長年住み慣れたマンションを売却する理由は、人によってそれぞれ異なります。
今より良い住環境に移転する人もいるでしょうし、売却せざるを得ない事情もあるでしょう。
理由はともあれ、保有しているマンションはうまく売却をしたいもの。
この記事では、中古マンションを売却する際に注意しなければならない13の注意点について解説をします。
その他、契約後と引き渡し後それぞれの注意点についても解説しますので、マンション売却を検討している方は是非参考にしてください。
目次
- 1. 中古マンションを売却する時の13の注意点
- 2. 中古マンションの売買契約時と契約後の注意点
- 3. 中古マンションの引き渡し後の2つの注意点
- 4. 中古マンション売却時の注意点を押さえて無事に売却しよう!
1. 中古マンションを売却する時の13の注意点
中古マンションを売却する際に気を付けなければならないことは多くありますが、13の点に絞って解説しましょう。
①まずはマンションの現状を事前に把握する
上手に売却するための第一段階として、まず所有するマンションの現状について把握しておかなければなりません。
マンション売却時に必要な書類を事前に揃えておく
マンション売却に必要な書類は、いろいろあります。
売却間際になって焦らないように、下記に挙げるような書類は事前に揃えておきましょう。
必要書類 | 概要 |
権利証または登記識別情報通知書 | 登記がされていることを証明する書類で、不動産の権利者が誰であるか確認するもの |
マンション取得時の契約書やパンフレット | 売却する際には不要だが、確定申告をするときにあれば便利 |
登記事項証明書または登記簿謄本 | 所有者の氏名・住所・土地や建物の所在や面積などが記載 |
②マンションを査定して相場を確認しておく
事前に周辺にあるマンションの相場を知っておかないと、とんだ安値で売却してしまうことも。
複数の不動産会社に一括で見積もり査定できるサイトもあります。
不動産会社は無料で査定してくれるので、気軽に相談するようにしましょう。
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③マンション売却時にかかる諸費用の算出をしておく
マンションを購入する際には諸費用が掛かることはご存知と思いますが、売却するときにも同様に必要。
あらかじめ売却にかかる費用を把握しておき、その段になって慌てないようにしましょう。
売却にかかる諸費用には、次のようなものがあります。
仲介手数料
マンションの売買契約の仲介をした不動産会社に払う手数料。
宅建業法で定められ、売買の場合には下記の表により計算が可能です。
売買代金 | 仲介手数料 |
200万円以下の部分 | 5% + 消費税 |
200万円を超え400万円以下の部分 | 4% + 消費税 |
400万円を超える部分 | 3% + 消費税 |
抵当権抹消登記費用
- 登録免許税…抵当権を抹消するために必要 、不動産1件につき1,000円
- 司法書士への報奨金…8,000円~12,000円が相場
住宅ローン完済の際に銀行に支払う費用。事務手数料として1~4万程度が相場です。
印紙税
売買契約を締結した場合に契約書に貼る印紙で、売却価格により税率は異なります。
不動産譲渡所得税
高値で売却する際には不動産譲渡所得税が発生します。
引越し費用
新住居へ移るための費用で、10~20万円ほどが必要になります。
クリーニング費用
売却する際にマンションをクリーニングする費用。
リフォームの程度により金額は大きく異なります。
費用を抑える制度を把握しておく
売却に関わる費用は大きいので、費用を抑える制度を把握し活用しましょう。
3,000万円特別控除
売却益が出た場合に譲渡所得が掛かりますが、自宅ならば確定申告で3,000万円まで控除可能。
損益通算
売却損が出た場合には、ほかの利益と合算し利益を抑えることが可能不動産の所有期間が5年以下の場合には、短期譲渡となり税率が高くなるので注意が必要です。
④ローンが残っている場合の注意ポイント
住宅ローンが残っていても売却は可能ですが、通常金融機関はローンが完済されなければ売却には応じません。
よって、売却するマンションの価格が住宅ローンより高い場合には、売却することでローンが返済可能。
売却するマンションの価格が住宅ローンより低い場合には、預貯金や借り入れによりローン返済できれば売却が可能になります。
金融機関への事前相談がおすすめ
売却代金では残債を完済できない場合もあるでしょう。
たとえば、買い替えを検討しているのであれば、不足分を新しく購入する物件のローンに上乗せして「買い替えローン」とすることもできます。
あらかじめ金融機関に相談しておきましょう。
⑤マンションを相続する時の注意ポイント
マンションを売却する時期が相続前か相続後かで、相続税の扱いが大きく違ってきます。
相続発生前の売却
相続が発生する前にマンションを売れば、相続でもめることなく現金化した遺産を分割できます。
不動産で相続する場合には、固定資産税評価額で評価されるので市場価格の5~7割程度。
しかし現金で相続する場合には、そのままの金額に課税されるので割高になります。
相続発生後の売却
相続発生後にマンションを売却する場合には相続人全員の同意が必要。
なお、売却に際しては、被相続人から名義変更されていなければならないので、確認をしておかねばなりません。
⑥賃貸中のマンションを売却する時の注意ポイント
賃貸しているマンションを売却するには、入居者に退去してもらってから売却する方法と入居したまま売却する方法があります。
退去してもらい売却
入居者に退去してもらってから売却するには、通常のマンションと同じように売却できます。
しかし入居者に立ち退いてもらわなければならないので、時間がかかるでしょう。
賃貸中のまま売却
入居したままで売却する場合には、利回りでマンションの査定金額が決まります。
したがって家賃収入が多ければ、高く売却することも可能。
⑦売却するマンションが遠い場所にある場合の注意ポイント
マンションが遠方にある場合には、現地で不動産会社を探す必要があります。
また、契約時や引き渡し時には、通常売主が立ち会う必要も。
そのため遠方にあるマンションを売るには、時間と手間と費用が掛かることを留意しておかねばなりません。
⑧住んでいるマンションを売却する時の注意ポイント
居住中のマンションを売る際には、購入希望者の内覧があるのが普通です。
少しでも高く売りたいと思えば、内覧に合わせて部屋の掃除や整理整頓が必要。
部屋の印象の良さや対応の仕方が、購入に大きな影響を与えるので十分気を配らなければなりません。
⑨マンションの買い換えを検討している場合の注意ポイント
マンションを買い替える場合には、今住んでいるマンションを売却してから新たなマンションを購入する方法と、
初めに新居を購入しその後に売却する方法があります。
初めに居住中のマンションを売却
初めに今住んでいるマンションを売却できれば、購入するマンションの資金計画が立てやすくなります。
マンションが高く売れれば、うまくすれば購入費用を用意する必要がないことも…。
しかしその反面、新しいマンションを購入するまで、一時的に賃貸住宅に移転が必要になったり引越し費用が余分に掛かってしまうこともあります。
最初に新たなマンションを購入
初めに新たに住むマンションを購入する場合、時間的な制約もないのでゆったりと希望する新居を探せます。
したがって、自分に満足のいく新居を購入できるでしょう。
しかし今住んでいるマンションのローンが残っているケースでは、支払いが二重になってしまったりつなぎローンが必要になることもあります。
またマンションが予定通りの金額で売却できないときには、資金を別途用意しなければならないことも起こり得ます。
⑩売却するマンションのリフォームを検討する場合の注意ポイント
古いマンションを売却する場合には、リフォームやリノベーションを行い、売りやすくすることもあります。
しかしうまくリフォームをしないと、期待していた家賃収入を得られず、お金だけ掛かってしまったということも。
⑪共有資産のマンションを売却する時の注意ポイント
マンションの共有者に売却する場合には、自分の持ち分を法務局で確認しておきましょう。
売却の場合は、通常下記のどちらかの方法によります。
他の共有者に売却する
他に共有者に売却する場合には、たとえ身内であってもきちんと売買契約を締結し所有権の移転をしなければなりません。
さもないと贈与であるとみなされ、高い贈与税を課せられます。
共有者全員の合意のもとに売却
この場合には、売買契約書の売主欄に共有者全員が証明し、実印で押印しなければなりません。
⑫マンションのアピールポイントを調べておく
マンション購入予定者は、一般的に間取りや建物の状況など外から見える部分で判断して購入を決めます。
しかし外見だけでなく、
- 周辺の環境や交通手段
- 学校や病院が近いこと
- 買い物の便利さ
- 建物の堅牢さ
など外見ではわからない部分にも長所があれば、アピールしたいもの。
⑬売却物件のターゲットを明確にしておく
マンションを上手に売却するにはマンションの特徴を把握し、それに合ったターゲットを明確化しておくことも大事なこと。
住んでいるマンションがファミリー向きなのかあるいは高齢者か単身者かなどを把握し、ターゲットに合致した広告などの販促施策を打つことも必要な方法です。
2. 中古マンションの売買契約時と契約後の注意点
マンションを売却する際には売買契約を締結しますが、契約時および契約後の注意点について解説します。
売買契約する時の注意ポイント
不動産売買契約書には売主・買主の権利義務が記載されていますが、契約を結ぶと売主・買主とも契約書の条項に縛られることになります。
契約書には売主に不利になる条項もあるので、内容をよく理解しておくことが大事。
売買契約後の注意ポイント
売買契約後の注意しておかなければならない事項を2つ挙げて説明します。
住宅ローン特約
一般的にマンションを購入するときには金融機関の融資を受けますが、借り入れをできなかった場合には買主はマンションを購入できません。
そのような場合に備えて、通常住宅ローン特約を契約書に入れます。
住宅ローン特約とは、融資を受けられなかった場合に売買契約が存在しなかったものとして白紙解除するもの。
売主が手付金を受け取っている場合には、そのまま返却しなければならず損害賠償も請求できません。
瑕疵担保責任
不動産を売却したのちに、建物に欠陥が見つかった場合には売主は瑕疵担保責任を負わなければなりません。
担保を負わなければならないのは物件を購入する際にわからなかった欠陥で、
売主は補修や損害賠償、最悪の場合には契約解除を求められます。
瑕疵担保責任を負う期間は、契約書において2~3ヵ月と定める場合がほとんど。
3. 中古マンションの引き渡し後の2つの注意点
中古マンションを引き渡したらそれで終わりではありません。
次の点を忘れずに行うようにしましょう。
忘れずにマンション管理組合に連絡を入れる
マンションの退去が決まったら、早急に管理組合に対して資格喪失報告を行いましょう。
報告が遅くなると、管理費や修繕積立金が口座から引き落とされてしまうので早めの手配が大事。
忘れずに確定申告をする
マンションを売却すると、譲渡利益に対して所得税がかかります。
所得税の申告は確定申告により行いますが、納税を忘れたり遅くなると延滞税がかかってきますので注意しなければなりません。
譲渡損失が出た場合も確定申告で損益通算を
譲渡所得税と住民税は、売却により利益が出た時に支払う税金です。
売却損が出たときにも、所得税の還付を受けられる場合もあり、単年度で控除しきれない損失は翌年以降3年にわたり控除が可能なため、確定申告しましょう。
4. 中古マンション売却時の注意点を押さえて無事に売却しよう!
中古マンションを売る場合には、失敗せずに上手に売却したいものですよね。
売却時の注意点をきちんと押さえて、スムーズに売却するようにしましょう。
なお、中古マンションで相談したい点やお困りの点があれば、MIRAIMOを運営している株式会社スマミンのローン借り換え個別相談会へお気軽にご質問ください。