今回注目するのは住民税についてです。
所得税と住民税は支払う時期が異なります。その為、住宅ローン控除された住民税は翌年度に減税されます。
例えば、2017年度に所得税から引ききれなかった住宅ローン控除は2023年6月から2024年5月にかけて支払う住民税から減税されると言う事です。
ただ、住民税から住宅ローン控除できる金額は136,500円が上限です。
それでも控除しきれない税額がある場合、他に減税できる制度はあるのでしょうか?
あなたは住宅ローン控除を無駄にする事なく減税する方法をこの記事を通して知る事ができます。
実際に、減税できて尚且つ特産品も貰えるあの制度です!なんだかわかりました?
それではみていきましょう。住宅ローン控除と住民税の仕組みを。
目次
1. 住宅ローン控除から住民税が引かれる仕組み
長期優良住宅ではない一般住宅の最大控除額で説明しています。
※長期優良住宅・・・耐震性・居住環境などの条件をクリアしている住宅の事
所得税から引ききれない場合に住民税から引かれる
住宅ローン控除は、所得税から減税されます。所得税から引ききれない分が、住民税から減税されます。
一般住宅の場合、年間最大控除額は40万円となり10年間で400万円が限度とされています。
ただ、年末時点での住宅ローン残高により控除できる金額が異なります。
その為、繰り上げ返済するタイミングが重要で、利息を減らした方が住宅ローン控除するよりお得な場合もあります。
住民税から引かれる住宅ローン控除の限度額
「あなたが住宅を購入した時期は消費税何%でしたか?」それにより、控除される住民税の控除額が決まります。
消費税5%の場合:年間で97,000円が限度額です。
(平成25年1月1日~平成26年3月31日までの人が対象です)
消費税8%の場合:年間で136,500円が限度額です。
(平成26年4月1日以降の人が対象です)
2. 住宅ローン控除とふるさと納税は併用できる?
ずばり「はい。併用できます!」どのような仕組みか見ていきましょう。無駄にならない、お得なお話です。
ふるさと納税をわかりやすく説明
自分が納税をしたい自治体へ寄付金として納税する事で米沢牛やさくらんぼ、いくらやカニなど特産品が貰えます。
それだけでなく、税額控除を受ける事ができるこの制度は、寄付金に自己負担額の2,000円を差し引いた額の税金が安くなります。つまり、2,000円は必ず支払う事になります。
ふるさと納税はどこから差し引かれるのかと言うと、住民税から引かれます。
また、ふるさと納税の上限は「家族構成」「年収」「地域」により異なります。
年収 | 独身・共働き | 夫婦・共働き (お子様1人) |
共働き (お子様1人) |
夫婦 (お子様1人) |
共働き (お子様2人) |
夫婦 (お子様2人) |
300万円 | 27,000円 | 18,000円 | 12,000円 | 9,000円 | 3,000円 | 0円 |
400万円 | 41,000円 | 32,000円 | 26,000円 | 23,000円 | 17,000円 | 8,000円 |
500万円 | 60,000円 | 47,000円 | 42,000円 | 38,000円 | 33,000円 | 24,000円 |
600万円 | 76,000円 | 67,000円 | 60,000円 | 57,000円 | 51,000円 | 39,000円 |
ふるさと納税の限度額に注意して住宅ローン控除と併用する
あなたが支払う税金は、控除される費用が多かったとしても、支払う税金以上の減税(還付)はできません。
その為、住宅ローン控除とふるさと納税を併用する場合は控除できる限度額に注意する事が大切です。
つまり、住民税から住宅ローン控除を差し引いても控除しきれない住民税がある場合ならふるさと納税で節税する事が可能です。
ワンストップ特例制度で確定申告不要!
本来、ふるさと納税は確定申告が必要でした。
しかし、2016年から申請方法が変わり「ワンストップ特例制度」を使うと確定申告する事なくふるさと納税ができます。
ワンストップ特例制度の適用条件は以下の通りです。
- 確定申告をする必要がない給与所得者であること(サラリーマンの人で個人事業主の人は不可)
※年収2,000万円を超える所得者や医療費控除をする人は確定申告が必要です。 - 年間で寄付できる自治体は5つまで
- ふるさと納税の申請書類は申し込む度に自治体へ郵送する
※郵送する書類は、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」「個人番号確認および本人確認書類」
申請期限は、2017年分であれば2024年1月10日着に限ります。
注意するポイントとして、このワンストップ特例制度は地方自治体の納税額を増やすための政策です。
簡単に申請する事ができるとは言え、住宅ローン控除や医療費控除などで控除額が大きくなる人は確定申告をおこないましょう。ワンストップ特例制度を使うと確定申告ができなくなります。
3. 減税額を増やすにはペアローンを組む
ペアローンとは、共働きの夫婦の年収を合算して住宅ローンを借り入れする事です。
旦那様の年収が低い場合、住宅ローン控除を最大限活用する事ができません。その為、旦那様と奥様の両方から住宅ローン控除した方がお得となります。
ただ、年収が高い人はペアローンを組まなくても十分に所得税・住民税から減税する事ができます。
では、お得になる年収とはいくらなのでしょうか?以下をみてみましょう。
住宅ローンの借入額 | ペアローンを組むとお得になる年収 |
2,000万円 | 夫婦どちらか年収の高い方が年収200万円以下 |
3,000万円 | 夫婦どちらか年収の高い方が年収400万円以下 |
4,000万円 | 夫婦どちらか年収の高い方が年収600万円以下 |
4,000万円超え | 年収に関わらずペアローンを組んだ方がお得 |
このペアローンは、夫婦でどれくらいの住宅ローン割合を負担するかが重要となります。
もし奥様に産休・育休で年収が0になる場合があるなら、旦那様の負担割合を多くしておきましょう。
4. 長期優良住宅を建てて減税額を増やす
あなたが住む住宅を、(中古住宅)平成28年2月から長期優良住宅にする事で補助金がでる事になりました。
長期優良住宅は、一般住宅より購入費用が高めです。その為、優遇制度が設けられています。
一般住宅に比べて住宅ローン控除できる金額は500万円となり、登録免許税なども減税されます。
木造一戸建て住宅の場合、長期優良住宅として認められる条件は以下の通りです。
- 100年程度は劣化対策ができている住宅
- 耐震性建築であること
- 住宅を維持していく管理などをしているか
- 省エネルギー性住宅であること
- 居住環境に適した住宅であること
- 原則として住戸面積が75平方メートル以上であること
- 住宅を維持する保全計画将来を見据えた定期的な点検・補修などの計画ができている
別途、共同住宅や一戸建て以外の建物は上記の条件に加え以下の条件があります。
- 可変性の住宅であること(生活環境に応じて間取り変更が可能な措置が講じられていることなど)
- バリアフリー性住宅であること(バリアフリーに対応できるスペースが確保されていることなど)
5. まとめ 所得税と住民税の違い
あなたの年収や控除できる内容によって支払う税金が異なります。つまり、生活環境によって人それぞれ違いがでると言う事です。
「こんなに税金がかかった」とがっくりしているあなたは、還付金が戻ってくる減税方法を知っておくべきだと言う内容でした。
住宅ローン減税は平成33年12月31日までに入居した人が対象となる減税方法で、受けるには条件があります。
これから住宅を取得する人は、以下の記事もみておきましょう。解決策を知りどんな方法がありどんな行動を起こせばいいのかを知る事ができるはずです。