現在は金融機関にお金を預けておいても、ほとんど利息がつかない時代。
将来の年金も当てにならないこんな世の中で、「少しでも資産を増やしておきたい!」と考える人も多いのではないでしょうか。
とは言っても、株式やFX・仮想通貨などに投資をすれば利益を得られるかもしれませんが、逆に大きな損失を出すリスクが…。
一方不動産投資は比較的リスクは少ないと言われ、しっかりと利益を出せるような物件を選べば長期間にわたって安定した利益を得られる可能性があります。
そこでこの記事では、しっかり利益を生み出せる不動産投資用物件の探し方や優良物件の見分け方を中心に解説をします。
目次
1. 不動産投資用物件の探し方の手引き
不動産投資と一口に言っても、何から手を付けてよいのかわからない人が多いのではないでしょうか。
不動産投資を成功させるためには、何と言っても良い不動産物件を探すことが重要!
この記事では、まず不動産物件の探し方から解説をしましょう。
探す前に決めておくべきこと
不動産を探す前に、あらかじめ決めておかねばならないことがあります。
3つのポイントをあげて考察してみましょう。
予算|自己資金とローン
不動産投資を始める際にまず検討しなければならないことは、自己資金をどの程度用意し、どれぐらいのローンを組まなければならないのかということ。
自己資金は一般的には、物件価格の20~30%用意しなければならないとされています。
一方で投資する人の属性や物件が良ければ、全額ローンで賄うことも可能です。
その場合でも自己資金をある程度用意しておかないと、空室が出たり家賃滞納があったりするとキャッシュフローが回らず、金融機関にローンを返済できなくなる恐れも…。
したがって金融機関からの借り入れにほとんどを頼った場合でも、ある程度の余裕資金を用意しておかねばなりません。
物件への希望|ターゲットに合わせて選ぼう
投資物件の選定は、どんな層の人をターゲットにするかによって決まってきます。
例えば単身のサラリーマンや夫婦共働きの人を対象とする場合には、会社へのアクセスが良い都会の物件を中心に探します。
一方ファミリー世帯をターゲットとする場合は、多少交通の便が悪くても、子育てのしやすい治安のよい郊外の物件を探すべき。
したがってどの層の人をターゲットにするかで、物件の選び方も変わってきます。
条件に優先順位をつけておこう
不動産物件の選定には、さまざまな条件があります。
例えば、価格や築年数・間取・設備・エリア・交通網・沿線・環境・公共施設など。
自分の置かれている状況や資金などによって、物件の選定条件に優先順位をつけることが必要です。
優先順位をつけておかないと、購入の段になって資金不足や管理に遠すぎる・修繕にお金がかかりすぎるなどの問題が発生するということもあり得ます。
物件を選ぶ優先順位をつけ、その上でその条件で借りる人がいるかどうかを次に検討をすることに…。
次に不動産物件を探す方法には、どのようなものがあるか説明します。
①不動産情報サイトで探す
不動産投資が成功するか否かは、いかに良い物件を探せるかと言っても過言ではありません。
良い不動産物件を探すためには、より多くの物件を見ることが重要!
主な不動産情報サイトには、次のようなものがあります。
路線別・エリア別に物件の種別や利回り・価格をインプットし検索できます。会員になり欲しい情報を登録すれば、自動的により良い情報が届きます。
・Homes
不動産投資家向けの情報が多いです。路線別にはまとめられておらず、都道府県別に物件の種別・利回り・物件価格・更新日別に検索できます。・健美屋
地域別・物件別・利回り別・価格別に物件の条件を検索できます。
更に細かく新着物件や価格交渉可物件・利回り15%以上の物件・会員限定物件などの検索が可能。
買う⇒種別⇒都道府県と順次クリックしていくと、沿線・路線・地域に検索できます。
大手の不動産会社の掲載が多いのが特徴。
投資物件は上記のような不動産情報サイトで探せますが、不動産投資サイトを利用するメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
物件情報サイトで探すメリット・デメリット
【メリット】
- 豊富な情報量
- 24時間好きな時間帯物件情報にアクセス可能
- 路線別・エリア別・利回り別・種別に効率的に検索可能
- 離れた地域の物件でも居ながらにして検索できる
【デメリット】
- 情報量が多いので、絞り込みが難しい
- 掘り出し物や新鮮な情報はあまり期待できない
- 不安な点や質問などに対しては対応が遅くなることも
②不動産会社に紹介してもらう
購入したいエリアが決まっていれば、その地域にある不動産会社に物件の紹介をしてもらうことができます。
不動産会社に紹介してもらうメリット・デメリット
不動産会社に紹介してもらうメリットデメリットには、次のようなものがあります。
【メリット】
- 敢えてネットに掲載していない掘り出し物を得られることがある
- 不安な点や質問に直ちに答えてくれる
- 物件を生で見られ、周辺環境を肌で感じられる
【デメリット】
- 24時間いつでも見られるわけではなく、時間の制約がある
- 離れた地域の情報は手に入りにくく、限られたエリアの情報となる
- 遠方だと交通費などの費用や時間がかかる
③競売物件で探す
競売とは債務の返済が不可能になった人の不動産を、裁判所が売却し債務の返済資金にすること。
競売物件で探すメリット・デメリット
情報は裁判所だけでなく、BITと言う競売情報サイトで見ることが可能です。
競売物件で探すメリット・デメリットには、次のようなものがあります。
【メリット】
- 掘り出し物を購入できることもある
【デメリット】
- 瑕疵担保責任がないので、修繕費など余分な費用が発生する恐れがある
- 入札までの期間が定められている
参考:BIT
2. 不動産投資における優良物件を見分ける6つのコツ
良い物件を見つけたと思っても、後から失敗したと後悔することも…。
この項では、優良物件かどうか見分けるコツについて解説しましょう。
①利回りが良いかどうか|表面利回りに注意しよう
優良な物件かどうかを判断する指標として利回りがあります。
利回りが良ければ、順調に利益をだし無理のないローン返済ができるでしょう。
しかし利回りの良い物件というものは、一般的に郊外にあるケースが多いことを考えておかねばなりません。
そのような場合には、きちんと調べて実需があることを確認しておかないと、入居者が現れず空室が続くことも。
利回りを判断する方法としては、「表面利回り」と「実質利回り」があります。
表面利回りは、年間家賃収入を物件の購入価格で割った単純なもののため、不動産を購入する際の諸経費や維持管理するための費用が含まれていません。
そこでさまざまな経費を含めて利益を算出する「実質利回り」を利用したほうが合理的です。
実質利回りの計算方法
実質利回りの計算は、次の式によって算出します。
例えば
- 物件価格:2,000万円
- 月額家賃:8万円
- 年間経費:2万円
- 固定資産税:5万円
- 購入時諸経費:50万円
としたときの実質利回りは
(8万円×12ヵ月-2万円×12ヵ月-5万円)÷(2,000万円+50万円)=0.0326
したがって3.26%の実質利回りになります。
②新耐震基準で建てられている
日本は何と言っても地震大国、いつ大きな地震が起こるとも限りません。
物件選定をするときには、新耐震基準を満たしていることが大事。
地震リスク回避には地盤チェックも欠かせない
旧耐震基準で建てられた建物は、震度5程度の揺れには倒壊しないことと規定。
しかし日本では、震度6以上の大地震は時々発生しています。
そこで1981年に、震度6~7程度の揺れでも倒壊しない「新耐震基準」が制定されました。
したがって、新耐震基準に合格している物件を購入することが重要!
またいくら耐震基準を満たしても、地盤が軟弱では不安です。
地盤のチェックも忘れずに行いましょう。
③ターゲットに合わせた周辺環境
物件を購入するには、周辺環境がターゲット層に合致している必要があります。
単身者とファミリー層では望むものが違うことも
一般的に単身者は、会社へ短時間で行ける交通の便の良い都会の物件を望みます。
したがって、郊外の1Kや1DKの物件を購入しても、入居者はなかなか見つからないことも。
ファミリー層は逆に、子育てに合った治安のよい静かな環境を選びます。
都会の雑踏の中にファミリー向けの物件を求めても、入居者が埋まらないこともあり得ます。
したがって、対象とする人の希望に合わせた環境の物件を購入することが重要!
④空室率の低い地域にある
いくら条件の良い物件を購入しても、そのエリアに物件が余っているようでは入居者が埋まらないでしょう。
空室リスク対策は絶対に必要
空室リスクに対応するためには、空室が少ない地域でターゲットに合わせた物件を購入するのが重要!
LIFULL HOME’Sの調査によると、23区内は掲載物件が多いですが比較的空室率が低く、
郊外は逆に物件数は少ないものの空室率が高い傾向があります。
したがってあまり利回りにとらわれずに、都会の物件を購入したほうが空室リスクに対応できると言えます。
【引用】東京都の賃貸用住宅の空室率一覧
⑤維持にかかるコストが妥当
物件を維持・管理するためには、それ相当のコストがかかることも頭に入れておかねばなりません。
安すぎる管理費・維持費に注意
不動産物件を管理・運営するためには、不動産会社や管理組合に管理費や手数料を支払わなければなりません。
管理費や手数料が低い物件は、十分な管理がなされない可能性も。
したがって物件を購入する際には、管理費や維持費はどのようなところに使われるのか把握しておく必要があります。
管理費や維持費の安さを追求するのも問題、一般的には家賃の5%程度の維持費は必要!
⑥適切な価格|激安・格安に注意
あまりに安い物件は、何か問題があるのかも?
事件や事故のあった物件・周辺の騒音がひどい物件・日当たりが悪い物件など、さまざまな要因で購入価格は安くなります。
安い物件にはワケがあると肝に銘じ、よくチェックすることが大事です。
重要事項説明とは
重要事項説明は、売買契約をする際に物件の概略を説明するもの。
宅地建物取引士の免許を持つ人が、書面に記名・押印し説明を行います。
中古物件では、隠れた欠陥や事故等の履歴は売主や所有者しかわかりません。
そこで重要事項説明書をよく読んでし、物件および取引条件などで問題はないかチェックすることが重要。
3. 気になる物件を見つけたら現地へ足を運ぼう
これはと思う物件があっても、即決しないこと!
現地に足を運び自分の目で確かめないと、とんだ失敗をしてしまうとも限りません。
周辺の環境をチェックしよう|騒音や治安など
物件価格や間取りなどの諸条件が気に入っても、実際にその地を訪れ周辺環境を確かめること!
ネット上では良いと感じても、細かい部分まですべて把握できるわけではありません。
特に日当たりや騒音などは、現地で周辺を確かめないと分からないものです。
夕方・夜にも歩いてみよう
昼間訪れて良いと思っても、夜になると一変することも!
都会であれば街の喧騒や治安、郊外でならば人通りがないと不安を覚えることもあるでしょう。
したがって、夕方や夜に訪れ周辺環境を良く調べてみましょう。
建物をチェックしよう|情報と照らし合わせる
良いと思う物件が見つかったら、実際の建物をチェックし情報が間違っていないかチェックすることも重要!
良く調べずに後で問題が発覚し、後悔しないようにしましょう。
優良物件を見分けるポイント
優良物件かどうかを見分けるポイントには、次のようなものがあります。
間取りや築年数から考え、周辺の物件と比較して適正な物件価格かどうか。
②リフォーム工事の状態を把握
物件をリフォームしている場合には、その内容を確認しておくことも必要。
目に見える部分だけのリフォームをしている場合には、後で問題が起こることもあり得ます。
③配管や配線に問題がないか
水道の配管や電機の配線については、規格に合致しているか不具合はないのか確認しましょう。
④耐震基準の確認を
1981年には新耐震基準が発表され、その基準に合致していなければなりません。
さらに詳細に物件をチェックしたい場合には、株式会社Bettersが提供する127のチェックリストを参考にするとよいでしょう。
参考:127のチェックリスト
4. 物件選びに迷う時は不動産投資セミナーへ足を運んでみるのもおすすめ
不動産投資で成功するか否かは、物件の選定で決まると言っても過言ではありません。
優良物件を探して、間違いのない不動産投資を行いましょう。
なお、物件選びで迷ったりご質問がある場合には、MIRAIMOを運営している株式会社スマミンの不動産投資勉強会・個別相談会にお気軽にご相談ください。