2017年アパートローン引き締めの現状|バブルが終わる今アパートローンを借りるには

 

不動産投資を行う上で自己資金が足りない場合には、心強い味方になるアパートローン。しかし、2017年からアパートローンの引き締めが行われることになりました。

なぜ、急に日銀や金融庁が警鐘を鳴らし、引き締めを行うようになったのか?その背景について見ていきましょう。

2017年からのアパートローン引き締めとは?

高くて安定した収益性や節税対策につながるという魅力に惹かれて、不動産投資を行う人は年々増加しています。しかし、賃貸物件の増加に対して人口は減少し続け、需要と供給のバランスが崩れ、供給過多になってしまい、収益悪化による返済の滞りが生じてしまうなどの悪循環が生じるようになりました。

そういった経緯を受けて、日銀と金融庁は現状を改善する必要性があると判断し、2017年よりアパートローンに対する引き締めを行うことになります

供給過多と分かっていてなぜ、地方銀行はアパートローンを勧めていたのでしょうか?

地方銀行がアパートローンを推す理由

地方銀行の収益は、プロパーローンなどの企業向け融資における同業他社との金利の差別化のための金利の優遇や、日銀によるマイナス金利政策の導入によってマイナスの一歩をたどります。

そのため、地方銀行は人口減少などの影響を受けて地方経済が後退する中、生き残りをかけて安定した収益を確保できる他の融資方法を探し出す必要がありました。

そこで、地方銀行が生き残りをかけて積極的に貸し出しを行ったのが、アパートローンでした。アパートローンは、通常の住宅ローンと比較すると金利が高いことから、安定した収益を確保するにはちょうど良かったのです。

日銀からの注意喚起

新しい収益源を見つけた地方銀行は積極的にアパートローンの融資を行った結果、新規融資額と融資残高が年々増え続けることになりました。

引き締めが行われることになった前年の2016年には、不動産投資の融資残高が21兆円と過去最高になり、不動産投資が積極的に行われていたバブルの頃よりも多い貸し出しの状況に金融庁が警鐘を鳴らさざるをえなかったのです。

今アパートローンを組めるのか?

日銀や金融庁がアパートローンに対する注意喚起を行ったと言っても処分や制裁などが行われているわけではないので、貸し出しが行われなくなったわけではありません

融資残高の増加が主な注意喚起の理由に挙げられていますが、悪質な融資に対する引き締めが主な目的であったのではないでしょうか。

今まで貸すべきでない人へも貸していた?

日銀や金融庁が一番懸念していたのは、アパート経営の経験の全くない人を対象に「フルローン」(※1)や「オーバーローン」(※2)を行っていたことです。

不動産会社や各種金融機関がマイナス金利政策の導入に伴い、サラリーマンなどを対象に、「預金として資産を持っておくのではなく、不動産投資による資産運用を!」と推進し続けました。
その結果がフルローンやオーバーローンを融資するケースの多発です。

また、富裕層に対しても、投資対象である物件を担保に入れることや所有している資産からの返済保証があることから、収益性をきちんと把握せずにどんな物件に対しても融資を行っている実態がありました。

その結果、賃貸物件の乱立や空き部屋率の上昇してしまうため、融資の返済を行うために家賃収入だけでは足り無くなってしまいます。融資を受けている人の中には給与所得から返済を行う必要性があり、最悪の場合には自己破産に追い込まれてしまう人もいます。

そのような流れを受けて、日銀や金融庁はアパートローンに対する引き締めを行うことになりました。

  • ※1フルローン:不動産投資を行う際に、自己資金を持ち出すことなく、諸経費を含めた全ての購入費用をローンで補う方法
  • ※2オーバーローン:物件価値よりも高い融資を金融機関から引き出す方法
    • ex)2000万円の物件に対して2500万円の融資を通すことをオーバーローンと呼びます

銀行側の貸し渋り

アパートローンの引き締めによる影響を受けて、銀行側は新規に不動産投資を行おうという人に対してフルローンやオーバーローンで貸し出しを行うことについては、貸し渋るようになりました。

実際に、2017年1月~3月期の新規融資額は2014年10~12月期ぶりに新規融資が前年度を下回る結果になっています。

しかし、金融機関にとっては融資こそが財源となるため、運用経験があるなど、適正な審査に基づいた融資はしっかりと行っているのが現状です。

「引き締め」が起こっている中でアパートローンを借りるには

アパートローンの引き締めは計画性のない無謀な融資に対してのみ行われているため、実際に全ての金融機関で融資が行われなくなったわけではありません。

どのような場合に融資を受けることができるのか見ていきましょう。

事業性を重視した資金計画

新規融資の基準が甘かったことや、自己資金を出さずに融資によって物件購入にかかる経費の全てを賄うことができるという、不動産投資への入り口を広げてしまっている現状が、金融庁がアパートローンの引き締めを行っている主な理由でした。

金融庁は、アパートローンに対して注意喚起を行いながらも貸し渋りが生じてしまうことを良しとしないため、適正な基準や審査に基づいた融資に関しては認めています

そのため、事業計画がしっかりと練られているものや自己資金がある程度準備できている人、収益性が高い物件に関しては、引き続き融資を行っています。

不動産経営者としての資格

不動産投資を行う際には、不動産を取得した日から、不動産経営者になるという自覚を持つ必要があります。そのためにも、以下のような内容についてはあらかじめ融資を受ける前にしっかりと把握しておきましょう。

・投資を行う物件の利回り

通常、不動産会社が中古物件や新築物件の案内する場合には、満室の家賃収入を想定した想定利回り、空き部屋による減収を考慮に入れた表面利回りの2つが記載された書面が渡されます。記載されているのがどちらになるのかしっかり確認を行いましょう。

・修繕費や水道光熱費などの諸経費

物件の運用には、修繕費や水道光熱費などの諸経費が発生します。管理や運用を不動産会社に委託する場合には、管理費も発生するため、全体でどれだけの諸経費が発生するのか把握しておかなくてはなりません。

・返済計画の確認

不動産投資は初期投資が大きくなることから融資を受けることが多くなります。返済計画を立てる際には、想定利回りや表面利回りを基準にするのではなく、そこから諸経費などを差し引いて、無理のない返済計画を立てる必要があります。

管理や運用を不動産会社などに委託する場合でも、しっかりと自分の所有する物件のことを理解しておかなくてはなりません。必要以上の経費が発生していないのか、空き部屋に対する対策が何かないのか考えることも不動産経営者としては必要になります。

アパートローンの引き締めに対して融資を円滑に受けるためにも、しっかりと不動産投資に対する知識をつけましょう。

銀行窓口の人とのコミュニケーション

もちろんですが、銀行窓口の人とのコミュニケーションを円滑にしておくことも融資を受ける上では大切になります。

アパートローンの引き締めによって、どんな人でも簡単に融資を行ってくれる状況ではなくなりました。窓口の人とコミュニケーションが円滑になることで、融資もスムースに受けることができる場合があります。

借り入れが必要ない時は「電話してくるな!」、困った時だけ「融資してくれませんか?」では、融資をしてもらえるわけありませんよね?

金融機関の担当者は、多岐にわたる業種の方を担当している経験豊富なスペシャリストなので、実際に借り入れが必要でない場合にも、気軽に相談してみるなど友好関係を築いておきましょう。

アパートローンをうまく活用するために

日銀のマイナス金利の導入により、預金を他の方法によって運用しようとする流れが強くなりました。

各金融機関が積極的に融資を行ったこととマイナス金利が作用したことで、不動産投資を行う人の数が増え、それに伴い、融資残高と新規融資額が右肩上がりに増えていくことにつながります。

しかし、自己資金を出さずに不動産投資における諸経費までも融資してしまうフルローンやオーバーローンの実態、収益性を無視した融資が多く行われたことにより、金融庁や日銀によってアパートローンの引き締めが行われることとなりました。

アパートローンの引き締めと言っても、不動産投資に対する融資を完全に行わなくなったわけではなく、一部の悪質な融資に対する規制を行うことが目的であったため、適正な審査や収益性の高い物件に対する融資は引き続き行われています。

不動産投資を行う上で融資は大きなサポートになります。融資を円滑に受けるためにも、不動産の知識を身に着け、事業計画をしっかりと立てることで信頼性を高めましょう。

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