マンションの購入は、人生の中で一番高価な買い物と言われます。
そんな高価な買い物では、誰もが失敗をしたくありません。
しかし、注意をしてマンションを選んだとしても、注意すべきポイントがわかっていないと、後で失敗したということになる場合もあります。
今回は、中古マンションを購入する際に、覚えておくと安心な7つの注意点とありがちな失敗例をご紹介します。
目次
中古マンション購入の注意点7つ|知っておくべきポイント
新築マンションは建物の完成前に購入することが多いですが、中古マンションは完成している建物を見て購入の判断をすることが可能です。
そのため、注意して見るべきポイントも多いですが、安心して購入できるポイントでもあります。
周辺環境や建物自体の注意点など、知っておくと安心なポイントを覚えておきましょう。
①どのような災害リスクがあるのかを確認する
近年、自然災害のニュースが増えてきています。
その自然災害のリスクの度合いは、居住エリアによって大きく変わり、中古マンションを選ぶ際にも災害リスクの下調べをしておくと安心です。
自治体のハザードマップ
地域の災害リスクを調べる方法として、自治体のハザードマップが有効的です。
ハザードマップは自然災害の対策として、被災想定区域や避難場所など、防災関連施設を表示した地図となります。
このハザードマップから、マンションの立地が災害リスクから守れるか判断する材料となるでしょう。
②新耐震基準を満たしているか建築基準日を確認する
地震の災害リスクの関係で、建築基準法も改定されています。
1980年6月に耐震基準が大きく見直された時期であり、それ以前も建物は旧耐震基準のマンションです。
よって1980年6月以降に建設されたマンションは、新耐震基準で建てられたマンションではありますが、建設期間の関係で入り混ざっている時期もあります。
耐震基準改定後間もない場合は、管理組合に確認してみると良いでしょう。
③築年数による建物の特徴
築年数による特徴は、ただ新しいか古いかだけでなく、構造上の特徴や傾向があります。
・1980年代
耐震基準の境目は1980年代以降のため、耐震面は問題ないですが、ペアガラスや樹脂サッシがほとんど使われていないため断熱性の弱さが目立ちます。
リビングとダイニングが、別々という間取りが多いのも特徴です。
・1990年代
オートロックなどセキュリティー機能が登場し始めました。
スラブの厚さが増したことで、耐火性能が向上したものが多いでしょう。
・2000年代
二重床・二重天井構造が主流となっています。
居住空間の梁も少なくなり、広い空間がとれるようになりました。
住宅の品質確保のため、法律によって売り主の瑕疵担保責任が最長10年に改定。
このように築年数によっての特徴がわかると、目で見てわからない部分も判断できます。
④中古マンションの管理状況
中古マンションはすでに住民が暮らしているため、管理状況までみることができます。
築年数と共に建物が劣化してくるため、定期的なメンテナンスが必要です。
築年数が経っているにも関わらず、大規模修繕を行っていない場合や、ヒビや外壁の劣化が目立つ場合は注意するポイントになります。
修繕費の貯蓄状況や今後の計画なども見ることが可能です。
さらに共用部分が、どのように使われているかも大切なポイント。
ゴミ置き場やメールボックス、エレベーター、駐輪所など綺麗に使われているか、清掃が行き届いているか見ることで管理体制や住民の傾向を判断することができます。
⑤資産価値が落ちにくい物件かどうかの確認
今や不動産の購入は、終の棲家というよりうまく運用するという意識が強くなってきました。
その時のライフスタイルに合わせて、居住環境も変えて住み替えるということも珍しくない近年です。
そんな時に重要なのが物件の資産価値。
資産価値のあるマンションであれば、売却もしやすく次の物件への引っ越しもしやすくなります。
資産価値が落ちにくい物件であるか、将来的な部分も含めて判断すると良いでしょう。
⑥専有部分の設備におかしい部分はないか
図面ではなかなかわかりにくい部分なのが、専有部分の設備です。
色々な設備がついているのは嬉しいことですが、それが問題なくちゃんと使えるものかというチェックも忘れてはいけません。
劣化が目立つ場合や、消耗するような設備は、内覧の際に確認しておくと安心です。
⑦資金計画に無理はないか
マンションを購入する際は、価格は高いけど環境が良いからと言って、当初の予算をオーバーしてしまうことも良くあります。
住宅ローンは長期に渡って続くため、資金計画に無理がないか考えることが大切です。
金融機関との住宅ローンの組み方も、固定や変更等、金利の状況でローンプランも考えましょう。
新築マンションより中古マンションを選ぶ人が増えている理由
近年の不動産市場では、新築マンションより中古マンションの注目度が上がってします。
日本では新築マンションの方が強い支持がされてきましたが、さまざまな理由で中古マンションを選ぶ人が増加傾向です。
新築マンションよりも価格が割安になっている
近年、不動産価格は上昇しており、中古マンションの割安感が魅力となっています。
築年数と共に価格が下がっていくことは一般的です。
新築マンションの価格には、販売広告費用やモデルルーム費用、販売に関わる手数料などが加わったプレミアム価格となっています。
中古マンションの価格は、需要と供給により相場がある程度あります。
物件の下見をすることが出来る
新築マンションは、建物の完成前であることが多く、モデルルームで購入を決めるケースがほとんどです。
それとは逆に、中古マンションはすでにある物件のため、建物はもちろん居住空間や共用部まで見ることができます。
自分好みにリフォームすることが出来る
新築マンションの場合は、新しく綺麗な状態のため、リフォームは考えず気にいったものを購入することが一般的。
中古マンションの場合は、リフォームで自分好みの住まい空間が作りやすいです。
古さを感じる間取りや設備だったとしても、リフォームの新築のような空間が作れます。
理想の住まい空間にするために、コストパフォーマンスが高く人気です。
購入するときに覚えておきたい中古マンション特有の特徴
中古マンションでも、部屋の空間はリフォームによって変えられますが、変えられない部分があるのも中古マンションの特徴です。
変えられない部分は、特に注意して見ておく必要があります。
中古マンションの状況
中古マンションの状況と言っても幅広いですが、主に建物の耐震性や耐久性です。
ヒビ等の劣化は修繕工事で直せますが、一人の意見では実行できないため変えにくい部分のひとつになります。
マンションに住んでいる近隣住民
マンションに住んでいる住民を確認することは難しいですが、近隣トラブルは少しでも回避したいものです。
ベランダの様子やゴミ捨て場、メールボックスの状況でも見える部分もあります。
メンテナンス状況や修繕積立金の計画
新築から現在までの修繕記録や修繕金の計画を確認しましょう。
管理組合でこのような部分をまとめているため、過去の修復やメンテナンスを始め、未来の計画まであるのが一般的です。
購入した後に、修繕金の値上げが控えている場合もあります。
管理費や修繕費も、住宅ローン同様払い続けるものなので、よく注意することが必要です。
マンション周辺のインフラ・環境
不動産はいつどこで何が変化するか、先を読むことは難しいです。
例えば、隣は駐車場なので部屋からの眺望は良かったのですが、隣にマンションが建ってしまったということもあります。
隣に広い空き地がある場合には、このような推測もできるようにしておきましょう。
中古マンションを購入するうえでありがちな失敗事例
中古マンションの購入で、よくある失敗事例をご紹介します。
・自分好みの住まいが作れるとリフォームやリノベーションが人気を集めていますが、マンションの構造上思い通りにできず、結局理想の住まい空間にはできなかった。
・予算オーバーだったマンションを気に入ってしまい、なんとかなるだろうと無理をして購入。
元々苦しかったのに加え、金利が変動してしまったため、その後すぐに売却することになった。
・資産価値を気にせず購入したため、売却の際に住宅ローンが上回ってしまい、売りたくても売れない状況になった。
・住宅ローン減税などの条件を把握していなかったため、購入した物件の条件が対象外であった。
・ゴミ置き場を始めとする共用部分の清掃が行き届いておらず、清潔感ないマンションだった。
・修繕計画や修繕積立を確認していなかったため、翌年には修繕費の値上げが控えていた。
毎月の支払いにも影響が出てきてしまい、生活費が圧迫されてしまった。
・駅近で便利な立地だったため購入を決めたが、近隣に飲食店が多いため、夜中までうるさく治安が心配な環境だった。
・リフォームされていて綺麗な物件を購入したが、実は結露が酷い物件だった。
クロスが張り替えられていたため気が付かなかったが、カビも多く発生しやすい。
中古マンションは実物が見れるものですが、しっかりチェックをしないと、このような失敗を起こす可能性があるため注意しましょう。
中古マンションの購入に必要な費用・税金も確認しよう
中古マンションを購入する際には、物件の価格だけでなく、その他の必要な費用や税金も確認しておきましょう。
知らずに大きな費用が加算されると、計画が崩れてしまう原因となってしまいます。
中古マンション購入時に必要になる費用
中古マンションを購入する際には、「諸費用」とされるものが必要です。
諸費用とは、主に仲介手数料や住宅ローンの保証料などが大きな割合を占めます。
中古マンション購入時に発生する税金
中古マンション購入時には、諸費用の中に「税金」もあります。
複数の税金がありますが大きなものが「固定資産税」。
地域や条件によって税額は異なりますが、購入する前に確認してくと安心です。
中古マンション購入で後悔しないために確認しておくべきポイント
中古マンションを購入して、後で後悔しないためにも確認することは大切です。
事前に確認しておくことで、トラブル対策にもなり、計画が崩れるリスクを防ぐことができます。
確認しておくべきポイントを覚えておきましょう。
リノベーション・リフォーム工事が可能かどうか
リノベーションやリフォームは、何でも思い通りできるとは限りません。
マンションの構造や条件によって、できることとできないことがあります。
購入する前に、リフォーム会社に相談しましょう。
物件のメンテナンス状況
物件のメンテナンス状況は管理組合でまとめています。
修繕履歴はもちろん、これからの修繕予定も計画しているため事前に見ておくと安心です。
数年以内に大規模修繕が控えていないか
大規模修繕が近いと、修繕費が上がるケースがあるため注意しましょう。
修繕計画と修繕費の積み立て状況も確認しておくと良いです。
固定資産額の軽減特例がない
一定の条件を満たすと、固定資産税には軽減特例が設けられています。
マンションの場合は、築5年目まで軽減特例があるため固定資産税が少なく抑えられます。
築6年目以降は、建物分の軽減特例がなくなるため、固定資産税が高くなると覚えておきましょう。
中古マンション購入時は事前チェックをしっかりしよう
中古マンションを購入するのは大きな金額であり、自身が変えられるところと変えられないところがあります。
事前にチェックの見落としがないように、注意すべきポイントを押さえておくことが良いマンションを購入できるポイントです。
購入した後に失敗したと後悔しないよう、知識を身に付けておきましょう。
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