不動産がもっと楽しくなるメディアMIRAIMO

住宅ローンの金利には3つのタイプがある!|失敗しない金利の選び方とは?

住宅ローンを選ぶときは金利が気になりますよね。

確かに金利は安い方がいいに決まっています。住宅ローンは高額な借り入れになので、たった0.5%金利が上がってもかなりの違いになることも。借入金額が大きくなればなるほど、金利の影響は大きくなるので、誰しもが低い金利を選ぶものです。

ところが金利の低さだけで選ぶと危険かもしれません。

というのも今は超低金利時代なのでどの商品も金利が安く、特に変動金利にいたっては相当低いです。目先のことだけ考えると低金利商品に手を出しがちですが、これが人生を狂わせるかもしれないのです。

今回は住宅ローンのからくりと、3種類の金利タイプをご説明しますので、少し勉強してみて下さい。

目次

1. ローンの金利について

1-1. 金利とは?

借りたお金(以下、「元金」)に対する利息が「金利」。1か月のローン元金に対する金利を「月利」、また1年間の元金に対する金利を「年利」といいます。

1-2. 金利が変わると返済額も変わってくる

金利が変わってくると、毎月の返済額も変わってきます。金利が高ければ毎月のローン返済額は高くなり、支払総額も高くなるのです。

毎月の返済額の内訳は、元金部分と利息部分の合計なので、金利が上がれば利息が増えるので、毎月の返済額が増えてしまいます。

2. 金利には3つのタイプがある

住宅ローンの金利には3つのタイプがあります。

  1. 「変動金利型」
  2. 「固定金利選択型」
  3. 「全期間固定金利型」

があり、それぞれ金利の取り扱いが違います。

①変動金利型とは?

変動金利型は、6か月毎にローン金利が見直され、返済額は5年毎に見直し。返済額が上がる場合は、1.25倍までという上限が設定されています。

②固定金利選択型とは?

固定金利選択型とは、当初3年・5年・10年など一定期間ローン金利が変わらないタイプ。

固定期間が終わったら、変動金利型か固定期間選択型のいずれかを選択します。

③全期間固定金利型とは?

最初から最後までずっとローン金利と返済額が同じタイプ。利息も元金も決まっているので、金利が上昇しても心配することがありません。

3. 金融機関の住宅ローンの金利で良く使われる文言について

住宅ローンの金利には、さまざまな専門用語があります。それぞれの意味を確認してみましょう。

3-1. 店頭金利って何?

店頭金利とは、金融機関それぞれが設定した住宅ローンの基準になる金利のこと。

基準金利・店頭表示金利などと呼ばれることもあります。店頭金利は金融機関ごとで違います。

3-2. 金利引き下げ幅とは?

店頭金利は日銀が公表する貸出金利に上乗せしたもので、実際の住宅ローンでは店頭金利よりも低い金利を適用して貸し出します。この店頭金利と融資する金利の差額を「金利引き下げ幅」といいます。

3-3. 適用金利って何?

適用金利とは融資の際に使う金利のこと。店頭金利と金利引き下げ幅の差が適用金利

ローンの返済額を計算するときは、この適用金利を元に計算します。

3-4. 当初特約期間終了後の金利引き下げ幅とは?

固定金利選択型のローンでは金利引き下げ幅に注意しなければなりません。

当初特約期間と終了後の金利引き下げ幅を比較して、同じとは限りません。違う場合もあるので、期間終了後の返済額に影響してきます。

4. 住宅ローンは金利の低さで選んではいけない

4-1. 変動金利型や固定期間選択型の金利が低くできるのはなぜか?

一般的に変動金利型や固定期間選択型の金利は低めに設定されています。

それは日銀のマイナス金利政策のためです。いまは超低金利時代の真っ只中で、金利は低水準。ということは今後は金利が上昇する確率が高くなります

変動金利型や固定期間選択型の当初は、とりあえず数年の金利なので、日銀に合わせて低金利を適用できています。

とはいえ金利の低さから、変動金利型や固定期間選択型のローンが人気。しかし将来のことを考えると、返済額が上がるリスクが高いので、注意が必要なのです。

4-2. 低金利のリスクを知っておかないといけない

金利は安ければ安いほど利息も少なく、毎月の返済も楽になります。超低金利時代のいま、住宅ローンを借りるチャンスと謳っている金融機関がたくさんありますが、低金利には大きなリスクが潜んでいるんですよ。

たとえば今人気の変動金利型ですが、先ほど説明した通り返済額は5年で見直され、1.25倍までしか上がらないルール。

このルール、一見すると借り手にメリットがありそうですが、実はとても危険なルールです。

たとえば5年後に金利がかなり上昇したとします。しかし1.25倍ルールがあるので、毎月の返済額は1.25倍まで。そうなると金利上昇に伴って増えた利息はどうなるのでしょうか?

毎月の返済額から元金を減らして利息を増やすしかありません。そうなると、元金が全然減らずに毎月利息ばかりの支払いになってしまいます。

4-3. 変動金利型は6年目からの返済額が増加する場合もある

変動金利型は当初5年間だけ返済額が変わらないという5年ルールがあるのは、先ほど説明した通りです。

そのため6年目以降は金利が上昇すれば返済額が増えます。とはいえ1.25倍ルールもあると思って安心している人も多いかもしれません。

変動金利型のルール

①5年ごとの返済額見直し

②6か月ごとの金利見直し

③返済額の上昇は1.25倍まで

4-4. 金利上昇により未払い利息が発生してしまう可能性がある

毎月の返済額は「利息+元金」ですが、変動金利型は6か月ごとに金利が見直されています。

つまりそのたびに、返済額の利息と元金の配分が変更されているということ。払う額は同じでも、元金充当額が増減しているわけです。ここで恐ろしいのが「未払い利息」が発生すること。

たとえば金利が上昇したことで利息が増えても、毎月の返済額が固定されているので利息分が未払いになるのです。その未払いはずっと積み重なっていくので、ローン残高がどんどん増えていく仕組み。

つまりローン返済が借金を生み出してしまうという最悪の状態に。こうなると繰上返済をしない限り、一生ローン地獄に陥ってしまうのです。

4-5. 6年目からの返済額を金利が上昇したと仮定して計算してみよう

5年ごとに金利が1%上昇したとして、返済額が1.25倍の限度いっぱい上がるケースで計算してみましょう。かなり極端な例ではありますが、返済額がかなり高くなっているのがわかります。

適用金利 毎月返済額
1年目~5年目 0.5 10万円
6年目以降 1.5 12万5千円
11年目以降 2.5 15万6千円
16年目以降 3.5 19万5千円

将来的には返済額が2倍近くにもなってしまうのです。将来、給料が上がっていれば問題ないかもしれません。

しかし給料も上がらず、子どもの教育費にお金がかかる頃と重なると、家計は破綻するかもしれません。変動金利型で住宅ローンを借りる場合には、慎重に検討する必要があります。

4-6. 固定期間選択型は3割、4割の増加もありえる

恐ろしいのは変動金利だけではありません。固定期間選択型の場合は、変動金利型のような5年ルールや25%ルールがありません。

つまり返済額増加の上限が存在しないのです。こうなると、借り入れ後に金利が上昇した時には、返済額が3割増し、4割増しというように増加する可能性が十分あり得ます。

4-7. 金利が2.00%上昇すると返済額は45.6%も増加してしまう

固定期間選択型の住宅ローンの例でみてみましょう。たとえば3,000万円の借り入れで、当初3年は適用金利0.55%で固定。すると4年目以降の返済額は次のようになります。

適用金利 毎月返済額 増加率
0.65% 79,768円 1.6%
1.15% 86,095円 9.6%
1.65% 92,723円 18.1%
2.15% 99,650円 26.9%
2.65% 106,869円 36.1%
3.15% 114,373円 45.6%

最大増加率は何と45.6%にもなってしまうので、余裕がない家計は破綻するかもしれません。

4-8. 返済計画に十分に余裕をもたせるなどの安全策が必要になってくる

金利の仕組みはとても恐ろしいもの。だからと言って家を買わないというのは残念ですよね。またせっかくの超低金利時代に何の恩恵も受けられないというのも寂しいもの。

住宅ローンで大切なことは余裕をもった返済計画をつくること。将来金利が上がっても困らないゆとりがあれば、何の問題もありません。日ごろから貯蓄を増やしておくなどして備えをしておくことで、いざという時に慌てなくて済みます。

ローンの金利を選ぶときは、それぞれのライフプランに合わせて考えるべきです。また変動金利型と全期間固定金利型をミックスした商品もあるので、幅広い選択肢の中から自分に合ったものを選ぶといいでしょう。

5. 現在の金利の状況はどうなっているのか?

フラット35の金利が低下

住宅金融支援機構の「フラット35」は住宅ローン金利を引き下げています。融資率9割以下のローンは次のように下がりました。

借入期間21年以上:1.40%→1.36%

借入期間20年以下:1.32%→1.29%

(2024年3月改正)

当初10年固定、変動金利は変わらず

2024年3月の時点では、当初10年固定や変動金利に動きはなく、金利は据え置きです。

自然災害補償付きローン

みずほ銀行・三井住友銀行をはじめとして、一部の地方銀行では「自然災害支援ローン」が取り扱われるようになりました。

金利に少し上乗せすることで、自然災害補償が受けられます。自宅が全壊すると建物のローン残高が半額になったり、返済額が払い戻されたり。日本は災害国家なので、こういう商品は魅力的ですね。

6. 住宅ローンの金利タイプ別の上位6社の金利について

住宅ローンを金利タイプ別のランキング形式で紹介します。

変動金利 固定金利 全期間固定金利
1位 じぶん銀行

  • 住宅ローン 全期間引下げプラン 変動
  • 適用金利:0.457%
じぶん銀行

  • 住宅ローン 当初期間引下げプラン 固定10年
  • 適用金利:0.640%
ARUHI

  • ARUHIスーパーフラット8S(金利Aプラン) 全期間固定(15年~35年)
  • 適用金利:0.730%
2位 住信SBIネット銀行

  • ネット専用全疾病保障付住宅ローン<通期引下げプラン> 変動
  • 適用金利:0.457%
イオン銀行

  • 住宅ローン 当初固定金利プラン 手数料定率型 当初10年固定
  • 適用金利:0.690%
楽天銀行

  • フラット35S(金利Aプラン) 全期間固定(21年以上~35年以下)
  • 適用金利:0.910%
3位 イオン銀行

  • 住宅ローン 金利プラン 手数料定率型 変動
  • 金利:0.570%
イオン銀行

  • 住宅ローン 当初固定金利プラン 手数料定率型 当初3年固定
  • 適用金利:0.380%
住信SBIネット銀行

  • フラット35S(金利Aプラン) 全期間固定(21年~35年)
  • 適用金利:0.910%
4位 ソニー銀行

  • 変動セレクト住宅ローン 変動
  • 適用金利:0.457%~0.507%
住信SBIネット銀行

  • ネット専用全疾病保障付住宅ローン<当初引下げプラン> 固定20年
  • 適用金利:1.160%
ARUHI

  • ARUHIフラット35S(金利Aプラン) 全期間固定(21年~35年)
  • 適用金利:0.910%
5位 楽天銀行

  • 楽天銀行住宅ローン【金利選択型】 変動
  • 適用金利:0.527%~1.177%
住信SBIネット銀行

  • ネット専用全疾病保障付住宅ローン<当初引下げプラン> 固定10年
  • 適用金利:0.770%

三井住友信託銀行

  • フラット35S<手数料定率コース>金利Aプラン 全期間固定(21年以上)
  • 適用金利:0.910%

(2024年3月1日現在)

7. 住宅ローンの返済額をシミュレーションしてみよう!

住宅ローンの返済額は、ネットで自動計算してくれるサイトがたくさんあります。

たとえば、E-LOANでは借入希望額・金利・返済期間・毎月返済額などの試算ができるので、とても便利です。ぜひ自分で計算してみましょう。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ミライモの記事を毎日チェック!