会社勤めのサラリーマンにも浸透してきた不動産投資。
人生100年時代と言われたり、老後に豊かな生活を送るためには2,000万円の預金が必要と報道されていることから、
将来の為の為に収益不動産の購入を検討している方も多いと思います。
今回は、マンション経営とアパート経営の違いがイマイチ分からない方の為に、両者の違いを比較し、それぞれのメリットやデメリットをご紹介します。
目次
1. アパート経営とマンション経営を10項目で徹底比較!
アパートとマンションのどちらを買えばいいのか悩むのが不動産投資。
まずは、各項目ごとにアパート経営とマンション経営を比較してみましょう。
それぞれの特徴を比べることで、ご自身がどちらを購入するべきなのか見えてくるはずです。
①価格
マンション経営はお部屋一室を所有するのに対し、アパート経営はアパートを一棟丸ごと所有する方法。
規模が大きくなる分、アパート経営の方が購入金額が大きくなる傾向にはありますが、
人口が少ない地方都市のアパートより東京の一等地にあるワンルームマンションの方が高いということもありえますので、様々な条件によって物件の価格が決まります。
②利回り
ほとんどの場合、マンション経営よりアパート経営の方が利回りが高い傾向にあります。
こちらも物件スペックや立地など様々な条件によってバラつきはありますが、平均利回りは以下の通り。
部屋数が多い分アパート経営は利回りで有利だからです。
しかし、空室リスクも増えるので、様々な要素を考慮してから物件を選ぶ必要があります。
- 新築アパート…8~10%
- 中古アパート…10~50%超えの物件も
- 新築マンション…都内で5%前後
- 中古マンション…7~8%
③初期費用
アパートやマンションを購入する際はローンを組むことができるため、数千万というお金が必要な訳ではないですが、
- 新築の場合:不動産価格の4~5%
- 中古の場合:不動産価格の7~8%
ほどの初期費用がかかってきます。
初期費用についても、マンション経営よりアパート経営の方が高い傾向に。
規模が大きい分、アパート経営は数百万円かかることも。
マンション経営の場合は最低10万円から始めることができます。
④修繕費用
マンション経営の場合は、マンション全体の修理費用を毎月修繕積立金という形で各オーナーから集めています。
集めた修繕積立金を使って10〜15年に一度、マンション全体のメンテナンスを行うのです。
一方のアパート経営は、一棟全ての修繕を自身で行わなければならないので修繕費用の負担は大きくなります。
⑤流動性(物件の売りやすさ)
所有する物件の売却を考えた時、アパートは規模も金額も大きいので、マンション一室と比べると流動性は劣ります。
どちらにせよ、購入から数年で売却をしても大きな利益が出ることはほとんどありませんので、出口戦略を考えるよりも長く所有したい物件を最初に選ぶことが重要です。
⑥融資の通りやすさ
マンション経営と比較すると、アパート経営は物件の金額の大きさに伴って融資のハードルは上がります。
それに加えて、現在融資が厳しくなっており、融資を受ける為の最低ラインである年収400万円で審査した場合、2〜3割ほどしか通らないような状況。
融資を受ける際は、勤務先・勤続年数・預金残高・借り入れ状況などを考慮した上で審査されるので、年収以外でもアピールする事は可能です。
⑦節税効果
マンション経営とアパート経営を比較した際、アパート経営の方が利回りが高いのは、上記でご紹介させていただきました。
節税を考える上で
という図式が成り立ちます。
利回りが高く、家賃収入の多いアパート経営は最初の方は節税の効果も期待できるでしょう。
しかし数年すると家賃収入が経費を大きく上回りますので、逆に納税する期間の方が長くなります。
一方のマンション経営は毎月のキャッシュフローが大きくプラスになる物件は多くないので、数年の節税と、ほとんど支払う事のない納税期間が長く続きます。
⑧空室リスク
アパート経営は複数の部屋を所有する為、多少の空室があっても家賃収入が途絶える事はありません。
一方でマンション経営をローンで行なっている場合は、空室がある際に自分自身でローンの支払いを行う必要が。
対策としては管理会社の家賃保証を利用したり、入居者に人気のエリアで物件を所有する事が大切です。
⑨火災・地震などの災害リスク
最近では、全国各地で自然災害が発生していますが、マンションやアパートを所有する際は基本的に長期間保有することになりますので、災害のリスクについて知っておくことは重要です。
アパートが木造の場合はマンション(鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造)に比べて、トータル的な耐震性に劣ります。
また、1棟全ての部屋に火災や災害のリスクがあることにも注意が必要。
保険に入ることでリスクは減らせる
万が一の時の為に入っておく火災保険や地震保険がありますが、オーナーが加入するべき「物件」を守る為の保険と、入居者が加入するべき「家財」を守る保険があります。
火災保険と地震保険はセットで入るのが一般的ですが、特約をつけることで、補償内容をより充実させることも可能。
地域を問わず近年は深刻な災害が多発していますので、不測の事態に備えておくことが重要です。
⑩資産価値
資産価値については、マンションとアパートといった物件の仕様よりも、入居者から見たときに需要がある物件かどうかが重要です。
賃貸物件は毎年供給され続けていますので、人口が少ないわりに物件数が多い地域の物件は資産価値が下落して行きます。
「ヴィンテージマンション」といった言葉もある位なので、場所が良く、需要があれば、築年数が経っても物件の価値は落ちづらいです。
アパート経営・マンション経営の比較一覧表
アパート経営 | マンション経営 | |
価格 | 物件規模や立地によりさまざま アパートよりマンションの価格の方が高いということも十分にあり得る |
|
利回り | 新築アパート…8~10% 中古アパート…10~50%超えの物件も |
新築マンション…都内で5%前後 中古マンション…7~8% |
初期費用 | 規模が大きいので数百万になる場合も | 数十万~でも始められる |
修繕費用 | 毎月一定額の修繕積立金を支払う | 10~15年毎にアパート全体の修繕を自身で行う必要がある |
流動性 | 低め | アパート経営よりは高い(物件の条件による) |
融資の通りやすさ ※物件条件・自身の条件により異なる |
金額により、ハードルが高め | 比較的受けやすい |
空室リスク | 複数室の保有になるので低め (1室空室になっても収入は途切れない) |
1室空室になると収入がなくなるリスクが大 |
災害リスク(地震・火災) | 木造の場合、耐震性も低く、燃えやすい | 鉄筋コンクリートや鉄筋鉄骨コンクリート造なので、頑丈で燃えにくい |
資産価値 | 物件条件・立地・賃貸需要などにより異なる |
2. どっちの経営方法が自分向き? メリット・デメリットから考察
上記では各項目別にマンション、アパートの特徴をご紹介しましたが、こちらでは具体的なメリットやデメリットを比較してみていきましょう。
ご自身にマンション経営とアパート経営のどちらが合っているのか参考にしていただければと思います。
アパート経営のメリット・デメリット
メリット
基本的にマンション経営と比べるとアパート経営の方が利回りは高いです。
利回りが高いということは得られる家賃収入も多いので投資効率が良いと言えます。
特に、所有している土地に物件を建てる場合は利回りはさらに高まりますし、
「賃貸併用住宅」で建設した場合は自分が住んでいる自宅のローンも入居者が払ってくれるような形に。
また、区分所有のマンション経営と違って、物件の運用方針を自分だけの意思で決めることができるので、物件改装などのアクションを好きなタイミングで行うことができることは大きなメリットと言えるでしょう。
デメリット
マンション経営と比べて物件の運用方針の意思決定が迅速にできますが、物件の金額をはじめとした規模の大きさから、
売却を考えた際には区分マンションの売却より、買い手を見つけるのに時間がかかる場合が多いです。
木造物件の場合は、鉄筋コンクリートをはじめとしたマンションに比べると耐久性も劣ります。
満足のいく入居者が確保できた場合には納税にも注意が必要です。
物件購入前には節税だけでなく納税のパターンもシミュレーションしておくことが大切です。
アパート経営が向いているのはこんな方
区分の投資マンションをすでにお持ちの方は、短期間で売却しやすいマンションと利回りの高いアパートを併せ持つことで、リスクの分散や不動産経営の戦略の幅が広がります。
また、入居者の需要が見込める地域に土地を持っている方は、物件を建てる土地代だけでアパート経営が始められるのでメリットが大きいです。
マンション経営のメリット・デメリット
メリット
マンション経営は年収や自己資金がそれほどなくとも始められることが魅力的です。
また頭金が用意できる状態だとしても、繰上げ返済はいつでも可能なので、
最初は長めのフルローンで所有し、生命保険代わり(団体信用生命保険という生命保険が投資用物件にも付いている為)に持っておくこともできます。
売却のスピード感もアパートにはないメリットです。
資産価値の高いマンションは、築年数が経っても購入時とあまり価格が変わらないことも良くあるので、ローン返済中に売却して利益を確定させるのも戦略の一つです。
デメリット
マンション経営は株や、FXをはじめとする不動産投資以外の投資と比べても圧倒的に利回りが低いです。
特にフルローンで所有する場合は、多少の節税効果を除いてローン返済中にプラスになることは基本的にはありません。
あくまで生命保険目的や老後の収入源といった考え方が強いので、すぐに大きく利益を出したい方はあまり向いていないでしょう。
マンション経営が向いているのはこんな方
短期的に大きな利益を取ることよりも、守りの投資をしたい方にはマンション経営は向いています。
入居者からの家賃で生命保険や将来の資産形成ができると考えれば、ローンの与信枠を使っておいた方がお得という考え方もできます。
また、将来的に自宅を購入する予定がない方は、住宅ローンがないことを活かしマンション経営をしておけば、
将来自宅がなくとも収入源は確保することができますので、人生100年時代と言われる現代において一つの選択肢と言えるでしょう。
3. アパート経営・マンション経営を比較して自分に合った物件を探そう!
不動産投資を考える際に、マンション経営とアパート経営のどちらが良いのかお悩みになる方は多いですが、どちらもメリットとデメリットがそれぞれ違います。
大切なのは、両者をじっくり比較して考えることです。
これは物件を選ぶ際にも言えることですが、比較をすることで物件の良し悪しが見えてきます。
悩みすぎて決められないという方は、検討する中で大切にしたい方針を定めその中から納得する物件を見つけましょう。
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