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家賃交渉がしやすい物件と時期はいつ?|大家が家賃交渉された時の対処法を紹介!

不動産投資をしている大家にとって、「家賃交渉」はできるだけ避けたい事態です。

しかし、今は家賃交渉をされる機会は多いため、家賃交渉に関しての準備は欠かせません。

家賃交渉の対処法を知る上で重要なのは、そもそも入居者はどのようなスタンスで交渉してくるか?という点を知ることです。

家賃交渉してくるタイミングや方法などを知っておけば、大家としても対策を立てることができます。

 

不動産投資において、家賃は大事な収入源であり、できるだけ家賃交渉には応じたくありません。

とはいえ、空室の状態が続くほど収益が落ちるので、空室を取るか家賃交渉に応じるかは非常に難しい判断と言えるでしょう。

 

今回の解説を確認することで、家賃交渉に対する気構えができるので、交渉に強い大家になれます。

今回は「入居者目線」を中心に解説するので、入居者の視点をイメージして読み進めていってください。

目次

1. どんな物件が家賃交渉しやすいのか?

まずは、どんな物件が家賃交渉しやすいのかを理解しておきましょう。入居者目線で見ることによって、大家として家賃交渉されにくくなる方法が分かってきます。

人気がある賃貸の家賃交渉は難しい

入居者の立場からすると、人気がある賃貸物件の家賃交渉は難しいです。「人気がある」というのは、入居者目線でもある程度分かります。

今はネットで簡単に賃貸物件を検索できるので、たくさんの物件を検索する過程で「この物件は人気があるな・・・」というのが見えてくるのです。

逆に言うと、人気がない賃貸物件は家賃交渉されやすいということでもあります。

家賃交渉しやすい物件とは?

さて、入居者からすると家賃交渉しやすい物件は以下のような物件です。

  • 築年数が古い賃貸物件
  • 低層階の賃貸物件
  • 駅から離れた賃貸物件
  • 他の階も空室になっている賃貸物件
  • 部屋の間取りや備え付けの設備が時代に合っていない

①築年数が古い賃貸物件

まずは、築年数が古い物件です。築年数が古い物件は、設備・仕様も古く、外見も劣化している場合が多いです。

そのため、入居者側も「家賃交渉できる!」と思いやすくなります。築年数を感じさせないよう、リフォームや清掃をしておくことが重要と言えるでしょう。

②低層階の賃貸物件

また、低層階も防犯上の観点から不人気物件と見なされやすく、入居者は家賃交渉しやすいです。

低層階に防犯面のデメリットがあるのは事実なので、センサーを取り付けたり、ダブルロックをしたりと、防犯面を払拭できる工夫が必要でしょう。

③駅から離れた賃貸物件

入居者が必ず選択する要素に「徒歩分数」があります。

駅から徒歩分数が遠いと、単純に「歩くのが面倒」というデメリットもありますが、「競合物件が増える」というデメリットもあるのです。

そのため、駅から遠い物件は競合物件を良く調査し、適正な家賃設定にする必要があります。

④他の階も空室になっている賃貸物件

同じ建物内で空室が多いと、「この物件自体が不人気なのでは?」と入居者は思います。

そうなると、家賃交渉しやすい状況になるので、たとえば「同じような間取りは一旦募集を停止する」のような工夫は必要になるでしょう。

⑤部屋の間取りや備え付けの設備が時代に合っていない

主に築年数が古い物件に言えますが、部屋の間取りや設備が時代に合ってない部屋も「不人気」と見なされます。

とはいえ、リフォームしたり設備の入れ替えをしたりするとコストがかかるので、エリア的にターゲットを選定し、本当に必要なときだけお金をかけて改善しましょう。

譲れない点と妥協点をあらかじめ決めておく

入居者の立場からすると、気に入った物件をできるだけ安い賃料で住みたいというのが本音です。

一方、闇雲に値交渉をしても、そんなに簡単に交渉が上手くいかないという点を入居者は知っています。

そのため、絶対に譲れない点と妥協できる点をあらかじめ決め、物件探しをしている例が多いです。

 

たとえば、「エリアは譲れないが、低層階でも構わない」「バス・トイレ別は譲れないけど、日当たりは妥協する」「セキュリテイ設備は譲れないが、駅から遠くても良い」など人それぞれポイントは異なります。

大家の立場からすると、まずはエリア的にターゲット層をイメージし、その層が「絶対譲れないポイント」を強化すれば、家賃を下げなくても、妥協して住んでくれる可能性が高まるというわけです。

2. 家賃交渉しやすい時期とは?

さて、次に家賃交渉されやすいと思われている時期を知っておきましょう。大家からすると、その時期に賃貸募集をすると、家賃交渉のリスクが高まるということです。

家賃交渉をしない方が良い時期と理由について

家賃交渉しない方が良いと思われている時期は、需要が多い時期です。

需要が多い時期とは、転勤や入学、入社の時期である4月入居を目指している時期になります。

一般的には、入居の1~2カ月前から物件探しをするので、2~3月の時期は需要が高く家賃交渉はしにくいと思われています。

その次に需要が高い時期は、下期がはじまる10月頃と言えるでしょう。

また、カップル向けの住宅は、「ジューンブライド」と言われるくらいなので6月も需要は比較的高いです。

つまり、8月~9月、そして5月頃も物件を探している人が多いということです。大家側からすると、この時期に物件を出すことができれば、家賃交渉されにくいと言えるでしょう。

需要が無い時期が家賃交渉をしやすい

一方、上記以外の時期は閑散期と認識されているので、需要が低いことを入居者は分かっています。

具体的には、6月~7月、10月~翌1月は需要が低く、賃貸業界の中でも「閑散期」と言われているのは事実です。この時期に物件を賃貸に出す家賃交渉を受けやすいので注意しましょう。

入居の時期が需要の無い時期だと契約の更新時にも交渉がしやすくなる

家賃交渉がしやすい閑散期に入居すると、その後も賃借人有利に進むことになります。

というのも、一般的に賃貸借契約を結んで2年後に更新があります。2年後も同じ月になるので、閑散期に契約すれば更新月も閑散期ということです。

つまり、大家からすると「今退去されるのは嫌だ」と思われる時期であり、更新料の交渉を受ける可能性があるというわけです。

3. 家賃交渉に必要な事とは?

さて、次に入居者が思う「家賃交渉に必要なこと」を解説していきます。

住みたいと思う地域の家賃相場を予め調べておく

家賃交渉するときの材料として、「相場より高い」という常套手段があります。

その証明のために、入居者は近隣物件の家賃相場を調べ「○○という物件は10万円なので、10万円になりませんか?」のような交渉をしてきます。

それに対抗するためには、大家側も入居者が調べそうな競合物件を調べておくことです。

家賃交渉を申し出るのはどのタイミングか?

入居者が家賃交渉するタイミングは、一般的に「申込直前」が多いです。

というのも、「家賃が下がれば即申込する」という状態で交渉すれば、大家に本気度が伝わると思っているからです。

大家側からすると、仮に交渉に応じる場合には、キャンセルリスクが小さいことを必ず仲介会社に確認させましょう。

応じないなら、下手に交渉せずにキッパリと断ることが重要です。

家賃の発生日は大家さんのタイミングに合わせる

家賃交渉の上級者は、家賃の発生日を大家に合わせてきます。

一般的には、賃貸物件に申し込みを入れた日から、2週間後に家賃が発生することが多いです。

この家賃発生日を「1か月後にして欲しい」などと交渉する人もいますが、上級者は家賃発生日を大家に合わせる代わりに家賃を下げようとします。

不動産屋の営業マンと仲良くなる

基本的に家賃交渉は、入居者から仲介会社の営業マンを介して行われます。

逆にいうと、営業マンがきちんと入居者に交渉すれば、家賃交渉されなくて済むということです。

入居者側からすると、何とか不動産屋の営業マンと仲良くなり、自分が有利になるように事を運ぼうとするはずです。

そのため、大家側は営業マンと密に連絡を取り、関係性を強化しておきましょう。

値下げしたい物件について予めよく調べておく

値下げするときは、上述した「競合物件との比較」以外に、とにかく物件の欠点を探して交渉することが多いです。

言うなれば「物件の粗探し」をして、その粗に対して交渉してきます。

大家側からすると、物件の「粗」がどこにあるかを事前に把握し、指摘されないように対策しておくことが重要です。

4. 家賃交渉は誰にするのが良いのか?

次に、入居者は家賃交渉を誰にすれば良いと思っているか?ついて解説します。

結論から言うと、前項のように不動産屋の営業マンに交渉することになります。

入居者からすると、直接大家に交渉したいと思う人もいると思いますが、大家と入居希望者が直接話す機会はほぼありません。

このことからも、賃付けを依頼する営業マンは重要であり、営業マンとの関係性以外に、優秀な不動産屋に賃付けを依頼することが大事という点が分かります。

契約する時は契約書の内容を隅々まで確認しよう!

さて、家賃交渉後は入居者と大家で賃貸借契約書を交わします。

知識のある入居者であれば、賃貸借契約書が大切なことが分かっているので、内容を隅々まで確認するでしょう。

仮に、契約書と物件説明時の内容に差異が生じれば、それが交渉材料にもなり得ますので、大家側は契約書の内容に誤りがないかの確認が大事です。

5. 入居後の家賃交渉のタイミングは?

これまでは、入居者が「物件の賃貸借契約」を結ぶ前の交渉についてお話ししました。

しかし、実は入居中にも交渉されることがあるので覚えておきましょう。

入居後に家賃交渉する時は、更新時期のタイミングにする

入居者が入居中に交渉するタイミングとしては、更新時期が多いです。

一般的に、物件の更新時には「賃料の1か月分」がかかることが多く、そのタイミングで引越しを考える人もいます。

そのため、入居者からすると「更新する代わりに家賃を下げて欲しい」という交渉がしやすいということです。

この対策は、上述したようになるべく閑散期に契約しないことです。

需要の高い時期であれば更新されなくても大きな問題はないので、更新時の交渉に乗る必要もありません。

周辺の環境が悪くなったら家賃の値下げ交渉のチャンス

また、以下のように周辺環境が悪化したときも、入居者は値下げ交渉してきやすいです。

  • 嫌悪施設が周辺に建った
  • 高い建物が建築され室内環境が変わった
  • 商業施設が移転して利便性が落ちた

大家側からすると、このようなことを完全に避けることはできません。

対策としては、周辺に空き地がない立地など、物件選定のときにリスクの小さい物件にすることでしょう。

近隣の住民や大家さんとの関係が良好であって初めて値下げの交渉が成功する

当然ながら、家賃交渉を歓迎するような大家はいません。

また、たとえば近所とトラブルを起こしていたり、家賃の滞納歴があったりすると、大家が家賃交渉に応じる可能性は低いでしょう。

6. 家賃の値引き交渉の4つのコツ

さて、次に家賃の値引き交渉時のコツを解説していきます。

大家側からすると、この交渉のコツを理解しておくことで、どのような交渉をされるかのイメージができるというわけです。

コツ1:予定の予算額より少し超えている事をアピールする

大家が価格交渉に応じるときは、入居者が価格交渉する明確な理由があるときです。

というのも、明確な理由がないとズルズル交渉され続ける可能性があり、さらに交渉に応じてもキャンセルリスクが高まります。

そのため、予算額を明確にし、その予算額よりも○○円オーバーしているという交渉は成功確率を上げます。

コツ2:家賃を値下げしてくれたら契約すると伝える

家賃交渉と賃貸借契約はセットです。とにかく大家には本気度を伝え、大家にもメリットがある交渉でなければ契約しません。

そのため、交渉はするものの契約するかどうか分からないという状態では、まず交渉に成功することはないでしょう。

コツ3:下げてほしい金額を具体的に伝える

交渉の際は「とにかく家賃を下げて欲しい」という言い方は避けましょう。

なぜなら、この言い方をしてしまうと、根拠のない家賃交渉と思われてしまうからです。

そうなると、大家に本気度が伝わらず、交渉は失敗に終わる可能性が高いでしょう。そのため、交渉の際は具体的な金額を大家に伝えるのはマストです。

コツ4:家賃以外の費用を安くして貰えないかお願いする

家賃交渉が難しければ、礼金やフリーレント、設備交換の順番で交渉しましょう。

そもそも、大家からすると家賃は今後も将来的につづいてく収入なので、一度下げると将来的な収益減につながります。

そのため、一時的な費用である家賃以外の交渉の方が、大家は応じてくれる可能性が高まるというわけです。

7. 家賃の値下げ交渉が必ずしも良いわけではない

家賃が下がれば入居者からすれば嬉しいですが、必ずしも交渉すれば良いというわけではありません。

交渉することで、目当ての物件を逃してしまうこともあるので気を付けましょう。

大家からすると、入居者にはこのような心理もあるという点を知っておくことが大切です。

傲慢な態度での値引き交渉はしてはいけない

上述したように、値引き交渉するときの窓口は不動産屋になります。

当然ながら、営業マンも仕事とはいえ「人」なので、傲慢な態度で値引き交渉するのは避けるべきです。

傲慢な態度を取られると、営業マンは味方になりたがらないでしょう。

値引きありきで賃貸を探すと良い物件を逃してしまう可能性がある

賃貸物件の値引き交渉は、決して確率の高い交渉とは言えません。

そのため、値引き交渉ありきで物件探しをしてしまうと、中々物件の契約ができないという事態になってしまいます。

そうなると、良い物件を逃してしまうリスクもあるので、「良い物件があって家賃だけがネックである」という状態のときに、はじめて値引き交渉するようにしましょう。

8. 大家の立場として家賃交渉をされた場合の対処法

さて、ここまで入居者の立場から家賃交渉を解説し、時折大家側の立場からの対策なども解説してきました。

最後に、それらを加味して大家の立場として家賃交渉されたときの対処法を解説していきます。

値引きする時の判断基準を明確にしておく

大家として、値引き交渉に応じるときは判断基準を明確にしておきましょう。たとえば、以下のような基準です。

  • ○○万円であれば交渉に応じる
  • 賃貸借契約が前提で日程を決められる
  • 入居審査をしてから通過している前提

金額的な面以外にも、契約日の設定ができていたり、入居審査をしていたりという基準もあります。

これらの要素は、「値引き後確実に入居する」という確信につながる要素です。

家賃の値引きをしたくない場合の対処方とは?

家賃交渉には応じたくないものの、入居して欲しいといには、以下のような代替案を提案するという方法もあります。

  • 新たな設備を導入する
  • 仕様をグレードアップする
  • クリーニングなどの付帯サービスを利用する

たとえば、インターホンをモニター付きに変更したり、トイレをウォシュレット付きにグレードアップしたりします。

もちろんコストはかかってきますが、設備と仕様をグレードアップすると、退去後にもプラスの要素として働くので、大家としてもメリットは大きいです。

フリーレントを取り入れる

フリーレントとは、「入居から1か月は賃料ゼロ円」などのことです。

家賃を一定期間ゼロ円にすることで、入居までのハードルを下げることを目的にしています。

上述したように、家賃を下げると将来的な収益減になるので、一時的な収益減に抑えた方が良いのです。

たとえば、家賃を月々13万円から12万円に下げたとします。仮に、その入居者が3年間(36カ月)住み続けた場合には、3年間で36万円もマイナスになるということです。

この状態であれば、1か月のフリーレントを設けた方が、損失は13万円で済むのでお得と言えます。

9. 家賃交渉のコツを知って値下げ交渉による対処法を予め考えておこう!

家賃交渉を知るには、まず入居者の家賃交渉術を知りましょう。上述した点を理解しておけば、入居者のスタンスや交渉の本気度が見えてきます。

それは、家賃交渉する上で非常に大切なことであり、大事な「家賃収入」を守ることにつながるのです。家賃交渉のコツを理解し、自分の大事な資産を守っていきましょう。
 

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