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不動産売却で譲渡損失が出ても確定申告は必要?|特例が受けられる場合と申告方法を解説

不動産の売却で利益が出れば確定申告は必須ですよね。

では、損失になった時は放っておいてもかまわないのでしょうか?

実は、損失が出た場合に申請しなければ節税のチャンスを逃すことになります。

損失を申請することで給与所得や事業所得から損失分を差し引くことが可能です。

所得が少なくなるということは支払う税金の軽減ができるということ。

税金が少なくなるのは大きなメリットでしょう。申請せずに放っておいてはいけません。

 

今回は譲渡所得が出た時に確定申告しなければならない理由や申請することで受けることのできる特例について詳しく解説します。

不動産の売却に限らず、支払う税金を節約することは大切なポイントになるのです。

1. 不動産売却で譲渡損失が出ても確定申告は必要?

不動産の売却で譲渡損失が出た場合でも、一定の要件に該当すれば確定申告により所得控除を受けることが可能です。

3年間にわたり給与所得や事業所得との損益通算ができるので税額を軽減できます。

したがって「確定申告は必要である」と言えるでしょう。

要件としては売却した物件が居住用であり、不動産を売却した年の1月1日時点で該当する物件を5年間所有していることです。

2. 要件をチェック! 譲渡損失が出た場合に受けられる2つの特例

不動産売却による譲渡損失があれば、「マイホームを買換えた場合の特例」や「特定のマイホームを売却した場合の特例」を受けることができます。

①マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

マイホームを買換えた場合、一定の要件に該当すれば譲渡損失の損益通算や繰越控除が適用されます

適用要件

適用される場合
  1. 旧居の敷地面積500㎡以内の部分
  2. 旧居の所有期間が5年以上ある
  3. 合計所得金額が3,000万円以内の年
  4. 不動産を売却した年の前年1月1日から翌年末までに新居を取得している
  5. 取得した年の翌年末までに新居に入居予定である
  6. 新居の建物の床面積が50㎡である
  7. 新居に10年以上の住宅ローンを利用している

こんな場合は適用できない!

繰越控除が適用されない場合
  1. 旧居の敷地面積が500㎡を超える部分
  2. 新居に償還期間10年以上の住宅ローンがない
  3. 合計所得金額が3,000万円を超える年
損益通算および繰越控除の両方が適用されない場合
  1. 売主と買主が親子や夫婦など特別の関係にある
  2. 旧居を売却した年の前年及び前々年に次の特例を適用している
    「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率の特例」
    「住用財産の譲渡所得の3,000万円の特別控除」
    「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」
    「定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例」
  3. 旧居を売却した年や前年以前3年内に特定居住用財産の譲渡損失の損益通算の特例を受けている
  4. 売却の年の前年以前3年内に他のマイホームの譲渡損失でマイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算の特例を受けている

参考URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3370.htm

②特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

買い換えた場合以外にも特定のマイホームを売却した場合に一定の要件に該当すれば、譲渡損失の損益通算や繰越控除が適用されます。

適用要件

適用される場合
  1. 売却した物件の所有期間が5年以上ある
  2. 売却した物件に10年以上の住宅ローンが残っている
  3. マイホームの譲渡価額が住宅ローンの残高を下回っている
  4. 合計所得金額が3,000万円以内の年

こんな場合は適用できない!

繰越控除が適用されない場合
  1. 合計所得金額が3,000万円を超える年
損益通算および繰越控除の両方が適用されない場合
  1. 親子や夫婦など特別の関係にある人に対する売却である
  2. 売却した年の前年および前々年に次の特例を適用している
    「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率の特例」
    「住用財産の譲渡所得の3,000万円の特別控除」
    「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」
    「定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例」
  3. 売却した年の前年以前3年以内に他のマイホームの譲渡損失について特定のマイホームの譲渡損失の損益通算の特例を受けている
  4. 売却した年や前年以前3年内にマイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例を受けている

参考URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3390.htm

3. 適用可能なら書類を揃えて手続きしよう!

譲渡損失による損益通算や繰越控除の特例を受けるためには、必要な書類を添付するなどの要件があります。

①マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

損益通算の場合

必要な書類
  1. 居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)
  2. 居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除の対象となる金額の計算書
  3. 旧居に関する書類
  4. 新居に関する書類

繰越控除の場合

必要な要件
  1. 損益通算の適用を受けた年分について一定の書類の添付がある期限内申告書を提出した
  2. 損益通算の適用を受けた年分の翌年分から繰越控除を適用する年分まで連続して確定申告書(損失申告用)を提出する
  3. 年末における住宅借入金等の残高証明書を添付する

参考URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3370.htm

②特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

損益通算の場合

必要な書類
  1. 特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)
  2. 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書
  3. 売却したマイホームに関する書類

繰越控除の場合

必要な要件
  1. 損益通算の適用を受けた年分について全ての書類の添付がある期限内申告書を提出した
  2. 損益通算の適用を受けた年分の翌年分から繰越控除を適用する年分まで連続した確定申告書(損失申告用)を提出する

参考URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3390.htm

4. 書類を揃えたら申告しよう!

譲渡損失が出た時に必要な確定申告の申請時期や申請方法について紹介しましょう。

申告時期と期間

確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの所得について、翌年の2月16日から3月15日までに申告します。

申告方法

申告には「申告書B第一表、第二表」や「申告書第三表(分離課税用)」の用紙に必要書類を添付して、最寄りの税務署に申告してください。

確定申告の流れや方法は以下の記事にしてください。

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2023.05.27

5. 不動産を売却して譲渡損失が出ても確定申告すべし!

不動産を売却した場合、利益が出ずに損失になったとしても確定申告するべきでしょう。

損失を給与所得や事業所得の軽減に利用することができるからです。

また、譲渡損失など不動産の売却で疑問や不安があれば、MIRAIMOの無料オンライン相談でお問い合わせください。

不動産投資のセカンドオピニオン的な相談も可能ですから、きっとあなたの疑問や不安を解決できます。

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