空室率と入居率は中古のマンションやアパートなどの不動産投資物件を選ぶ際に利回りと同様、非常に重要なものです。
また、今持っている物件の空室率を下げることが不動産投資の是非を決めると言っても過言ではありません。
せっかく不動産投資物件を選ぶなら空室率が低く、入居率が高い方がいいですよね。
そこでこの記事で
- 空室率や入居率の計算方法
- 空室率が低い物件の選び方
- 8都市の空室率比較
- 空室率を下げる対策
この4点について理解しておきましょう。
これから不動産投資を考えている人から、現在不動産投資をしている人まで必見の内容となっています。
目次
1. 「空室率」「入居率」の計算方法
空室率は賃貸不動産で全体戸数に対しての空室の割合のことです。
また、空室率と反対の言葉に「入居率」(全戸数に対しての入居中の部屋の割合)というものがあります。
中古のマンションやアパート経営などを考える時。現在の空室率や入居率をリサーチすることは非常に重要。
その際に空室率と入居率を求めましょう。下記の計算方法を用いて計算してみてください。
★空室率の計算方法:空室戸数÷総戸数
★入居率の計算方法:100%-空室率=入居率
ただ、「入居率が高いからここにしよう!」と安直に決めるのではなく
物件を購入するときに、現在の入居者がいつから住んでいるか確認しておくことも大切です。
2年更新の物件で、1年半ほどの入居者が多いと2年更新の前に退去してしまう可能性もあるということ。
長く住んでもらう工夫をすることも大切ですね。
2. 空室率を下げる物件条件とは?|空室になりやすい物件は買うな!
空室率対策の前に、「空室になりにくい」物件選びが重要になります。
では空室にならない、つまり入居率が高い人気の物件とはどのような物件なのでしょうか?
その条件は
- 需要と供給のバランスの取れているエリア
- 周辺環境の良い場所
- 時代のニーズに合った設備があること
の3つ。以下で解説していきます。
需要と供給のバランスの取れているエリアであること
例えば、東京23区内だから安定した不動産投資ができるから大丈夫かというと、そういうわけではありません。
賃貸需要に対して物件が多すぎる「供給過剰」な地域は空室を生みやすいため、避けたほうが賢明。
そのために、
- そのエリアの空室率は高くないか
- 物件の周辺に競合物件が乱立していないか
- 周辺物件の空室がどのぐらいあるか
自分の目で確かめることが大切です。
エリア毎の空室率は「見える!賃貸経営/LIFULL HOME’S」で検索することができます。
周辺環境の良い場所にあること
周辺環境の良い場所とは
- 駅からのアクセスがいい
- 最寄り駅の利便性がいい(急行停車駅や主要地まで1本で行けるなど)
- 周辺に商業施設がある(ショッピングモールなど)
- 学校が近い
- 競合物件があまりない
などです。
しかし、1つのみの賃貸需要に頼りすぎると後に困ることもあります。
(例:学生需要に頼って大学付近で不動産投資をしたら大学のキャンパスが移転してしまい、一気に空室率が上がってしまった)
総合的なバランスを見て場所を決めましょう。
時代のニーズに合った設備があること
賃貸の設備には「時代のニーズ」が反映されているものがあります。
例えば「ホテルのようだ」と言われ、少し前に流行った3点式ユニットバスなどは最新の設備ではなくなってきました。
むしろ、「バストイレ別」などで賃貸を検索する人も増え、検索条件ではじかれてしまうこともあります。
このように、賃貸物件の設備には時代背景が映し出されることも。
今だったら
- 宅配ボックス付き
- オートロックなどの防犯設備
- 24時間ゴミ出しOK
- エアコン付き
など、一人暮らし・社会人にや優しい設備が喜ばれることが多いです。
その他の収益物件の選び方についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
3. 空室率を日本の8都市で比較!
全国8都市の賃貸の空室率(()内は都府県庁所在地の空室率)を比較してみました。
都府県 | 空室率 | 都府県庁所在地の空室率 |
宮城県 | 21.5% | 仙台市青葉区:20.6% |
東京都 | 14.5% | 東京都新宿区:15.0% |
神奈川県 | 16.1% | 横浜市中区:16.7% |
愛知県 | 16.1% | 名古屋市中区:22.3% |
大阪府 | 20.1% | 大阪市中央区:19.6% |
京都府 | 17.5% | 京都市上京区:14.6% |
福岡県 | 18.9% | 福岡市博多区:20.4% |
沖縄県 | 11.7% | 那覇市:14.8% |
というようになっています。47都道府県空室率の平均は21.5%です。
県庁所在地だから必ずしも空室率が低いわけではないということが分かりますね。
参照:LIFULL HOME’S「見える!賃貸経営」 ※この数字は2024年5月現在のものです。
投資するエリアによって空室率は大きく変わる
空室率は利回りと同じくあくまで「目安」として、物件を選ぶようにしてください。
各都道府県のどのエリアを選ぶかによっても空室率は変わります。
都内でも20%を超える空室率のエリアもありますし、地方でも10%前後のエリアもあるのです。
そもそもエリアによって賃貸物件の数に差があります。
特に東京では空室率は低めでも賃貸の総数が多いので、空室率が低いからと油断していると空室続きになってしまう場合も。
そして空室率は時とともに推移していきます。
空室率の推移を見る際は、株式会社タスのホームページで見るのがオススメ。
タスが毎月更新している「賃貸住宅市場レポート」では首都圏・関西圏・中京圏・福岡県の空室率推移を含めた賃貸市場の動向をグラフや表で見ることができるので参考にしてみてください。
4. 空室率が高い原因を考えよう
エリアによって空室率が高くなるのには大きく分けて3つの原因があります。
- 人口減少(=需要の減少)
- 物件の増加(=供給の増加)
- 相続税の増税(=更に供給の増加)
日本の人口が減少しているのは皆さんご存知のことと思いますが、そんな中たくさんの新築物件が建っているのもよく街中で見ますよね。
見て分かる通り、需要が減っている中で供給が増えています。
つまり、需要と供給がアンバランスなため空室率がどんどん上昇している現状です。
また2015年に相続税が増税したことによって、更地にしておくよりもいい!と相続税対策として不動産投資をする方が増えているため、更に供給過剰になっていきます。
ではそんな供給過剰…つまり空室率が高いエリアを避けるのは先ほど挙げた通り必須です。
しかし、既に不動産投資をしていて、後から物件が乱立してしまったという方はどのような対策をすればいいのでしょうか?次の項で解決しましょう。
5. 空室率を下げるためにできる対策
上記のように空室率が高くなってきている中であなたができる対策としては、「生き残れる物件」を作ることです。
日本は「暮らす場所」はありますが、「暮らしの質」は海外に比べると寂しい部分があります。
そのため、「良い暮らし」を提供できるようにすることが重要です。
そもそも、空室率の低い物件とはどのようなものなのでしょうか?
立地やデザイン、築浅物件など条件を満たした資産価値の高い物件です。要するに買主に人気のある物件。
買主に人気のある物件にするために具体的に何をすればいいかと言うと、
- 家賃相場を把握し、適正家賃を維持する
- すぐ入居できるようにする(家具や家電など付ける)
- 入居したいと思える設備・サービスを付ける
などをすることで、他の物件との差別化を図れ入居者もつきやすくなります。設備については「時代のニーズに合った設備があること」でも触れましたね。
購入後でもできることは沢山あります。
ちょっとした工夫で空室リスクを軽減できるでしょう。
空室率の改善法について詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
6. 空室率を下げるのは自分の対策次第
空室率の基礎的な内容や空室対策についてこの記事では解説してきました。
- 物件選び
- 空室対策
この2つを抑えておけば空室率20%改善どころか満室経営も可能になります。
不動産投資をする上で、空室率によって収入が変わります。下手すればマイナスになる場合も。
空室率の高いエリアでも、物件選びや管理状態次第で100%に持っていくこともできます。
0%にするか100%にするかはつまりいい物件を探してくれる不動産会社、適切な管理をしてくれる管理会社を見極めること。
つまりパートナー選び次第でしょう。
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