟マンションの利回りは約8.1%と高利回りに。
また区分マンションは価格が下落傾向ですが、一棟マンションの価格は上昇傾向にあります。
収益一棟マンションを購入するというのはあまり安い買い物ではありません。
自分の出せる範囲で、融資を受けるにしても無理ない返済プランが立てられる程度の価格から、物件を買う時期・立地・スペックなど、より慎重に選びましょう。
マンション一棟買いの流れやポイントについては以下の記事を参考にしてください。
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