不動産投資には様々な方法があります。どのような方法があるのかを調べて、何が自身にとって最適なのかを考えている方もいるでしょう。
マンションやアパートなどの経営をおこなう上で課題になることが多いのが、空室率ではないでしょうか。
長期間に渡って空室になってしまい収益が上がらないと、オーナーは大きな損失を被ります。
不動産運用において、この空室率の対策となる手法があります。それがウィークリーマンション経営です。
ウィークリーマンション経営も投資の1つの方法で、1室からでも始められるという特徴があります。
初心者は難しいと思っている人もいるかもしれませんが、必要情報を得てやり方を間違えなければ不可能ではありません。
リスクが無いわけではありませんが、それ以上にメリットが多くあります。
ここではメリットとデメリットについて、また具体的な運営方法をご紹介していきます。
目次
1. ウィークリーマンションとは|短期賃貸マンション
ウィークリーマンションとは「短期賃貸マンション」とも呼ばれ、その名の通り1週間単位で借りることのできる賃貸住宅です。
あらかじめ生活に必要な家具家電(ベッド・冷蔵庫・レンジ・洗濯機など)が備え付けられており、部屋の鍵の受け渡しが済んだらすぐに生活を始めることができます。
マンスリーマンション|1ヶ月単位での賃貸宿
マンスリーマンションとは、大半が1ヶ月単位で賃貸借されるマンションのことを指します。
一般的な賃貸住宅と異なる点は、契約期間が月単位であること、ウィークリーマンションと同じく家具や家電などの生活用品が一通り備えられていること、簡易な手続きで入居が可能であることです。
同じ名称でも、短期賃貸住宅で運営されている場合と、長期滞在型ホテルとして運営されている場合があります。
現時点でこの2つの運営パターンを区別する明確な基準はありません。
賃貸住宅としての経営だと一般の不動産賃貸と同じで法規制はありませんが、運営をする際はマンション管理規約などに適合する必要があり、賃貸借の仲介業務に関しては宅地建物取引業法が適用されます。
ホテルとして経営をする場合は、旅館業法が適用されます。
2. ウィークリーマンション|2つの契約形態
次に、ウィークリーマンションの契約形態についてご紹介します。
■①定期建物賃貸借契約
1つ目は、定期建物賃貸借契約です。
定期建物賃貸借契約の注意点
ウィークリーマンションもマンスリーマンション同様に定期建物賃貸借契約での運営ができます。ただし、その場合注意すべき点があるのでご紹介します。
- 施設は既存のアパート、マンションの空室又は専用に建築した部屋を賃貸
- 利用日数の単位は一週間以上
- 利用者は賃貸契約を締結した上で入居する
- 客室には日常生活に必要な設備が完備している
- 利用期間中は室内の清掃等の維持管理はすべて利用者が行う
- リネンサービスは行わない、利用者から依頼があれば請け負い会社を斡旋
- 食事は提供しない
- 光熱費は各個メーターで契約解除時に別途精算
■②旅館業法|旅館業登録
2つ目に、旅館業法についてです。
行政への申請・営業許可が必要
旅館業を始めるには、行政への申請と営業許可の取得が必要になります。
まずは消防署へ申請書の提出をします。
消防署が確認をして、問題がなければ「消防法令定期号通知書」をもらうことができます。
次に保健所で「旅行業登録」の申請をおこないます。保健所が現地を立ち会いでチェックをして、立ち会い検査で問題がなければ「旅館業許可証」が数日で発行されます。
用途地域や設備など制約が多い
建築基準法上で問題がないかについて、役所による確認で営業許可証をもらうためには、用途地域のチェックが必要です。
第一種低層住居専用地域などの住居専用地域や工業地域、工業専用地域では営業許可証の取得ができません。また、無指定地域の場合は行政に問い合わせてください。
旅館業の許可を得るには、設備の準備も対応しなければいけません。大規模な増改築はいりませんが、設置がいるものを挙げてみます。
- 煙感知器の設置
- 防炎カーテンの設置
- 避難誘導灯の設置
- 壁紙が不燃材料であるシール添付
このように用途地域や設備設置などの決まりごとがあることは、知っておくといいでしょう。
3. ウィークリーマンション経営のメリット・デメリット
ウィークリーマンションのメリット・デメリットについてお話していきます。
ウィークリーマンション経営のメリット7つ
ウィークリーマンション経営をするメリットは7つあります。
①1室から始められる
マンションの1室に家具や家電を設置すれば、ウィークリーマンションとして実験的に運用することができます。
10万円程度あれば、家具や家電を揃えることができるので、多額な初期費用は必要ありません。
②空室リスク対策になる
普通の賃貸契約でなかなか入居者が決まらない場合、ウィークリーマンションとして貸すことで空室対策をすることができます。
ホテルを利用する客層もターゲットになるので、入居対象者を広げることができます。
③需要・リピート率が高い
出張や転勤が多い方の仮住まいとしての需要が高くなっています。
ホテルに連泊をするより、安く泊まることができ、自炊も可能なので、1週間以上の長期滞在をするビジネスでの利用者が多くなっています。
経費を節約したい企業からのニーズがあるので、法人と契約することでリピート率を高めることもできます。
④高めの賃料を設定できる
日額で賃料設定ができるので、月額に換算すると高めの賃料で貸すことができます。
例えば、普通の賃貸だと月額6万円程度の賃料のマンションだったとしても、日額3千円で設定して1ヶ月賃貸できると、月額で9万円になります。
⑤滞納リスクが少ない
週単位での契約なので、契約期間分の賃料は前金でもらうことができます。そのため滞納のリスクは少ないです。
⑥入居者間のトラブルが起きにくい
通常の賃貸借契約の場合、例え契約違反があったとしても、簡単に退居してもらうことができません。
ウィークリーマンションは1週間単位での契約のため、万が一契約違反や騒音などのクレームが発生したら延長希望があっても貸主が拒否できるので、入居者間でのトラブルを避けることができます。
⑦競合が少ない
ウィークリーマンションとして貸し出している物件はまだまだ多くはないので競合が少ないです。
ウィークリーマンション経営のデメリット4つ
ウィークリーマンション経営をするデメリットは4つあります。
①収入が安定しない
ウィークリーマンションは契約が週単位になるので、契約期間と空室期間が月によって異なります。そのため毎月の収入額が固定されないので、収入が安定しないことがあります。
②家具や家電の設置費用が掛かる
家具や家電を事前に設置をしなければならないため、設置費用がかかります。
また、普通の賃貸として契約することになった場合、入居者に家具家電が不要ですと言われたら、別の場所に移動をして保管しておかなければなりません。
ウィークリーマンションやマンスリーマンション向けに家具家電のレンタルを行っている会社もあるので、参考にしてみてください。
③維持の手間やコストが掛かる
入居してから退去するまでの流れは通常の賃貸とほとんど同じで、契約をして鍵を引き渡し、退去後には清掃します。
しかし、契約期間が短いので、業者の手配を頻繁におこなう必要があり、手間やコストが発生します。
④仲介業者が少ない
ウィークリーマンションを取り扱っている仲介業者は多くありません。
普通の賃貸とは異なり、お店に足を運び、内見をしてから契約するという人はいません。
ホテルの予約と同様にネット検索をして、契約をする場合が多くなっています。そのため、仲介業者のホームページに載せてもらうなどの工夫が必要です。
4. ウィークリーマンションの運営方法は?
実際のウィークリーマンションの運営方法について解説していきます。
①集客・広告|ネットや不動産業者など
ウィークリーマンションの集客は、物件ごとにホームページを作成したり、SNSで募集をおこなうなどのネット掲載のパターンと、仲介業者に協力を依頼するパターンがあります。
インターネットを使って集客をすれば、仲介業者を介さずに入居者と直接契約をすることができるので、広告費や仲介手数料がかからないというメリットがあります。
なお、一般の不動産屋ではウィークリーマンションの募集をしていないところが多いので、費用は発生しますが、仲介業者のホームページに広告を貼らせてもらう方法であれば、協力してもらえる確率が高いです。
②料金やプラン設定|近隣の相場をチェックする
料金やプラン設定はとても重要で、近隣の相場を把握しておく必要があります。
料金の中に清掃料を含めることも
賃料を決める際は、近隣で既に運営されているウィークリーマンションの相場を参考にして料金設定をおこないます。
通常、部屋のグレード次第で料金は異なるので、見誤った賃料設定には注意が必要です。
③契約形態|審査や保険
契約期間が非常に短期なので、契約と併せて「解約予告の通知」も行うと良いでしょう。
敷金や礼金をもらうことは難しいので、賃料に入れておくべきですが、審査や保証人、借家人賠償保険に関しては考える必要があります。
まず審査に関しては、既に運営をしているところで審査制を導入しているウィークリーマンションが少なからずあります。
初めての人は、審査をおこなった方が安心かもしれません。
保証人制度についてはその有無で集客面に影響が出てくるので、できれば条件から外したいところです。
借家人賠償保険については、加入させておくことをおすすめします。
共済タイプなどは短期でもそれなりの料金が発生しますが、保険会社が運営しているサービスなら、解約の時期に合わせて返金を受けることができます。
なので、お客さんからは費用をもらわずに、オーナーの負担で加入のみを義務付けるのが良いでしょう。
④室内設備|家具や家電
室内の家具や家電の設備が満足にあるのかどうか、整備が必要となると経費がかかる可能性が出てきます。
注意|布団は備え付けにしない
基本的には、生活をする上で必要な家具は備え付けておくのが理想的ですが、ベッドは用意をしても布団は備え付けにしてはいけません。
布団があると旅館業の免許が必要になってしまうからです。そのため、布団は別途料金でのレンタル制にしておきましょう。
レンタルで差がつけられる
備品が多いと他社との差別化ができます。事前に用意してある備品以外にも、アイロンや自転車などをレンタルできる仕組みにしておくと利用者からの高い評価につながります。
⑤退去|立ち会い
契約期間が満了したら、退去の立ち会いをおこないます。
その際に、故意や過失での損害があった場合は原状回復費用を請求できます。
万が一、契約期間が満了しても退去しない入居者がいたら、定期建物賃貸借契約に基づいた明け渡し手続きを進めることになります。
5. ウィークリーマンション経営はメリット多し!|まずは1室から始めてみよう
ご紹介した通り、ウィークリーマンション経営にはメリットが多く、1室から始めることができます。
通常の賃貸の場合は空室率の問題を抱えたり、部屋が埋まったとしても、家賃の滞納や近隣住民とのトラブルを起こすような入居者に悩まされるケースもあったりします。
ウィークリーマンションの場合は、このようなトラブルを避けることができ、一般の賃貸物件以上の収益を上げられる可能性があります。
少しでも収益性が高いというのは、投資をする方にとっては魅力的なことだと思うので、ウィークリーマンション経営での不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか。
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