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【事故物件ランキング】 所有する不動産がまさかの瑕疵物件に|対策・対応5ポイント

秋の夜長。肌寒くも感じてきたこの季節。さらに色々涼しみを感じたいであろう皆様に、今回お送りします!

テーマはまさしく「事故物件」

怪談話を期待してくれている方々には申し訳ありませんが、幽霊の話題は出て来ません。

今回この記事で肝を冷やしてもらうのは、「事故物件のオーナー」もしくは「事故物件のオーナーになるかもしれない方々」です。本当に怖いのは幽霊などではなく、、、、。

不動産オーナーが事故物件について抑えておいてほしい知識

「事故物件」、「ブラック物件」、「訳あり物件」など色々な呼び方をされています。

皆様のイメージの中では「何が起こったか知らないけど、何かあったやばい物件の事」でしょう。
それで大体は正解です。しかし、貸す側がそのイメージでは実にまずいです。

みなさん車には乗られますか?

乗っている、持っている人なら必ず交通事故に対して保険をかけるとおもわれます。

そして交通事故に合わないために色々なことに注意しているはずです。

もしこの記事を読んでいらっしゃる人が、不動産を持っている、これから不動産を持つつもりの人であれば必ず把握して欲しい内容です。

瑕疵物件とは

事故物件のことは不動産用語で瑕疵物件と言います。

瑕疵物件とは不動産取引において土地・建物に、『通常備えるべき品質・性能を欠いている』傷(瑕疵)がある物件のことです。

  • 物理的瑕疵物件・・・土地や建物に瑕疵がある物件 ex)地盤沈下、シロアリ被害
  • 法的瑕疵物件・・・法令違反や私法上での瑕疵がある物件 ex)建築基準法違反、消防法違反
  • 環境的瑕疵物件・・・物件を取り巻く環境に瑕疵がある物件 ex)騒音、振動、悪臭
  • 心理的瑕疵物件・・・過去の出来事に起因した一般人が嫌悪感を持つ物件 ←今回はこれ

の4つに分類されていて、どれも不動産を持つ側、売る側にとっては不利益になる条件です。

今回の記事は事故物件について「心理的瑕疵物件」を解説していきます。

事故の発生確率(統計データ参照)

実際に気になるポイント「事故物件とはどの程度の確率で起こるもの?

事故物件を発生させる要因に関連するであろう、色々な統計のデータを引っ張って来ました。

孤独死

https://live.amcharts.com/M0MTV/

https://live.amcharts.com/2MmIy/

※厚労省「人口動態統計」参照 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html

まずは近年着目されている孤独死について。
全国で起きている孤独死の近似数(相似数)ですが,厚労省「人口動態統計」の死因統計の死因カテゴリーに,「立会者のいない死亡」というものがあります。死亡時に立会者がおらず,死因を特定できない者です。2005年からのデータ引っ張ってきましたが、発生率としては着々と伸びてます。

年齢分布をみると、私見からすれば意外な結果が。65-69歳の層が多いという結果に。
孤独死は70歳以上のご老人に多いイメージでしたが、単身者の60歳以上の男性は一番孤独死の可能性を秘めているということです。

自殺

https://live.amcharts.com/mNkNz/

※厚労省「自殺対策:自殺の統計」参照 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/jisatsu/

次は自殺について。
近年3年以内の統計データをグラフ化してみました。自殺者の自殺場所。
グラフで見て取れるように、自殺者の3分の2は自宅です。

双方の2014年のデータから2,251人の方が孤独死で、15,145人の方が自殺で、自宅においてお亡くなりになっています(近似値の為あくまで概算です)。
ここから、日本の借家率が35%と言われてますので、ざっくりですが年に6,088戸の賃貸物件が生まれている計算となります。

殺人に関してもデータ化しようと思ったのですが、統計データの収集に時間を要しそうなので更新、または別の機会にお知らせいたします。
内容が内容なだけに、少しメンタル的なダメージが大きいです、、、

大島てる

アングラ好きな方、そうで無い方にもかなり知れ渡っているであろう、実在している事故物件の情報を載せているサイトです。

事故物件の情報網羅性に関しては日本一と言えますが、このサイトで見る物件が全てというわけではありません。
実際あったことですが、このサイトに情報掲載された物件のオーナーがサイト運営者に対して訴えなどを起こしているケースもあります。(閲覧者投稿というシステムなので信憑性に関しても100%とは言い難いことも事実でしょう)

事故物件の判定はかなり微妙でケースバイケースなこともありますが、室内での自然死で早く見つかったような場合は事故物件には該当しないこともあります。事故物件では無いと判断される場合、告知をする大家さん、しない大家さんで別れてしまうのが実情です。

引用:大島てる http://www.oshimaland.co.jp/

2017年最新版:事故物件ランキング

事故物件の要因となりやすい年齢層などはわかったとして、地域別に見るとどうなっているんだろうかと。

すぐに思い浮かぶであろう危険地帯は以下の様相です。

   

池袋駅と新宿駅周辺ですが、絶賛炎上マークが犇いてますね!

「事故」の発生多発地域

3月ごろに発売された「SPA」に掲載されていた記事で『2017年春版、住みたくない街ランキング「事故物件の多い住宅街ワースト5」』というものが発表されました。
詳細としては

  • 1位田町駅北東部
  • 2位北区赤羽
  • 3位横浜市鶴見区
  • 4位文京区千駄木
  • 5位横須賀市

という順位です。確かにサイトで確認して見ると事故物件目立ちます。

ここからは私見ですが事故物件を探し、「事故」の多い地域をランキング形式で作成しました。

1位大阪西成

2位東京台東区山谷

3位横浜市寿町

4位北区赤羽

5位川崎市日進町

1〜3位に入れた地域に関しては「ドヤ街」と言われる労働者街。日雇い労働者の集まる地域で生活保護を受けている方や身寄りのない高齢者が多く住む街です。
治安も悪く日本のスラム街とも言われているためTOP3に入れました。

4位はSPAでもランクインした赤羽。下町風情がある街で高齢者の居住比率が23区でNo.1。孤独死や火災時の逃げ遅れなどの事例が多いです。

5位は川崎のドヤ街と言われる日進町。こちらもスラム街の特徴が大きいです。川崎周辺の宅地開発などが盛んなため一番要チェックな場所かもしれません。

基本的に事故物件の発生確率が大きいのは「ドヤ街」と言われる労働者街や下町風情の残る街、今回は住宅地に目をつけてランクには入れてませんが、繁華街が多いようです。

住む地域にしろ、物件を買う地域にしろ、地域的な背景の調査は確実に行った方が得策です。

引用:大島てる http://www.oshimaland.co.jp/

もし事故が起こってしまったら?

地域別に見たとして、治安の良し悪しである程度の「事故発生率」の予想はつくことかと思います。

しかし、事故物件はいつ、どこでも起こる可能性は十分にあります。そこでもし事故物件のオーナーになってしまったら?

準備をしている、していないでその後の不動産投資の結果に雲泥の差が現れます。

事故が起こった時にかかる費用

自然死や病死が原因で部屋で亡くなられた場合、発見が早ければ原状回復にかかる費用は特段、入居者が転居する場合とほぼ変わりません。

ここでの問題は、自殺の場合や亡くなってから発見まで時間がかかった場合です。

まず部屋の気温や湿度で死体の腐敗状況が変わります。それにその当事者の体型や体質でも変わるでしょう。また、布団の中で、床で、浴室で、場所による状況も大きく影響します。
状況によって形状もさまざまらしいです。

ただし通常の状態ではない形で発見に至った場合、やはり原状回復にはかなりのお金がかかります。

ケースバイケースとしか言いようがありません。

そこで大事になるのが清掃業者です。普通の清掃業者やリフォーム業者からはそういった事例の請負の場合拒否されます。そこで請け負ってくれるのが「特殊清掃業者」という専門家です。この専門家を探し仕事を依頼するし、原状回復を計ります。

この特殊清掃業者の相場ですが、作業内容も幅広いです。数万円〜数十万円、内容によってですが100万円以上かかる場合もあります。
企業の一例はこちら
※リンク先、グロテスクな表現が含まれており、気分を害する恐れがあります。各自の責任でご閲覧ください。

状況によっても様々、数万円〜数百万円の幅があることを認識しておきましょう。
「特殊清掃業者」の見積もり次第です。
早期発見が肝です!

万が一の時の対策、対応5ポイント

1.告知義務

宅地建物取引業法47条1項「故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為」は禁止です。
「事故物件」の情報は告知事項となるため、告知しなかった場合は違法となります。

一般的には、自殺、殺人事件やその部屋からの転落死、腐乱死体で発見されたなどの場合は必ず告知されます。

しかし、

  • 火事等でその部屋で亡くなっていない場合
  • 自然死(老衰)などの場合
  • 居室内ではなく共用部での自殺、飛び降りの場合

は告知義務に当たらない場合があります。

告知期間についても

  • 2年過ぎたら告知しない
  • 入居者が一度入れ替われば告知しない
  • 近所の風評がなくなるまでは告知する
  • 事実は事実なのでずっと伝える

と確定したルールが存在せず、大家の判断で変わるのが現状です。

裁判が行われ判例でも、事故から2年程度で告知義務なしとされた判例、8年でも告知義務違反とされた判例もあります。

物件価値、家賃の引き下げに大きく影響されますが、そこは自己判断となります。
告知義務範囲内での告知は当然として、告知期間の判断は難しいでしょうが、人道的判断を持って住む住人の立場を尊重するのがベストだと言えます。

2.孤独死保険(家主費用特約)の活用

孤独死や孤立死に備える大家さん向けの保険商品が、独居老人の増加傾向を鑑みて、大手保険会社を中心に増えてきています。

遺品を引き取り、片付けは遺族や保証人がいれば解決しやすいですが、独居老人にはそういった身寄りのいない方も多数いることでしょう。

そういう場合のリスクはすべて大家が被ることになり、以下のような費用に備える損害保険の活用を検討しましょう。

  • 原状回復費用(清掃・リフォーム・遺品整理)
  • 空室補償
  • 告知義務の発生による家賃の下落、その補填

三井住友海上

アイアル少額短期保険株式会社

ジック少額短期保険株式会社

主な3社となります。このほかにも火災保険の特約として孤独死時に対する損害補償をしてくれる保険商品があるようです。

もしもの時の保険、高齢者が多い地域の大家は積極的に考えましょう!

3.事故物件専門仲介業者

調べてみたら面白く、事故物件専門の売買、賃貸の仲介をしている業者が存在します。

中にはお祓いなどのプランを取り入れている業者も。

色物商品扱いとなるので、もし物件を手放したい時などは、仲介業者の選定は何社かちゃんと見積もりを取りましょう。ここで明言は避けますが、よくわからないオプション料金がかかりそうで、、、、リスト化することも辞めておきます。

実は私、昔ですが事故物件実際に住んでいたことがありました。その時仲介してくれた不動産会社は公言はしていませんでしたが、「他社で取り扱えない物件」を扱っている不動産会社で、借りる時に告知事項ちゃんと説明してくれたなぁ。などという思い出を記事書きながら思い出しました。
その時の思い出話はまた別の機会に。

体験を元に言いますが、家賃が下がることを見越して物件を探す人間は少なからず存在します。
その一人が私ですから。

事故物件になってしまったから入居者がいなくなるという事は一概には言えません。
事故物件を専門で賃貸仲介している業者などを探しましょう。色物好き、家賃を安く済ませたい層の支持は絶大です。

家賃が3〜5割下落しますが、保険等でで補填も可能な場合もあります。

4.賠償請求

自殺の場合は入居者の善管注意義務違反が認められます。判例としては原状回復費用や家賃減額による損害について連帯保証人に請求が認められています。

しかし、亡くなった人の状況にもよりますが、資産等の回収は難しいと思われます。多くの財産を残して亡くなる人の方が稀有でしょうから、、、。

滞納分の回収に保証会社を使う、原状回復費用の回収に保険を使う、などが現実的でしょう。

入居者の連帯保証人に賠償請求できるが、現実的には保険や保証会社頼りとなる確率が大きい

5.入居者とのコミニュケーション

これは一番実践的で一番難しいかもしれません。

大家として入居者とのコミュニケーションを図り、数ヶ月に一度は顔を合わせる、会話する事です。

高齢者の方なら生存確認の意味でも重要ですし、自分の持つ物件にどんな人が住んでいるのかを把握する事は、近隣の住人の問題や犯罪防止に繋がることもあるでしょう。

しかしながら、プライバシーの侵害や、他者とのコミュニケーションを拒む傾向のある都内では実行は難しいかもしれません。このご時世ですから、災害時の対策のためにも単身者マンションにおいてはオーナーとの顔合わせを義務化するという手もありかもしれません。

ちなみに単身高齢者の方向けに、定期的に電話をするサービスなどがあります。

きずな電話

こういったサービスの活用を単身高齢者の多いアパート、マンションに導入する事例もあるようです。もちろん管理費に込めて。

入居者の顔を知り、認知すれば早期発見、防止に繋がる可能性大

事故物件にはある日突然なる

物件に於いてのの「事故」は交通事故が如く唐突に起こるものです。

孤独死ならまだ保険等の備えを考えられますが、昨今話題になっている過労死(自殺)や殺人などは防ぎようもありません。

車の自動車保険と同じ感覚で、孤独死保険などの加入は重く捉え備える必要があるかと。

備えあれば憂いなし。事故が起こらないことが一番ですが、事故が起きた時の判断と対応を間違い無いように、この記事を参照してください。

今度は事故物件に実際に住んでみた話ができたら幸いです。

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