アパートや賃貸マンションのオーナーになって、家賃収入を得たいと考えている人が少なくないようです。
最近は、マスコミの報道を耳にして、少子化による年金問題など将来に不安を感じている人もいるかもしれません。
家賃収入をプラスすることで充実した将来設計ができるような気がしませんか?
できることなら賃貸物件のオーナーとして起業することで将来に備えたいものです。
ところで、不動産を活用した起業方法には、どのような種類があるのかご存知ですか?
また、賃貸物件のオーナーになるためには免許や資格がいるのかどうかも関心があるでしょう。
さらに、街の不動産屋さんとの違いも気になるのでは?
そこで、今回は不動産を活用した起業方法を紹介します。
また、起業に向けて、あらかじめ準備しておかなければいけない内容も解説しましょう。
不動産投資で成功するために必要なチェックポイントになるので参考にしてください。
目次
1. 不動産による起業には主に2種類ある
不動産を活用して起業するためには、主に2つの種類があります。
一般的に不動産投資として行われる「不動産賃貸業」と
不動産屋として土地や建物の取引を行なったり斡旋したりする「不動産仲介業」です。
①不動産賃貸業
不動産賃貸業とは、アパートや賃貸マンションなどの不動産オーナーになり、貸主として賃貸収入を得る事業です。
一般的に「大家」や「地主」と呼ばれています。
自ら賃貸するなら免許は不要
経営するために免許などは必要ないため、不動産投資として運営する人が少なくありません。
ただし、免許が不要なのは「自ら賃貸」する場合のみであり、
他人の賃貸を仲介するためには、宅地建物取引業法の「免許」を取得しなければならないので注意が必要です。
②不動産仲介業
不動産仲介業を行うためには、宅地建物取引業法の「免許」が必要です。
宅地建物取引業とは、不動産を「自ら売買・交換」「媒介して売買・交換・貸借」「代理して売買・交換・貸借」することを言います。
「媒介」とは、取引の手助けをすることで、一般的には仲介と言われます。
また、仲介している契約の当事者の代わりに契約を結ぶところまで手を貸すのが「代理」です。
不動産取引の専門家とされるので、宅地建物取引業に精通している「宅地建物取引士」を設置しなければならないとされています。
不動産賃貸業と不動産仲介業の違い
不動産賃貸業と不動産仲介業の違いは、しっかり押さえておかなければいけません。
なぜなら、賃貸業と仲介業は同じように不動産で取引をするのですが、その内容は全く異なるからです。
副業のしやすさ
副業のしやすさで言うと、不動産賃貸業に軍配が上がるでしょう。
不動産仲介業であれば、売主と買主の都合に合わせて運営しなければいけません。
したがって、一般的に時間が拘束されます。
しかし、不動産賃貸業であれば本業の隙間時間で運営が可能です。
また、不動産仲介業では事務所を設けなければいけませんが、不動産賃貸業では特に事務所を設ける必要がありません。
したがって、不動産仲介業は副業として行うのは難しく、本業の合間に行う副業としては不動産賃貸業の方が運営しやすいのです。
資格の有無
不動産仲介業を行うためには、宅地建物取引業法に基づく免許が必要に。
したがって、無免許で行うとペナルティーを受けることになるのです。
また、不動産取引のプロである宅地建物取引士の設置も義務付けられます。
しかし、不動産賃貸業では免許が必要とされません。
したがって、アパートや賃貸マンションの大家になるために免許や資格を意識する必要がないのです。
収益方法による違い
不動産賃貸業の収益は家賃収入になるので、月々の収入としては少額になりますが、長期にわたって収益を上げることができます。
収益としての安定性を期待するのであれば、有効な収益方法だと言えるでしょう。
不動産仲介業は、たとえば売買の仲介を行えば宅地建物取引業法で定められた範囲内で高額な仲介手数料を得ることができます。
しかし、毎月売買の仲介を行えるとは限りません。
したがって、取引ごとの収益は大きいのですが、安定性には欠けることになります。
2. 不動産賃貸業のメリットやデメリット
サラリーマンが起業する場合には、不動産仲介業よりも不動産賃貸業の方が起業しやすいと言えそうです。
そこで、不動産賃貸業に的を絞って紹介しましょう。
まず、不動産賃貸業のメリットやデメリットを確認します。
メリット
免許や資格が不要
起業するために免許や資格がいらないという手軽さは大きなメリットでしょう。
また、初心者でも不動産会社や管理会社を活用することで効率の良い運営が可能。
本業が忙しくてもできる
また不動産の管理を管理会社に任せることで、手間がかからず、サラリーマンを続けながら副業として行うことができます。
長期にわたって安定した家賃収入を得ることができるというのもポイント。
サラリーマンとしての給与収入が維持できるので、万が一の場合にもリスクが少ないと言えるでしょう。
また、サラリーマンであれば安定した収入があるので金融機関からの融資も受けやすいのです。
デメリット
初期費用がかかる
不動産賃貸業を行うためには、賃貸する不動産が必要なので購入資金など初期費用の額が少なくありません。
自己資金で足りなければ、一般的に金融機関の融資を受けるのですが、収支のバランスが悪ければ返済に追われることになるでしょう。
不動産賃貸業を行うということは経営者になるということです。
最低限の知識がなければ経営は難しいでしょう。不動産知識を身につける努力も必要です。
3. 不動産投資で起業する方法は2種類
不動産投資で起業するには個人事業主として起業する方法と法人として起業する方法があります。
それぞれについて、起業するために必要な手続きの概要を説明しますので参考にしてください。
個人事業主として起業する
個人事業主として起業するためには、開業届を管轄の税務署に提出します。
起業すれば、確定申告により所得を申告することになるのです。
不動産についての収益は、利益が生じれば不動産所得として確定申告しなければいけません。
国税庁の「新たに事業を始めたときの届出など」を確認すると詳細が分かりやすく書かれているのでアクセスしてください。
法人として起業する
法人として起業するためには、目的・所在地・出資金などを記載した定款を作成し、管轄の公証人役場で定款認証をすることになります。
資本金を振り込み、会社設立の登記を管轄の法務局で行うのです。
なお、登記に必要な書類は法務局の「商業・法人登記の申請書様式」からダウンロードでき、記載例も書かれています。
4. サラリーマンで起業を考える場合の4つの注意ポイント
サラリーマンが副業として起業するのであれば、不動産賃貸業には多くのメリットがあると言えます。
サラリーマン大家が増える原因と言えるでしょう。
そこで、サラリーマンが起業を考える時に注意しなければならないポイントを4つ紹介します。
不動産投資で起業するには計画性が重要になる
不動産投資では、しっかりした目標を立てる必要があります。
なぜなら、副業としての収入を得るために行うのか、不動産投資を本業と考えるのかにより、運用方法が大きく異なるからです。
したがって、目標に応じた計画を立てなければいけません。
具体的には、中古の区分マンションの一室に投資する方法もあれば、新築マンション一棟に投資する方法もあり、その投資スタイルは全く異なります。
当然、それぞれの投資スタイルに応じた計画は異なるのです。
起業してすぐサラリーマンを辞めるのは危険!
不動産賃貸業で起業したからといって、サラリーマンを辞めてしまうのはリスクを負う可能性があるでしょう。
サラリーマンを辞めると安定した給与収入が途絶えます。サラリーマン大家としてのメリットである安定性が揺るぐことになるのです。
したがって、不動産賃貸業で安定した収入が確保できる見通しが立つまでは、サラリーマンを続けるほうが安心できるでしょう。
サラリーマンを辞めると融資がストップしたり、融資が受けられないことを知っておく
不動産投資では金融機関からの融資が欠かせません。
しかし、融資を受けるためには審査が必要です。
金融機関が融資を決定する時のポイントとして「安定した収入」というのがあります。
サラリーマンであれば、この要件に該当するのです。
つまり、金融機関はサラリーマンの安定した給与収入を見込んで融資するケースが少なくありません。
したがって、サラリーマンを辞めてしまうと、融資がストップしたり、新たな融資が受けられなかったりするリスクが生じる可能性があります。
行動を起こさなければ何も得ることができない
不動産投資に特別な免許や資格は必要ありません。
また、サラリーマンであれば安定した収入があるので、自己資金が少なくても金融機関を利用することで資金調達は可能でしょう。
実は、不動産投資が可能なサラリーマンは少なくないのです。
大切なのは行動を起こすということに尽きるでしょう。
もちろん、起業するためには知識や情報の収集などの努力が必要です。
しかし、行動を起こさなければ何も得ることができないのが現実だと言えます。
5. 不動産投資で起業前にしておきたい3つのこと
賃貸物件を所有していれば大家にはなれるでしょう。
しかし、不動産投資とは稼ぐために行うのです。
したがって、稼げない大家では不動産投資をしているとは言えません。
不動産投資では、起業前にしっかりと準備することがポイントになるのです。
本を読んだり、セミナーに参加して投資の知識を得る
不動産賃貸業を行うためには、不動産や投資の基礎知識が欠かせません。
経営者になるのであれば当然のことでしょう。本を読んだりインターネットを検索したりして、不動産や投資の知識を身につける必要があります。
効率的な学び方としては、不動産投資会社が開催している投資セミナーを利用するのがオススメ。
無料で開催されているケースが多く、また不動産投資会社や他の投資家と知り合うチャンスにもなるのです。
不動産に関する情報を収集する
不動産投資で成功するためには、現状の不動産相場や需要のある物件など、様々な不動産情報が影響を与えます。
したがって、あらかじめ不動産に関する新鮮な情報を収集しておかなければいけません。
情報は多ければ多いに越したことはないでしょう。
積極的にセミナーなどに参加することで効率的に情報を収集することが可能です。
起業前に家族の協力を得よう
不動産賃貸業を起業することは家族にとっても大きな問題です。
家族の協力が得られないようでは成功することは難しいでしょう。
たとえば、配偶者など家族の協力があれば、金融機関から融資を受ける時に有利に働くケースもあります。
しかし、協力が得られないようでは話になりません。
起業前には、将来に対する考え方について時間をかけてご家族に説明してください。
将来設計は自分だけでは計画できないでしょう。
家族の協力なくして成功は難しいと言えるのです。
6. 起業に向けて決めておきたい3つのこと
不動産賃貸業を起業するには、設定した目標を達成するための計画を立てることがポイントになります。
なぜなら、目標に応じて計画に違いが生じるからです。
そこで、あらかじめ起業に向けて決めておきたい3つのことを紹介しましょう。
①目標達成額を決める
起業に向けて決めておかなければいけないのは目標達成額です。
不動産投資では家賃が収益になるので収入の額は計算しやすいのですが、家賃収入を足し算するだけでは実際の利益にはなりません。
収入に応じた支出の計算も必要になります。
したがって、キャッシュフローとしての収支を把握しておく必要があるのです。
具体的な目標達成額を設定しておかないと、賃貸物件の選択も金融機関からの融資額も決められないでしょう。
当然、投資できる自己資金からの逆算も必要になります。
②いつまでに目標達成額を稼ぐのか
不動産投資では、賃貸物件を増やしていくことで収益の増加を目指すという投資手法があります。
金融機関の融資を利用するのです。
しかし、融資を受けるためには一定の頭金も必要になるでしょう。
そこで、自己資金を貯めるのに何年必要かを設定するのです。
また、目標達成額を設定するだけでは、漠然としているため現実的ではありません。
いつまでに目標を達成するのかを具体的に決めることで目標達成に近づくとも言えるのです。
③目標達成額を決めた理由
目標を達成するためには、目標を定めた理由を明確にしておくことがポイントです。
漠然と目標達成額を定めても現実的ではありません。
したがって、目標達成のために努力を継続することは難しいでしょう。
目標とは、具体的であれば具体的であるほど達成の可能性が高まります。
なぜなら、設定が明確であれば具体的な計画を立てやすくなるからです。
目標を決める上での注意点
目標を決める上での注意点としては、正しい目標を設定することが大切です。
たとえば、必要な事業資金として3年で300万円の目標額を設定していたとしても、
実際には500万円の事業資金が必要であれば、設定期間も設定額も意味を持たなくなるでしょう。
また、設定した額や期間を細分化することもポイントになります。
たとえば、1年目は50万円・2年目は100万円・3年目は150万円というように具体化することで、微修正することも可能になるのです。
7. 起業をする前にしっかりと計画を立てておこう
不動産賃貸業を経営するために免許や資格は必要ありません。
したがって、誰でも不動産投資を始めることは可能です。
しかし、安易に起業したのでは、リスクを負うことになるでしょう。
不動産投資で起業するためには、あらかじめ十分な準備が必要になります。
ポイントは、正確な目標設定と目標達成に向けた計画です。
目標設定が曖昧であれば、モチベーションを維持することは難しいでしょう。
明確な目標設定ができてこそ、実現のための計画にも具体性が生じるのです。
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