アパート経営やマンション経営の空室対策として、インターネット導入を考えているオーナーさんは少なくないのでは?
今や自宅にネット回線が入っていることは当たり前の世の中になっています。
アパートやマンションの入居者にとっても、月額何千円とかかるインターネット回線が無料で使えることは魅力的でしょう。
実際にアパートやマンション経営において「インターネット無料」の導入は、経営上効果的なのでしょうか?
当記事では、アパート経営(マンション経営)においてインターネットを導入した場合の効果や、インターネットの導入費用・おすすめのインターネット業者・導入にあたっての注意点まで解説していきます。
目次
1. アパート経営やマンション経営でインターネット無料は効果的?
アパート経営やマンション経営でオーナーが自ら費用を負担し、共有部分にインターネットを導入することで得られる効果についてご紹介します。
「インターネット無料」は入居者に人気の設備
マンション・アパートの全入居者がインターネットを無料で自由に使えるようにすることで「インターネット無料」という賃貸の売り出し方ができます。
「インターネット無料」は、賃貸の入居者に人気の設備No.1である点に注目。
全国賃貸住宅新聞社が実施した人気設備ランキング2022年によると、入居者に人気の設備は
- 1位:インターネット無料
- 2位:エントランスのオートロック(ファミリー向けでは追い炊き機能)
- 3位:宅配ボックス
となっています。
インターネット無料はファミリー向け・単身者向け共に3年連続1位になっていることから需要の高さがうかがえるでしょう。
人気の設備を導入することで入居者がつきやすくなるため、空室リスクを抑えてアパート経営をすることが可能になります。
入居者が別途ネット契約をしなくてよいので、家賃を上げられる可能性も!
インターネット無料の特典をつけることで、家賃をアップすることも可能になるでしょう。
個人で契約するインターネットは月額4,000円前後のため、より割安だと感じられる1,000円~3,000円の範囲内で家賃を上げることが妥当です。
インターネット無料という特典がある点を売り出しポイントにすることで、もしそのエリアの家賃相場より高くなっても入居者が入ってくれる可能性が。
毎月の家賃は、アパート経営の利回りアップやキャッシュフローにも大きく関わるため、若干でも家賃が上がることはアパート経営の成否にかかわる重要ポイントです。
近隣の競合物件とも差別化ができる
似たような家賃・間取りなど、近隣に似たような物件があると、入居者が分散してしまうため、空室リスクが高まってしまうもの。
しかし、「インターネット無料」という独自の強みを物件に持たせることで、競合物件との差別化を図ることができます。
家賃が競合物件より若干高いとしても、「インターネットが完全無料で使える」ということで選ばれることもあるでしょう。
2. アパート・マンションのインターネット回線は2種類がある|メリットデメリット
いざ自分の所有するアパート、マンションにインターネットを導入するとなった場合の選択肢として「無線方式」か「有線方式」があります。
どんな方式なのでしょうか。メリットやデメリットを知っておきましょう。
無線方式
無線方式とはアパートの外壁もしくは共用部分にWi-Fiの機械を取り付けることで、無線でインターネット接続ができるもの。
共用部分に設置すればよいので、入居者の許可取りも必要ない上、入居者にとっては入居後すぐにWi-Fiでインターネット接続ができるという手軽さがメリット。
また、工事も簡単なので工事費も安く済み、最短で1日で設置可能です。
一方で木造アパート以外の構造や、障害物の有無によって電波強度が弱くなり、インターネット接続が不安定になりやすいというデメリットがあります。
有線方式
有線方式とは、建物に引き込んだケーブルから各部屋に有線LANケーブルを配線し、LANケーブルもしくはWi-Fiの機械を設置してインターネット接続をする方式です。
有線方式のメリットは通信速度が速く、安定性が高い点。
さくさくインターネットを閲覧したい入居者にとって、非常に嬉しいポイントになります。
各部屋で工事が必要なので、工事に複数日程を要するため、無線方式よりも工事費が高額な傾向にあり、入居者の許可取りが必要というデメリットが。
3. アパート経営でインターネット導入をした場合の費用|初期費用と月額
アパート経営でインターネットを導入する際の初期(工事)費用は、およそ30万円~最大100万円ほどかかることもあります。(方式や戸数により価格は異なります)
無線方式の工事の方が、有線方式の工事費より20~30%ほど割安なことが多いです。
月額利用料は通信料・保守費用(保守点検費用)と併せて平均1,500~2,000円/戸となっており、10室のアパート経営の場合は毎月15,000~20,000円のランニングコストがかかることになります。
4. マンション・アパート一棟オーナー向けのインターネット業者を紹介
アパートやマンション一棟を経営しているオーナー向けの、おすすめインターネット業者を紹介します。
気になる業者があれば、お問い合わせ⇒担当者が訪問し、(もしくは電話で)サービス説明⇒物件の調査をし、最適なプランや見積もりを出してもらう⇒契約⇒工事といった手順でインターネット導入をするという流れが多いです。
複数社に見積もりを取るのも良いかもしれません。
e-Broad光マンション
アパート・マンションの光インターネットサービスを提供している「e-Broad光マンション」は有線方式のインターネットサービス。
また、各部屋にコンセント一体型のWi-Fiルーターを設置する、無線と有線が一体化したWi-Fiサービスを選択することも可能。
また、インターネットサービスに付帯して、ネットワーク防犯カメラシステムで防犯対策もできます。
大阪の本社を中心に、全国エリア対応です。
B-CUBIC(ビー・キュービック)
B-CUBICは沖縄を除く全国で無料インターネットサービスを提供している会社。
ベーシックプランやWi-Fiプランの他に、複数等一括導入プランもあり、複数棟物件を所有している人はコストを抑えてインターネットを導入することができます。
オプションとしてWi-Fi・セキュリティカメラ・入居者用のヘルプデスクなどのオプションサービスやアフターフォローも豊富。
参考:B-CUBIC
RIXIO(リクシオ)
RIXIOはホテル品質の安定した回線速度、万全なセキュリティーのインターネットサービスを提供しています。
高品質で迅速丁寧な対応をするために、対応エリアは関東圏(東京・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬・神奈川・山梨と静岡の一部地域)のみ。
最新インターネット機器への永久無償交換や入居者募集看板の提供など、マンションオーナー・アパートオーナーに嬉しいアフターサポートもしっかりしています。
参考:RIXIO
バッファロー アパートWi-Fi
家電やPC周辺機器のメーカーとして有名なバッファローは、オーナー向けのアパートWi-Fiサービスも提供しています。
サービスは、共用部分にWi-Fiの機械を設置する「共用部設置タイプ」と、テレビ配線を利用することで部屋の配線工事が不要になる「テレビ配線タイプ」、既存の電話回線を利用して各部屋にLAN配線とWi-Fiの機械を設置する「各戸設置タイプ」の3種類。
Wi-Fiの機械はもちろん、ビジネス向けプロ仕様のバッファロー製品です。
参考:BUFFALO IT Solutions アパートWi-Fi
NTT東日本 フレッツ 光ネクスト マンション全戸加入プラン
NTT東日本が提供する、光ファイバーを利用したインターネットサービスです。
「導入はノーリスク!」とうたっており、入居者がつくまで月額支払い不要や、導入して3ヶ月以内に入居がつかず、解約をする場合は初期費用の返金保証があったりと保証が万全。
共用部分の防犯カメラだけでなく、室内の防犯対策である「スマートルームセキュリティー」といったサービスもあります。
参考:NTT東日本 フレッツ 光ネクスト マンション全戸加入プラン
5. アパート経営でインターネット導入を考える上での注意ポイント
インターネット無料は入居者にとって人気の設備であることは間違いありませんが、人気であるからといって安易に導入を決めるのはおすすめしません。
アパート経営やマンション経営をするオーナーがインターネット導入を考える上での注意ポイントをご紹介します。
かけたコストを回収できる効果があるのかをよく考える
アパート経営でインターネット導入をすると、前述のとおり初期費用や月額料金がかかります。
家賃アップや空室改善ができ、かけたコストを回収できるのかどうかを見極めてインターネットを導入しなければなりません。
対費用効果を考えて導入しないと、結果導入しなかった方が良かった…ということもあり得るでしょう。
家賃アップ・空室対策を狙うならインターネット無料以外の設備も検討
家賃アップや空室対策を考えるなら、インターネット無料の特典をつけずとも、リフォームやリノベーションの方の方が効果的な可能性もあります。
リノベーションはクロス張替・水回り・フローリング張替など多岐にわたりますが、一部分だけでもキレイにすることで空室が改善されることも。
また、フルリノベーションしたマンションは家賃アップも見込むことができます。
インターネットは初期費用と月額利用料がかかりますが、リノベーションでかかる料金は数万円~、1度きりのみなので検討してみましょう。
マンション・アパートの構造によってはインターネット導入ができない場合もある
インターネットを導入したくても、マンションやアパートの構造、サービス内容によってはインターネット導入ができない場合もあります。
例えば、無線方式のインターネットサービスだと、鉄筋コンクリートだと電波が届かないといった具合です。
業者によってはできる場合もあるので、まずは問い合わせてみることをおすすめします。
インターネット業者を選ぶときは複数社から見積もりを取った方が良い
見積もりを取らずにインターネットを導入すると、コストが思いのほかかかってしまい、結果アパート経営が苦しくなるかもしれません。
インターネットを導入する際は、必ず複数社から見積もりを取り、コストを見た上で慎重に導入を検討するようにしましょう。
インターネット無料と利用可の区別をハッキリつけよう
インターネット無料と利用可の違いを理解しなければいけません。
建物内にインターネットの設備が整っているだけという場合は、入居者が別途プロパイダー(回線とインターネットを接続するサービス事業者)と契約しなければインターネットは使えないため、「インターネット利用可」になります。
また、インターネット無料であっても、インターネットの通信速度が遅い場合は入居者の満足度も下がるため、通信速度も見てから契約するべきです。
6. アパート経営でのインターネット導入は、コストを回収できる見込みがあるのか要検討
インターネット無料はアパートの入居者に人気な設備のため、アパート経営でインターネット導入すれば空室改善ができたり、家賃アップができる可能性があります。
ただし、工事費などの初期費用や月額利用料がかかる点も忘れてはいけません。
かけたコストを回収できる見込みがあるのかをよく検討してから導入をしましょう。
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