マンションを売りに出すときには、できるだけ高く売却したいと誰もが思いますよね。
「リフォームすれば高く売れるかもしれないけれど、お金をかけてそれだけの効果があるのだろうか…」
と思う方は多いのではないでしょうか?
たとえ売却できても、多額の費用がかかり損失を出しては何のためのリフォームかということになってしまいます。
この記事ではマンションを売却する際のリフォームの必要性と注意すべき点などについて解説しましょう。
目次
1. マンション売却前のリフォームは基本的に不要!
建築して数十年経つようなマンションを売却する際には、リフォームした方が利益が出るのではないかと考えがちです。
しかしマンション売却前のリフォームは、基本的にはリフォームする必要はありません!
その理由を説明しましょう。
売却前のリフォームがいらない理由
リフォーム代を売却価格に上乗せできない
マンションのリフォーム費用は、居住面積や程度にもよりますが大まかに200~400万円、
全面リフォームすると400万円~600万円程度かかるとされています。
これだけのリフォーム代を、マンションの売却価格にすべて上乗せするのは難しいと言えるでしょう。
すべてを上乗せした場合には、売り出し価格が周辺の競合物件と比べて高くなるので、売れ残ってしまう可能性は非常に大。
したがってリフォーム代全額を売却価格に上乗せするのは、どうしても限界があります。
リフォームすることで買い手のニーズに合わなくなる可能性がある
中古マンションの購入を希望している人の中には、できるだけ安く買って自分のライフスタイルに合った住まいにしたいと考えている人もいます。
そのような人にとって、お金をかけてリフォームされたマンションは不要です。
自分でリフォームしようとする人にとっては、多少汚れていたり傷があっても、安いマンションを購入した方が好都合。
リフォームをする場合は事前に売却の査定が必要
マンションを売却するときには、まず査定をします。
査定をして自分のマンションの価格がどのくらいなのか知らなければなりません。
査定は一社だけでなく、複数の不動産会社に依頼した方が良いでしょう。
一社だけですと査定した人の能力や思惑などもあり、正確な査定額が出ないことも…。
査定が自分の考えている金額と一致するような場合には、そのままの価格で売却するという判断もできるでしょう。
MIRAIMOおすすめの査定サイトはこちらから👇
場合によってはリフォームが効果的な時もある|不動産会社に相談しよう
基本的には、マンションはあるがままの形で買主に引き渡すのが良いですが、リフォームした方が良いパターンもあるのでご紹介しましょう。
マンションの売却を多く手掛けてきた不動産会社であれば、リフォームが必要なのか、必要であればどの程度行うべきか相談に乗ってくれるはずです。
信頼できる不動産会社と繋がりを密に持ち、アドバイスを受けて決めるようにしましょう。
安い価格でこだわりがでない部分のリフォーム
しかし場合によっては、リフォームした方が良い部分もあります。
例えば寝室や子供部屋など住む人があまりこだわらない部分については、
安い価格でリフォームすれば予算を抑えながら魅力的な住まいにすることも可能。
目立ちやすい傷や汚れの補修
長年住んでいると汚れや傷が目立つのが、トイレや洗面所・浴室・キッチンなどの水回り。
この部分をリフォームすれば、以前の新しい住宅をある程度取り戻せる可能性があります。
しかし水回りのリフォームにはお金がかかりますので、プロの意見をよく聞いた方が良いでしょう。
マンションは内装ではなく築年数で見られる
一般的に中古マンションは、内装の美しさでなく築年数で物件の価値が判断されます。
内装はきれいにリフォームすることはできますが、建物の躯体や給排水管は難しいと言えます。
給排水管が破裂して多大な費用が掛かったり、建物が古くなり耐震性も問題となることも…。
したがっていくら内装をきれいにしても、物件の価値を向上させるのは限度があり、査定費用に上乗せして売却するのは難しいでしょう。
2. リフォームとリノベーションとハウスクリーニングの違い
マンションをきれいにする方法としてはリフォームとリノベーション・ハウスクリーニングがあります。
次にその違いについて説明しましょう。
リフォームは老朽化したものを元に戻す
リフォームは古くなった内装や設備を、新築当時の状態に戻すこと。
リフォームには
- マンションのすべてをリフォームするフルリフォーム
- 特に傷みやすい水回りを行う水回りリフォーム
- フローリングや壁紙・カーペットなどを一新する内装リフォーム
などがあります。
特に水回りリフォームで設備を新しくすれば、マンションをグレードアップする効果が得られます。
リノベーションは大規模な工事
リノベーションは、間取りなどを全く変更して機能性や価値を向上させ、今までとは違うグレードアップした住宅に一新すること。
一般的には買主が安く購入し、自分好みの住宅に一新します。
したがって売主が自分の趣味でリノベーションを行うと、買主の希望にマッチせず購入希望者が現れないということもあり得ます。
ハウスクリーニングは費用を抑えてキレイにする
ハウスクリーニングは自分の手で掃除をするのではなく、業者に依頼して大掛かりな掃除をしてもらうこと。
内覧時の印象をよくでき、住宅をきれいにする費用も抑えられるので、売却の際にはできるだけ積極的に行う必要があります。
3. 場所別リフォーム費用の相場
リフォームの費用は、築年数やリフォームの程度・住宅の大きさなどによって異なってきます。
次に築年数別とリフォームの相場について説明します。
築10年~30年のリフォーム
マンションを建ててから10年~30年程度になると、水回りが汚れ設備も老朽化してきます。
また壁のクロスは汚れ、フローリングもはげたり傷が目立つようになるでしょう。
築10年~30年のリフォームは次表のとおり、費用相場には大きな幅があります。
リフォーム場所 | 費用相場 | 備考 |
キッチン | 30万円~200万円 | システムキッチン・食洗器交換など |
浴室 | 70万円~150万円 | ユニットバス・浴室乾燥機交換など |
洗面所 | 20万円~50万円 | 洗面台交換など |
給湯器 | 10万円~50万円 | |
トイレ | 10万円~50万円 | 多機能便器交換など |
壁紙張替え | 30万円~60万円 | 60㎡~70㎡程度 |
築20年~40年のリフォーム
上記のリフォームに加えて、間取りの変更や老朽化による給排水管などのスケルトンリフォームも必要になります。
したがって大きな費用が掛かることに。
またライフスタイルにより、リフォーム費用には大きな幅が生じるでしょう。
リフォーム場所 | 費用相場 | 備考 |
間取りの変更 | 50万円~150万円 | 3DKを2LDKに・和室を洋室になど |
給排水管リフォーム | 50万円~200万円 | 床や壁などを取り外しての工事 |
4. 査定は複数の不動産会社に依頼する|売却する物件に強い不動産会社を探そう
リフォームを依頼するときには、初めから1社に絞らず複数の不動産会社に査定を依頼すべきです。
不動産会社は多くあるので、サービスの質や得意不得意の分野も違います。
リーズナブルな価格で、しかも親身になって相談に乗ってくれる会社に決めるようにしましょう。
見積もりを出すときの注意点
見積もりを依頼する際には注意しなければならない点があります。
注意点をきちんと把握して依頼しましょう。
予算とリフォームの目的を明確にしておく
見積もりを依頼する前に、まずリフォームに使えるお金がいくらあるか確認しておかねばなりません。
予算を考えずにリフォームすれば、費用がかかりマンションを売却しても利益が出ないことも。
予算が決まったらどの部分をリフォームするのか目的を明確にしましょう。
リフォームする場所やリフォームの内容によって費用も異なってきます。
見積もりは内容は直接聞く
リフォームの見積もりが出たら、そのまま鵜呑みにするのではなく内容を確かめましょう。
見積もりの違いが部材のランクやリフォームの程度によるものなのか、あるいは大雑把に出したものかしっかりと確認しなければなりません。
リフォーム工事を進めて気が付いても、手遅れという場合もあります。
見積もりの条件は統一しておく
見積もりを数社に依頼する際には、希望する内容や条件を統一して提示しなければなりません。
条件が統一されていないと、各社の見積もりがバラバラになりどのように比較してよいか迷うことに。
具体的には大まかな予算や間取り・面積・グレードなどの条件を統一することに加えて、特にこだわる部分についての希望を提示しましょう。
5. リフォームを行う場合の注意ポイント
次にマンションをリフォームする場合に注意すべき点について説明します。
お金をかけすぎず、安くキレイに仕上げることができる会社を探す
リフォームは、「買主が安く物件を購入し、買主の希望の住宅にする」のが基本!
お金をかけてリフォームしても買主のニーズに合わなければ、極言ですが汚れや傷と同然。
したがって売主が行うリフォームは、お金をかけずきれいに仕上げることです。
安くきれいに仕上げることが可能な、不動産会社を探しましょう。
リフォームしたことが分かるように書類や写真を残しておく
リフォームしてもそれを買主が評価しなければ、リフォームをしないと同じ事。
特に給排水管などは目には見えないので、リフォームしたかどうかわかりません。
したがって買主がリフォームしたことがわかるように、写真や書類をきちんと残しておくことが大事。
自分好みのリフォームはしない
リフォームをする場合には、買主の趣味では行わないこと!
中古マンションの購入希望者は、リビングの壁紙の色は何色にするか、キッチンは対面式にしたいなどそれぞれこだわりがあります。
売主が心を込めてリフォームしても、買主の趣味に合わなければ不動産は売れません。
したがって売主の好みでリフォームすべきではなく、部屋をきれいに見せるという程度で抑えるべきでしょう。
リフォームの費用は確定申告するべき
リフォームに伴う支出は、修繕の内容や金額によって経費か資本的支出かに分かれます。
壁紙の張り替えやフローリングの修理などは、支出した年度に全額経費として計上が可能。
したがって確定申告を忘れずに行い、お金を取り戻すようにしましょう。
リフォーム前に競合の物件を確認しておく
中古マンションを探す場合には、買主は価格の安さを求めます。
リフォームすることで売却価格が上がってしまっては、売りにくくなってしまいます。
したがってリフォームする前に、競合物件の価格や状態をチェックして、売却しようとする物件の予定価格が高いか安いか確認しておくことが必要。
たとえば300万円かけてリフォームしたよりも、300万円安い物件の方が買主は購入したいと考えるでしょう。
6. 中古マンションを売却する際にリフォームよりも必ずやっておくべき2つのこと
以上述べてきたように中古マンションをリフォームしても、あまりメリットがないことがお分かりいただけたかと思います。
しかしリフォームは行わなくても、次の2つのことは行わなければなりません。
内覧のための準備する
内覧希望者は、部屋を見た印象で購入するかどうかを決めます。
内覧してもらい、この不動産を購入したいと思ってもらわなければなりません。
次に内覧者に気に入ってもらうための準備について説明します。
清掃をする
掃除が行き届いていなければ、内覧者はきっと購入を躊躇することでしょう。
特にキッチンやトイレ・洗面所・浴室は汚れやすいもの、洗剤や道具を使いきれいにしましょう。
また玄関は内覧希望者が初めに目にする箇所。
床をきれいにし、靴入れなどは悪臭などがないようにしましょう。
掃除が難しい箇所については、掃除のプロにハウスクリーニングをしてもらうことも一考。
不要物を処理する
部屋の中が散乱していると、それだけで内覧者がうんざりすることもあります。
部屋の中を広く見せるのも一つのテクニック。
不要物はできるだけ捨て、整理整頓し居住空間を広く見せましょう。
周辺情報を得ておく
内覧希望者は住むエリアに何があるのか、住みやすい環境なのか気になります。
売主は周辺の情報をしっかり得て、説明できるようにしておくのも大事な点。
ショッピングが便利であったり、駅や学校・病院・役所・銀行が近いなどは大きなPRポイントです。
故障している設備や傷の修繕をする
内覧者は購入してからリフォームするといっても、設備が故障していたり大きな傷があればよい印象は持ちません。
例えば古くなった畳や穴が開いたような襖や障子は、修繕してもさほど費用は掛かりません。
フロアの傷やクロスの汚れなどは、ホームセンターで補修材や汚れ落としを購入すれば、ある程度きれいになります。
また照明が点かない・玄関の鍵が締まりにくい・給湯器が壊れているなど設備の故障があれば修繕しておきましょう。
7. 買主がよく見る箇所は?|リフォームではなく、綺麗にしておきたい箇所
内覧する人が良く見る個所、目につきやすい箇所はきれいにしたり修繕が必要。
水回り
キッチンやトイレ・洗面所・浴室などの水回りは汚れやすく、内覧する人が最も気にするポイント。
水を使う場所は水垢が付き汚れも目立つので、洗剤などを使いきれいにしましょう。
またキッチンの排水溝の匂い・浴室のカビ・トイレの黒ずみ・換気扇のほこりなども目につきやすいもの。
自分できれいにできないのならば、プロのハウスクリーニングに依頼するのもよいでしょう。
ドアや窓などがスムーズにできるか
内覧する人は、まずドアをあけて各居室に入ります。
その際ドアの開閉がうまくできないと、それだけで印象は悪くなります。
スムーズに開閉できるように、ねじ回しなどを使ってちょうつがいを調整しましょう。
また窓を開けない部屋では、レールにごみがたまりスムーズに開閉できないことも。
クレンザーや中性洗剤などを使い汚れを落とし、開閉できるようにしておきましょう。
網戸が破れていないか
古いマンションでは、網戸がほつれていたり破れていることもあります。
内覧者が網戸の破れに気が付けば、イメージを損なうことに。
網戸の張替えはそう難しくはないので自分で直してみましょう。
自分でできない場合には、業者に依頼してもそれほどの費用にはなりません。
壁や床に傷や汚れがないか
いつも生活するリビングやキッチンの壁や床は、どうしても傷や汚れが付きやすくなります。
生活感が強く出ると、購入希望者に敬遠されることに。
ホームセンターなどで汚れ落としや補修材を購入し、補修するようにしましょう。
8. 不動産を売却する前にリフォームをする場合は必要な箇所を見極めよう
マンションを売却する際に、きれいにした方が売りやすいと考え、簡単な気持ちでリフォームするのは危険。
人にはそれぞれライフスタイルがあり、買主が購入してからリフォームをするのが基本です。
しかし購入希望者に好印象を与えるのは大事なこと!
なるべく費用をかけずに、購入意欲を高めるよう工夫しましょう。
なお売却するマンションの売却について疑問点や不安な点がある場合には、MIRAIMOのオンライン無料相談や個別相談会をご利用ください。
MIRAIMOを運営している株式会社スマミンの不動産投資コンサルタントがご質問にお答えさせていただきます。
MIRAIMO公式アカウント友だち登録