不動産投資を行おうと考えるときに、大きなポイントのひとつとして考えなければいけないのはどこの場所で不動産投資を行うのかという点です。
不動産投資を行う場所によって、投資効率や収益構造は大きく変化します。
その中でも、都心で不動産投資を行うのはどのような魅力があるのでしょうか。
この記事では、都心で不動産投資を行う魅力や利益を出すポイント、東京の不動産投資事情も含めて解説していきましょう。
目次
1. 都心でマンション投資をする魅力
1980年代のバブル経済期において、都心部の地価は高騰し、一般の人には手が出ないくらいに上昇しました。
その後、バブルがはじけ、長期低迷の時代を経験している日本。
しかし都心部では再び地価が回復傾向にあり、不動産投資も活発化しています。
それには、いくつかの理由があり都心でのマンション投資も活発に。
都心でマンション投資をする魅力について、4つの観点から説明していきましょう。
東京オリンピックの影響で世界から注目が集まっている
2024年現在、日本、特に東京は全世界から多くの注目を浴びている都市として認識されています。
大きな理由は、2023年に開催される東京オリンピックです。
東京オリンピックで全世界から人が集まり、活況になることが予想されます。
更に、オリンピックに対する準備として多くの施設が建築され、資金が投資されました。
各エリアにおいて、再開発事業が活発に行われインフラ設備が整っています。
再開発事業が多く行われるということは、環境が良くなり、不動産投資においては好条件な環境になっているのです。
不動産投資での都市ランキングに入っている
日本は国土が狭く、アメリカと比較しても1/25の国土しかありません。
しかし、不動産投資において実は高い評価を受けているのが東京なのです。
アメリカの大手不動産サービス会社JLLが発表した世界の都市比較インデックスレポートで、競争力のある都市ランキングで第5位になっているのが東京です。
JILLは、世界80か国の300拠点において仲介を手掛ける企業で、独自のネットワークにより、情報を分析しレポートを発表しています。
このレポート内においても懸念材料となっているのがインフラ整備の点でした。
しかし、前述したように東京オリンピックに向けてインフラの整備が拡充化していますので、これからもますますの成長性が見込める都市として注目されているのです。
物件に対する賃貸需要が高い
不動産投資を考える際に最も注意したいポイントは、「空室が少なく安定した入居が見込めるのか」といった点があげられます。
いくら、物件の状態が良くても、入居が入りにくい場所や環境であるならば、不動産投資として最適な場所とは言い難いのです。
東京は、日本の中でも特に人口が集中しています。
東京は不動産の価格も高く、土地やマンションの価格も高いので家を建てたりマンションを購入するよりも、
賃貸の需要が高く、今後もその傾向は続いていくでしょう。
物件の資産価値が減少しにくい
都心部は資産価値が下がりにくい点もおさえておきましょう。
なぜ、資産価値が下がりにくいのでしょうか?
それは、不動産に利用価値があるからです。
都心部は、交通の利便性もよく、さまざまな施設も充実しています。
また、さまざまなタイプのマンションがあり、物件を選ぶ選択肢が広いことも好材料として捉えることができるのです。
都心部に住むことは、「ブランド」といった観点からも好まれていて、都心部に住んでいるといったプライドから好まれて住まれています。
つまり、都心は今後も賃貸層の需要は減りにくいことを考えると、資産価値が下がりにくい地域だということがわかります。
資産価値が減少しにくいことは不動産投資にとっても大きなメリットです。
このような点でも、都心部での不動産投資は有利になりやすいことがわかります。
2. 東京都の不動産投資データ
不動産投資を行うとき、どの物件を購入するかにおいては地域が大切だと述べましたが、地域を選ぶ際には地域のデータを分析することが重要。
ここからは、東京の地域データを分析することで、不動産投資に魅力がある都市なのかどうかについて考えてみましょう。
東京都の人口の増減
日本は少子高齢化の波を受けて、2013年をピークとして人口が減少しています。
人口が減少するということは
- 賃貸で物件を借りる人が減少してくる
- 不動産投資で不動産の購入や売却の事例が減ってくる
- 労働人口が減ってきて、安い物件しか利用されなくなる
といった、懸念材料が考えられます。
しかし、東京都心に関しては、このような状況にも関わらず、人口が増加しているのが大きな特徴のひとつとしてあげることができます。
引用:東京都「東京都の総人口(推計)の推移(昭和31年~平成31年)各年1月1日現在」
東京都が発表している東京都の人口推移ですが、平成30年から平成31年でも103,384人増加しています。
平成9年から23年間連続で人口が増加し続けている点も、今後の不動産投資において大きなメリットでしょう。
東京都の賃貸需要・利回り
不動産投資において、入居の問題と同じくらい分析しないといけないポイントがあります。
それは、利回りです。
この物件は、いくら収益が上がりどの程度稼げるのかといったところは、利回りを知ることで把握することができます。
ここからは、東京都の不動産利回りについて説明していきましょう。
平均利回り
利回りとは、購入した金額に対して、どれくらいの不動産収入を得ることができるのかを割合で示したものです。
主な政令都市の期待値利回りと東京を比較してみましょう。
東京 | 札幌 | 仙台 | 千葉 | 横浜 | 名古屋 | 京都 | 大阪 | 神戸 | 福岡 |
4.0% | 5.5% | 5.7% | 5.7% | 5.0% | 5.0% | 5.3% | 4.6% | 5.5% | 5.0% |
引用:一般財団法人日本不動産研究所「不動産投資家調査」
他の政令都市と比較すると東京は、利回りが低い点が特徴です。
利回りが高いということは、リスクも高くなるといったこともあげられます。
利回りが低い東京はリスクが低く不動産投資を行う場所としては安定した収益が期待できる地域です。
利回り増減率
これまでの利回りの増減率から、将来における東京の利回りを予測してみましょう。
東京 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 |
商業 | 4.0% | 4.5% | 4.5% | 4.5% | 4.5% | 4.4% | 4.0% | 3.9% | 3.8% | 3.6% |
単身 | 5.0% | 5.5% | 6.0% | 5.8% | 5.6% | 5.4% | 5.1% | 5.0% | 4.6% | 4.5% |
引用:みずほ信託銀行「不動産マーケットリポート」
図表を見るとわかるように東京において不動産投資の利回りは減少傾向にあります。
人口増加や、オリンピックなどにより東京での不動産投資は活況になることが予測されるので、利回りが低くなっていることが特徴。
つまり、リスクがあって大きな収益率を得るよりもリスクが極力下がり、安定した投資が見込めるということを重ねて証明しています。
東京での不動産投資のコツについては以下の記事を参考にしてください。
3. 都心でもしっかり利益が出る物件を選ぶポイント
利回りが低いので、安定はしているけどもあまり稼ぐことができないのではないかといったことが投資家には懸念材料として出てくるかもしれません。
しかし、東京でも十分収益が出て、なおかつ安定した物件はあります。
ここからは、きちんと利益が出る物件の選び方について解説していきましょう。
立地から物件を選ぶ
先ほどからの繰り返しになるのですが、重要なことが不動産のある立地です。
立地によって、不動産投資が成功するかどうかのカギだといっても過言ではありません。
では、立地が良い場所というのはどのような場所を指すのでしょうか。
3つのポイントを上げましょう。
- 交通の便が良い
- 買い物や病院などが近い
- 治安が良い
といったところが、立地が良い物件としてあげることができます。
つまるところ、「住みやすい場所」であるかどうかが不動産投資で成功のポイントでしょう。
ターゲットに人気のある区を選ぶ
物件には、物件ごとの性質があり狙うターゲットも異なります。
ファミリー世帯に人気のある施設が単身物件の近くにあっても意味がありません。
逆も同じことが言えます。
同じ東京23区でもファミリー世帯と単身世帯では人気の区が異なりますので、単身に人気の区はどこなのか、テナントに人気の区はどこなのかといったことを分析しておきましょう。
部屋の広さから物件を選ぶ
東京には、少しほかの地域とは異なる条例があります。
それは、「ワンルーム条例」というものです。
ワンルームに関しての規制がそれぞれの区ごとにあります。
単身世帯よりもファミリー世帯を取り込みたいといった思惑が見え隠れする条例です。
東京の場合ほとんどのワンルームが25㎡以下なのですが、それより広くても投資収益が落ちてしまいあまりメリットはありません。
ワンルームマンション投資のケースでは、広さを最大25㎡程度として物件を探すのが良いでしょう。
4. 都心でのマンション投資でも選んではいけない物件6選
ここからはいくら東京都心とはいえ、物件選択を間違えてしまうと、思ったような収益を得ることができないことも考えられます。
ここからは、注意しなければいけない物件について6点の物件を解説していきましょう。
①外国人向けの高級住宅
東京都心においては、外国人向けの高級賃貸住宅も広く出回っています。
外資系の日本支社や政府機関に勤めている外国人などを対象にした高級住宅です。
しかし、このような物件には注意が必要。
日本国内の政治的な緊張や、災害リスク、企業の環境変化等により、撤退するリスクが高いのです。
外国人向けに作られているので、国内向けに変更しようとするとお金もかかり、決まらないからといって家賃を下げたりすると収益も減ります。
ある一定の狭いターゲットに特化した物件は常にリスクに対して敏感になっておかなければいけません。
②形が悪い物件
部屋の形、土地の形状には十分注意しておきましょう。
間取りが悪く、デッドスペースができて広さを十分に生かしていない物件や、形がいびつなために、
駐車場など本来活用できるスペースが十分に確保していなかったりする物件も、選択するときには十分に注意しておいた方がよいでしょう。
間取りが悪い物件は、生活の中でずっと不具合を感じて生活しなければいけないので、定着率が悪いことも考えられます。
間取りの形や土地の形状も投資物件購入時にはしっかりと確認しておきましょう。
③広めの賃貸物件
ワンルームマンションの場合25㎡を最大基準として考えましょうと述べました。
物件の家賃は広さにも反映しています。
広い部屋は、家賃が高く設定されがちです。
広さが微妙で、ターゲットが絞りにくい物件も存在しています。
例えば30㎡前後の単身物件は、1人で住むには広く、2人で住むには狭いでしょう。
ワンルームマンションの中では家賃も高くなるので、広めの物件でもターゲットがはっきりとわからない物件などは、入居に苦戦する可能性があります。
④バルコニーが付属していない物件
洗濯物を干すときに部屋内に干す人もいるのでしょうが、やはりバルコニーの物干しを使い陽の光で干したいと考える人は多いでしょう。
また、単身物件の場合だと、ゴミ収集があるまでバルコニーにゴミ袋を置いている人も多いです。
このような中、バルコニーがない物件は不人気な傾向が。
不動産投資において、すぐに部屋が決まる物件を選択することと、どれだけ長い間、物件に住んでくれるのかも考えておきましょう。
不具合がある物件は定着率が悪く空室が出やすい傾向にあります。
退去が出ると、補修費をオーナーが負担することも多くなりますのでなるべく定着率が良い物件を選ぶことも、不動産投資においては大切なポイントです。
⑤日中と夜間で環境が変化する物件
日中は閑静で住まいには快適そうな場所でも、夜になると飲み屋さんだらけになって一気に騒がしく、治安が悪くなるような物件も注意が必要でしょう。
昼間の状況だけで物件を選択するとありがちな失敗事例です。
入居者の多くは治安がよい場所を求めています。
飲み屋が多く酔っ払いが徘徊するような場所だと、治安がよいとは感じられず、入居に悪影響を及ぼす可能性を考えておかなければいけません。
昼と夜では、周りの景色が全く変わる物件もありますので、不動産購入時には時間を変えて訪問してみることをおすすめします。
⑥周辺に警察署や病院がない物件
先ほども述べましたが、入居者が住まいに求めているものに治安と環境があげられます。
近くに警察署があると治安という面で安心感を得ることができますし、病院があると、急病にかかったときの安心感があるので好まれる環境です。
つまり、警察署や病院がないと不安感を感じてしまうので、不動産投資にとってはデメリットであるといわざるを得ません。
周辺に警察署や病院がない物件は、不動産投資の中で避けておきたい物件の特徴といえます。
5. 東京の家賃相場と人気エリアを紹介
基本的に、東京都心は、他の政令指定都市などにおいても家賃が高い傾向です。
また、東京都心の中にも特に人気のエリアなどもありますので、家賃相場や人気のエリアを知っておくことも不動産投資には欠かせません。
ここからは、東京都の家賃相場と人気エリアについて解説していきます。
東京都の家賃相場
東京都の人気エリアの家賃相場を図表で表してみましょう。
ワンルーム | 1K/1DK | 1LDK~2DK | 2LDK~3DK | 3LDK~ | |
千代田区 | 6.6 | 8.7 | 16.7 | 23.8 | 31.3 |
中央区 | 8.2 | 9.5 | 14.3 | 18.6 | 23.2 |
港区 | 7.5 | 9.6 | 17.5 | 24.5 | 31.9 |
新宿区 | 7.5 | 8.9 | 14.3 | 19.1 | 24.2 |
文京区 | 7.7 | 8.8 | 13.2 | 17.0 | 21.1 |
台東区 | 7.8 | 8.7 | 12.4 | 15.6 | 19.0 |
墨田区 | 7.2 | 8.1 | 11.5 | 14.4 | 17.6 |
目黒区 | 7.7 | 8.9 | 13.5 | 17.5 | 21.8 |
単位(万円)
引用:suumo
総じて、日本国内の中でも高い賃料が見込めるエリアばかりです。
特に、中央区や港区といったエリアは、高い家賃収入が見込めることが分かります。
東京都での人気エリア
東京都でも家賃がとれる人気エリアと、不人気エリアに分類することができます。
また、単身用とファミリー用では人気のエリアが異なります。
特に、東京は区ごとにはっきりとした特色がでやすいですので、ターゲットによりエリア分けはしっかりと意識しておいた方がいいでしょう。
以下で説明していきます。
単身者向けの人気エリア
単身者向けの人気エリアは高円寺駅がある杉並区や、要町駅がある豊島区などがあげられます。
高円寺は知名度も高くて人口が多い街です。
特に一人暮らしの割合が高くて、一人暮らしに適した施設が多いことが特徴としてあげられます。
家賃相場もお得であり、新宿に近いので通勤にも便利なエリアとして人気。
豊島区も池袋に近いといった点でポイントが高いです。
特に要町近辺は5人に1人が20代という若い街で、単身世帯が70%を占めています。
それだけ、若者向けの施設も多く人気に拍車をかけています。
ファミリー向けの人気エリア
次にファミリー向けの人気エリアに目を向けてみましょう。
ファミリー向け人気エリアも、杉並区。
子育てに最適な環境として注目されており、裏付けるものとしては待機児童がゼロという点です。
子供向けのアミューズメント施設も充実しており、代表的なものが「杉並児童公園」です。
次に人気のエリアは、江戸川区。
江戸川区は、公園面積が第1位で486か所もの公園があります。
独自の子育て制度も人気で、学童も盛んなため、共働き家族などには人気のエリアです。
6. 今後の都心で失敗しないための不動産投資戦略
入居が安定しており、今後も先行きが明るそうな都心での不動産投資ですが、常にリスク管理は怠ってはいけません。
不動産投資は、先手でリスクを回避する感覚が成功する秘訣なのです。
ではどのような戦略を打っておいた方がよいのでしょうか。
新たな物件ニーズの開拓
新たな物件のニーズを常に開拓する心構えを持っておきましょう。
周りの環境を常に注意することで物件のニーズを新たに産み出すヒントをつかむことができます。
例えば、ペットを飼うにはいい施設ができたときに、ペット可にすることで新たなニーズを開拓することができます。
ニーズを開拓することで、家賃を上げて資産価値を上げることも可能です。
常に物件ニーズを開拓して安定した入居を維持しておくことが成功への秘訣です。
物件ターゲットの入居者条件緩和
不動産投資の成功のポイントは入居を高めることです。
入居条件を緩和することで入居率を高めることができます。
例えば、敷金を預かっているのであれば、預かる敷金の額を減らして引っ越ししやすい環境を整えることが可能。
引っ越しの際は、どうしてもまとまったお金が必要になるので、引っ越しを躊躇する場合もあります。
なるべく負担を少なくして条件を緩和することは効果的な入居対策です。
ターゲットを絞ったリノベーション
物件が古くなってくるとリノベーションを行い物件の資産価値を維持、向上することも可能です。
その時には、どのターゲットに向けたリノベーションを行うのか明確にしておいたほうがよいでしょう。
ターゲットがあいまいになるとリノベーションの目的がはっきりせずに、せっかくの費用が効果的に使えないことも良くあります。
どのターゲットに向けてアピールするのかをしっかりと見極めてリノベーションを行いましょう。
7. 都心でのマンション投資は魅力が多い!最新情報を仕入れて良し悪しを見極めよう
以上の点からも都心でのマンション投資は非常に魅力的で、安定した運営が見込めることが分かります。
常に東京の物件には目を光らせて最新情報を仕入れた方がよいでしょう。
最新情報を手に入れるには信頼できる不動産会社とのパートナーシップが大きな意味を持ちます。
経験豊かな不動産会社を選ぶことができると、不動産投資の成功確率はグンと上がるでしょう。
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