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不動産投資における収益物件の構造の特徴とそれぞれに向いている投資タイプを解説!

不動産投資では、賃貸物件を利用して家賃収入を得るのが一般的です。

ところで、賃貸物件には、様々な構造があることは皆さんもご存知でしょうか。

たとえば、鉄筋コンクリート造の頑丈な高層マンションもあれば、低層の木造アパートもあります。

 

高層であれば鉄筋コンクリート造のような頑丈な構造でなければ危なくて利用できません。

また、低層であれば一般の住宅と変わらないので木造でも問題ないのでしょう。

したがって、どちらも不動産投資の収益物件としての役割を果たしていると言えます。

 

しかし、実は収益物件の構造の違いは、丈夫さだけではありません。

その他にも不動産投資の運用に大きく影響しているのです。

今回は、収益物件の構造の特徴と、 それぞれの構造に向いている投資スタイルを解説します。

1. 不動産投資の収益は物件の構造によって変化する

不動産投資における収益は物件の構造によって変化する

不動産投資の対象になる賃貸住宅には、様々な構造の建物があります。

たとえば、木造のアパートや鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションが多いのはご存知でしょう。

ところで、収益物件は構造と特徴に応じて投資タイプが異なるのです。

それぞれの構造に一長一短がある

木造やRC造などの構造の違いには一長一短があるのです。

2階建て程度のアパートであれば、木造にすることで建築費用も軽減できるので利回りが高くなります。

敷地面積が広ければ棟数を増やすことで戸数を増やし家賃収入を増やすことも可能でしょう。

 

高層マンションのような大規模な建物であれば、建築基準法によりRC造など丈夫な構造でなければ建築できません。

RC造は、建築費用が高額になります。

しかし、建物が大きいということは、戸数を増やすことができるので家賃収入が増えるのです。

構造によって投資手法が分かれる

賃貸物件の構造により投資手法にも違いが生じます。

なぜなら、構造により耐用年数が異なるからです。

耐用年数とは、建物や機械など固定資産の税務上の減価償却を行うための計算の基礎になる年数になります。

 

簡単に言うと「どの程度利用できるのか」という目安です。

具体的には、木造が22年でRC造が47年に設定されています。

つまり、賃貸物件として利用できる期間が異なるので、投資手法もそれぞれに応じて変化させる必要があるのです。

たとえば、耐用年数に応じて、金融機関からの融資を利用する時の融資期間が異なるので、返済額や返済期間にも違いが生じます。

また、定期的な修繕などのメンテナンス費用も異なるでしょう。

したがって、それぞれの違いに応じた投資手法を選択することになります。

 

2. 不動産投資における収益物件の構造①|主な種類と工法

不動産投資における収益物件の構造①|主な種類と工法

不動産投資で利用する収益物件の種類や工法を解説しましょう。

不動産投資では、それぞれの投資スタイルに応じた構造の建物を選択します。

したがって、建物の種類や工法について押さえておかなければいけません。

SRC(鉄骨鉄筋コンクリート造)

鉄骨鉄筋コンクリート造をSRC造と言います。

一般的な鉄筋コンクリート造に使用する鉄筋に加えて鉄骨を使用するのです。

建築物の構造としては最も耐震性や耐久性が強いので、大規模な高層マンションに利用されています。

しかし、建築費用が高くなるというデメリットが。

また、工法が複雑なので施工期間も長くなるのが一般的です。

RC造(鉄筋コンクリート造)

RC造とは、一般的な鉄筋コンクリート造のことです。

鉄筋の入った型枠にコンクリートを流し込みます。

鉄筋は引っ張る力に強く熱に弱いのですが、コンクリートは熱に強く引っ張る力に弱いので、両方のメリットを活かすという工法です。

耐震性や耐久性が強いため耐用年数が長くなるという利点が。

利用範囲も広く、低層から高層まで様々な建築物に利用されています。

S造(鉄骨造)

S造とは、鉄骨造のことであり、柱や梁など建築物の主要構造部が鋼材で作られています。

木造に比べると強度が強く、RC造に比べると軽いので、階数の多い建築物や面積の広い建築物など様々な物件に利用されます。

鉄骨造には、鋼材の厚さにより軽量鉄骨と重量鉄骨があり、アパートや小規模なマンションでは軽量鉄骨が使われ、階数の多いマンションには重量鉄骨が使われるのが一般的です。

木造

木造は、建築物の主要構造部を木製としているため、設計の自由度が高いというメリットがあります。

同じ面積の敷地であれば、RC造のように壁が厚くないので室内が広くなるのが一般的です。

ただし、木造なので耐火性や耐震性ではRC造に劣ります。

2階建てのアパートは、木造で施工されていることが少なくありません。

建築費用が少なくなるので利回りがよく、戸数が少なくても運用が可能になるからです。

3. 不動産投資における収益物件の構造②|5つのポイントから見る特徴

不動産投資における収益物件の構造②|5つのポイントから見る特徴

不動産投資の対象になる収益物件には、木造からSRC造まで様々な構造があります。

投資手法に応じて構造を選ばなければならないと説明しましたが、その理由としては構造に応じた5つのポイントがあるからです。

では、詳しく解説しましょう。

①耐用年数

耐用年数とは国税庁が定めた、建築物や機械など固定資産の税務上の減価償却を行うための計算の基礎になる年数です。

不動産投資では、金融機関から融資を受ける場合に物件選択のポイントになる大切な情報と言えます。

住宅の構造 耐用年数
SRC造・RC造 47年
S造(重量鉄骨) 34年
S造(軽量鉄骨) 19年~27年
木造 22年

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②減価償却費

不動産投資では、家賃収入を不動産所得として確定申告をしなければいけません。

減価償却費は経費として家賃収入から差し引くことができます。

つまり、減価償却費を計上できる期間が耐用年数とされているのです。

したがって、耐用年数が長ければ長いほど節税できる期間も長くなります。

不動産投資を運用するキャッシュフローに大きく関係してくるのです。

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③コスト

不動産投資で必要な収益物件を手にするためにはコストが必要です。

購入費用や施工費用は利回りに影響するので選択には注意が必要でしょう。

価格が高いほうから、SRC造・RC造・S造・木造の順になります。

木造は木を加工するため施工もしやすく、コスト的には最も安価な工法と言えます。

したがって、投資初心者が小規模なアパート経営などで利用するケースが少なくありません。

④不動産の安全性

収益物件の構造により安全性も異なり、一般的に安全性は耐用年数に比例することになります。

つまり、耐用年数の長い物件ほど安全性も高いということになるのです。

建物が高く大きくなるほど安全性の高い構造でなければいけません。

 

たとえば、木造の高層マンションでは怖くて利用できないでしょう。

そこで、建築基準法でも高さや大きさに応じて構造を定めているのです。

⑤金融機関からの融資の受けやすさ

収益物件の構造により金融機関からの融資の受けやすさも異なります。

金融機関では融資した資金を必ず回収しなければいけません。

たとえば、耐用年数が10年しか残っていない物件に対して、返済期間20年の融資は実施しないでしょう。

なぜなら、耐用年数が10年だということは、賃貸物件として問題なく利用できるのが10年程度と見込まれた物件です。

したがって、残りの10年については返済リスクが高くなると考えられます。

金融機関は、リスクの高い融資はしません。

4. 不動産投資における収益物件の構造③|メリット・デメリット

不動産投資における収益物件の構造③|メリット・デメリット

不動産投資の収益物件には、構造に応じて、それぞれメリットやデメリットがあります。

不動産投資では、投資手法に応じた構造を選択しなければいけません。そこで、各構造に対するメリットとデメリットをまとめてみました。

SRC造のメリットデメリット

SRC造のメリットは、S造の錆びやすさをコンクリートで覆うことで補い、揺れに対しては鉄骨を組み込むことで耐震性を強化しています。

数ある構造の中で、耐震性・耐火性・耐久性において最も優れた構造だと言えるのです。

 

デメリットは高い建築コストです。

鉄骨・ 鉄筋・コンクリートを組み合わせるため施工が煩雑になり工期も長くなります。

RC造のメリットデメリット

RC造のメリットは、燃えない材料であるコンクリートで覆うため強い耐火性を持ちます。

さらに、鉄筋を用いることで、両素材の利点を生かした耐久性のある構造になるのです。

また、コンクリートは遮音性能が高いというメリットもあります。

 

デメリットは、SRC造ほどではありませんが、建築コストが高くつくことです。

コンクリートや鉄筋を使うために施工だけではなく解体の費用も高くつきます。

S造のメリットデメリット

S造のメリットは、柱や梁に鉄骨を使用しているので、耐震性や耐久性に優れ低層から高層まで様々なマンションに幅広く利用されるところでしょう。

鉄骨部分以外は改修も容易なので利用範囲が広がるというメリットもあります。

 

デメリットは、RC造に比べると遮音性で劣る部分があります。また、RC造ほどではないのですが、木造よりは建築コストが高くなるのです。

木造のメリットデメリット

木造のメリットは、低コストで施工できるところでしょう。

不動産投資では、収益物件の費用が安ければ安いほど高利回りの投資ができるのです。

また、加工がしやすく、施工期間が短いというメリットもあります。

 

デメリットは、安全面から高層物件に使用することはできません。

収益物件で言えば、低層のアパートに使用するのが一般的です。

また、木造なので耐火性に劣ることは言うまでもないでしょう。

5. 不動産投資における収益物件の構造④|投資スタイルから選ぶ基準

不動産投資では、投資スタイルに応じた収益物件を選択しなければいけません。

運用する収益物件の特徴を判断する上で、その構造に着目するのが選択のポイントでしょう。

なぜなら、物件の構造は融資条件や物件の規模に大きく影響するからです。

鉄骨鉄筋コンクリート造に向いている投資タイプ

長期にわたって安定した運用を希望するのであれば、鉄骨鉄筋コンクリート造を選択してください。

なぜなら、鉄骨鉄筋コンクリート造であれば耐用年数が長いので、返済期間の長い融資を受けることが可能になるからです。

また、物件の耐久性も優れています。

鉄筋コンクリートに向いている投資タイプ

区分マンションの購入やワンルームマンション投資を検討しているのであれば、鉄筋コンクリート造が適しているでしょう。

耐用年数に着目して、減価償却費の計上が終わる前の売却がポイントになります。

鉄骨物件に向いている投資タイプ

自己資金に余裕があり、将来的なリフォームも検討しているのであれば、鉄骨造がオススメだと言えます。

なぜなら、鉄骨造であれば、主要構造部を除いて改修もできるからです。

なお、耐用年数からは、一般的に中期的な所有が目安になるでしょう。

木造物件に向いている投資タイプ

木造を利用するポイントは、価格の安さと耐用年数の短さに着目することです。

たとえば、土地を所有していれば、価格の安さを活かしてアパートを建築するなど利回りのよい投資ができるでしょう。

ただし、購入するのであれば、耐用年数に注意しなければいけません。

6. 不動産投資において構造を選ぶときに把握しておくべきこと

不動産投資において構造を選ぶときに把握しておくべきこと

不動産投資では、投資スタイルに応じて収益物件の構造を選択しなければいけません。

したがって、あらかじめ構造による特質を把握しておく必要があるでしょう。

そこで、構造を選ぶときに知っておかなければいけないポイントを紹介します。

構造によって物件の特性が異なる

選択する収益物件の構造により、耐震性・耐火性・耐用年数・減価償却費・コスト・融資の受けやすさなどが異なります。

構造により物件の特性が異なるので、自分の目指す投資スタイルに応じた構造を選ばなければいけません。

資金計画によって最適な構造は異なる

資金計画により最適な構造は異なります。

たとえば、資金に余裕があるのであれば、SRC造による安定した長期的な投資スタイルを選択することもできるでしょう。

しかし、資金を抑えたいのであれば、安価な構造の収益物件を選択し、短期的に物件の売買を繰り返すなどの投資スタイルを選択することになるかもしれません。

投資スタイルに合った構造を選ぶことが重要

不動産投資には、様々な投資スタイルがあります。

そして、自分の目指す投資スタイルに応じた構造の収益物件を選択できるかどうかが成功のポイントになるでしょう。

したがって、あらかじめ構造による特性の違いを把握しておかなければ、目標とする投資スタイルに応じた構造の収益物件を選択することは難しいと言えるのです。

7. 構造の特性を理解して投資スタイルを確立しよう

不動産投資では、物件の選択により成功が左右されると言われます。

なぜなら、物件の構造により、耐震性・耐火性・耐用年数・減価償却費・コスト・融資の受けやすさなど、様々な違いが生じるからです。

収益物件の選択は、まず構造の特性を理解してからスタートしなければいけません。

構造による特性の違いを適切に活用した投資家が成功に近づくことができるのです。

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