管理委託契約の全知識注意ポイントまとめ|損をしないために自分でできること

あなたの住んでいるマンション。清潔で住みよい環境が整っていますか?
例えば、

  • 廊下はいつもピカピカ!
  • エレベーターは故障することなく毎日運転!
  • 駐車場も安全に利用できる!
  • 住民同士のコミュニケーションも困らない!
  • 管理人さん・コンシェルジュとコミュニケーションが取れる
  • 設備故障トラブルも迅速に対応してくれる

などなど…安心安全な生活を送るにはマンションの管理体制が整っていることがとっても重要なんです!不動産における管理委託契約はマンション・アパートに関わる管理をプロにおまかせするときにする契約です。

住民にとって超重要な管理委託契約。その基本から注意したいポイントまで、この記事で解説していきます。日常当たり前のように行われている、マンションの管理。気にならないから大丈夫!なんて無関心だと、後々、大変なことになるかも…。この記事を参考に管理委託契約について考えてみましょう。

Index

1 管理委託契約とは?

管理委託契約とは分譲マンションや賃貸物件の管理を管理会社に委託する契約のことです。

賃貸物件の管理委託契約

賃貸物件の管理委託契約は建物の管理や入居者管理などの業務を管理会社に委託する契約のことです。

分譲マンションの管理委託契約

分譲マンションの管理委託契約はマンションの共有部分や修繕積立金などを管理する管理組合業務を管理会社に委託する契約のことです。

1−1 賃貸物件の管理内容

賃貸物件の管理内容は多岐にわたります。大きく分けると「入居者管理(ソフト面)」と「建物管理(ハード面)」です。物件に必要な委託内容をオーナーが確認します。全部を委託管理するか、一部のみ委託管理にするのか、もしくは自主管理することもできます。委託する場合は内容によって金額が変わります。

ソフト面の管理 ハード面の管理
・リーシング

・入居者選定

・入居契約、契約更新

・入居者のクレーム対応

・退去時の立食

・家賃の入金管理

・家賃を滞納した場合の督促、回収

・建物に関するトラブル対応

・工事業者との連絡、監督

・建物の清掃業務

・メンテナンス業者の管理

・建築設備の定期検査

・室内防災点検

・電気設備点検

1−2 賃貸物件の管理費・共益費

借主が賃貸借契約を交わした際、家賃とともに管理費や共益費を支払う場合があります。

管理費とは?

建物の修繕や清掃などを管理するのに使われる費用。

共益費とは?

共用部分の水道光熱費や清掃費用などに使われる費用。

入居する物件によって管理費・共益費の有無は変わってきます。正確には管理内容が異なりますが、どちらも同じ意味で表記されている場合が多いです。

関連記事共益費が入居者の満足度を左右する!~知るだけで圧倒的に変わる知識~

2017.09.21

1−3 分譲マンションの管理組合

管理組合簡略図

管理組合見取り図

分譲マンションの管理組合は、共有部分を管理するために区分所有者によって構成される組織です。分譲マンションを購入した住民は、必ず管理組合に入ることが区分所有法という法律で定められています。管理組合は以下の組織図によって構成されます。

1−4 分譲マンションの管理方式と業務委託

分譲マンションの管理方式は大きく分けて2種類あります。

①管理業務を管理会社に委託する方式

「全部委託」と「一部委託」があります。分譲マンションの管理を専門の業者(管理会社)に委託する方式。管理内容は委託する管理会社によって異なります。

②管理業務を全て区分所有者で管理する

これを「自主管理」といいます。管理会社に管理費を支払う必要がないので、管理費用を節約することができます。また、住民同士がマンション管理に対して高い意識を持つことができるメリットがあります。ですが、マンション管理は専門的な知識を必要が必要になります。理事会の運営や適切な大規模修繕の積立計画など住民への負担が大きくなります。

現在のマンション管理方式は業務委託しているケースが多いです。

関連記事サブリースとは何か|仕組みからメリットデメリットまで徹底解説します

2018.10.01

1−5 分譲マンションの専有部分と共有部分

分譲マンションには区分所有者の専有部分と共有部分があります。

①専有部分

専有部分は区分所有者が居住している住居内を指します。インフラ網に関しては原則として居住空間内の配管(配線)が区分所有者の専有部分となります。

②共有部分

共有部分はエントランス・ロビー・階段・廊下・エレベーター・ゴミ置き場・駐車場・駐輪場など区分所有者が共有で使用する部分のことを指します。気をつけたい点はベランダ・ガーデンポーチ・専用庭です。これは居住者に専用使用権のある共有部分です。一見、専有部分と勘違いしがちですが、緊急時、災害時など避難経路として使用されるので共有部分とみなされます。

1−6 分譲マンションの修繕積立金

修繕積立金とは、共用部分の修繕のために必要な費用を住人が積み立てることをいいます。
マンションの性能を維持していくためには、定期的な大規模修繕が不可欠です。
マンション修繕のタイミング

大規模修繕のタイミング

国土交通省のガイドラインでは築12年目で大規模修繕工事を行うことを推奨しています。ですが必ず12年目で実施しなければならないわけではありません。どの程度の周期で大規模修繕を行うのかは管理組合できちんと話し合う必要があります。

自主管理をしている人で管理委託を考えている人は

自主管理と管理委託の違いを詳しく説明しているきじがありますので、こちらをご覧ください

関連記事自主管理と管理委託の違いとは?知っておくべき7つのポイント

2017.06.02

2 管理委託契約書とは?

マンションや賃貸物件・駐車場などの維持管理などを管理会社に委託した際に、対象者と管理会社との間で交わした契約内容を記載した契約書のことです。

また、管理委託契約書内に請負に関するものがある場合は印紙が必要になります。

2−1 マンション標準管理委託契約書とは?

マンション管理会社と管理組合で取り決めた内容は契約書に記載する必要があります。その標準的な契約指針として国土交通省が策定した契約書の雛形が「マンション標準管理委託契約書」です。指標となる雛形がないと重要項目の記載漏れが発生してしまう可能性があります。また、専門知識のない管理組合は、マンション管理業者にとって有利な契約内容になっていることに気づかないまま締結してしまう危険があるからです。

マンション標準管理委託契約書(雛形テンプレ)

管理知識の少ない管理組合でも、管理対象項目・契約項目を明確に知ることができる!

知識をつけることで、管理会社有利な契約にならず、安心して契約できる!

改正されることもあるので、契約更新時に管理会社か、国土交通省のHPを確認して最新情報をチェックしよう!

2−2 マンション標準管理契約書 コメント

「マンション標準管理契約書コメント」は「マンション標準管理委託契約書」と共に作成されています。利用する管理組合のためにマンション標準管理契約書の各条項についてわかりやすく説明しているものです。

マンション標準管理委託契約書・コメント改正情報 追記

マンションの管理状況などに関する情報の開示に係る規定の整備されたこと等を踏まえ改正内容が平成 28年 3月に国土交通省より発表されました。

 

改正項目

  1. マンション標準管理委託契約書第14条
  2. 14条関係のコメント
  3. マンション標準管理委託契約書の「別紙 宅地建物取引業者等の求めに応じて開示する事項」
  4. 別表第5関係部分のコメント

改正項目を確認したら、改正内容を細かく見ていきましょう。

①開示を要求できる対象項目を充実した

区分所有者が売却などを考え、宅地建物取引業者に依頼した際、管理組合に対して開示を要求できる項目が増加した。

②管理会社へ情報を開示を要求できる相手が拡大した

区分所有者から依頼を受けた宅建業者に加え、売却予定者(区分所有者)も管理会社へ情報開示を求めることができる。

③購入予定者への情報開示方法が充実した

管理規約は写しを提供する、その他の開示対象情報は、書面のみだったが、電子的方法による開示が許可された。また、交付相手に費用負担をさせることも可能になった。

④その他要素の充実

管理委託契約書に定められている内容であっても「敷地及び共有部分における重大事故・事件」などの個別性の高い項目は、該当事項ごとに管理組合に開示の可否を確認・承認を得た上で開示することも考えられる。プライバシー情報が含まれている場合は、個人情報保護法の趣旨を踏まえる必要がある。

2−3 管理委託契約書で損をしない為のチェックポイント

賃貸マンション編

投資用として購入した物件や転勤により自宅を賃貸する場合は、物件を管理してくれる管理会社を利用する場合が多いです。管理委託した場合のチェックポイントをまとめました。

オーナーのチェックポイント

・契約期間 更新、解除の条件は?(基本的に2年契約が多い)

・各種金額の取り扱いは明確か?

・入居者管理、募集は望んだ内容になっているのか?

・建物管理内容に不備がないか?

分譲マンション編

管理会社との契約が管理組合の意思に沿った内容になっているか確認する必要があります。特に重要なポイントをまとめました。あなたのマンションの管理委託契約書と照らし合わせてチェックしてみてください。

分譲マンション区分所有者のチェックポイント

・管理内容は希望通りか?

・管理委託業務の対象部分はきちんと明記されているか?

・定額委託管理費用の内訳が明記されているか?

・管理費の未納者に対する督促期間が記されているのか?

駐車場編

マンションの駐車場を利用する場合も契約を結ぶ必要があります。こちらも契約書のチェックポイントを確認してみましょう。

駐車場のチェックポイント

・月額の使用料金は適切か?(近隣駐車場と比較してみる)

・機械式駐車場の場合は、大規模修繕計画が立てれいるか?

・管理費の未納者に対する督促期間が記されているのか?

・駐車場の管理費が修繕積立金に回されているか?

2−4 管理委託契約の金額相場はいくら?

賃貸マンション編

管理会社や管理内容によって金額に差があります。
管理会社に支払う手数料として一般的な目安は以下の通りです。

管理だけの場合
家賃の3~5%
家賃10万円の場合 管理委託手数料5%の場合
管理会社に支払う手数料 5000円

 

「滞納保証付き」
家賃の5~10%
家賃10万円の場合 管理委託手数料10%の場合
管理会社に支払う手数料 10000円

分譲マンション編

管理費の平均は1戸あたり10,661円となっております。全体の合計金額は500戸以上の大規模マンションが含まれるため高額になりました。基本的には戸数が増えるにつれて戸別の管理費は安くなる傾向があります。ただし、高層マンションや備わっている設備(エレベーターの数など)によっても金額が変わってきます。

戸数 管理費総額(円) 管理費戸別(円) ㎡当たりの月額管理費(円)
20戸以下 246,000 16,595 201
21〜30戸 291,000 11,191 151
31〜50戸 460,000 11,304 164
51〜75戸 664,000 10,727 148
76〜100戸 844,000 9,621 128
101〜150戸 1,139,>000 9,314 128
151〜200戸 1,601,000 9,390 114
201〜300戸 2,229,000 9,100 119
301〜500戸 3,268,000 8,550 108
500戸以上 8,231,000 11,814 145
不明 90,000 7
全体 1,051,000 10,661 145

国土交通省 平成25年度マンション調査参照

駐車場編

駐車場代の決定要素
  1. 駐車場施設償却費
  2. 修繕費
  3. 管理事務費用
  4. 駐車場敷地の固定資産税
  5. 駐車スペースと需給関係
  6. 近隣の優良駐車料金の相場

駐車場の管理費用は、新築の場合0円というケースもあります。しかし、基本的には近隣の月極駐車場を基準として算出されます。理由としては、安すぎるとマンション内の駐車場が埋まっていて利用できない区分所有者がいた場合、不公平になるからです。逆に高すぎると利用する区分所有者がいなくなる恐れがあります。

3 管理委託契約書と重要事項説明書の違い

新規、更新契約に関わらず、管理委託契約は、管理会社が行うすべての管理業務に関して実施頻度や作業人数などを詳細に明記した「重要事項説明書」を分譲マンションなら区分所有者全員に配布します。その上で管理業務主任者が直接説明をします。そのプロセスを経て、初めて管理委託契約は締結されます。

賃貸の場合は不動産会社または管理会社の宅建業者から「重要事項説明書」の内容説明を直接受けます。その上で、管理委託契約を締結されます。

3−1 重要事項説明書とは?

重要事項説明は契約をする際に、「契約の条件」についての全ての事項の説明のことです。その説明時に使用される説明書を「重要事項説明書」といいます。

3−2 重要事項説明書はしっかり読み込むこと

重要事項説明書は管理会社との契約事項をすべて明記した説明書です。細かく、難解な部分もありますが、後悔しないためにもしっかり読み込みましょう。不動産における重要事項説明書は管理委託契約書の概要説明の役割も果たしています。納得した上で契約しなければ後悔するのは、契約者です。

4 管理委託契約の更新

管理委託契約は1年(2年)ごとに更新する場合が多いです。建物や入居者は時間の経過とともに変化していきます。常に最良の管理ができるよう1年ごとに管理内容を見直すことが大切になります。

4−1 管理委託契約の更新方法

基本方針は国土交通省から提供されている契約書の雛形で確認しておきましょう。管理会社によって内容が違う場合が多いので、契約を締結する前に確認しましょう。

分譲マンションの場合
更新方法「マンション標準管理委託契約書 第21条 契約の更新」参照
「契約を更新しようとする場合、本契約の3か月前までに、相手に対し、書面で、その旨を伝える必要がある」
問題なく管理が行われている状況なら、管理組合で協議の上、更新手続きを行いましょう。また、更新内容に納得がいかない場合は、期間内にその旨を申し出ましょう。両者合意に至らず更新期間を過ぎてしまった場合は、本契約と同一条件で、期間を定めて暫定契約を締結することができます。焦らず、内容をきちんと 理解して上で更新しましょう。

 

賃貸物件の場合
更新方法「賃貸住宅管理受託契約書兼重要事項説明書(参考)第3条参照
「本契約は、両者間の協議により更新することができる」
これはあくまで国土交通省の雛形になります。各管理会社によって契約期間は異なりますので、契約後の管理体制・内容を精査し更新の方法を確認してください。

4−2 更新を考える時に知っておくべきポイント

実際に管理を任せてみないとわからない部分もたくさんあります。もし、管理体制に問題がある場合は管理会社に相談しましょう。更新時期には、どこが不十分なのか管理組合で協議することも、管理の質を落とさないポイントとなります。

分譲マンションのチェックポイント

  1. 組合からの依頼に対して早急に対応してくれるか?
  2. 管理の質を上げるための提案力があるか?
  3. トラブルがあったとき、会社の意見を通すよりも、組合の意見を聞く姿勢があるか?
  4. 理事会や総会に毎回出席しているか?

 

賃貸物件のチェックポイント

  1. 入居者トラブルの早期解決に尽力してくれるか?
  2. 常に清潔で住みやすい環境に整えられているか?
  3. 設備不良などがあった場合、早急に連絡をくれているか?
  4. 退去から入居者募集までスムーズに対応してくれるか?

 

5 管理委託契約の解約方法は?賃貸・分譲別まとめ

何かしらの理由があり、契約の解約をしたい場合はどのようにすればよいのでしょうか?

分譲マンションの場合
解約方法 「マンション標準管理委託契約書 第19条 解約の申し入れ」参照
「相手方に対し、少なくとも3カ月前に書面で解約の申し入れを行うことにより、本契約を終了させることができる」
また、第18条では、契約で定められた義務を履行しない場合や、解除対象とおなる要因が記載されています。ポイントとしては、契約の更新も解約も「3カ月前」に通達することです。
契約解除項目

  • 管理会社が銀行取引を停止されたとき
  • 著しく破綻、会社構成、民事再生の申し立てを受けたとき
  • 管理会社が合併または破綻以外の事由により解散したとき
  • マンション管理業の取り消し処分を受けたき

 

賃貸物件の場合
解約方法 「住宅の標準賃貸借代理及び管理委託契約書(一部委託型)第25条解約の申し入れ」参照
相手方に対して、少なくとも3カ月前に文書により解約の申し入れを行うことにより、この契約を終了させることができます。また、管理会社は3カ月分の管理報酬相当額の金員を依頼者に支払うことにより、随時にこの契約を終了させることができます。
こちらも「3カ月前」がポイントです。
契約解除項目

  • この契約に定める義務が履行されなかった場合は相手方に通達し、相当の期間を定めて履行を催促する。しかしその期間内に履行がないときは、契約を解除することができます。
  • 管理会社がこの契約に係る重要な事項について故意もしくは重大な過失により事実を告げない、なたは不実のことを告げる行為をしたとき。
  • 管理会社が宅地建物取引業に関して著しく不当な行為をしたとき。

6 管理委託契約の雛形テンプレが掲載されているサイトまとめ

①分譲マンション編

引用:一般財団法人 マンション管理業協会(サイト名)
http://www.kanrikyo.or.jp/format/kiyaku.html

こちらのサイトには国土交通省が提供しているマンション標準管理委託契約書の雛形からコメント、マンション管理業務共通発注仕様書のPDFまで掲載しています。
②賃貸マンション編

引用:大人の相続
http://www.otona-souzoku.com/template/search/tc_4/detail_97/

こちらのサイトは様々な契約書のテンプレートを掲載しています。賃貸マンションの管理委託契約は、管理会社によって異なる場合が多いので参考までに御覧ください。

7 管理委託契約は結局あり?なし?

多岐にわたる不動産管理ですが、委託契約をすることで区分所有者、オーナーともに不安や負担を軽減することができます。しかし、中には高額な管理料を請求したり、ずさんな管理体制で入居者が出ていってしまったり…管理会社に任せればすべてがうまくいくとは限りません。危険を回避するには、管理委託契約の知識を少しでもつけることです。すでに管理委託契約書が手元にある方は、是非再度、内容を確認してみてください。記事のポイントを参考に、安心して住める環境づくりを、管理の側面から考えてみましょう。

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