不動産投資を成功するために重要なポイントと言えるのが、「融資をいかに良い条件でしてもらえるか」というところです。
不動産投資で金融機関とは重要なパートナー。
銀行などの金融機関が一般的ではありますが、信用金庫をうまく活用できると不動産投資の幅が広がるでしょう。
金融機関によってはスルガ銀行の不正融資発覚以来、融資が厳しくなっている傾向が目立ってきています。
今回は不動産投資において信用金庫から融資を受けるための条件や、信用金庫と地方銀行の違いから、
融資を受けやすくするための方法をご紹介します。
融資を受けて不動産投資を検討している人は是非参考にしてください。
目次
1. 不動産投資をするのに信用金庫から融資を受けるための条件
信用金庫から融資を受けるためには、いくつかの条件が必要です。
地方銀行やメガバンクなどの金融機関にはない、信用金庫ならではの条件もあります。
信用金庫から、少しでもスムーズに融資を受ける方法を覚えておきましょう。
不動産投資をするためには会員になる必要がある
信用金庫から不動産投資の融資を得るには、会員になることが大前提です。
信用金庫法があり、金融庁に届け出るために欠かすことのできない段階。
ここが地方銀行などの金融機関と大きく異なるケースであり、信用金庫ならではの特徴と言える部分のひとつになります。
信用金庫の会員になるための条件
信用金庫の会員になるためには、居住エリアがポイントです。
信用金庫は地元密着型であり、対応するエリアが限られています。
埼玉県に住んでいて、神奈川県の信用金庫から融資の対応はほぼできないということ。
不動産投資の場合には長い年月の融資となるため、すぐに面談に行けるくらいの距離が基本的な対応エリアとなるでしょう。
該当するエリアには、下記のような場所である必要があります。
- 居住地
- 勤務地
- 事業地
居住地であることが一番良いですが、3つの内のどれかが関わったエリアである必要があり、各エリアの信用金庫によってその基準も異なります。
2. 不動産投資における信用金庫と地方銀行との違いを比較
信用金庫と地方銀行とでは特徴が異なるため、それぞれの違いを把握して利用しなくてはいけません。
一時期は地方銀行も積極的に融資をしていましたが、現在では融資が厳しい動向が目立っています。
少しでも良い条件で融資をしてもらうためには、さまざまな項目に対してその差を知っておくと良いでしょう。
信用金庫 | 地方銀行 | |
エリア | 狭い | ある程度の広さがある |
属性 | 500万円以上 | 1,000万円以上 |
自己資金 | 500万円以上または物件価格の10% | 1,000万円以上または物件価格の10% |
融資期間 | 長い | 耐用年数を基準 |
借地物件 | 可能 | 不可 |
金利 | 2%前後 | 1.5%前後 |
融資可能エリア
地方銀行は、それぞれの県内を中心にある程度のエリアで融資が可能です。
信用金庫の場合は、営業支店のエリア管轄内であることが必要であり、地方銀行に比べて狭いエリアになってしまいます。
但し、信用金庫も細かくエリアにわかれて支店があるので、一概に対象エリアが少ないという訳ではありません。
希望する物件が見つかったら、信用金庫が融資可能なエリアになるか確認しましょう。
管轄エリア外だと融資をしないわけではありませんが、条件面等のハードルが高くなることが多いです。
属性
地方銀行と信用金庫では、融資する人の属性にも違いがあります。
金融機関での属性とは、基本的に年収で見られることが主なケース。
信用金庫の場合には、銀行が避ける傾向の個人事業主や個人投資家でも融資が出る可能性が高いです。
銀行では、個人事業主となると門前払いのケースも珍しくありません。
融資の基準となる年収も、地方銀行に比べてハードルが低い傾向もあります。
平均的なサラリーマンの場合、メガバンクからの融資は難しいでしょう。
少し緩めの設定をしている地方銀行でも、年収1,000万円以上は必要と思っておいた方が良いです。
信用金庫は営利目的ではなく、地域社会の利益を見て判断するところから、属性関係なく融資を検討してくれます。
自己資金比率
今まではフルローンでの不動産投資が可能だった時もありましたが、スルガ銀行の問題以降フルローンはほとんど見られません。
不動産投資の融資を考えている方は、資産がない場合自己資金を一定額貯める必要があります。
信用金庫の場合、地元の有力者や実績のある人から紹介によって融資が出るケースも。
そのような場合、自己資本に関係なく融資が出る場合も稀にあります。
地方銀行に比べて、自己資本比率が低くても融資が下りる可能性があるのは、信用金庫の特徴とも言えるでしょう。
地方銀行の場合は、物件価格の20%程度の自己資金がないと融資は難しいとされていますが、
信用金庫の場合は500万または10%程度の自己資金が目安となります。
融資可能期間
地方銀行の場合は、建物の構造に合わせた耐用年数が融資期間の上限となることが多いでしょう。
- 木造の場合22年
- 鉄骨の場合34年
- RC鉄筋コンクリートの場合47年
が建物別の耐用年数です。
しかし信用金庫の場合は、耐用年数以上になるケースもあります。
信用金庫独自の耐用年数を考えているため、築年数の経った建物でも融資期間を長めにとってもらえる可能性が高いです。
築古物件の融資には信用金庫が有利であり、比較的余裕を持った返済が見込めるでしょう。
借地物件への融資の可否
都心部でたまに借地権の物件を見かけることがあります。
借地権とは、土地を借りて建てた物件であり、購入したとしても土地を手にすることはできません。
その場合、金融機関としては土地を担保とすることができず、融資が下りにくいです。
信用金庫であれば、借地権の物件でも積極的に融資がされています。
購入したい物件が借地権付きの場合には、信用金庫に当たってみることもひとつの手でしょう。
融資金利
信用金庫の場合は、自己資本比率を始め融資のハードルが低いメリットがある反面、金利は地方銀行より高くなっています。
メガバンクで1%くらいだとすると、地方銀行で1.5%、信用金庫で2%ほどの水準。
その数字をみてしまうと、信用金庫が不利かと思ってしまいますが、融資期間や少ない自己資金を加味すると検討の余地はあるでしょう。
さらに、信用金庫でも返済の実績を積んでいくと、金利交渉できる可能性もあります。
そのようになれば、地方銀行やメガバンクと同等の金利になる可能性も十分にあるでしょう。
3. 不動産投資で信用金庫から融資を受けやすくするための方法
信用金庫から融資を受けやすくするには、いくつかのポイントがあります。
信用金庫は、関連のない人には融資をしてくれません。
接点を持つことで、融資のハードルがグッと下がる可能性があります。
信用金庫へ頻繁に足を運ぶ
融資は、信用金庫との信頼関係で成り立つ部分もあります。
信用金庫に頻繁に足を運んでくれる人には、自然と信頼関係が構築されやすいです。
担当者との情報交換も含め、融資を受けやすくするポイント。
または足を運ぶだけでなく、別の取引でも良いので、担当者が通ってくれるような関係性でも構いません。
ちょっとしたコミュニケーションから、信頼関係が築けていると融資のハードルも違うでしょう。
信用金庫での取引回数を増やす
信用金庫で実際の取引をすることは、非常に有効的な方法です。
取引というと難しく思ってしまいますが、誰にでも簡単できることで大丈夫です。
不動産投資による融資が初めての人でも、信用金庫の口座を持つことは可能。
その口座で取引回数を増やし、自身の主要口座とすることはポイントになります。
預金口座の開設
金融機関にとって、預金口座を作ってくれることは嬉しいことです。
毎月1万円を入金するだけでも、取引していることになります。
預金口座を開設することは、取引を始める第一歩と考えても良いでしょう。
クレジットカードの自動引き落としの設定
信用金庫をクレジットカードや毎月定期的にある、自動引き落とし先にすることも良い方法です。
自動引き落とし先にするということは、必然的にお金の入金にも繋がります。
クレジットカードだけでなく、電気代やガス代、水道代といった定期的な引き落としに指定することで、取引回数を増やしやすくなるでしょう。
給与受け取り口座に設定する
信用金庫を給与の受け取り口座にしても、取引回数を増やすことができます。
給与が入る口座ということは、その人のメインバンクとなる可能性が高いです。
給与受け取り口座にすれば、長期間の使用が見込めるため、信用金庫からの印象も良いでしょう。
融資担当者と会話をして融資条件などをヒアリングする
融資担当者と直接、融資条件について話をすることは大切です。
細かい条件をヒアリングすることで、具体的な融資が予定できるようになります。
4. 信用金庫から融資を受けて不動産投資を行う時に考えるべきこと
信用金庫から融資を受けて不動産投資をする場合に、エリアに関する条件は厳しいです。
地方銀行などの金融機関と異なり、エリアについて考える必要があります。
居住しているエリア
信用金庫としては、居住しているエリアは最重要項目といっても過言ではありません。
居住している場所が管轄内であれば、借り手の生活状況などを身近で感じることができます。
不動産投資は順調なのか、本業をやめてないかなど、近い距離だからこそ気付く部分も多いでしょう。
そのため信用金庫にとって、居住エリアが身近であることは大きなメリットでもあります。
収益不動産のエリア
居住物件だけではなく、収益不動産も対象エリアにあることは、信用金庫としてはより良い安心材料となります。
投資物件の状況を目で見てわかるため、空き状況や管理体制などをチェックすることが可能。
信用金庫が取り扱っているエリア
信用金庫が取り扱っているエリアは、地元密着性が高く狭い面積となります。
その取り扱いエリアに、居住物件と収益物件があることで、融資の可能性が上がるでしょう。
5. 信用金庫で不動産投資を行うことによるメリット5つ
銀行などの金融機関ではなく、信用金庫で不動産投資をすると大きく分けて5つのメリットがあります。
不動産投資を信用金庫で行うことで、どのような利点があるのか覚えておきましょう。
①不動産投資の融資に積極的
信用金庫は条件面や取引実績次第では、不動産投資に積極的な姿勢です。
銀行等の金融機関は融資を厳しくしている傾向ですが、銀行に比べて市況の影響を受けにくいため、その点も注目を集めている要因と言えるでしょう。
かぼちゃの馬車事件による影響は少ない
「スルガショック」と言われているかぼちゃの馬車事件ですが、信用金庫には大きな影響を及ぼしていない状況です。
信頼性・地域性・取引実績を重要視している分、事件による影響は少なく済んでいるのでしょう。
②属性が低くても相談に乗ってもらえる
銀行ではなかなか親身に相談に乗ってもらえない、個人事業主や年収が低い人でも信用金庫では相談に乗ってもらえるでしょう。
不動産投資を不動産賃貸業という事業と見なし、属性だけでなく収益物件の価値など総合的に判断。
資金調達や不動産投資を成功させるプランニングまで、親身になって相談に乗ってくれます。
③担当エリアの地元民を優遇してくれる
管轄地域の収益活性を重視しているため、地元住民からの相談を優遇してくれます。
銀行では重視されないポイントですが、信用金庫ならではの見方と言えるでしょう。
④不動産投資に関するフォローを続けてくれる
信用金庫では融資したら終わりではなく、その後のアフターフォローも期待できます。
収益物件の運営状況や、確定申告等の税金面まで相談に乗ってもらえることが多いです。
長い目でサポートしてくれるところも、信用金庫の魅力でしょう。
⑤不動産投資に関する融資スピードが速い
銀行などに比べて、融資までのスピードの速さも信用金庫の特徴です。
融資に積極的な姿勢であり、面談から契約までを含め審査も早い傾向があります。
6. 不動産投資を信用金庫で行う時に発生しやすい問題点
一定の条件があれば、融資を受けやすい信用金庫ですが、気を付けなくてはいけない問題点もあります。
融資に積極的な部分や、親身に相談に乗ってくれるメリットもある反面、発生しやすい問題点を覚えておきましょう。
不動産投資に強い担当者がほとんどいない
信用金庫からの融資を受ける上でデメリットと言えるのが、不動産投資に強い担当者が銀行よりも少ないということです。
不動産投資の知識が融資の依頼者よりも劣ることも珍しくなく、ゆるい印象を感じることも多いでしょう。
ある程度の知識を身に付けて融資の依頼をする必要があります。
融資可能エリアに投資物件が少ない
信用金庫の場合は、管轄エリアが限られているため、その範囲内での物件がベストです。
但し、その場合投資物件が少ないエリアの可能性もあり、銀行よりも不利な点となります。
金利が銀行と比較して高い傾向にある
金利は信用金庫の場合高い傾向にあります。
一般的な金利としては、メガバンク・地方銀行・信用金庫の順に金利が高くなっています。
しかし、信用金庫の場合は、信頼関係や取引実績によって諸条件が変わることも珍しくないです。
地方銀行と同等の金利になるケースもあるため、管轄エリアの担当者に相談してみる価値はあるでしょう。
融資条件に合う物件を自分で持ち込む必要がある
信用金庫は銀行と異なり、不動産業者とのやり取りは多くありません。
そのため収益物件は、自身で見つけてから信用金庫に持ち込むことになります。
物件に対して、担当者と直接どの条件融資をしてもらえるか相談する流れが一般的です。
7. 信用金庫の特性を把握することで不動産投資での強い味方に
不動産投資ではメガバンクや地方銀行からの融資が多く、信用金庫からの融資は一般的とは言えません。
信用金庫からの融資は、条件はあるものの、不動産融資に積極的な姿勢です。
融資条件も銀行とは異なり、信頼関係や取引実績が重要視します。
銀行からが融資先と考えず、条件が合う場合には信用金庫を視野に入れる方法も良いでしょう。
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