会社勤めのサラリーマンにも浸透してきた不動産投資。
人生100年時代と言われたり、老後に豊かな生活を送るためには2000万円の預金が必要と報道されたり、将来の為の為に収益不動産の購入を検討している方も多いと思います。
今回は、マンション経営とアパート経営の違いがイマイチ分からない方の為に、両者のメリットやデメリットをご紹介致します。
(※当記事内のデータは2024年10月現在のものです。)
目次
アパート経営とマンション経営を10項目で徹底比較!
アパートとマンションのどちらを買えばいいのか悩むのが不動産投資。
まずは、各項目ごとにアパート経営とマンション経営を比較してみましょう。それぞれの特徴を比べることで、ご自身がどちらを購入するべきなのか見えてくるはずです。
①価格
マンション経営はお部屋の一室を所有するのに対し、アパート経営はアパートを一棟丸ごと所有することになります。規模が大きくなる分、アパート経営の方が金額が大きくなる傾向にはありますが、人口が少ない地方都市のアパートより東京の一等地にあるワンルームマンションの方が高いということもありえますので、様々な条件によって物件の価格が決まります。
②利回り
ほとんどの場合、マンション経営よりアパート経営の方が利回りが高い傾向にあります。部屋数が多い分アパート経営は利回りで有利だからです。しかし、空室リスクも増えるので、様々な要素を考慮してから物件を選ぶ必要があります。
③初期費用
初期費用についても、マンション経営よりアパート経営の方が高い傾向にあります。規模が大きい分、アパート経営は数百万円かかることもあります。マンション経営の場合は最低10万円から始めることができます。例外としてアパート、マンション共にオーバーローン(物件価格より大きい金額のローンを組むこと)を組むことによって初期費用をローンの中に組み込むこともあります。
④修繕費用
マンション経営の場合は、マンション全体の修理費用を毎月修繕積立金という形で各オーナーから集めています。集めた修繕積立金を使って10〜15年に一度、マンション全体のメンテナンスを行います。一方のアパート経営は、一棟全ての修繕を行わなければならないので修繕費用の負担は大きくなります。
⑤流動性
所有する物件の売却を考えた時、アパートは規模も金額も大きいので、マンション一室と比べると流動性は劣ります。どちらにせよ、購入から数年で売却をしても大きな利益が出ることはほとんどありませんので、出口戦略を考えるよりも長く所有したい物件を最初に選ぶことが重要です。
⑥融資の通りやすさ
マンション経営と比較すると、アパート経営は物件の金額のが大きさに伴って融資のハードルは上がります。それに加えて、現在融資が厳しくなっており、融資を受ける為の最低ラインである年収400万円で審査した場合、2〜3割ほどしか通らないような状況です。融資を受ける際は、勤務先・勤続年数・預金残高・借り入れ状況などを考慮した上で審査されるので、年収以外でもアピールする事は可能です。
⑦節税効果
マンション経営とアパート経営を比較した際、アパート経営の方が利回りが高いのは、上記でご紹介させていただきました。節税を考える上で
総収入-必要経費=不動産所得
という図式が成り立ちますが、利回りが高く、家賃収入の多いアパート経営は最初の方は節税の効果も期待できますが、数年すると家賃収入が経費を大きく上回りますので、逆に納税する期間の方が長くなります。一方のマンション経営は毎月のキャッシュフローが大きくプラスになる物件は多くないので、数年の節税と、ほとんど支払う事のない納税期間が長く続きます。
マンション経営とアパート経営を比較する際は、ローン完済後のシュミレーション、途中売却した場合のシュミレーション、運営に関わる経費や納税も加味した上でしっかりとした比較が大切です。
⑧空室リスク
アパート経営は複数の部屋を所有する為、多少の空室があっても家賃収入が途絶える事はありません。一方でマンション経営をローンで行なっている場合は、空室がある際に自分自身でローンの支払いを行わないといけません。対策としては管理会社の家賃保証を利用したり、入居者に人気のエリアで物件を所有する事が大切です。
⑨火災・地震などの災害リスク
最近では、全国各地で自然災害が発生していますが、マンションやアパートを所有する際は基本的に長期間保有することになりますので、災害のリスクについて知っておくことは重要です。
アパートが木造の場合はマンションに比べて、トータル的な耐震性に劣ります。また、1棟全ての部屋に火災や災害のリスクがあることにも注意が必要です。
万が一の時の為に入っておく火災保険や地震保険がありますが、オーナーが加入するべき「物件」を守る為の保険と、入居者が加入するべき「家財」を守る保険があります。火災保険と地震保険はセットで入るのが一般的ですが、特約をつけることで、補償内容をより充実させることも可能です。
地域を問わず近年は深刻な災害が多発していますので、不測の事態に備えておくことが重要です。
⑩資産価値
資産価値については、マンションとアパートといった物件の仕様よりも、入居者から見たときに需要がある物件かどうかが重要です。賃貸物件は毎年供給され続けていますので、人口が少ない割りに物件数が多い地域の物件は資産価値が下落して行きます。「ヴィンテージマンション」といった言葉もある位なので、場所が良く、需要があれば、築年数が経っても物件の価値は落ちづらいです。
どっちの経営方法が自分向き? メリット・デメリットから考察
上記では各項目別にマンション、アパートの特徴をご紹介しましたが、こちらでは具体的なメリットやデメリットを比較してみていきます。
ご自身がマンション経営とアパート経営のどちらが合っているのか参考にしていただければと思います。
アパート経営のメリット・デメリット
基本的にマンション経営と比べるとアパート経営の方が利回りは高いです。利回りが高いということは得られる家賃収入も多いので投資効率が良いです。特に、所有している土地に物件を建てる場合は利回りはさらに高まりますし、「賃貸併用住宅」で建設した場合は自分が住んでいる自宅のローンも入居者が払ってくれるような形になります。また、区分所有のマンション経営と違って、物件の運用方針を自分だけの意思で決めることができるので、物件改装などのアクションを好きなタイミングで行うことができます。
デメリット
マンション経営と比べて物件の運用方針の意思決定が迅速にできますが、物件の金額をはじめとした規模の大きさから、売却を考えた際には買い手が見つかるスピードは区分マンションの売却より時間がかかる場合が多いです。
木造物件の場合は、鉄筋コンクリートをはじめとしたマンションに比べると耐久性も劣ります。満足のいく入居者が確保できた場合には納税にも注意が必要です。特に現役世代の方は給与所得と不動産所得を足した金額から税金を支払うので、思ったより多くの金額を支払うことに驚く方もいます。
物件購入前には節税だけでなく納税のパターンもシュミレーションしておくことが大切です。
アパート経営が向いているのはこんな方
区分の投資マンションをすでにお持ちの方は、短期間で売却しやすいマンションと利回りの高いアパートを合わせ持つことで、リスクの分散や不動産経営の戦略の幅が広がります。また、入居者の需要が見込める地域に土地を持っている方は、物件を建てる土地代だけでアパート経営が始められるのでメリットが大きいです。
マンション経営のメリット・デメリット
メリット
マンション経営は年収や自己資金がそれほどなくとも始められることが魅力的です。また頭金が用意できる状態だとしても、繰上げ返済はいつでも可能なので、最初は長めのフルローンで所有し、生命保険代わり(団体生命保険という生命保険が投資用物件にも付いている為)に持っておくこともできます。
売却のスピード感もアパートにはないメリットです。資産価値の高いマンションは、築年数が経っても購入時とあまり価格が変わらないことも良くあるので、ローン返済中に売却して利益を確定させるのも戦略の一つです。
デメリット
マンション経営は株や、FXをはじめとする不動産投資以外の投資と比べても圧倒的に利回りが低いです。特にフルローンで所有する場合は、多少の節税効果を除いてローン返済中にプラスになることは基本的にはありません。あくまで生命保険目的や老後の収入源といった考え方が強いので、すぐに大きく利益を出したい方はあまり向いていません。
マンション経営が向いているのはこんな方
短期的に大きな利益を取ることよりも、守りの投資をしたい方にはマンション経営は向いています。入居者からの家賃で生命保険や将来の資産形成ができると考えれば、ローンの与信枠を使っておいた方がお得。という考え方もできます。
また、将来的に自宅を購入する予定がない方は、住宅ローンがないことを活かし、マンション経営をしておけば、将来自宅がなくとも収入源は確保することができますので、人生100年時代と言われる現代において一つの選択肢と言えます。
アパート経営・マンション経営を比較して自分に合った物件を探そう!
不動産投資を考える際に、マンション経営とアパート経営のどちらが良いのかお悩みになる方は多いですが、どちらもメリットとデメリットがそれぞれ違います。大切なのは、両者をじっくり比較して考えることです。これは物件を選ぶ際にも言えることですが、比較をすることで物件の良し悪しが見えてきます。悩みすぎて決められないという方は、検討する中で大切にしたい方針を定め、その中から納得する物件を見つけましょう。
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今回は、マンション経営とアパート経営の違いがイマイチ分からない方の為に、両者のメリットやデメリットをご紹介致します。