不動産購入は誰にとっても大きなイベントと言えるでしょう。
決して少額の買い物とは言えないので、今が買い時なのかということを知って、少しでもお得に購入したいですよね。
そこで、不動産購入時に参考にしたいのが、不動産価格の推移。
グラフで推移を見ることができれば、購入の参考になるだけでなく、今後売却する場合にも役立つでしょう。
今回は過去の不動産価格の推移から2023年の市場を、戸建て・マンション・アパートに分けて大予想していきます。
また、2023年で不動産価格に影響を及ぼしそうなイベントもご紹介。
よりお得に不動産を購入するために、市場を予測することは重要なポイントなのです。
目次
1. 2022年までの不動産価格の推移をグラフでチェックしてみよう
過去の不動産価格の推移は地価・不動産価格両方を確認しておく必要があります。
- 1986年~1991年に起こったバブル景気
- 2008年に起こったリーマンショック
- 2013年~アベノミクス(金融緩和政策)
- 2015年~相続税増税の影響で不動産購入者が増えた点(不動産が相続税対策に有効なため)
に注目してみてください。
2022年までの地価の推移
1986年~2022年までの全国・東京・大阪・名古屋の公示地価と基準地価の価格推移をグラフにしました。
https://live.amcharts.com/5ODU1/
データ引用:国土交通省の公示地価・基準地価
1986年~のバブル景気で特に東京では1年で地価が倍近く跳ね上がるほどの好景気で、1991年のバブル崩壊後は急激に不動産価格が落ちていきました。
2008年にリーマンショックが起こり、また少し不動産価格が落ちましたが、
2013年のアベノミクスによる金融緩和政策・2015年の相続税増税により、不動産投資を始める人が増えたことが要因で、2013年から地価はまた上昇傾向にあります。
2022年までの不動産価格の推移
直近の不動産価格・価格指数の推移
- 戸建て
- 区分マンション(マンション1室のこと)
- マンション・アパート一棟
に分けてみていきましょう。
国土交通省が公表している不動産価格指数を見ると、過去の不動産価格の推移を一目で確認することができます。
不動産価格指数とは、2010年7月を100として2008年4月以降~の不動産取引情報を集計して指数化したもの。
戸建て住宅の価格・価格指数の推移
戸建住宅の不動産価格指数の推移は以下の通りです。
https://live.amcharts.com/kwYjc/
データ引用:国土交通省 不動産価格指数
上記の表で見られるように、戸建て住宅の不動産価格はほぼ横ばいで推移しています。
首都圏での戸建て相場は2015年から上昇していますが、最大でも価格指数は112.8。
住宅地が飽和状態にあるということが原因と考えられ、特に首都圏をはじめとした大都市圏での戸建て住宅の建設量はあまり変わっていません。
マンション(区分所有)の価格・価格指数の推移
次にマンションの不動産価格指数の推移は以下の通りです。
https://live.amcharts.com/VmZTZ/edit/
データ引用:国土交通省 不動産価格指数
区分マンションの不動産価格は、2013年から急激に上昇。
マンション需要の高騰と聞くと東京オリンピック需要が要因と見られがちですが、
グラフをよく見るとオリンピック開催が決まった2013年9月以前からマンション価格は上昇しています。
現在までの約16年に渡るマンション需要の高まりは、2013年4月から始まったアベノミクスによる金融緩和政策がそのきっかけと言えるでしょう。
東京オリンピック開催が後押しをする形で、近年のマンション価格高騰を引き起こしていると見られます。
マンション・アパート(一棟)の価格・価格指数の推移
一棟マンション・アパートの不動産価格の推移は以下の通りです。
https://live.amcharts.com/YyMTM/
上記の表から分かるように、一棟マンション・アパートともに2013年~2018年で不動産価格が上昇しました。
前述の区分マンション同様、金融緩和政策とオリンピック需要によるものに加え、
2015年の相続税増税により、相続税対策で不動産投資を始める人が増えたことが要因でしょう。
2022年には若干落ち着いています。
近年の不動産価格の高騰は安倍政権の金融緩和政策を発端として、オリンピック需要が加わる形で引き起こされていると見て良いでしょう。
他に、不動産価格が上昇している要因は以下の4つが考えられます。
- 東京オリンピック開催に向けたホテル建設の活発化により、マンション(住宅)用地までもホテルの建設用地として買い上げられてしまったことによる地価の高騰
- 東日本大震災の復興事業・東京オリンピック開催に向けた建設ラッシュによる資材不足を要因とした建設資材の価格高騰
- 2と同様の要因における建設業界の慢性的な人材不足
- オリンピック特需の影響から海外投資家の東京都を中心とした都心部への投資活動の活発化
2. 不動産価格推移を見る上で押さえておくべきポイント
不動産価格推移をみる上で、押さえておくべきポイントがあります。
まずは「全国的に不動産価格がどう推移しているか」という点。
もう一つは「自分が持っている、または購入を検討している不動産価格がどうなるか」という点です。
ポイントを押さえておくことで、最適なタイミングを見極めて、価格が下がりにくい不動産を購入できるでしょう。
最適な不動産の購入タイミングを掴む
最適な不動産購入のタイミングは、不動産価格が下がった時、そして今後値上がりが期待できる時でしょう。
不動産価格がいつ下がるのか、いつ上がるのかというのは、過去の不動産価格推移データからおおよそ掴むことができます。
不動産価格が上がるタイミングとして、
- 経済的なイベントが起こった時(株価や金利変動)
- 周辺で再開発が予定されている時
- 国内で大規模イベントが開催される時(オリンピックなど)
などがあります。国内の景気が良くなり、需要が高まると当然不動産価格が上がります。
東京オリンピックが終わった後は、不動産価格が下落するという見方もありますが、ロンドンオリンピックが終わった後も不動産価格は上がったこともあり、一概に下落するとは言い切れません。
できるだけお得に、かつ将来的に資産価値が上がるような不動産を購入するためには、
- 直近の不動産価格推移を見て、高騰していないか
- 周辺で再開発があるか
- 経済的な動きはあるか
など、不動産のことだけでなく、経済状態もよく把握して購入タイミングを見極めましょう。
3. 2023年以降の不動産価格は上昇する?大予想を紹介
2023年以降の不動産価格はどのように推移するのでしょうか。
物件種別に以下でご紹介していきます。
一戸建て
上述の通り、一戸建ての不動産価格は現在に至る約10年間ほぼ横ばいで推移しています。
2023年2月の新築一戸建て平均価格は、
- 首都圏 3,840万円
- 東京都 4,800万円
- 神奈川県 4,078万円
- 埼玉県 3,297万円
- 千葉県 3,120万円
2022年から下落傾向にありましたが、現在は持ち直して、東京都と神奈川県については同年1月から2ヶ月連続上昇していますが、2022年2月と比較しても低価格になっています。
地価も低水準で推移しており、低金利という好条件が重なる今は購入のベストタイミングと言えるでしょう。
マンション・アパート
マンション(区分)
前項でもご紹介した通りマンション価格は2013年以降急激な上昇を見せており、
2018年においては首都圏全体でほぼ横ばいに推移し、都心部でも高止まりの状態に。
大きく値上がりする可能性は低いと見て良いでしょう。
マンション・アパート(一棟)
2017年~2018年にかけて不動産投資業界では
- かぼちゃの馬車を運営するスマートデイズの破綻やスルガ銀行の不正融資・サブリース問題
- 1棟アパートを販売するTATERUの不正融資問題
が相次いで表面化したことで、金融庁は融資審査の厳格化を各金融機関に通達しました。
一連の問題によって金融機関は融資を引き締めるようになり、ローンが組めなくて買いたくても買えないという人が増えることに。
購入者の減少によって、一棟アパート・マンションの価格は下落しています。
全国的には上昇に転じているものの、首都圏に関しては一棟アパート・マンションともに下落しています。
今後も金融機関による不動産投資への融資の厳格化は続くと見られるため、不動産価格はゆるやかな下落を続ける可能性が高いでしょう。
中古マンション
首都圏の中古マンションの価格は新築同様、高止まりの状態です。
東京カンテイの2022年2月の首都圏中古マンションの70㎡換算価格推移では、以下の結果が公表されています。
- 首都圏 3,824万円
- 東京都 5,103万円
- 神奈川県 2,861万円
- 埼玉県 2,255万円
- 千葉県 2,084万円
前項でもご紹介した通り、価格推移はほぼ横ばいの状態が続いていて今後も大きな変動はないと見られることから上記の価格を目安として検討して良いでしょう。
4. 2023年の不動産価格に影響を与えそうなイベントを考察
2023年の住宅市場に影響を与えるであろう事柄としては、
- 2022年の消費税増税
- 株価トレンドの変化
- 不動産ローンの超低金利政策
- コロナウイルスによる経済への影響
です。以下で詳しく見ていきましょう。
2022年の消費税増税
消費税引き上げによる住宅市場への影響を抑えるため、政府は以下の対策を打ち出しました。
- 住まい給付金の増額(最大給付額30万円を50万円まで拡充)
- 住宅ローン控除の期間を従来の10年から13年に延長
- 贈与税非課税枠の拡大(最大非課税枠1,200万円を3,000万円まで拡充)
- エコポイント制度の新設(新築最大35万円・リフォーム最大60万円)
ただ、2022年11月から大幅な値下げ・値上げはしていません。
増税を賄うような各制度が用意されていますので、消費税が増税したからという理由で不動産を買い渋る必要はないと言えるでしょう。
株価のトレンドの変化
2020年の秋以降、株価は高値で推移していましたが、昨今の新型コロナウイルスの影響により、2021年4月株価は過去最大の下げ幅となりました。
株価は景気の指標とされ、不動産価格にも影響を及ぼします。
ただ、不動産価格に反映されるのは、およそ半年~1年ほど。
マンション価格は2020年末~2022年に下落してしていくと予測されます。
株価トレンドの変化は、不動産購入にあたって追っておくべきと言えるでしょう。
不動産ローンの超低金利政策
ローンの低金利政策は、2013年のアベノミクスから続いていましたが、
現在は上述のコロナウイルスにより、株価も低水準で推移しており、リーマンショック以上の下落となりました。
経済景気が悪くなると、住宅ローン・不動産投資ローン(アパートローン)の金利は一般的に下がるとされています。
長期的に見て、住宅ローン・不動産投資ローン(アパートローン)の金利は、今後も低金利で推移していくと予想されるでしょう。
【最新】コロナウイルスの影響
2020年の頭から、コロナウイルスによる影響が世界的に広まっています。
2020年4月7日には安倍首相が緊急事態宣言を出しました。
ウイルス感染拡大防止のために人・モノの動きが抑制され、飲食店・レジャー施設・商業施設なども休業、東京オリンピックが2020年に延期になるなど、日本のみならず、世界経済に多大なる影響が。
「戦後最大の危機」と言われているコロナウイルスは、上述の株価トレンドや不動産ローンの金利にも大きな影響を及ぼしており、不動産価格にも影響を及ぼすでしょう。
売却需要の方が高まることが予想され、不動産価格は2020年以降は下落すると予想されます。
5. 不動産の購入は価格推移をチェックして決定しよう
不動産投資を成功させるためには、不動産市場の見極めが非常に重要です。
今の市場を見極めるためには、過去のデータを基に将来的な展望を予測していく作業が必要不可欠。
特に物件の売却は、そのタイミング次第で売却額が大きく変わります。
コロナウイルスが経済に多大なる影響を及ぼしている2020年ではありますが、
不動産の購入・売却のタイミングを逃すことのないよう市場の動向を冷静に検討し判断していきましょう。
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