不動産投資を始めると、家賃収入が入ります。
不動産投資を事業としている人だけでなく、サラリーマンの副業として不動産投資を行っている人も、年間20万円以上の不動産所得を得ている人は確定申告をしなければならないことを知っていますか?
特に青色申告をしたい人は確定申告の書類を作成する上で簿記による帳簿付けが必要ですので、仕訳が重要になります。
そこで今回は、家賃収入においての仕訳と勘定科目をテーマとして簡単に仕分けをする方法を解説していきます。
確定申告の流れや必要書類については以下の記事から読み進めてくださいね。
目次
1. 家賃収入の仕訳と勘定科目
確定申告で必要な書類を提出する上で家賃収入の仕訳と勘定科目は大事なポイントです。
以下で詳しく記載していきます。
仕訳と勘定科目とは
「仕訳」と「勘定科目」は簿記で使用されている用語です。
仕訳とは「今月分の総家賃収入10万円が普通預金口座に入金された」などという取引を、勘定科目によって分類して記録することをいいます。
勘定科目とは、「売上」「普通預金」などといった、仕訳や財務諸表などで使用されるお金の内容を表したものです。
仕訳や勘定科目など簿記の基本的な内容を知りたい人は、簿記のテキストなどを読んで勉強してみましょう。
確定申告をする上で、必ず役に立つはずです。
家賃収入の勘定科目
家賃収入で使用される勘定科目は、「不動産所得」「雑収入」「売上」「受取家賃」といったもの。
どの勘定科目を使用するかは、サラリーマンの副収入の場合・不動産業を主とする法人の収入の場合・規模の大小などにより異なります。
勘定科目は形態によって異なる
「家賃収入」の勘定科目は、大まかに分けると個人と法人により異なります。
ここでは、個人・個人事業主の場合と法人の場合に分けて解説しましょう。
個人・個人事業主の勘定科目
不動産所得
基本的に、サラリーマンなどの人が副収入として家賃収入を得ている場合は「不動産所得」という勘定科目を使用します。
なお、不動産所得の場合は青色申告制度を利用することが可能です。
雑収入
家賃収入が本業の収入ではない場合、「雑収入」が使用できます。
事業規模が小さい場合に使用されます。
売上
個人事業主で本業が賃貸経営など不動産業の場合、「売上」として仕訳します。
法人の勘定科目
売上
家賃収入が本業の収入である法人の場合、「売上」の勘定科目を使用します。
受取家賃
法人において、家賃収入が本業の収入でない場合は「受取家賃」として仕訳します。
雑収入
社員のための福利厚生や社宅として所有している物件の家賃収入は、利益を目的としたものではありません。
そのため、この場合の家賃収入は「雑収入」の勘定科目を使用します。
2. 家賃収入の仕訳事例|実例を使って解説
家賃収入が入ったらどのように仕訳をしたら良いでしょうか?
いくつか事例を挙げて仕訳しますので、よかったら参考にしてください。
個人・個人事業主の場合の家賃収入事例
個人または個人事業主の家賃収入について、事例を挙げて仕訳します。
ここで挙げる仕訳事例では、「家賃収入10万円が普通預金口座に入金される」ことを共通事項とします。
例1.サラリーマンの副業としての不動産投資をしている人
借方 | 貸方 |
普通預金 100,000 | 不動産所得 100,000 |
例2.家賃収入が本業の収入である個人事業主の場合
借方 | 貸方 |
普通預金 100,000 | 売上 100,000 |
普通預金口座の残高が10万円増えることは共通ですが、貸方の仕訳が異なります。
「自分にとって家賃収入が何に該当するか」を考えて仕訳しましょう。
法人の場合の家賃収入事例
次に、法人の場合の家賃収入の仕訳を見ていきましょう。
共通事項は、「家賃収入10万円」「普通預金口座に入金される」ことです。
例3.家賃収入が本業の収入である法人の場合
借方 | 貸方 |
普通預金 100,000 | 売上 100,000 |
例4.家賃収入が本業の収入でない法人であり、毎月賃料から5,000円の定額水道料を差し引いて入金されている場合
借方 | 貸方 |
普通預金 95,000 | 受取家賃 100,000 |
水道光熱費 5,000 |
家賃は10万円ですが、実際に普通預金口座に入金されるのは95,000円。
そして、定額水道料5,000円は家賃収入から支払われているという内容の仕訳です。
今回は普通預金で入金される事例を挙げましたが、家賃を現金で受け取る場合は「現金」という勘定科目を使用します。
実際に家賃収入がある人は、上記の事例を参考に仕訳してみましょう。
3. 家賃収入以外にも知っておきたい勘定科目
家賃収入を仕訳する際、付随する他の取引も仕訳しなければなりません。
そこで、家賃収入を仕訳する際に使用される主な勘定科目をご紹介します。
①普通預金・現金
普通預金口座の増減する取引を仕訳する際に使用する勘定科目が「普通預金」。
家賃を現金で受け取った場合は「現金」を使用します。
補足ですが、「現金」という勘定科目は紙幣や硬貨といった一般的な現金だけを指しているわけではありません。
簿記上の「現金」は、他人振出の小切手や配当金領収書などの通貨代用証券も含まれます。
②修繕費
アパート・マンションの維持管理をする上で、部屋の修繕費用が必要になることがあるでしょう。
退去時の原状回復や設備が壊れたときなど、修繕にかかった費用は「修繕費」として仕訳します。
また、分譲マンションで支払う修繕積立金も「修繕費」に含まれる費用です。
③支払手数料
客付けされたときなど、仲介会社に支払う仲介手数料は「支払手数料」という勘定科目を使用します。
ただし、物件を購入するときに支払う仲介手数料は取得価額に含めますので「支払手数料」の勘定科目は使用しません。
④水道光熱費
共用部分の水道・電気代などを支払った際に「水道光熱費」を使用します。
⑤預り金
入居者から支払われた敷金・権利金が「後に返還する預り金」である場合は、「預り金」で仕訳します。
4. 簡単に家賃収入の仕訳ができる会計ソフト・確定申告ソフトを紹介
投資物件の棟数や戸数が多くなってくると仕訳が難しくなってきますよね。
また初めて確定申告をする人は、自力で仕訳をしようと思ってもわからないことがたくさん出てくるでしょう。
仕訳が難しいと感じる人は、会計ソフトを利用するのがおすすめです。
会計ソフトを使用すれば自分一人で行うよりも簡単に処理できますので、代表的なものを4つご紹介します。
会計ソフトfreee
会計ソフトfreeeは質問に答えていくだけで確定申告に必要な書類が作成できるので、初めて確定申告をされる人にもおすすめのソフトです。
他にも、銀行口座やクレジットカードと連携しておくと自動仕訳によって帳簿が作成できたり、決算書の作成ができたりなど、経理業務全般に活用できます。
会計ソフトfreeeMFクラウド
マネーフォワードクラウド(MFクラウド)は、銀行口座とクレジットカードだけでなく、勤怠管理や人事労務手続きなどのシステムとも連携できる会計ソフトです。
青色申告決算書など、確定申告に必要な書類が自動で作成できます。
e-taxにも対応していますので、個人事業主の人にもおすすめです。
やよいの青色申告オンライン
やよいの青色申告オンラインは、はじめて青色申告をされる方におすすめの会計ソフトです。
簿記の知識がない人でも、日付や金額などの入力によって青色申告に必要な書類が作成できます。
スマートフォンでも利用できますので、大変便利です。
やよいの青色申告賃貸名人
賃貸名人は、家賃の入金管理や収支報告書の作成から賃貸借契約書・重要事項説明書なども作成できる賃貸管理システムです。
物件・部屋単位で修繕やクレームなどの履歴を登録できるので、物件の数が多くてもすぐに過去の履歴を探すことができます。
不動産投資を事業でされているような、多くの物件を持つ人におすすめです。
やよいの青色申告5. 家賃収入の勘定科目は決まっている!日頃から分類をする習慣をつけておこう
家賃収入の勘定科目は、家賃収入が自分にとってどんな収入であるかによって決まっています。
その都度取引を分類する習慣をつけておくと確定申告の際に慌てずに済みますので、不動産投資を始めた方はぜひ仕訳をしてみてください。
MIRAIMOではLINEでできる、不動産投資の無料オンライン相談を行っておりますので、
不動産投資について疑問や不安がある方はぜひお気軽にご相談ください。
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