不動産投資と一言でいっても、さまざま種類があります。
昨今、マイナス金利を背景にサラリーマンにも投資ブームが再燃しているので、雑誌や書籍でも「不動産投資」に関する本をよく目にすると思います。
一方、不動産は投資額が大きいので不安に思う人が多いのも事実です。
また、不動産投資の中でも区分で物件を所有することと土地を購入することは異なります。
今回は、その「違い」も踏まえ、土地購入のメリット・デメリットや購入前の流れを解説していきます。
目次
1. 土地を購入するメリット・デメリット
この項では、土地を購入するメリット・デメリットを解説します。
土地を購入するとは、いわゆる「土地オーナー」になるので、実は一般的な不動産投資家とは異なります。まずは、不動産投資家と土地オーナーの違いを解説し、その後に土地オーナーのメリット・デメリットを解説していきます。
1-1. 不動産投資家と土地オーナーの違い
不動産投資家と土地オーナーは同じように扱われることが多いですが実は全然違います。不動産投資家は一般的に「マンションやアパートなどの賃貸経営」を指すことが多く、土地というよりは建物を所有しているイメージが強いです。
一方、土地オーナーも「不動産投資家」ではあるのですが、自分の土地を持ち、その土地を活用している投資家になります。
つまり、土地という不動産を活用しているのか、建物ありきで考えているかの違いということです。
1-2. 土地購入のメリット
さて、そんな土地購入には以下のようなメリットがあります。
- 資産ができる
- 高い収益が見込める
- 用途を自由に変えられる
土地を購入して土地のオーナーになると、上記のようなメリットが受けられます。この点は、土地オーナーになるかどうかの重要な判断材料になるでしょう。
資産ができる
まずは、「土地」という資産が出来るという点がメリットです。もちろん、建物も資産ではありますが、土地は基本的に経年劣化しないという点が資産として強いです。
つまり、土地は建物よりも資産価値は下がりにくく、長い期間「価値のある資産」として保有できるということになります。この点は、子供に相続するときにも大きなメリットと言えるでしょう。
高い収益が見込める
土地オーナーになるとは、その土地を活用して収益を上げるということです。
土地活用となると、その土地にアパート一棟を建てるなど、区分マンションの賃貸経営などよりも大規模になります。そのため、収益も高くなる可能性があるということです。
用途を自由に変えられる
また、土地オーナーは、法令さえ守ればその土地をどのように活用しても問題ありません。
たとえば、アパートを一棟建築しても良いですし、コンビニなどの店舗として活用しても構いません。つまり、その時代に合ったニーズで活用方法を変えることができるということです。
1-3. 土地購入のデメリット
一方、土地購入には以下のようなデメリットもあります。
- 高額な資金が必要
- 税金がかかる
- 採算性の見極めが難しい
上記のデメリットと前項のメリットを比べ、トータル的にメリット・デメリットのどちらが大きいかを判断しましょう。
高額な資金が必要
まず、土地を購入するときには土地代が必要です。
当然ながら、土地は広く、需要が高い立地ほど高額になります。さらに、その土地に建物を建築すると、その建築費用もかかるので、区分マンションの賃貸経営などよりも資金が高額になりやすいです。
税金がかかる
また、土地には税金がかかります。土地に建物が建築されていれば軽減措置はありますが、土地オーナーはその土地を活用していなくても税金がかかってくるのです。
採算性の見極めが難しい
さらに、土地を購入した後、その採算性を見極めることも難しくなります。
たとえば、土地にアパートを建築してアパート経営するとします。そうなると、アパートの家賃設定を自分で判断したり、広さなども自分で決めたりする必要があるのです。
このように、土地オーナーは、まだ建築前の段階で採算性を判断し間取りや仕様・設備を決めるので、既に建築されている区分マンションの賃貸経営などよりは難易度が上がります。
2. 土地購入の流れ
では、前項で解説した土地オーナーになるため、土地購入の具体的な流れを解説していきます。土地購入時は、以下の流れを把握しておきましょう。
①土地を購入する「目的」を決める
まず、土地購入の前に「目的」を決めましょう。その理由は以下の通りです。
- 不動産業者も土地を紹介しやすい
- 予算を決められる
- エリアを決められる
土地購入の目的とは、その土地をどのように活用するかということです。土地にアパートを建築するのと、一戸建てを建築するのとでは、規模や金額が異なります。
そのため、目的を定めないと、不動産業者もどの物件を紹介して良いか分からないのです。目的を決め、希望を具体的に指定することで、予算やエリアなどが絞りやすくなります。
ただし、あまりにも条件が多すぎると土地がなかなか見つからないこともあるのでご注意を。
②「目的」を達成するための土地を探して見極める
次に、前項で定めた「目的」に合った土地を探します。探し方としては、以下のような方法が良いでしょう。
- ネットで検索する
- 不動産会社に問い合わせる
- 現地を見てみる
まずは、ネットで検索してみます。「エリア名 土地」などで検索すると不動産ポータルサイトなどが出てくるので、土地の相場価格を見ておきましょう。
また、REINS Market Informationや土地総合情報システムなどのサイトもおすすめです。
これらのサイトは過去の成約事例を見ることができるので、不動産ポータルサイトよりも実際の相場に近いです。それらを見た上で、次は不動産業者に相談してネットに掲載されていない情報を得ます。その後、いくつか物件を絞り、実際に現地まで足を運び土地をチェックするという流れになります。
③登記内容を確認して売主に買付証明証を申し込む
さて、自分の理想の土地が見つかったら、次に権利関係を確かめましょう。
この辺りは不動産業者と一緒に行うと良いですが、まずは土地のオーナーと登記上のオーナーの確認です。土地をはじめとした不動産は、そこに住んでいる人ではなく登記されている人がオーナーになります。
つまり、そこに住んでいる人と契約を結んでも、その人が登記されていない人であれば意味がないということです。そのため、権利関係をきちんと確認したあとに買付証明書を売主へ提出しましょう。買付証明書を提出すれば、一旦その土地を仮押さえできます。
仮押さえができれば、ほかの検討者が現われても自分がキャンセルしない限り、先に購入されてしまうことはありません。土地の購入は金額が大きいだけに、権利関係の確認などは必ず行いましょう。
④ローン(融資)が必要な場合は銀行の審査を受ける
次に、ローン審査を受けます。
全て現金で購入する人は必要ありませんが、多くの人は銀行から融資を受けます。そのため、以下のような流れでローンの融資を受けるための準備をします。
- 必要書類を集める
- 審査申込書への記入および提出
- 仮承認
- 本申込
- 金銭消費貸借契約の締結
基本的に、審査する銀行はその土地を仲介してくれる不動産業者が斡旋してくれるので、その案内に沿って審査をすれば問題ありません。
ただし、審査内容によっては非承認になる場合もあるので、通りやすい銀行を不動産業者に相談しましょう。
⑤重要事項説明を受けて売買契約を結ぶ
前項の銀行ローン審査は、仮審査の段階で売買契約を結びます。
逆にいうと仮審査に承認していないと、基本的には売買契約は結べないということです。
また、売買契約を結ぶ前に、以下のような内容が書いてある重要事項説明を受けます。
- 物件概要
- 物件の権利関係
- 法令上の制限など
- 接道状況や注意点など
重要事項説明は、その物件に関する重要な事項がたくさん書かれています。
そのため内容をしっかり理解し、リスクがないかを確認しなければいけません。
基本は売買契約当日に重要事項説明を受けますが、事前に重要事項説明書だけもらっておくと良いでしょう。事前にもらっておけば、家で確認してから重要事項説明に臨むことができるからです。
また、売買契約を結ぶときは、売買代金の一部を手付金として売主に預けます。この手付金は違約金にもなり、自己都合でキャンセルすると没収されてしまうので注意しましょう。
⑥土地の決済|土地の購入が完了する
売買契約を結んだら、その1か月ほど後に決済をします。決済時期は物件によってさまざまです。
決済とは、売買代金を支払い所有権を移転することで、晴れてその土地のオーナーになるということです。決済する際の1日の流れは以下の通りです。
- 不動産業者のオフィスなどに集まる
- 入金確認をする
- 必要書類に記入、押印する
- 司法書士が登記をする
まず、多くの場合は不動産業者のオフィスなどに集まります。
その後、ローン融資であれば融資されているかどうかの入金確認をするという流れです。融資を受ける場合の送金は朝一で行われるので、必然的に決済作業は午前中になることが多いです。
入金を確認した後は、必要書類に記名・押印をします。全ての書類に記名・押印が終われば、決済および引き渡し作業は終了となります。
その後、司法書士が所有権移転登記をして、決済完了です。一連の流れは半日程度かかる場合もあるので、サラリーマンの方は有給を活用すると良いでしょう。
3. 念願の土地オーナーとして土地に手を加える
さて、念願の土地オーナーになったところで、次は土地に手を加えます。土地活用は以下のように色々な使い方があります。
- 土地を利用して賃貸経営
- 土地を貸地として活用
- 土地を事業用地(駐車場)として活用
上述もしましたが、土地にアパートなどを建築して賃貸経営すれば、継続的に賃料収入が得られます。
もしくは土地として第三者として貸すことで、借地料を得る方法もあります。また、建物を建築せずに駐車場などとして活用することも可能です。
いずれにせよ、大事なことははじめに立てた「目的」を見失わず、さらに精査することです。
仮にアパート経営をするのであれば、その時の市況や競合物件を改めて調べます。その上で、広さや間取り、賃料などを設定して、そこから逆算して建築費の予算立てなどをしましょう。
つまり、土地を買ったから終わりではなく、その後の土地活用の成功について考え続けることが大事ということです。
4. 土地オーナーになり資産を増やそう
このように、土地オーナーは不動産投資の中でも「土地」という資産がある点が大きいです。
土地を上手く活用することで時代に合った投資ができたり、継続的な収益を得られたりします。そのため、土地オーナーは、投資をしつつも土地という資産を持っている資産家でもあるということです。
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